> > > > プレスリリース 2018 > 通信機器中期需要予測[2018-2023年度]を発刊 ~Society5.0の実現に貢献する5G技術やIoTサービスにより、通信機器需要は2023年まで緩やかに増加~

お知らせ

通信機器中期需要予測[2018-2023年度]を発刊 ~Society5.0の実現に貢献する5G技術やIoTサービスにより、通信機器需要は2023年まで緩やかに増加~

2018年12月12日

一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(以下、CIAJ)は、この度、我が国の通信機器市場に関する中期需要予測[2018年度~2023年度]を取りまとめ、発刊いたしました。日本社会でSociety5.0の実現に向けて大きな貢献を果たす第5世代移動通信システム(5G)や人工知能(AI)の技術やIoT(Internet of Things)のサービス等によって、新たな需要が生み出される通信端末機器や通信インフラ設備についての需要予測と技術サービス動向を解説しています。

近年の通信機器市場では、携帯電話などの買い替えサイクルの長期化や、家庭用電話機やビジネス機器の利用頻度低下による需要の減少、また第5 世代移動通信システム(5G)の開始に向けた移動通信システムの変革期であるために設備投資も低調となり、市場低迷が続いていることから2018年度はマイナス成長の見通しです。

2019年度以降は、IoTサービス、5Gスマホ、自動運転、ロボット、AIの新たな技術やサービスを取り込んだSociety5.0の実現によって、便利で質の高い生活の実現から消費が拡大し、また少子高齢化や生産人口減少などの社会的課題も解決されます。この中で、社会基盤となる通信端末機器や通信インフラ機器の新たな需要も増加し、国内の通信機器市場は2023年に向けて緩やかな増加に向かうと予測しています。

I.概 要

日本経済は、2017年度は穏やかな回復基調が続き、自動車や携帯電話などの個人消費が伸びたとともに、企業の設備投資では通信機械等への支出は減少したものの生産用機械への支出が増加しました。輸出も海外景気の回復で自動車・携帯電話向けの電子部品が堅調に推移したことにより、2017年度の実質GDP 成長率は1.6%で3年連続のプラス成長となりました。2017年度の通信機器市場は、スマートフォンが買い替え時期と重なって需要が増加し、インターネット関連もデータセンターの新設投資などにより需要が増加、さらに海外景気の回復からビジネス関連も好調で輸出額が増加したことから、通信機器需要総額は3兆6,378億円(2016年度比2.9%増)となりました。

2018年度の日本経済は、景気が緩やかに回復している中で、2018年度の実質GDP成長率の見通しでは年率1.0%(11月時点の民間研究機関9社の平均)と成長が鈍化しています。この環境下で2018年度の通信機器市場は、買い替えサイクルの長期化により端末機器の需要が減少し、5Gの開始に向けた移動通信システムの変革期であるために設備投資も低調なことから、2018年度の通信機器の需要総額は3兆5,189億円(2017年度比3.3%減)になると見込んでいます。このうちで、機種別は、LAN スイッチ、固定通信装置が増加すると予測しています。

2019年度以降は、Society5.0の実現による新たな需要が見込まれ、需要拡大期に入ると期待されており、2023 年度の通信機器の需要総額は3兆8,213億円(2017年度比5.0%増)となると見込んでいます。機種別は、モバイル通信端末、基地局通信装置、LANスイッチ、固定通信装置が2017年度と比較して増加すると予測しています。

II.2017 年度の実績(本誌:第2章)

2017年度の国内の通信機器需要総額は3兆6,378億円(前年度比2.9%増)、国内金額は3兆1,997億円(同比2.4%増)、輸出金額は4,381億円(同6.7%増)となりました。

  1. コンシューマ関連機器の需要総額:2兆1,127億円(前年度比11.6%増)

    携帯電話(スマートフォンを含む)の2017年の世界市場は、38兆5,392億円(前年比2.9%増)と円ベースでは拡大となっていますが、世界的な出荷台数の頭打ちにより、ドルベースでは3,434億8,700万米ドル(前年比0.3%減)と減少しています。
    国内市場でも同様に、買い替えサイクルの長期化等により、モバイル通信端末(スマートフォン、フィーチャーフォン、モバイルWi-Fiルーター、M2Mモジュールの合計)の2016年度の国内金額は1兆7,966億円(前年度比4.3%減)、輸出金額は400億円(同26.7%減)と減少しました。
    また、日系メーカーのグローバル生産・出荷の活動実態を把握するために2016年実績フロー調査(図表②)を行なった結果、日系メーカーの海外生産は1兆2,316億円となって生産全体1兆3,817億円の89%を占めており、このうち、海外生産・海外出荷(Out-Out)が8,158億円あり、2016年は欧米など先進国における出荷台数が頭打ちになったものの、高価格帯にフォーカスしたOut-Outは高水準を維持しました。

    コードレスホン・パーソナルファクシミリ・パーソナルファクシミリ複合機の分野は、加入電話契約数の継続的な減少、スマートフォンやタブレット端末等モバイル端末の普及により、2016年度の国内金額は301億円(同7.7%減)、輸出金額は258億円(同8.2%減)となりました。

  2. ビジネス関連機器の需要総額:5,397億円(前年度比2.3%増)

    ボタン電話装置・PBX・事業所用コードレスホンの分野は、買い替え需要が中心ですが、固定電話サービスの需要の縮小、音声トラフィックの減少に伴う機器の買い替えの長期化等により、2017年度の国内金額は704億円(同10.1%減)となりました。また、輸出金額は200億円(同36.5%減)となりました。

    ビジネスファクシミリの分野は、需要が一巡して2017年度の国内金額は1,907億円(同7.7%減)となりました。輸出では専用機から複合機への移行が進んでおり、輸出金額は2,585億円(同22.5%増)となりました。

  3. インフラ関連機器の需要総額:5,261億円(前年度比19.7%減)

    地上系固定通信装置は、通信事業者の設備投資の減少等により、2017年度の国内金額は433億円(前年度比5.0%減)となりました。輸出では世界市場でのシェア競争が激化して価格競争が進んでいますが、LTE/4G携帯電話サービス向けバックホール需要の増加があり、輸出金額は252億円(対前年度比19.4%増)となりました。

    衛星系固定通信装置は、準天頂衛星向けなど計画通りの需要によって、2017年度の国内金額は1,071億円(同4.9%増)となり、一方で、輸出金額は58億円(同31.0%減)となりました。

    局用交換機、デジタル伝送装置、基地局通信装置は、PSTN(Public Switched Telephone Network)マイグレーションの影響や、移動通信システムの変革期のために設備投資の低調な状況が継続していることから、2017年度の国内金額は3,204億円(同28.6%減)、輸出金額は244億円(同16.0%減)となりました。

  4. インターネット関連機器の需要総額:2,850億円(前年度比2.0%減)

    キャリア向けLANスイッチでは、先進国を中心にキャリアのトラフィック増加対策としての需要拡大があり、2017年の世界市場は2,707億円(前年比4.9%増)、ドルベースでは24億1,300万米ドル(前年比1.7%増)の増加となりました。また、企業向けLANスイッチでは、世界的な高速・大容量通信への対応やIoT化の進展による利用領域の拡大などによって需要が拡大しており、2017年の世界市場は2兆7,975億円(前年比11.9%増)、ドルベースでは249億3,300米ドル(前年比8.5%増)の増加となりました。

    国内市場は、データトラフィックの増加に対応した通信キャリア向けの設備増強や、クラウドサービスの普及によるデータセンターの新設・拡張に伴う需要が継続しており、2017年度の国内金額(キャリア向け+企業向け)は、1,664億円(前年度比4.5%増)となりました。輸出は、グローバル競争で強みが見出せていません。

    ルーター、光アクセス機器は、モバイルデータトラフィックに対する設備投資や光ファイバーへの設備投資で一巡感があり、2017年度の国内金額は1,186億円(同9.6%減)となりました。

  5. 上記以外のその他の機種/部品の需要総額:1,743億円(同2.8%増)

III.予測の概要(本誌:第3章)

〔1〕2018年度の見通し

2018年度の国内の通信機器需要総額は3兆5,189億円(2017年度比3.3%減)、国内金額は3兆971億円(同3.2%減)、輸出金額は4,218億円(同3.7%減)と予測しました。

  1. コンシューマ関連機器の需要総額:2兆665億円(2017年度比2.2%減)

    モバイル通信端末は、タスクフォースによる過剰な端末値引きの抑制などから、買い替えサイクルの長期化が進んでおり、2018年度の国内金額は1兆9,842億円(前年度比1.9%減)、輸出金額は289億円(同14.9%減)と予測しました。また、コンシューマ市場におけるコードレスホン・パーソナルファクシミリは、利用頻度の低下による買い替えサイクルの長期化から下降傾向が続いており、2018年度の国内金額は254億円(同6.8%減)、輸出金額は280億円(0.9%減)と予測しました。

  2. ビジネス関連機器の需要総額:5,037億円(2017年度比6.7%減)

    ボタン電話装置・PBX・事業所用コードレスホンでは買い替えが中心であるため、2018年度の国内金額は677億円(前年度比3.9%減)、輸出金額は193億円(同3.7%減)と予測しました。ビジネスファクシミリでは、専用機から複合機への移行が進み、輸出は複合機が大部分となるため、2018年度の国内金額は1,844億円(前年度比3.3%減)、輸出金額は2,324億円(同10.1%減)と予測しました。

  3. インフラ関連機器の需要総額:4,813億円(2017年度比8.5%減)

    局用交換機、デジタル伝送装置、固定通信装置、基地局通信装置では、国内は需要一巡を受けて2018年度の国内金額は4,124億円(前年度比12.4%減)と予測しました。輸出は、海外経済の堅調な推移を受けて、基地局通信装置や固定通信装置の輸出が増加すると見込まれるため、輸出金額は689億円(同24.4%増)と予測しました。

  4. インターネット関連機器の需要総額:2,897億円(2017年度比1.6%増)

    ルーター、LANスイッチ、光アクセス機器の国内市場は、データセンター向け設備の好調さが継続するとして、2018年度の国内金額は2,897億円(前年度比1.6%増)、輸出はほぼゼロと予測しました。

  5. 上記以外のその他の機種/部品の需要総額:1,777億円(同1.9%増)

〔2〕中期展望

2023年度の国内の通信機器需要総額は3兆8,213億円(2017年度比5.0%増)、国内金額3兆3,981億円(同6.2%増)、輸出金額4,232億円(同3.4%減)と予測しました。

  1. コンシューマ関連機器の需要総額: 2兆2,574億円(2017年度比6.9%増)

    携帯電話(スマートフォンを含む)の世界市場は、2019年頃から5Gサービスが開始されることによって需要が拡大し、2022年の売上は3,805億米ドル(CAGR 2.1%、2017年対比)になると予測しました。通信方式別スマートフォンの販売台数(図表②)でも、2020年頃から5Gの商用サービスが広く展開されるようになると予想され、2022年の販売台数のうち、5G対応デバイスは全体の23.6%を占めると予測しました。

    国内市場のモバイル通信端末は、買い替えサイクルの長期化が進み、さらに2018年度後半から政府の値下げ議論をもとに端末と通信の料金分離をする動きがあり、需要の伸びが鈍化しています。一方で、2019年度に楽天のMNO参入と既存MNOの対抗策を契機とした販売増加が一定程度見込まれることや、2020年度以降では5G向け新端末の購入の促進が行われることにより増加傾向となると見込んでいます。2023年度の国内金額は2兆1,994億円(2017年度比8.7%増)(図表③)、輸出金額は129億円(同62.1%減)と予測しました。

    また、コードレスホン、パーソナルファクシミリは、使用機会が比較的多い高齢者世帯向けに一定規模の需要が維持されますが、全体としては下落傾向が続くと見込まれ、2023年度の国内金額は183億円(2017年度比32.7%減)(図表④)、輸出金額は268億円(2017年度比5.3%減)と予測しました。

    図表② 携帯電話の世界の通信方式別販売台数図表③ モバイル通信端末の国内金額
    (Source: IHS Markit)
  2. ビジネス関連機器の需要総額:4,764億円(2017年度比11.7%減)

    ボタン電話装置・PBX・事業所用コードレスホンでは、自然災害時の通信確保というBCP対策、介護老人保健施設向けのナースコール、ホテル等宿泊施設向け多言語化、環境配慮型への買い替え等のプラス面があるものの、クラウド化やIP化への移行、スマートフォンへの代替等のマイナス面もあり、2023年度の国内金額は570億円(2017年度比19.0%減)、輸出金額は188億円(2017年度比6.3%減)と予測しました。

    また、ビジネスファクシミリでは、2020年に向けたホテル等の宿泊施設や公共関連施設の増加が見込まれるものの、電子メール等他の情報伝達手段の浸透による利用頻度の低下からの買い替えサイクルの長期化等により国内需要は減少すると見込んでおり、2023年度の国内金額は1,559億円(同18.3%減)と予測しました。輸出では、世界の複合機市場では日系メーカーのシェアは高いものの、中古市場の存在によりシェアを維持するため価格競争となることが想定され、輸出金額は2,447億円(同5.3%減)(図表⑤)と予測しました。

    図表④ コードレスホン・パーソナルファクシミリの国内金額図表⑦ ビジネスファクシミリの輸出金額
  3. インフラ関連機器の需要総額: 6,215億円(2017年度比18.1%増)

    インフラ関連機器は、5G通信サービスの開始によるモバイルトラフィックの増大、4K/8Kコンテンツを含めた大容量コンテンツの普及による通信高速化、データセンター需要の拡大に伴う大容量化、防災情報システム需要増などにより、需要が大幅に増加する見込みです。2023年度の局用交換機、デジタル伝送装置、固定通信装置、基地局通信装置の国内金額は5,459億円(同16.0%増)、輸出金額は756億円(同36.6%増)と予測しました。(図表⑥と⑦)

    図表⑥ デジタル伝送装置の国内金額図表⑦ 地上系固定通信装置の国内金額
  4. インターネット関連機器の需要総額: 3,009億円(2017年度比5.6%増)

    企業向けルーターの世界市場では、新興国におけるインフラ整備拡大は期待されますが、先進国を中心とした仮想化の進展や単価下落により、2022年の通信キャリア向けルーターの売上は27億1,700万米ドルに減少する(CAGR 1,4%減)と予測しました。一方で、企業向けLANスイッチの世界市場では、世界的な高速・大容量通信への対応だけではなく、IoT機器やクラウドサービスの利用拡大による新たな需要が期待され、企業向けLANスイッチの売上は284億300万米ドルに増加する(CAGR 2.6%)と予測しました。

    インターネット関連機器の国内市場では、スマートフォンの普及によるモバイルトラフィックの増加、IoTの進展、それに対応した通信キャリアの設備増強等の需要が見込まれる一方で、競争激化による機器単価やポート単価の下落や、汎用的なハードウェアを利用した仮想化の進展によるマイナス影響もあり、2023年度のルーター、LANスイッチ、光アクセスの国内金額は3,009億円(2017年度比5.6%増)と予測しました。(図表⑧と⑨)

    図表⑧  ルーターの国内金額図表⑨  LANスイッチの国内金額
  5. 上記以外のその他の機種/部品の需要総額:1,651億円(同5.3%減)

IV.情報通信産業関連市場の動向(本誌:第4章)

ICT ソリューション事業など付加価値サービス市場の最新の動向について解説するとともに、「1.今後の情報通信機器市場を取り巻く動向」では仮想化技術や分散処理技術の進展について、「3.ICTの活用で成長が見込まれる消費者サービスの動向」では、AR/VRコンテンツやシェアリングエコノミーの拡大について等を新たに解説しています。

【予測手法】
  • 国内市場の予測は、CIAJの自主統計実績をベースにし、同統計で捉えられない部分は、(株)情報通信総合研究所の協力を頂き、CIAJ会員へのヒアリング等を実施して推定しています。
  • グローバルICT市場予測およびグローバルフローの需要動向では、調査会社IHS Markitの、データと動向解説を引用し、㈱情報通信総合研究所に協力を頂き、動向分析を行っています。
【予測対象機種】
【購入申し込み】
CIAJのホームページ https://www.ciaj.or.jp/ の下部にある「通信機器中期需要予測[2018-2023]」バナーをクリック。
申込みはこちらをクリック
販売価格: 会員外: 19,000円+消費税   [CIAJ会員:6,000円+消費税]

本リリース内容に関する問い合わせ先

市場調査部
TEL:03-5403-9356 FAX:03-5403-9360

広報に関する問い合わせ先

広報部
TEL:03-5403-9351 FAX:03-5403-9360