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令和6年度 携帯電話におけるリサイクルの取り組み状況について ~リサイクル認知度は向上するも「リユースや端末継続保有」が影響し回収量、回収率は低下~

2025年12月17日

一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)と一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)は、「モバイル・リサイクル・ネットワーク(MRN)」として携帯電話・PHSにおける資源の有効利用について取り組んでいます。

TCAでは携帯電話事業者等の協力を得て、平成13年4月からMRNを立ち上げ、サービス提供事業者、製造メーカーに関係なく、使用済みの携帯電話の本体、電池、充電器を全国約8,600店舗ある専売店を中心に、自主的に回収する活動を推進しており、令和6年度(2024年度)までに累計で約1億5,770万台の端末を回収しています。

また、リデュース(抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再資源化)については、CIAJが製造メーカーにおける3R活動推進の指針として「携帯電話・PHSの製品環境アセスメントガイドライン」を平成13年3月に制定し運用しています。

今般、令和6年度のリサイクル実績に関する取りまとめが完了しましたのでお知らせ致します。

1.令和6年度リサイクル実績と再資源化状況について

(1)リサイクル実績について

令和3年度 令和4年度 令和5年度 令和6年度
回収台数(千台) 回収重量(t) 回収台数(千台) 回収重量(t) 回収台数(千台) 回収重量(t) 回収台数(千台) 回収重量(t)
本体 3,867 430 3,481 406 3,633 397 3,164 374
電池 3,438 120 3,352 109 3,822 137 3,548 119
充電器 1,313 84 693 78 615 85 937 61

(*注)充電器とはACアダプタ・卓上ホルダ等を示す。

令和6年度の本体の回収台数は、前年度実績から約47万台の減少となりました。

通信機器として使わなくなったスマートフォン等を別の用途を目的として長期保管したり、リユース向けの売却等の手段が一般化してきたこともあり、減少傾向となっております。

(参考)年度別回収実績の推移(過去10年、単位:千台)

(2)再資源化状況について

端末に含まれる金属は、鉄、アルミニウム、マグネシウム、金、銀、銅などですが、金、銀、銅、パラジウムなどの金属は素材に戻し、再利用をしています。精錬の過程で発生するスラグは路盤材、湾岸施設(テトラポット中込材)などに利用されています。

また、金属以外の素材(プラスチック、ガラスなど)についてもリサイクル処理を実施しています。プラスチックは低温溶解により樹脂材となり、ハンガー等の日用品、プラスチック収納容器、玩具の筐体等に利用されています。

(3)自主的な数値目標に係る実績について

事業者によるリサイクル活動を推進するため、平成21年度から、自主的な数値目標を設定致しました。各数値目標に係る令和6年度の実績は、以下の通りとなりました。

指 標 目 標 実 績 前年度(参考)
① リサイクル活動の認知度 70%(*1) 53.2% 44.4%
② マテリアルリサイクル率 70%(*2) 71.2% 73.2%
③ 回収率 20%(*3)(*4) 7.0% 9.4%

(*1) 「利用者の意識・行動に関するアンケート調査」により評価
(*2) MRNとしての端末本体のマテリアルリサイクル率(回収した端末から採取できる金属等の リサイクル率:熱回収分は除いている)
(*3) 事業者全体の回収率 =「事業者全体の専売店等でのリサイクル目的の回収台数」÷(「専売店等での機種変更」+「任意解約数」)
(*4) 回収率目標については、リユース目的の下取りの増加を考慮し、平成29年度から見直した。

今回、回収率は7.0%で、前年度から2.4ポイントの減少となりました。端末機能の高度化,多様化により端末価格は上昇傾向にあります。このため、契約解除後の無線LAN等での二次利用や、保存したいデータの保有目的として端末を保持し続ける利用者も多く、店頭でのリユースを目的とした下取りも一定の割合で存在する中、回収率の増加は難しい局面を迎えております。

2.利用者の意識・行動に関するアンケート調査結果について

リサイクルに関する実態を調べるため、携帯電話利用者約2,000人に対するアンケート調査を実施しました。調査結果の概要は以下の通りです。

  1. スマートフォンなどの携帯電話端末の購入については新品の購入が最も多く、また4年以上、2年以上での買い替えを行う人が全体の80%以上を占めており、新しく端末を購入し、2年から4年ほど使用する傾向が調査から分かりました。
  2. 使用していたスマートフォンなどの携帯電話端末は、リサイクル/下取りで処分した人が約30%であり、多くの人が処分せずに継続利用もしくは所持し続けることが調査から分かりました。なお、リサイクル/下取りについては、携帯ショップで処分してもらう人が極めて多い結果(約70%)となっています。
  3. リサイクルした理由(複数回答)としては、「新しく購入する端末が値引きされるから」(約40%)や、「貴金属を再利用し、資源を無駄にしないため」(約30%)であり、スマートフォンなどの携帯電話端末を継続利用するもしくは所持し続ける理由としては、「保存しておきたいデータ(写真、メール、コンテンツ等)があるため」(約35%)のほか、「個人情報やデータの漏えいが心配」(約20%)でした。傾向としては、携帯電話各社が展開する下取り施策に伴いスマートフォンなどの携帯電話端末を下取りに出す人が一定数いる一方、今まで利用してきたサービスや残しておきたいデータのために端末を手放さない人が増加していることが見て取れます。
  4. MRNによるリサイクルに関する認知度は、前年度調査(約45%)より大きく向上(約55%)となりました。これは、昨今のリチウムイオン電池の発火事件等、世間的な注目も高まっていることから、認知が進んだことが推測されます。

3.リサイクル向上に向けた今後の対応について

調査結果にも表れているとおり、最近の傾向として、携帯電話事業者が提供する下取り施策の展開、利用者によるスマートフォンなどの携帯電話端末の継続利用もしくは継続所持の意向増加により、リサイクルに関しては促進が難しい状況となりつつあることが示されております。一方で、リサイクルを行わない理由として「個人情報やデータの漏えいが心配」といった理由が上がっていることからも、周知・案内に関する改善の余地は残されているものと考えられます。リサイクルに関する認知度が向上していることからも、利用者の適切な判断を導き出せるよう、より適切な周知・案内の実施を心がけてまいります。

4.「モバイル・リサイクル・ネットワーク」への参加企業について(2025年10月9日現在)

<通信事業者>
株式会社NTTドコモ
KDDI株式会社、沖縄セルラー電話株式会社
ソフトバンク株式会社
楽天モバイル株式会社
<販売会社>
株式会社エディオン
<業界団体>
一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
一般社団法人 電気通信事業者協会

専用ロゴマーク

URL: https://www.tca.or.jp/mobile-recycle/

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