2014年1月8日(水)、東京プリンスホテル「プロビデンスホール」において、一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)新年賀詞交歓会が開催されました。
約1,200名の来賓ならびに会員の方々にご出席いただき、奥田CIAJ会長の挨拶の後、茂木経済産業大臣ならびに上川総務副大臣より新年のご挨拶を賜り、㈱東芝佐々木副会長による乾杯の発声後懇談に入りました。
一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会奥田会長の挨拶を下記に掲載いたします。



[一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会 奥田会長挨拶]
新年あけましておめでとうございます。2014年の年頭にあたりまして、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は、三本の矢であらわされる政府経済財政政策が具体的に動き始め、経済成長に向けて明るい兆しがみえてきた良い年となりました。また、9月には、2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催が決定し、これからの日本を照らす明るい話題となりました。
そのような中、昨年12月にCIAJが公表いたしました中期需要予測によりますと、2013年度の国内の通信機器市場は、1年前のマイナス1.3%予測から、インフラが少し好調に推移し、一転してプラス見込みとなっており、市場は上向きの状況にあります。
また、現状はまだ日系メーカーの海外売上は小さいですが、総務省の試算によれば、そのポテンシャルは大きなものを持っていると分析されており、今後もオ リンピックの開催に向けて、新たな機器需要の喚起や新しいサービスの普及により、国内市場活性化と併せグローバル展開強化が期待されています。
ハードウェア市場に加え通信ネットワーク・サービス・放送なども含めた情報通信関連産業全体では、今や80兆円を超える日本最大の産業規模に成長しており、引き続き日本経済の牽引役にならなければならないと、心を新たにしているところです。
こうした認識のもと、昨年末には、ICT産業界の要望をまとめ、総務省、経済産業省に提言しました。主な提言内容は次の3点です。
1点目は、「ICT利活用による新産業の創出推進」です。ネットワーク技術やクラウド解析などの活用で、分野を超えた新たな産業や新たな仕組みの創出が期待できます。
2点目は、「ICT産業の国際競争力強化」です。ICTを利活用するパッケージシステムとしてグローバル展開する際には、関係省庁と連携し、海外諸国の実情に合わせて対応していく必要があります。
そして3点目は、「ICT利活用による社会課題の解決」です。
新しい街づくりの推進、超高齢社会がかかえる課題の解決、ICT関連の人材育成への取組み、今後ますます増大する通信トラフィックに耐えうる通信インフラの整備促進など、さまざまな社会課題の解決が急がれています。
これらを総務省、経済産業省に提言すると同時に、自分の胸に手を当てて、ほんとに民間企業がICTの利活用が出来ているのか自問してみると、自分 の会社を含め多くの企業で、まだ利活用が充分ではないと思えます。事業分野の違い等から考え方の違いもあり、なかなか融合できない場面もあるかと思われま すが、自分たち民間企業自身も、もっと変わらなければいけないとつくづく感じております。
そのような中で、我が国のICT産業は、まだ長いトンネルを抜け出せたとは言えませんが、日本の製造業が持つ「高い技術力」と、得意とする「擦り合せ技術」により、異なる分野を融合し新たな需要を創出する「業際ビジネス」に日本の産業の活路があると確信しております。
こうした日本の得意とするところを活かし、2020年の東京オリンピックの成功に向けて、日本が世界に情報発信できるショーケース作り等に官民挙げて取り組むことにより、ICT産業の成長や日本の国際貢献につながることを期待しています。
CIAJは、ICT産業を代表する業界団体として、我が国のICT産業の成長と国民の生活向上にしっかりと貢献して活動していくよう、決意を新たにしております。
1月7日に経済三団体の新春の会合があり、挨拶の中で大変印象に残った言葉がございますので、少し引用させて頂きます。「日本はこの20年程の間のデフレ社会のなかで、小さな幸せに満足していたきらいがある。」とおっしゃっていました。
今年は、干支にちなんで飛躍をして、まだまだ山あり谷ありかもしれませんが、それを駆け抜けて、ここにお集まりの皆様にとりまして、今年一年が明るく実り多いものでありますよう、心から祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。