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2017年度上半期(4~9月) 通信機械生産・輸出入概況 ~国内生産は減少が継続、輸出はスマートフォン生産向け部品が好調で増加~

2017年12月13日

一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)では、このたび、2017年度上半期(4-9月)の通信機械生産・輸出入の概況をまとめました。
2017年度の日本経済は、内閣府が12月8日に公表した7-9月期実質GDP[2次速報値]は年率でプラス2.5%と、第1四半期では減速とされた民間設備投資が大きく上振れたことから、1次速報値の年率プラス1.4%より上方修正されました。個人消費のマイナス0.5%や、輸出のプラス1.5%は1次速報値から変わらず、外需が相対的に強い構図が継続しています。
その中で、通信機器市場は、国内生産は2016年度末頃から回復傾向にありましたが、2017年度上期は前年同期と比べて低調となりました。輸出は、部品輸出が米国大手スマートフォン向けなどで2017年度第2四半期から需要増となり、2015年度下期以来(7四半期ぶり)で増加しました。輸入は、国内需要が上向きですが、前年同期とほぼ同等となっています。

I.国内生産動向(経済産業省「生産動態統計調査」からCIAJにて纏め)

(1)2017年度上期の実績

国内生産金額は、2,487億円となり前年同期比10.6%減となりました。携帯電話、交換機やデジタル伝送装置、基地局通信装置が低調なことから、減少しました。

(2)機種別動向

機種別の実績は以下の通りです。

①有線端末機器
288億円(前年同期比11.2%減)。うち電話機17億円(同4.3%減)、ボタン電話装置115億円(同18.4%減)、インターホン150億円(同1.2%減)、ファクシミリ6億円(同3.5%減)となりました。ボタン電話は、2016年度のリプレイス需要が一段落したことから、大きく減少しました。

②移動体端末機器
439億円(前年同期比21.8%増)。うち携帯電話353億円(同34.0%増)、公衆用PHS端末4億円(同123.9%増)となりました。携帯電話は、2016年度第1四半期の端末価格ガイドライン施策などによる需要減少から回復して大きく増加しました。

③有線ネットワーク関連機器
589億円(前年同期比13.6%減)。うち局用交換機24億円(同45.5%減)、構内用交換機64億円(同18.1%減)、デジタル伝送装置193億円(同18.0%減)、その他の搬送装置283億円(同2.1%減)となりました。局用交換機は保守/部品交換の市場規模となり、ボタン電話や構内交換機は、ホテルやオフィスビル開発の新規需要が見込まれますが、システムの小型化傾向で単価ダウンするために、減少傾向にあります。

④無線ネットワーク関連機器
486億円(前年同期比18.6%減)。うち固定通信装置155億円(同4.3%減)、基地局通信装置313億円(同24.2%減)。基地局通信装置は、トラフィック増に対する設備増強により需要は増加していますが、輸入が伸びているため、国内生産は大幅に減少しました。

⑤ネットワーク接続機器
188億円(前年同期比28.5%増)。ネットワーク関連の需要が好調なため、国内生産も好調で、2016年度下期から継続して増加しています。

⑥有線部品(有線機器用リレー、中継器用など)
137億円(前年同期比2.6%増)。米国大手スマートフォン向けのハイエンド端末用部品などが、立ち上がりが遅いですが好調なため、2016年度下期から増加しています。

図表1-1 2017年度の生産総額(半期別)
図表1-2 2017年度の生産総額(四半期別)

II.輸出動向(財務省「貿易統計」からCIAJにて纏め)

(1)2017年度上期の実績

輸出総額は2,421億円(前年同期比9.9%増)となり、円高となった2016年度上期との対比では多くの機種で輸出増になっています。携帯電話が米国向け輸出で大幅に増加しています。基地局は国内での需要増に対して輸出がさらに減少しています。部品は米国大手スマートフォン向けのハイエンド端末用部品などが好調で、2年振りに同比で増加しました。

(2)機種別動向

機種別の実績は以下の通りです。

①電話機及び端末機器71億円(前年同期比230.7%増)
内訳は、携帯電話58億円(同723.6%増)、ファクシミリ0.3億円(同69.4%減)、コードレスホン2億円(同83.6%増)、その他11億円(同10.0%減)

②ネットワーク関連機器719億円(同4.5%減)
内訳は、基地局30億円(同56.2%減)、データ通信機器660億円(同0.2%減)、その他ネットワーク関連機器29億円(同22.4%増)

③部品(有線系・無線系の合計)1,630億円(同14.2%増)

図表2-1 輸出動向(機種別)
図表2-2 輸出動向(機種別、四半期別)

(3)地域別実績

アジア向けが1,814億円(前年同期比12.0%増)、うち中国向けは953億円(同2.0%減)。北米向けが343億円(同11.1%増)、うち米国は338億円(同11.5%増)。欧州191億円(同1.8%増)、うちEU 171億円(同0.1%増)。米国向け携帯電話の輸出が同比で4,243%増と急増しています。中国向け部品は、部品輸出全体の50.7%(同比7%減)まで減少しており、中国国内向けのスマートフォンの生産調整や、中国以外のアジアへのスマートフォン生産シフトが影響しています。

(4)地域別構成比

1位 アジア 74.9% (前年同期比 +4.5%)
2位 北米 14.2% (同 +1.7%)
3位 欧州 7.9% (同 -2.1%)
その他地域 3.0% (同 -0.7%)
図表3-1 輸出動向(地域別)
図表3-2 輸出動向(地域別、四半期別)

III.輸入動向(財務省「貿易統計」からCIAJにて纏め)

(1)2017年度上期の実績

輸入総額は11,597億円(前年同期比0.9%増)となり、同比では2016年度下期から継続して増加しています。携帯電話は、輸入全体の57%を占めていますが、米国大手スマートフォンの立ち上がりが遅いことなどが影響して、同比11.9%減と減少しています。基地局は、国内での需要増に合わせて金額は小さいものの同比133.2%増と増加しました。

(2)機種別動向

機種別の実績は以下の通りです。

①電話機及び端末機器6,605億円(前年同期比11.7%減)
内訳は、携帯電話6,519億円(同11.9%減)、ファクシミリ26億円(同15.0%増)、コードレスホン26億円(同10.8%増)、その他34億円(同5.9%増)。

②ネットワーク関連機器3,365億円(同25.8%増)
内訳は、基地局243億円(同133.2%増)、データ通信機器3,028億円(同21.8%増)、その他ネットワーク関連機器94億円(同12.0%増)。

③部品(有線機器と無線機器用部品の合計)1,626億円(同21.9%増

図表4-1 輸入動向(機種別)
図表4-2 輸入動向(機種別、四半期別)

(3)地域別実績

アジアからが10,876億円(同0.5%増)、うち中国は8,476億円(同8.2%減)。北米からは382億円(同12.7%増)、うち米国374億円(同14.6%増)。欧州からは164億円(同3.0%増)、うちEU 158億円(同1.6%増)。

(4)地域別構成比

1位 アジア 93.9% (前年同期比 -0.1%)
2位 北米 3.3% (同 +0.2%)
3位 欧州 1.4% (同 -0.1%)
その他地域 1.5% (同 ±0%)
図表5-1 輸入動向(地域別)
図表5-2 輸入動向(地域別、四半期別)

IV.受注・出荷動向(CIAJ自主統計「受注・出荷統計」より)

(1)2017年度上期の実績

2017年度第上期のCIAJ自主統計受注・出荷総額は8,423億円で、前年同期比3.6%増となりました。このうち、国内出荷は6,473億円の同比2.1%増、輸出が1,950億円の同比9.2%増となりました。

(2)機種別動向

機種別の実績は以下の通りです。

①有線端末機器 3,144億円(前年同期比2.6%増)
パーソナルファクシミリ複合機、ビジネスファクシミリ複合機ともに好調で同比で増加しました。

②移動体端末機器 2,955億円(同比21.5%増)
携帯電話が、2016年度上期の端末購入ガイドラインの影響による落ち込みとの対比で、大幅に増加しました。

③有線ネットワーク関連機器 715億円(同比13.1%減)
PONやメディアコンバータ―、WDM伝送装置が同比で上回っています。

④無線ネットワーク関連機器 1,197億円(同比15.1%減)
衛星系通信装置は好調で同比で増加、地上系通信装置は同比で微増、反面、基地局通信装置が同比で減少しました。

⑤その他ネットワーク関連機器 195億円(同比0.5%減)
ルーターが同比で減少、LANスイッチが増加しています。

⑥通信機器用部品 217億円(同6.1%増)

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