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2025年度第1四半期(4-6月) 通信機械生産・輸出入概況 ~スマートフォンが牽引し、国内市場は順調な滑り出し~

2025年9月10日

一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)では、2025年度第1四半期(4-6月)の通信機械生産・輸出入の概況をまとめました。

  • 国内市場規模(=国内生産金額-輸出金額+輸入金額:部品除く)は8,704億円となり、前年同期比12.0%増。国内生産今期もスマートフォン輸入の拡大基調は変わらない中で、国内生産がネットワーク関連機器を中心に回復傾向が見られた。
  • 国内生産金額は744億円となり、前年同期比2.4%増。インターホン、搬送装置(デジタル伝送装置含む)、固定通信装置、ネットワーク接続機器が牽引し、3四半期連続で増加。
  • CIAJ受注・出荷統計(=国内出荷+輸出)の実績は2,495億円となり、前年同期比1.3%増。国内出荷は無線ネットワーク関連機器の官庁向け需要が好調、輸出はファクシミリや基地局通信装置は伸長したが、デジタル伝送装置や固定通信装置が下振れし、全体では減少。

I.日本経済の概況

2025年度4月~6月の日本経済は、実質GDP成長率(2次速報値:9月8日)が物価変動の影響を除いた実質で前期比0.5%増、年率換算で2.2%増となりました。内需の柱の個人消費が0.4%増で、猛暑で外食利用が進んだ他、ゲームソフト、パソコンの消費が好調でした。一方、企業の設備投資はソフトウェア投資が減少し0.6%増にとどまりましたが、高水準の企業収益が続いていることにより、デジタル・省力化投資、研究開発投資などによる押し上げもあり、設備投資は緩やかな増加傾向が続いています。外需は、輸出が2.0%増、輸入は0.6%増となりました。トランプ関税が発動されるという下押し要因はあったものの、内外需とも目立った悪化はみられず、景気は4-6月期も緩やかな回復傾向を保ちました。

II.通信機器市場の全体概況

2025年度第1四半期の通信機器市場では、端末機器の国内市場規模はスマートフォンの輸入拡大に伴い増加しました。ネットワーク関連機器の方は5四半期ぶりに減少したものの、通信インフラの強靭化や旺盛なデータセンター需要を見据え、国内キャリアの投資が回復しつつあります(生産、輸入において、一部機種が増加傾向)。基地局通信装置では、全国の5G人口カバー率の政府整備目標は一旦達成されましたが、モバイルキャリア全社の合算ということで各社レベルでは追加投資の余地が残されていることや、先般、総務省より「デジタルインフラ整備計画2030」が公表されたことを鑑み、新たなデジタルインフラやデジタル技術の活用を支えるネットワーク環境の構築を官民一体でより一層推進することが求められております。

尚、今期の概況については、トランプ関税の悪影響はまだ顕在化されておりませんが、先行き不透明な部分があり、日本政府とも密に連携し、グローバル展開に取り組む必要があります。

(1)国内市場動向

2025年度第1四半期の国内市場金額(=国内生産金額-輸出金額+輸入金額:部品除く)は8,704億円となり、前年同期比では12.0%増となりました。主要海外メーカー製のスマートフォンの輸入拡大と国内生産の増加により、国内市場金額は増加しました。

(2)国内生産動向

2025年度第1四半期の国内生産金額は744億円、前年同期比では2.4%増となりました。新機能搭載型インターホン、搬送装置(デジタル伝送装置含む)は国内キャリアの投資に回復傾向が見られ、増加しました。防災対策や災害復旧需要が後押しする固定通信装置、データセンター建設やトラフィック増に伴いネットワーク接続機器などが上振れしたため、国内生産金額は増加しました。

尚、基地局通信装置は、今期の金額は前年同期比減でしたが、数量は増加しており、受注(CIAJ自主統計)や輸出の増加に連動し、生産が回復傾向にあります。

(3)輸出動向

2025年度第1四半期の輸出総額は611億円、前年同期比では16.5%減となりました。国内メーカー製スマートフォンの低迷は継続しており、特に今期はデータ通信機器と部品が下振れしたため、輸出総額は大幅に減少しました。

(4)輸入動向

2025年度第1四半期の輸入総額は8,710億円、前年同期比では10.4%増となりました。データ通信機器や部品が減少しましたが、国内のスマートフォン需要は今期も旺盛で、輸入総額は大幅に増加しました。スマートフォンの増加がほぼ輸入全体の増加を押し上げている構図になっています。

III.受注・出荷動向

CIAJ会員の国内メーカーによる受注・出荷の第1四半期の実績は2,495億円で、前年同期比1.3%増となりました。このうち、国内出荷は1,974億円の同比4.5%増、輸出は520億円の同比9.5%減となりました。

国内出荷では、有線端末機器、有線ネットワーク関連機器などが減少しましたが、無線ネットワーク関連機器の固定通信装置の官庁向け需要が大幅増となり、全体では前年同期比で増加しました。輸出はファクリミリ、基地局通信装置、その他ネットワーク関連機器(ルーター、LANスイッチ)が増加しましたが、デジタル伝送装置、固定通信装置が減少したため、全体では前年同期比で減少しました。

※CIAJ受注・出荷統計 = CIAJ会員の国内メーカーの受注・出荷額
( = 国内出荷額+輸出額 = 国内生産額+海外生産した輸入額 )

詳細版はこちらをご参照下さい [PDF:2.7MB]

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