一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)は、2025年第3四半期(10-12月)における通信機械の生産・輸出入の概況を纏めました。本期間の国内市場は、AIの浸透や企業のDX推進を背景に、前年同期比7.7%増のプラス成長となりました。
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I.日本経済の概況
2025年度10~12月期の日本経済は、実質GDP成長率(2次速報値:3月10日)は前期比0.3%増(年率換算1.3%増)となり、2四半期ぶりにプラス成長を記録しました。不透明な外需を内需の底堅さが補う構図となっています。個人消費は7四半期連続プラスとなり、携帯電話機器や宿泊サービスが好調な一方、物価高の影響で食料品や自動車の消費は減少が続いています。設備投資は2四半期ぶりにプラスに転じ、AI関連や半導体製造装置への投資が非常に堅調で、企業のデジタル投資意欲が鮮明となりました。外需は米政権の関税政策の影響等により、自動車などの輸出が減少し2四半期連続のマイナス、輸入もコンピューターなどの需要減により減少傾向にあり2四半期連続のマイナスとなりました。
II.通信機器市場の全体概況
2025年度10~12月の通信機器市場は、AIの浸透やDXの加速を背景に、端末機器、ネットワーク関連機器ともに前年同期比7~9%の成長を記録し、国内市場規模は2四半期ぶりのプラスに転じました。内訳として、端末機器市場では、AI搭載の高機能スマートフォンへの買い替え需要が市場を牽引しています。ネットワーク関連機器市場では、5G SA(Stand Alone)の普及や通信品質向上に向けた基地局投資が伸長し、加えて、データセンター需要増を見据えた投資(光伝送装置、ルーターなど)やAI活用によるネットワーク自律化が拡大の主要因となりました。
(1)国内市場動向
2025年度10~12月期の国内市場規模は1兆4,679億円(前年同期比7.7%増)となりました。基地局通信装置などのネットワーク関連機器の国内生産増加や、海外メーカー製スマートフォンや基地局の輸入拡大が寄与しました。
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(2)国内生産動向
2025年度10~12月期の国内生産金額は982億円(前年同期比1.9%増)となりました。有線端末機器のボタン電話装置は底堅い需要で増加しました。移動体端末機器は携帯電話の低迷により減少しました。有線ネットワーク関連機器は通信キャリアのインフラ投資により搬送装置(デジタル伝送装置含む)は増加したものの、交換機の大幅減が響きました。無線ネットワーク関連機器は5G SA普及や品質改善に向けた基地局投資が大幅増となり、官公庁の防災需要による固定通信装置も寄与しました。
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(3)輸出動向
2025年度10~12月期の輸出総額は725億円(前年同期比18.1%減)となりました。ネットワーク関連機器は基地局やデータ通信機器が拡大し、特にアジアや欧州でのO-RAN採用により基地局が大幅増となりました。部品は中国の半導体や電子部品の国産化政策の加速により、アジア向け部品が半減し、輸出全体の押し下げ要因となりました。
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(4)輸入動向
2025年度10~12月期の輸入総額は1兆4,698億円(前年同期比8.5%増)となりました。一部機種(コードレスホン)を除き、電話機及び端末機器、ネットワーク関連機器、部品の多くの機種において前年比プラスとなり、輸入総額を押し上げました。
スマートフォンは12月に輸入が集中し、四半期ベースで前年比プラスとなりました。円安の影響で金額ベースの伸びが台数ベースを上回っています。
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