2013年1月8日(火)、東京プリンスホテル「プロビデンスホール」において、一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)新年賀詞交歓会が開催されました。
約1,300名の来賓ならびに会員の方々にご出席いただき、下村CIAJ会長の挨拶の後、茂木経済産業大臣より新年のご挨拶を賜り、シャープ㈱奥田社長による乾杯の発声後懇談に入りました。橘総務大臣政務官は、公務のためご到着が乾杯の後となりましたが、ご到着早々にご挨拶を賜りました。
一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会下村会長の挨拶を下記に掲載いたします。
[一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会 下村会長挨拶]
新年あけましておめでとうございます。2013年の年頭にあたりまして、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年の日本経済は、東日本大震災からの復興事業を強力に推し進めながらも、円の高止まりや、欧州経済危機、近隣諸国との政治的緊張などの影響を受け、先行きの見通せない不透明な環境の中にありました。情報通信関連産業では、情報家電や半導体に象徴されるように、グローバル競争が一段と厳しいものとなってきました。
一方、夏のロンドンオリンピックでの水泳やバレー、サッカーなど、「チームジャパン」の活躍や、京都大学・山中教授のノーベル医学生理学賞受賞など、明るい話題もありました。
昨年12月にCIAJが公表いたしました中期需要予測によりますと、2012年度の通信機器市場の国内需要は、復興需要や急激に増加する通信トラフィック対策での設備拡充により、前年に比べ0.6%増の3兆5,200億円と、堅調でしたが、2013年度以降は国内のブロードバンド整備がひと段落することもあり、緩やかに減少すると予測しております。
ICT産業は、技術の進歩により、国民生活全体の利便性を向上させる役割を担っています。クラウドコンピューティング、スマートフォンやタブレット端末が普及し、利活用の範囲が拡大することで利便性の向上につながります。一方、爆発的に情報量が増大することで、ネットワークの超高速大容量化・高効率化、そして、高セキュリティ化が求められます。
このような課題を解決するため、業界全体が一丸となり、また、政府の御支援のもとに取組んでいくことが、私どもICT産業のみならず、ICTを利活用する国民や公的機関、他産業の活性化には不可欠であると認識しております。
CIAJでは重点事業として、政策提言力の強化をかかげており、先般、ICT産業界の要望をまとめ、提言をしております。主な提言内容は次の3点です。1点目は、ICT利活用の促進と新しいICT街づくりの推進です。具体的には、ICTによる街づくりのプラットフォームの早期確立と展開を目指す政策の推進と、ICTを利活用し、地域ニーズに即した街づくりの実現です。2点目は、ICTを利活用した新しいサービス、新しい技術の実用化の促進です。共通番号は法案が提出されたところで、止まってしまいましたが、公共データの民間活用という流れは、世界的にも進展しており、国内でも推進する必要があります。そして3点目は、モバイルビジネスの国際競争力強化に向けた政策推進であります。モバイル分野は、重要な社会インフラであり、端末単体からシステム全体での競争に変化しております。CIAJでは本年もこのような政策提言の具体化に向けて積極的に取り組んでまいります。
昨年12月の衆議院選挙の結果を受けて誕生した、新しい政府には日本の将来を見据えた政策と実行をお願いしたいと思います。ICTは国民生活を支える社会インフラとして、豊かで安全・安心な社会の実現に大きく貢献する原動力です。ICT業界を代表するCIAJとして、グローバル化の進展の流れの中でその潮流を的確にとらえ情報発信を行い、我が国の情報通信ネットワーク産業の成長に、しっかりと貢献して活動するよう、決意を新たにしております。
本年、久方ぶりに大変明るい気分でお正月を迎えることができました。新しい年が皆様にとりまして、明るく実り多いものでありますよう、心から祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。