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   「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

「今年もひと味違います! 総会特別講演会に参加してみませんか!!」

                       2018年5月31日発行 第85号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CIAJ ━
≪ 第85号 目次 ≫

 ・はじめに

 ・QMS委員会総会 特別講演会のご案内
  『過酷な環境下でのマネジメント体験 〜南極観測隊参加で得られる事〜』

 ・ISO 9001関連の最新動向
  『5年を経過した附属書SL,HLSのフィードバック調査への参画』

 ・TL 9000コーナー
  『TL 9000セミナーのご案内』

 ・【連載】知識活用型企業への道
  『QMSにおける知的資産運用への取り組み』

 ・編集後記


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●はじめに
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明日から6月になりますが,例年に比べ,五月晴れの爽やかな日は少なかった
ように感じます。今年の春は,春分の日に雪が降ったと思えば,GWには夏の
ような温度になるなど,各地でいろいろと気候変動が大きかったようにです。
これも地球温暖化と関係があるのでしょうか。
しかしながら,そこかしこの木々は緑に覆われており,自然の力は大したもの
だと思います。

ところで,私達のQMSは,何か変化が起きた時にどうなるのでしょうか? 
予め定めた特別な対応に切り替えるのか,それとも,通常の対応の中で柔軟に
対応することができるのか?
そんなことを考えたことはありますか?

今年のQMS委員会総会では,そんな時のヒントとなるような特別講演会を
企画いたしました。是非,記事をお読みいただきご参加ください。

それでは,メルマガ85号をお楽しみください。


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●QMS委員会総会 特別講演会のご案内
  『過酷な環境下でのマネジメント体験 〜南極観測隊参加で得られる事〜』
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既に会員企業の皆様にはご案内しておりますが,来る6月29日(金曜日)に
QMS委員会の2017年度定期総会を開催し,併せて特別講演会を行います。

今回は,「過酷な環境下でのマネジメント体験
              〜南極観測隊参加で得られる事〜」

というテーマで,NECネッツエスアイ株式会社 釘光信一郎様より,南極越冬隊
における過酷な環境下のプロジェクト遂行について,実体験を交えてご講演
いただきます。

ISO 9000によれば,2015年版は,いかなる市場・事業の環境や,その急速な
変化からもたらされる課題に立ち向かう組織の能力を備えたQMSを意図して
いる。皆様のQMSは何に対して,どこまでの備えをしているのでしょうか。

南極では,時にはマイナス30℃にも及ぶ気温のなかでの屋外作業となり,場合
によっては人命にも係わるため,リスクマネジメントが徹底され,計画の段階
から,リスクへの対応方法を詳細に分けて確実なマネジメントされているそう
です。今回のご講演では,リーダーシップ,コミュニケーションを通じて,
ミッションを成し遂げた越冬隊の貴重なお話をご紹介いただけるまたとない
機会となると思います。

特に,リスクやハザードへの対応は,「こと」が起きてから考えるものでは
ありません。皆様の会社では「想定外の出来事なので・・・」ということで,
それ以上の議論が進まないようなことはありませんか?

越冬隊と私達では,おかれた環境は異なりますが,極寒の実体験を踏まえた
ご講演は,私たちに何らかのヒントを与えてくれると思います。

なお,ご講演者の釘光様からは,お話だけでなく,南極の大自然を映像でも
ご紹介いただけると伺っております。梅雨の時期の総会ですので,気分転換が
できるような期待もあり,今から楽しみです。

また,ご講演の終了後に講師の釘光様を交えて懇親会を行います。講師や
委員会メンバとのコミュニケーションをとることができるので,是非ご参加
ください。

特別講演会ならびに懇親会は,会員企業様以外の方の参加も可能です。皆様
の奮ってのご参加をお待ちしております。参加希望の方は,各社代表窓口の
委員経由で,特別講演会ならびに懇親会の参加に”〇”を付けて申込みくだ
さい。締切りは6月20日です。


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●ISO 9001関連の最新動向
  『5年を経過した附属書SL,HLSのフィードバック調査への参画』
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今月の初めにISO/TC 176/SC2国際幹事より,附属書SLに関する関するフィード
バック調査への回答依頼がありました。

この調査は,JTCG(Joint Technical Coordination Group on MSS TAG 13)が
発行から5年が経過した「ISO/IEC専門業務用指針第1部−附属書SL」の見直し
にあたり,マネジメントシステム規格(MSS)を開発するTC/SC/PC宛に実施した
調査です。

附属書SLは,2006年から2011年にかけて,ISOのMSSの整合性の検討,共通的な
枠組みとして,以下の3つが規定されました。

<附属書SL によるマネジメントシステム開発のための共通の枠組み>  
  ・上位構造(High Level Structure):箇条タイトル  
  ・共通のテキスト
  ・共通の用語及び定義

附属書SLの制定により,これに基づき開発された規格は,上位構造による共通化
がなされて以下の便益をもたらしたと考えます。

<HLSを利用することの便益>
  ・一貫性を保つ。
  ・必要な項目の漏れをなくす。
  ・複合審査の場合の利便性向上

一方,各MSSでは,分野固有の記載が加わるだけでなく,HLSと異なる部分があり
ます。これらはMSS開発側の問題ですが,このような不整合が生じることは,
議論すべき事項だと思います。

また,附属書SLを理解する段階で「リスクと機会(risks and opportunities)」
の解釈や,なぜリスクと機会なのかについて多くの議論が行われました。
出所や経緯が明確でなく,ISO規格に比べて開発段階での透明性が低いのでは
ないかという意見がありました。

今回のフィードバック調査により,より透明性の高い開発プロセスのもとで
附属書SLがより良いものになることを期待したいと思います。

QMS委員会では,短期間の回答要請であったため,運営委員会メンバのみに
展開して意見を収集し,委員会としてのコメントを発信いたしました。


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●TL 9000コーナー
   『TL 9000セミナーのご案内』
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「TL 9000 セミナー」のご案内

来る7月2日(月曜日)に恒例の「TL 9000 セミナー」をクエストフォーラム日本
ハブ様とQMS委員会で共同開催いたします。

今回は,「TL 9000要求事項(R6.0),TL 9000測定法ハンドブック(R5.5)の内容」
及び,「TL 9000に関するWEB等の情報の見方,TL 9000認証取得プロセス」の
説明を行う予定です。

TL 9000の最新の動向を知るチャンスです。
奮ってご参加いただければと思います。

詳細は,CIAJ「えくすぱーと・のれっじ・セミナー」のHPを参照願います。
 

応募締め切りは,6月21日です。


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●【連載】知識活用型企業への道
   『QMSにおける知的資産運用への取り組み』
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新たな年度になり,企業によっては組織変更や異動が行われたかもしれません。
同時に,新入社員の皆さんは社会人となった緊張と不安で大変かと思います。

さて,企業が雇用を抑え就職氷河期と言われた時期は,バブル経済が崩壊した
1990年ごろから始まり,業績が安定してくる2006年ごろまで続きました。
その後,新卒の求人倍率が徐々に回復し現在は売り手市場といわれています。

また,工業社会から知識社会への移行は,少子高齢化の影響で労働人口が
確実に減少していく中,時間給から能力給など労働という考え方に変化を
起こしつつあることは,皆さんご存じのとおりです。

さて,新入社員であれ,ベテランであれ,新たな環境に身を置くとなれば,
その場に必要な知識を早急に獲得しなければなりません。
例えば,どのような事柄をどのような段取りで行わなければならないのか,
どのような専門知識が必要なのか,またどのような人間関係があるのかなど,
まずは仕事を行うために必要な知識と情報の獲得が急がれます。

私が所属していた企業では,新入社員だけでなく専門家である中途採用者でも
入社してから3か月は「白バッチ」を胸につける規定がありました。

これは,社員の皆さんに“私は新人ですから尋ねたことに対し親切に答えて
くださいね”というサインです。
白バッチはいわゆる,“新人ですから何もできません。大目に見てください”
という印ではなく,“私の知りたいことを教えてください”という意味です。

この白バッチは,ある意味オールマイティで,役員であろうが上司であろうが
業務に関係ないことも含めて白バッチの人に聞かれた場合,丁寧に対応する
ことが慣習になっていました。

大体,新人にとっては,相手が平社員なのか役員なのか知る由もなく,とり
あえず質問してみなければ分からないので仕方がありません。

また,同時に役職をつけないで“さん”付けで呼ぶ慣習があり,どのような
立場の人でも社内では“さん”付けで呼ぶように指導されました。

役職で呼ぶとその段階で力関係を意識しますから,話しづらくなるでしょう。
役割と責任の範囲は異なるとしても仕事をするという意味で対等ですから,
内部で話すときは役職は不要です。実際,会長でも社長でも,社員は“さん”
付けで呼んでいました。

さて,当時は簡単で座学的な新人研修プログラムなどもありましたが,現場
を「直接」知るために,白バッチの威力を借りて自分自身で必要な知識を,
主体的に行動して獲得することが求められました。

人に何かを質問するということは,その人と知り合うことにもなります。
誰がどのような仕事をし,どのような経験と知識を持っているかも把握でき
るのです。

現実的には,ベテランの皆さんはとても多忙で,わざわざ新人のために積極的
に時間を割くことは難しい状況です。しかし,不思議と白バッチをつけた人
から何かを聞かれれば,忙しくとも親切に時間を割いて教えたものです。

このようなコミュニケーションを通じ,新人も組織というコミュニティの中に
迎えられているという感覚が自然と生まれてくるものです。

職場というものは,システムやプロセスだけで機能するものではなく,まして
知識創造的職場ではプロセスよりもコミュニティとしての場が必要です。

さて,白バッチが取れますと一人前の社員として扱われ始めます。それなりに
何らかのお仕事が来ますので,白バッチ時代に知り合った先輩の皆さんから
教えていただきながら,自律的に一人前になっていきます。

このように自ら行動し学ぼうとする者には,困っているとみれば自然と周りが
手伝ってくれるものです。この企業文化は私にはありがたく,賃金をもらい
ながら学べる,学校以上のところだと思っていました。

さて,立場が変わり自分が教える側となりますと,これまで当たり前と思って
いたことを新人にあらためて質問されると,どのように説明しようか考えて
しまうことがあります。まさに,「教えることは学ぶこと」といわれるように
相互に学習する機会にもなるものです。

このように現場で人は育っていくわけですが,この慣習も分社化などの影響で
現在では薄れてしまいました。

さて,ここで少し話題がそれますが,数か月前知り合いの大学教授から
“これからのビジネス界のゆくえ”に関連した講座をゲストスピーカとして
話してほしいとの依頼を受けました。

これまでに大学院生の皆さんと話す機会は,少なからずありましたが,学部生
すなわち新人とお話しする機会は全くありませんでした。
どの程度内容が伝わるものなのか興味がわきましたので,お引き受けしました。

講座内容は,産業史と働き方の変遷から始まり,知識社会における情報と知識
の違いと,知識に基づく行動の重要性について簡単にお話ししました。
(実はこれだけでも相当深い話になりますから,かなりの時間が必要です。)

院生諸君は勉強のベテランであり,基礎知識も学び方も既に体得しています
から,主張と背景を説明すれば後は考えてくれるので議論も深くできます。

一方,学部生の皆さんは,ついこの前まで高校で正解がある問題を受け身で
勉強をしてきました。それゆえ正解の無い課題や,複数正解がある課題になる
と混乱しがちです。それゆえ,うまく説明しないと伝わらない可能性があり
ます。

そこでポイントを絞りこみ講義をしてみましたが,講義後の学生諸君からの
アンケート回答を読みますと,体系的ではないにしても個人の関心事に従い
必要なポイントをしっかり抑えていると思いました。

結果として,私自身も良い経験をしました。なぜなら,相手の状況に照らし,
伝えるべき内容をかみ砕き,再構築し伝えれば,何かしら残るものを伝える
ことができるものだと感じた次第です。良い勉強になりました。

このように教えるという行為は,自分が正しいと思い込んでいる知識を,
そのままアウトプットするのではなく,相手の状況に合わせ,一度分解して,
それを再構築してからアウトプットするひと手間が必要となります。

「人を見て法を説け」ということわざがありますが,教えるという行為は
教える側の自己表現能力が試される場でもありそうです。

難しいことを難しく話すのは比較的容易ですが,難しいことを知識のない方
にもわかるように話すことは非常に難しいものです。

一方で,人によっては簡単なことを難しく話す人もいます。このような場合は
本人自身が整理できていないとともに,知識量と表現力が十分に備わっていな
いのではと見えます。

さて,“教えることは自己表現”という話題になりましたので,話題をそちら
の方に若干向けてみます。

最近,東京国立博物館(トウハク)で「名作誕生」という特別展が行われて
いましたので見に行きました。

当日は朝からあいにくの雨でしたが,沢山の人が押し寄せており,ビックリ
させられました。国宝や重要文化財が満載なのですから,うなずける話です。
実際,あまり芸術系に興味を持っていない私でさえも,本物のすごさを少し
感じることができました。

芸術品とは,その時代の歴史的背景も取り込んだ作者の自己表現の結果です。
芸術を鑑賞するとき,理屈抜きに直接感じることも重要ですが,鑑賞側が作品
に意味を与えることも必要かもしれません。作品は単に技能だけでは語れない
ものがありそうです。

この件に先立ち,ある会合で芸術大学の教授と知り合い,立ち話をしたときの
“芸術と知識とは類似性がある”とのご指摘を思い出しました。
まさか芸術大学の教授から芸術と知識の関連性について,ご指摘を受けるとは
思ってもいませんでしたので,興味がひかれ強く印象に残っていました。

後日,先生からのご本が送られてきましたので拝読しました。芸術とは“自分
について知ること”であるとし,“表現”とは自分自身を客体化する行為であり
自己を確認する行為である。ゆえに,自分と出会う勇気が必要であるといった
内容でした。

また,芸術品は現地・現場主義であり,その場と文化的文脈が重要であるとの
ご指摘も,知識との関連性を感じるしだいです。

さて,ここでお話ししたかったことは,芸術も知識も“表現する”という行為
が不可欠だということです。また,芸術も知識も“場”や文化的文脈において
意味と価値を生じるとすれば,大いに両者に共通項を見出すことができます。

さらに,芸術とは自分の思い込みからの解放であるとの指摘もあり,新たな
価値を見出し追及する行為だとすれば,知識探求と同質性の流れを見出すこと
も可能です。皆さんも少し考えてみてください。

さて,次第に話がそれ始めましたので話をもとに戻します。新年度となり新人
の皆さんも不安を感じつつ仲間入りをしてきました。それゆえ,先輩である
皆さんの知識と経験を,新人の皆さんがうまく吸収できるように工夫し相談に
乗ってあげてください。
結果的に,新人をコミュニティの仲間として受け入れることが容易になるかと
思います。


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●編集後記
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私事ですが,4月からビジネススクールに通っています。隔週で一コマの単講座
ですが,講義中の議論に備えて,準備には結構な時間を費やしています。

講座の仲間と喧々諤々の議論するのですが,理論的なことだけでなく,その人
の行動や思考の特徴などが段々と見えてきます。それは,その人なりの特性で
あるのと同時に,その人の所属する組織の特性でもあるように思います。

組織の業界色みたいなものから,もう少し細かいマネジメントやリーダーシップ
の取り方などです。それを我に振り返ってみたり,フィードバックを受けたり
すると,自組織の強みや弱みが見えてくるような気がしています。
組織外部から組織内部を覗き見ることができるのではないかと期待しています。

しかしながら,組織外部でリスクフリーの議論をする場は意外と少なく感じま
す。

そんな時は是非,CIAJ QMS委員会の「QKM アクティブラーニング」「QMSサロン」
にご参加ください。

いずれも,基本的にリスクフリーの場として会員企業相互の交流および議論の
機会を提供するとともに,気づきというお土産付きで帰ることができます。
使えば使うほどメリットのあるQMS委員会の企画への参加をお待ちしています。

メルマガ85号は如何でしたか。これからも会員企業の皆様に身近な存在で役立つ
情報を提供をしてまいります。
引き続き,CIAJ QMS委員会メルマガのご愛読を宜しくお願いします。

次号の発行は7月末日になります。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。


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──「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
    QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
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