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2018年度上半期(4~9月) 通信機械生産・輸出入概況 ~5Gに向けた通信インフラの変革期で生産・輸出は低迷しているが、5G/IoTなど成長分野への対応途上~

2018年12月12日

一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)では、2018年度上半期(4-9月)の通信機械生産・輸出入の概況をまとめました。

2018年度の日本経済は、内閣府が11月14日に発表した7-9月期の実質GDP成長率(1次速報値)は年率1.2%減と2四半期ぶりにマイナス成長となりましたが、その主要因は、自然災害などの影響によって個人消費が低迷し、施設被害で輸出も減少したためです。高水準の企業収益、労働力不足や設備老朽化を背景にして設備投資が好調に推移し、内需に貢献していますが、現在の景気を支えているのは外需であるために、海外経済の減速、特に中国経済減速や通商問題によって輸出の伸びが減速傾向になることは、日本経済が低迷するリスクとなります。

この中で通信機器市場は、買い替えサイクルの長期化で端末機器の需要が減少し、5G開始に向けて通信インフラの変革期であるために通信ネットワーク関連設備への投資も低調となり、輸出も海外経済の減速によって低迷しています。国内生産額は、海外生産への移行が継続しているために前年同期比で減少を継続していますが、国内市場規模額は、2016年度上半期と2017年度上半期を上回りました。

I.国内生産動向(生産動態統計と貿易統計からCIAJにて纏め【新規掲載】)

(1)2018年度上半期の実績

生産動態統計と貿易統計から「国内市場規模=国内生産金額-輸出金額+輸入金額」として、国内市場規模を算出しました(海外メーカーの輸入額も含みます)。4月~9月の国内市場金額は1兆2,067億円となり、前年同期比では3.9%増と増加しています。

(2)機種別動向(参照:図表1-1)

機種別の4月~9月の実績は以下の通りです。

①端末機器:8,440億円(前年同期比10.5%増)
②ネットワーク関連機器: 3,627億円(前年同期比8.7%減)

図表1-1:国内市場(機種別、半期別)
図表1-2:国内市場(機種別、四半期別)

II.国内生産動向(経済産業省「生産動態統計調査」からCIAJにて纏め)

(1)2018年度上半期の実績

4月~9月の国内生産金額は2,006億円となり、前年同期比では18.9%減となりました。海外生産への移行が継続しているために国内生産は低調で、海外景気も低迷しているために輸出向けの生産も減少しています。特に携帯電話やネットワーク関連機器は、移動通信システムの変革期にあるため低迷が続いており、国内生産額は同比で減少しました。

(2)機種別動向(参照:図表2-1)

機種別の4月~9月の実績は以下の通りです。

①有線端末機器
258億円(前年同期比±0%)。うち電話機17億円(同4.1%減)、ボタン電話装置81億円(同4.0%減)、インターホン153億円(同2.0%増)、ファクシミリ7億円(同18.3%増)となりました。ほとんどの機種の国内生産額は下落傾向にあります。

②移動体端末機器
629億円(前年同期比24.8%減)。うち携帯電話429億円(同30.3%減)、公衆用PHS端末5億円(同35.0%減)となりました。携帯電話は、2年縛りサイクルの谷間の年に相当するとともに、海外メーカーの攻勢の影響により減少しました 。

③有線ネットワーク関連機器
528億円(前年同期比10.2%減)。うち局用交換機40億円(同14.6%減)、構内用交換機29億円(同±0.0%)、デジタル伝送装置169億円(同12.0%減)、その他の搬送装置263億円(同7.2%減)となりました。構内用交換機は輸出向けの需要が好調ですが、国内生産額は漸減傾向にあります。デジタル伝送装置も輸出向けの需要が増加していますが、国内生産額では減少しました。

④無線ネットワーク関連機器
307億円(前年同期比34.5%減)。うち固定通信装置119億円(同23.1%減)、基地局通信装置188億円(同40.1%減)。官庁向けの防災/MCA無線の基地局が増加した以外は、国内生産は減少しました。

⑤ネットワーク接続機器
130億円(前年同期比27.1%減)。データセンター向けのLANスイッチの需要は伸びていますが、国内生産は減少しました。

⑥有線部品(有線機器用リレー、中継器用など)
154億円(前年同期比6.6%増)。日本向けに、海外で生産される日系メーカーと米国メーカーのスマートフォン生産で増加しました。

 

図表2-1:生産総額(機種別、半期別)
図表2-2:生産総額(機種別、四半期別)

III.輸入動向(財務省「貿易統計」からCIAJにて纏め)

(1)2018年度上半期の実績

4月~9月の輸出総額は2,084億円、前年同期比では13.7%減と3半期ぶりに減少しました。海外経済の低迷で、中国国内で生産されている中国やアジア向けスマートフォンが減少しており、その生産部品の輸出減が大きく響いています。

データ通信機器では、構内用交換機やデジタル伝送装置などの有線系機器の輸出で需要増が継続していますが、無線系機器は移動通信システムの変革期によって低迷しているために減少しました。このため、12半期ぶりに600億円を割りました。

電話機及び端末機器では、2017年度第2四半期から米国向け携帯電話が増加し、2018年度第2四半期も継続しています。基地局は、輸出額が小さいですが、米国、EUや中南米向けに増加し、アジア向けでは減少しています。

(2)機種別動向(参照:図表3-1)

機種別の4月~9月実績は以下の通りです。(ファクシミリは2018年1月から廃止)

①電話機及び端末機器122億円(前年同期比86.9%増)
内訳は、携帯電話105億円(同103.9%増)、コードレスホン1.8億円(同11.6%減)、その他15億円(同31.8%増)

②ネットワーク関連機器627億円(同12.8%減)
内訳は、基地局27億円(同9.2%減)、データ通信機器582億円(同11.8%減)、その他ネットワーク関連機器18億円(同38.4%減)

③部品(有線系・無線系の合計)1,335億円(同18.1%減)

図表3-1:輸出動向(機種別、半期別)
図表3-2:輸出動向(機種別、四半期別)

(3)地域別実績(参照:図表3-3)

地域別の4月~9月実績では、アジア向けが1,447億円(前年同期比20.1%減)、うち中国向けは690億円(同27.7%減)。北米向けが382億円(同12.4%増)、うち米国は376億円(同12.5%増)。欧州184億円(同3.7%減)、うちEU160億円(同6.5%減)。

中国向け部品が部品輸出全体に占める割合は45.5%に減少し、中国以外のアジア、特にベトナムやシンガポールでのスマートフォン生産が増加しています。米国向け携帯電話は95億円(同163%増)で2017年度第2四半期からの増加が継続しています。

(4)地域別構成比

1位アジア69.4%(前年構成比 -5.5%)
2位北米18.3%(同 +4.1%)
3位欧州8.8%(同 +0.9%)
その他地域3.5%(同 +0.5%)
図表3-3:輸出動向(地域別、半期別)
図表3-4:輸出動向(地域別、四半期別)

IV.輸入動向(財務省「貿易統計」からCIAJにて纏め)

(1)2018年度上半期の実績

4月~9月の輸入総額は1兆2,108億円、前年同期比では3.8%増となりました。携帯電話は、海外で生産された日系メーカーと米国メーカーのスマートフォンの輸入が第2四半期に増加しました。ネットワーク関連機器は、移動通信システムの変革期にあるために前年同期比で減少しました。

(2)機種別動向(参照:図表4-1)

機種別の4月~9月実績は以下の通りです。(ファクシミリは2018年1月から廃止)

①電話機及び端末機器7,674億円(前年同期比16.6%増)
内訳は、携帯電話7,616億円(同16.8%増)、コードレスホン27億円(同3.8%増)、その他31億円(同9.6%減)。

②ネットワーク関連機器3,289億円(同4.9%減)
内訳は、基地局197億円(同18.8%減)、データ通信機器2,971億円(同4.8%減)、その他ネットワーク関連機器120億円(同27.4%増)。

③部品(有線機器と無線機器用部品の合計)1,145億円(同29.6%減)

図表4-1:輸入動向(機種別、半期別)
図表4-2:輸入動向(機種別、四半期別)

(3)地域別実績(参照:図表4-3)

地域別の4月~9月実績では、アジアからが1兆1,334億円(同3.3%増)、うち中国は9,032億円(同5.4%増)。北米からは343億円(同10.1%減)、うち米国317億円(同15.4%減)。欧州からは278億円(同69.1%増)、うちEU275億円(同73.9%増)。

欧州からは、携帯電話(同162%増)、基地局(同166%増)、データ通信機器(同26%増)、部品(同291%増)とほとんどの機種で大幅に増加しました。

(4)地域別構成比

1位アジア93.6%(前年構成比 -0.3%)
2位北米2.8%(同 -0.5%)
3位欧州2.3%(同 +0.9%)
その他地域1.3%(同 -0.2%)
図表4-3:輸入動向(地域別、半期別)
図表4-4:輸入動向(地域別、四半期別)

V.受注・出荷動向(CIAJ自主統計「受注・出荷統計」より)

(1)2018年度上半期の実績

4月~9月のCIAJ自主統計受注・出荷総額は7,317億円で、前年同期比13.8%減となりました。このうち、国内出荷は5,550億円の同比15.1%減、輸出が1,768億円の同比9.4%減となりました。
※自主統計「受注・出荷」=CIAJ会員の国内メーカーの受注・出荷額
(=国内出荷額(国内生産+海外生産)+輸出額=国内生産額+海外生産した輸入額)

(2)機種別動向

機種別の4月~9月実績は以下の通りです。

①有線端末機器  2,769億円(前年同期比5.4%減)
電話機は、コードレスホンの日系メーカー海外生産分の輸入増と合わせて、増加しています。パーソナルファクシミリ(複合機を含む)やビジネスファクシミリ(複合機を含む)の輸出は、海外景気の低迷により減少しています。

②移動体端末機器  2,493億円(同比15.6%減)
携帯電話は、2年縛りサイクルの影響もあって低調で、8月から上向きになりつつありますが、同比で減少しました。その他の移動端末機器では、MCA/簡易無線端末が好調です。

③有線ネットワーク関連機器  865億円(同比13.0%減)
ボタン電話装置、変復調装置、その他の伝送装置は好調なものの、それ以外の機器が低調なために、有線ネットワーク関連機器全体は同比で減少しました。

④無線ネットワーク関連機器  807億円(同比32.9%減)
基地局通信装置は、官庁向けの防災/MCA無線や輸出で増加していますが、基地局通信装置全体では減少しました。無線ネットワーク関連機器全体では、移動通信システムの変革期にあるために、同比で大きく減少しました。

⑤その他ネットワーク関連機器  204億円(同比4.4%増)
データセンター向けなどでLANスイッチが好調を継続しているため、同比で増加しました。

⑥通信機器用部品  180億円(同17.0%減)

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