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2017年度通期(4~3月) 通信機械生産・輸出入概況 ~スマホ国内需要が好調で国内&海外メーカー製の輸入が大幅増。海外景気回復でビジネス機器や部品輸出も増~

2018年5月30日

一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)では、この度、2017年度通期(4-3月)の通信機械生産・輸出入の概況をまとめました。
2017年度の日本経済は、内閣府が5月16日に発表した2018年1-3月期の実質GDP成長率(1次速報値)は年率マイナス0.6%と、9四半期ぶりのマイナス成長となりました。10-12月期と比べて個人消費、民間設備投資、住宅投資の内需が低迷したことが要因ですが、外需がプラス寄与を継続しているために2017年度通期の実質GDPはプラス1.5%となり、企業業績や世界経済の好調さを背景に緩やかな回復傾向が続くとされています。
2017年度の通信機器市場は、国内ではスマートフォンの買い替えによる需要が好調でしたが、通信事業者の設備投資が抑制されてインフラ関連機器の設備投資は低調となり、一方で輸出では海外景気回復などからファクシミリ複合機が好調でした。国内生産は、海外生産への移行が継続しているために前年度比で減少を継続しています。輸出は、国内外で好調であったスマートフォン生産に向けた部品増により、前年度比で増加となりました。輸入も、国内メーカーおよび海外メーカー製のスマートフォン需要が好調で、その他の機種も増加したため、前年度比で増加となりました。

I.国内生産動向(経済産業省「生産動態統計調査」からCIAJにて纏め)

(1)2017年度の実績

4月~3月の国内生産金額は5,182億円となり、前年度比では24.4%減となりました。好調なスマートフォンの生産は海外シフトが進むとともに、国内では一般企業や通信事業者の設備投資が低迷しているためにビジネス関連機器や有線・無線インフラ関連機器の需要も一段落しており、国内生産は前年度よりも大きく減少しました。

(2)機種別動向

機種別の4月~3月の実績は以下の通りです。

①有線端末機器
577億円(前年度比8.3%減)。うち電話機31億円(同5.1%減)、ボタン電話装置222億円(同13.5%減)、インターホン312億円(同13.5%減)、ファクシミリ12億円(同11.0%減)となりました。

②移動体端末機器
1,710億円(前年度比39.0%減)。うち携帯電話1.030億円(同30.3%減)、公衆用PHS端末14億円(同20.4%増)となりました。携帯電話は、スマートフォンへの買い替えによる需要が好調ですが、国内で生産される携帯電話は減少が継続しています。一方、輸入実績からは携帯電話1兆9,706億円(同15.8%増)と海外からの流入分が増加しています。

③有線ネットワーク関連機器
1,229億円(前年度比13.5%減)。うち局用交換機62億円(同29.2%減)、構内用交換機119億円(同25.2%減)、デジタル伝送装置389億円(同16.0%減)、その他の搬送装置598億円(同4.0%減)となりました。大規模/中規模オフィスビルの供給が2018年度へ後ろ倒しとなったため、ビジネス関連機器やネットワーク関連機器が低調となりました。今後3年間はボタン電話や構内交換機、ファクシミリなどの新規需要が見込まれますが、単価低下もあって、需要全体は漸減傾向にあります。

④無線ネットワーク関連機器
1,018億円(前年度比26.7%減)。うち固定通信装置431億円(同2.3%増)、基地局通信装置587億円(同39.4%減)。固定通信装置では、海外新興国に向けた地上系マイクロ波通信装置が順調で、準天頂衛星などの国内衛星打ち上げが順調なために増加しました。基地局通信装置は、高速化に対する設備増強が一段落して大幅減少しました。

⑤ネットワーク接続機器
363億円(前年度比5.9%増)。携帯電話のLTE基地局投資が完了した2015年度以降でほぼ横ばいの状況です。

⑥有線部品(有線機器用リレー、中継器用など)
284億円(前年度比7.1%増)。国内メーカーや米韓大手メーカー向けにスマートフォン生産用部品が大幅に好調であったため、前年度比で増加しました。

図表1-1:生産総額(機種別)
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図表1-2:生産総額(機種別、四半期別)
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II.輸出動向 (財務省「貿易統計」からCIAJにて纏め)

(1)2017年度の実績

4月~3月の輸出総額は5,551億円となり、第4四半期はアジアでのスマートフォン需要が一段落したためにスマートフォン生産部品を中心とした輸出は従来の伸びが鈍化しましたが、年間を通してスマートフォンの国内や海外需要の好調さから、輸出は前年度比で19.6%増となりました。電話機及び端末機器では、2017年度から米国向け携帯電話が増加しています。ネットワーク関連機器では、基地局が世界市場でのLTE需要が一段落したために大幅に減少しました。データ通信機器は、中国を除くアジア新興国が前年度比で減少しましたが、ほぼ例年通りの需要規模で推移しています。部品は、国内メーカーや米韓大手メーカー向けにスマートフォン生産用部品が好調であったため、前年度比で大幅に増加しました。

(2)機種別動向

機種別の4月~3月実績は以下の通りです。
(ファクシミリは2018年1月から廃止となり、1Q~3Q合計を記載)

①電話機及び端末機器179億円(前年度比323.1%増)
内訳は、携帯電話150億円(同886.2%増)、ファクシミリ1億円(-%)、コードレスホン4億円(同53.9%増)、その他24億円(同5.3%増)

②ネットワーク関連機器1,504億円(同5.3%減)
内訳は、基地局72億円(同42.1%減)、データ通信機器1,380億円(同2.5%減)、その他ネットワーク関連機器52億円(同3.9%増)

③部品(有線系・無線系の合計)3,868億円(同28.4%増)

図表2-1:輸出動向(機種別)
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図表2-2:輸出動向(機種別、四半期別)
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(3)地域別実績

地域別の4月~3月実績では、アジア向けが4,245億円(前年度比22.3%増)、うち中国向けは2,196億円(同8.7%増)。北米向けが721億円(同11.3%増)、うち米国は710億円(同11.8%増)。欧州418億円(同11.6%増)、うちEU 366億円(同8.5%増)。中国向け部品が部品輸出全体に占める割合は、2015年度が70.5%、2016年度が60.3%でしたが、2017年度は50.4%まで減少しています。その背景として、中国国内ではスマートフォンが頭打ちとなって生産が低迷したとともに、中国以外のアジアでのスマートフォン生産が進んでいます。米国向け携帯電話は122億円(同10,156.8%増)で年間を通して増加しました。

(4)地域別構成比

1位アジア75.6%(前年構成比 +1.8%)
2位北米13.0%(同 -0.9%)
3位欧州7.5%(同 -0.6%)
その他地域3.0%(同 -0.3%)
図表3-1:輸出動向(地域別)
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図表3-2:輸出動向(地域別、四半期別)
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III.輸入動向 (財務省「貿易統計」からCIAJにて纏め)

(1)2017年度の実績

4月~3月の輸入総額は2兆9,581億円となり、国内のスマートフォン需要が好調なことなどから前年度比では12.5%増となりました。携帯電話は、第3四半期での中国からの米国スマホ新製品の出荷が好調であったのに加え、新年度に向けた買い替えが進んだため、前年度比で増加しました。国内でのLTE需要は一段落していますが、基地局やデータ通信機器が前年度比で増加しています。また、2018年1月から、データ通信機器の内数として「スイッチング機器及びルーティング機器」と「その他」に分割されたことにより、今後、仮想化・ソフトウェア化が重視されていく「スイッチング機器及びルーティング機器」の市場動向を、輸入統計の面からより具体的に把握できるようになります。

(2)機種別動向

機種別の4月~3月実績は以下の通りです。
(ファクシミリは2018年1月から廃止となり、1Q~3Q合計を記載)

①電話機及び端末機器1兆9,706億円(前年度比15.6%増)
内訳は、携帯電話1兆9,542億円(同15.8%増)、ファクシミリ39億円(-%)、コードレスホン59億円(同14.2%増)、その他65億円(同6.6%減)。

②ネットワーク関連機器6,761億円(同8.5%増)
内訳は、基地局421億円(同23.9%増)、データ通信機器6,132億円(同7.3%増)、その他ネットワーク関連機器208億円(同16.8%増)。

③部品(有線機器と無線機器用部品の合計)3,115億円(同2.4%増)

図表4-1:輸入動向(機種別)
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図表4-2:輸入動向(機種別、四半期別)
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(3)地域別実績

地域別の4月~3月実績では、アジアからが2兆8,118億円(同13.3%増)、うち中国は2兆2,671億円(同6.7%増)。北米からは759億円(同4.4%増)、うち米国737億円(同5.7%増)。欧州からは359億円(同0.6%増)、うちEU 347億円(同0.6%増)。

(4)地域別構成比

1位アジア93.4%(前年構成比 -0.8%)
2位北米3.1%(同 +0.3%)
3位欧州1.2%(同 +0.6%)
その他地域1.4%(同 -0.2%)
図表5-1:輸入動向(地域別)
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図表5-2:輸入動向(地域別、四半期別)
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IV.受注・出荷動向(CIAJ自主統計「受注・出荷統計」より)

(1)2017年度の実績

4月~3月のCIAJ自主統計受注・出荷総額は1兆7,740億円で、前年度比3.0%減となりました。このうち、国内出荷は1兆3,666億円の同比6.2%減、輸出が4,074億円の同比9.7%増となりました。
※自主統計受注・出荷=CIAJ会員のうち国内メーカーの受注・出荷額(国内生産額+海外生産した輸入額)

(2)機種別動向

機種別の4月~3月実績は以下の通りです。

①有線端末機器  6,483億円(前年度比2.6%増)
インターホン、国内向けのビジネスファクシミリ、海外向けのパーソナル/ビジネスファクシミリ複合機が好調なため、前年度比で増加しました。

②移動体端末機器  6,256億円(同比4.8%増)
携帯電話では、新製品ラインアップに加えて、買い替えが進んだことから需要が堅調で、同比で増加しました。

③有線ネットワーク関連機器  1,375億円(同比18.7%減)
WDM伝送装置、変復調装置が同比を上回っていますが、通信事業者の設備投資が低迷したため、有線ネットワーク全体では同比で減少しました。

④無線ネットワーク関連機器  2,842億円(同比18.8%減)
地上系通信装置が官公庁向けや輸出で好調、衛星系通信装置が国内での衛星打ち上げ需要で増加しましたが、基地局通信装置がLTE需要が一段落して大幅に減少したため、無線ネットワーク全体では同比で減少しました。

⑤その他ネットワーク関連機器  377億円(同比5.6%減)
ルーターとLANスイッチは、官公庁や通信事業者向けが低調で、同比で減少しています。

⑥通信機器用部品  408億円(同0.5%減)

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