ロゴ

メルマガ

HOME→メルマガ

            

━ CIAJ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

  「総会特別講演会では,人生100年時代の健康作りがテーマです」 
             
                      2017年5月31日発行 第79号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CIAJ ━
≪ 第79号 目次 ≫

 ・はじめに      

 ・QMS委員会総会 特別講演会のご案内

 ・QKM e-ラーニング「ISO 9001:2015規格解釈」受講促進のご案内
               〜 最新版リーフレットを特別添付 〜

 ・ISO 9001関連の最新動向 

 ・TL 9000コーナー 毎年恒例の TL 9000セミナー予告と最新動向について

 ・知識活用型企業への道 『QMSにおける知的資産運用への取り組み』

 ・編集後記 


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●はじめに
───────────────────────────────────

5月と言えば,新緑の爽やかな風のイメージをしますが,今年の関東地方は晴
れの日が多く,南高北低の気圧配置のおかげで,夏日や真夏日を記録したとこ
ろもあり,年々暑くなりはじめる日が早まっているように感じます。
初夏という言葉は,旧暦の4月,すなわち,5月から6月上旬を示す季語です
が,このような気温の高まりから,5月を”初夏”と感じるという方が多いと
いうアンケート結果もあるようです。

QMS委員会では,6月21日に最大のイベントである年次総会が行われます。
総会と言えば,特別講演会を期待されている方も多いと思います。
一昨年は,3Mジャパンによる「人間重視の知的資産を活かしたマネジメント」
昨年は,JAXAによる「金星探査機あかつきプロジェクトから学ぶ」と,通常の
委員会イベントでは聞くことのできない特別なテーマを選定しています。

今年は,「健康寿命」「働き方改革」「少子高齢社会」など最近では社会問題に
なりつつあり,職場でも話す機会の増えているであろう部分に焦点をあて,
千葉大学の近藤先生をお招きして,人生100年時代の健康に関する一押しの
特別講演会といたします。乞うご期待!

それでは,メルマガ79号をお届けいたします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●QMS委員会 特別講演会のご案内
───────────────────────────────────

来る6月21日(水曜日)は,すでに会員企業にはご案内しておりますがQMS
委員会の年次総会を執り行い,併せて特別講演会を行います。

今回は,「人生100年時代の健康作り
        〜ウェルネスマネジメントに学ぶQMSの在り方〜」

というテーマで千葉大学 近藤克則教授より,具体的なデータとともに最新の
介護予防に関するお話をご紹介していただきます。

私たちにとって,「介護を受けることにならないように今何をすべきか」には,
長期的な視点と簡単なことの積み重ねが将来大きな影響を与えるという耳寄り
な実例の紹介もあり,そのことを知らないがゆえに介護リスクを持つことは避
けていきたいものであり,とても興味深い内容です。

また,これらの情報は皆さま方ご自身だけでなくご家族の方々,さらに企業に
とって大変有益なものと考えており,必聴の講演会と考えています。

同様にQMSにおいても予防的処置は重要なテーマであり,簡単な事柄がリスク
を小さくすることを知ることは有益かと思います。

総会は会員企業のみの出席になりますが,特別講演会はその他の方の出席も
可能です。お聞き逃しのないようにふるっての参加をお待ちしております。

参加希望の方は,各社代表窓口の委員から申込みください。〆切りは6月12日
です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●QKM e-ラーニング「ISO 9001:2015規格解釈」受講促進のご案内
               〜 最新版リーフレットを特別添付 〜
───────────────────────────────────

前号でもお知らせした通り,QMS委員会では3月よりQKM e-ラーニングの
「ISO 9001:2015規格解釈」をリリースしておりますが,QMS委員会では,
各企業の2015年版への移行に併せて,「ISO 9001:2015規格解釈」の受講を
通じて2015年版規格の理解をしていただきたいと考えております。

「ISO 9001:2015規格解釈」は,初めてISO 9001を学習する方から,内部
監査員,トップマネジメントまで幅広い階層にご利用いただける内容となって
おり,会員企業の皆様にご活用いただきたいと思っております。

すでに「ISO 9001:2015規格解釈」を受講された方のアンケートからは

 「規格は記載が抽象的だが,本コースは具体的な活動の参考になった」
 「用語の定義の解説があり,適切に理解できた」
 「日常活動の疑問を確認することができた」

などのご意見があり,ご好評をいただいております。

本メルマガにQKM e-ラーニングのリニューアルしたリーフレットを添付して
おりますので,職場の教育担当の方やISO 9001の推進担当の方にもご紹介を
いただければと思います。

QKM e-ラーニングのサービス概要は,以下のURLからもご確認いただけます。
 http://www.ciaj.or.jp/qms/7.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●ISO 9001関連の最新動向
───────────────────────────────────

ISO 9001関連では,ISO 9000:2015ならびにISO 9001:2015の発行以降は大きな
トピックスはない状況が続いています。

昨年10月に発行されたISO/TS 9002:2016(品質マネジメントシステム−ISO 
9001:2015適用の指針)は,1月のメルマガでJIS化され,JIS Q 9002として
開発されることをお伝えしましたが,現在,コメント期間を終え,コメントの
採否の検討を行っています。今後の日程は未定です。

また,ISO 9004は,一昨年,ISO 9004:2009とは大幅に改訂を行い開発をする
旨の報告をしましたが,Quality management ー Quality of an organization
 - Guidance to achieve sustained successという規格名で開発されており,
現在,DIS(Draft International Standard)のコメント期間となっています。
規格名からも組織の質を問う内容となっており,大きな改訂であることが伺え
ます。コメントの採否,投票の結果が明らかになったところで,報告をさせて
いただきます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●TL 9000コーナー 毎年恒例の TL 9000セミナー予告と最新動向について
───────────────────────────────────

1. TL 9000 セミナーのご案内
来る7月24日に恒例となっています「TL 9000 セミナー」をクエストフォーラ
ム日本ハブ様とQMS委員会 TL 9000WGで共同開催いたします。

今回のセミナーでは,最新版のTL 9000要求事項ハンドブックR6.0,測定法ハ
ンドブックR5.5を中心に解説を行う予定です。

詳細は,6月中旬を目処に準備が整い次第,募集案内にてご案内の予定です。

2.TL 9000最新動向(クエストフォーラムの状況)
5月1日-4日に米国テキサス州リチャードソンにおいて,クエストフォーラム定
例のリーダシップ会議及び作業グループ会議が開催され,環境アセスメント,
WCX(Wireless Customer Experience), BaaS(Backend as a Service),
などクエストフォーラムとしての今後の方向性を含めての議論がなされまし
た。

5月16日-19日にフランス・ニースにおいて,2017年EMEA(欧州中近東アフリ
カ)サービスプロバイダ及びサプライヤーサミットが開催されました。
基調講演においてクエストフォーラム会長のデープティ・アローラ氏が
"Vision 2020 and WCX"と題し,クエストフォーラムの将来展望について講演
しました。

議題など会議詳細については,クエストフォーラムのホームページ
http://www.questforum.org/ から参照することができます。 

<ご参考>  
  WCX(Wireless Customer Experience):ワイヤレス顧客体験:
 顧客体験とは,製品やサービスの物理的・金銭的な価値ではなく,その利用
 体験で得られる心理的・感覚的な価値を示す。顧客経験価値とも訳される。

 BaaS(Backend as a Service): モバイルアプリサービスの運用に必要な汎用
  的なサーバー機能を提供するクラウドサービスの一形態。
  mBaaS(Mobile Backend as a Service)と表記することもある。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●知識活用型企業への道 『QMSにおける知的資産運用への取り組み』
───────────────────────────────────

最近,囲碁・将棋の世界では人工知能(AI)の進化が目覚ましく成果を出して
います。また,ビックデータなど関係性が無いように見える情報を大量に組合
せAIで学習させると,これまで気がつかなかったルールや関係性を見出すこと
があります。その応用研究が盛んに行なわれています。
また,仮想現実(VR)の機器が安価になり,業界だけでなく家庭内でも疑似体
験ができるようになりました。このVR技術は,例えば手術のシミュレーション
など,などさまざまな分野でその応用が行われはじめています。

このように見ますと,これまではコンピュータという道具は計算,制御および
作業分野など構造化できる世界で活用されてきましたが,昨今のAI技術の発達
により非構造的世界や文化的な分野にもその存在感を強く示すようになってき
ました。

この背景にはコンピュータの処理能力が増加しただけでなく,例えば画像認識
や音声認識など構造化できない要素を含むものまで,デープラーニング,機械
的学習などと呼ばれるさまざまな学習アルゴリズムが実用領域に入り始めたこ
とによります。

もちろん,現状では最終的に人間の判断が必要ですが,優秀なパートナーとし
て企業がAIを活用することは,それほど遠い世界ではないと思えます。
例えば,昨今不正会計処理が話題となっていますが,企業会計と監査の世界は
数字が基盤であり,大量のデータの中で恣意的に操作された異常な数値を発見
するのはAIにとっては容易であり実用化が進んでいます。企業や監査法人の会
計サポートとして大いに役立つことでしょう。

ここで話しは変わりますが,ご承知のように統計的分野でもコンピュータは不
可欠です。
一般的なお話となりますが,品質管理などで良く使われる統計的アプローチ
は,ロナルド・フィッシャー氏(1890年〜1962年,英国)が提唱した推計統計
学と呼ばれるものではないでしょうか。

推計統計学は,「無作為抽出された部分集団(抽出集団,標本集団)から抽出
元全体(母集団)の特徴,性質を推定する統計学の分野を言う。」と説明され
ています。
これは皆さんご存じのように,平均値や標準偏差などバラつきを管理する手段
として良く使われています。

これらの計算は,統計的ソフトをパソコンに組み込めば,いちいち面倒な計算
をしなくとも,例えば基本統計量である平均値,中央値,分散,標準偏差,歪
度(わいど),尖度(せんど),さらに母分布の区間推定であるt分布,連続
確率分布であるF分布(Fはフィッシャーの頭文字)など,散布図とともに瞬時
に求められるようになっています。
また,計算が煩雑で面倒であった多変量解析,回帰分析なども,瞬時に回答が
得られますので,何度でもパラメータを変え気楽に作業させることができる時
代になりました。
よく使われている表計算ソフトを使い,苦労して計算する時代ではありませ
ん。

このような状況では,どのように計算するかはそれほど重要ではなく,導き出
された結果が何を意味しているかを理解することが重要となってきます。道具
をうまく使っていきたいものです。

さて,アメリカ統計学会(ASA)は昨年(2016/3),非常に興味深いメッセー
ジを公表しました。これまでの推計統計学では,p値(有意確率)と有意水準
(確率的に偶然とは考えにくい水準)により,仮説を判断する手法が広く研究
分野では使われています。

ところが今回のASAからのメッセージは,p値は「その仮説が真である確率を与
えない」とし,「科学的結論およびビジネス・政策上の意思決定は,p値があ
る特定の閾値(しきいち)をパスしたかどうかで判断すべきでない」と述べて
います。
これまで精緻に組み上げてきた統計学の土台部分に関連しますので,このよう
なメッセージを公表するには,よほどの根拠と勇気が必要だったと思います。
何か新しい時代に向かっていくような雰囲気を素人目にも感じます。

さて,そのメッセージの中であらたなアプローチのひとつとして,ベイジアン
モデリングが紹介されていました。
ベイズ統計学は,トーマス・ベイズ氏(1702年〜1761年,英国)により提唱さ
れた考え方です。ベイズ氏の本業は牧師で,前述のフィッシャー氏よりもだい
ぶ前に統計的な考え方を提唱しました。

このアルゴリズムの面白い点は,結果事象(事後確率)と原因事象(事前確
率)との関係を考えるところです。その理論の前提は,今ここにある結果
(データ)のみが客観的事実であり,その原因だと思われるものは主観的なも
のであると考えるところにあります。

前者の推計統計学では,全体の分布は(母分布)は慨にあり,サンプリングし
たものの結果(データ)を分析することにより,母分布を知ろうとするもので
す。
一方,ベイズ統計学はなにがしらの既存の母分布があることを前提とせず,私
たちが知り得る結果から,逆に原因確率を知ろうとするものです。この手法は
必然的に原因と見える事象が多々出てくるでしょうから,計算も煩雑になりや
すく,何となく曖昧になるような気がします。

しかし,工業製品管理のように母分布が正規分布に従うことが分かっている場
合は良いのですが,例えば人間関係が入り込む場合,さまざまな要素が相互に
関係しあうため,原因と見えるものも主観的なものとなるでしょう。
それゆえに,工業製品など特定の分野を除き,心理的な人間系の現象や社会的
活動などに固定的な母分布があるとする考え方には,本質的に無理がありそう
です。

例えば,仮にあるプログラムミスが発覚したとしましょう。
その原因は,プログラミングした個人の力量問題なのでしょうか。時間が足り
ないという問題なのでしょうか。それとも,受け取った仕様書の書き方の問題
なのでしょうか,または,プログラムテストした人々の問題なのでしょうか。
さらに,そのプログラムに結合された他のプログラムの問題なのでしょうか。
このように人間系が関連する原因を想定するとキリがありません。何らかの傾
向があるかも知れませんが,確かなことは言えません。

このように現場で起きる問題は,原因と思われることが限りなく思い浮かびま
すので,改善や是正処置をどうするのか実に困ったことになります。
しかし,何らかの対策を講じなければなりませんから,主要因と見える事柄か
ら手をつけることになります。

このように現場では,原因と考える事柄はおおむね主観的で,原因は多分これ
が“もっともらしい”と思い込んでいるだけです。
この“もっともらしさ”を統計的には“尤度”(ゆうど)というむずかしい言
葉を使います。ちなみに英語では“likelihood”(ありそうなこと)と書きま
すが,こちらの方がピンときます。
私たちは,人間系が関係する活動については最も尤度が高い事柄とみえること
に対し,処置を行っているといえるでしょう。

さて,統計的なお話はむずかしいく手に余ります。しかし,今回なぜこのよう
なお話をご紹介したかと言いますと,マネジメントシステムの世界でも同じよ
うなことが起きるからです。

人々が関与する現場は不完全因果の世界ですから,全く同じ条件でスタートし
たと見えても,ほんの少しの違いで結果が大幅に変わることを,たびたび経験
します。
このような事柄は,推計統計学の数学的な式として示せる世界と,ベイズ統計
学の式として示すことがむずかしくシミュレーション的にアプローチしていく
方法と類似し,品質管理とマネジメントとは,自ずとアプローチが違うと思う
からです。

推計統計学の父であるフィッシャー氏は,曖昧的さを含むベイズ統計の考え方
を受け入れことができず抹殺するとまで言ったと聞きますが,コンピュータに
より膨大な繰り返し計算が瞬時に可能となり,さらにAIのようなアルゴリズム
が実用化した時代になりますと,式として示せない事柄へのベイズ統計学的ア
プローチが注目されます。前述のアメリカ統計学会の発表もその証左と言えま
す。

このような状況は,どちらの統計学が正しいかという不毛な議論ではなく,場
面に応じ両者を使い分ける時代になったと言えます。すなわち使える道具が増
えたということです。
たまたまベイズ氏の考えがこれまでなかなか受け入れられなかったのは,道具
がそろっていなかったためであり,その発表が数百年早過ぎただけなのです。

さて,本質の話題であるISO 9001:2015に準じた品質マネジメントシステム
(QMS)の話題にもどります。統計学の世界から,なにか泥臭い現実的な世界
に戻ったような気がします。
その歴史的起点は製品の品質保証であり,統計学的考え方と,正いと信じて決
められたことを正しく行うとする考えが基盤にありそうです。

一方,現在はマネジメントするという概念が保証という概念に加わっておりま
す。さらに,今回の2015年版の規格改訂では,“製品およびサービス”と表記
し,対人的業務にもハイライトをあてています。(ご存じのように,もともと
製品の定義にはサービスも含まれていますが,より鮮明になったと言えま
す。)

対人業務を含めた場合,マネジメントも極めて人間的なものとなり,推計統計
学の確率の世界というよりは,ベイズ統計学的な“もっともらしさ”(尤度)
という概念を取り込み考えていかなければならない世界だと言えます。
マネジメントするという対象が曖昧な存在である以上,曖昧さを否定するので
はなく,よりうまく対応できる思考が望まれるようになるでしょう。

さて,経済産業省「ビックデータ・人工知能がもたらす経済社会の変革」
(2015年,経済産業政策局)では,ビックデータとAIが業務体系に与える影響
を量的と質的の二つの側面から分析しています。

まず,“量的影響に関し,これまでITやロボット化が定型的業務の代替として
普及してきましたが,AIの進展により非定型業務にも拡大すると予測されてお
ります。期待される例として介護,物流,対人サービスおよび保安などの分野
があげられています。”と述べています。

一方で,質的影響に関し,“労働集約的業務がAIに代替されるに従い,人間の
仕事はヒューマンインタラクションが必要な業務や,より創造的な業務にシフ
トしていくと見込まれている”と報告されています。

この報告書の中で特に関心をひく指摘は,“「モノ」から「システム」への価
値の移行”という見識です。
“人間の行為をAI・ビックデータをつかったシステムが代替できるようになる
と,人間はもはやモノを使う(操作する)ことなく目的が達成されため,「モ
ノ」自体が価値評価の対象ではなくなる”と述べ,その結果,“モノの価値は
目的を達成するシステムの中に組み込まれていき,それに伴い価値評価の対象
はモノではなくシステム全体となる”という見識です。なるほどと,思えま
す。

この見識をQMSに置き換え見てみますと,企業に働く人々の価値やプロセスの
価値は,企業の意図した結果を導くためのシステムの中に埋没していくと同時
に,QMSを含めたさまざまなマネジメントシステムは,企業内のひとつの経営
システムに統合されていくことが予測できます。
これまでは専門分野が違うため統合的に扱うことが困難であった事柄も,例え
ば,会計,品質,環境,社会的責任などさまざまなシステムは,一つのシステ
ムに統合されていくことを暗示しています。

それぞれが専門分野なので,これを人が行うことは非常に困難ですが,企業内
にある大量の情報とデータをAIが関係づけ分析することが可能となりますか
ら,個々のマネジメントシステムがどうなのかということは必然的に意味がな
くなります。

また,企業内で起きる事柄は秒・分単位でモニタリング・評価され,必要に応
じ対処されていくことになりますから,さまざまなマネジメントシステムを年
に一回統合監査するなどといった話は,懐かしい昔話か笑い話となるでしょ
う。

さて,今回の話題は,複雑さと曖昧さとを許容し活用できる世界が,さまざま
な分野で実用化段階に入っており,型にはめた業務ではなくAIが現場の実務を
サポートすることにより人々がその能力を十分に発揮できるような世界が,す
ぐそこに来ていることをお伝えしたかったからです。
そのためには,これまで築き上げてきたQMSをまず整理し,ゴミを除去し,あ
らたな時代への礎になるように整えておく必要があると感じられます。QMSの
役割と効用をもう一度見直してみる必要がありそうです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●編集後記
───────────────────────────────────

関東地方の5月の降水量は例年の3分の1だったそうです。例年の関東地方の
梅雨入りは6月8日。これからはジメジメ感が増していやな季節になりますが,
食物が育つには雨は欠かせません。
おまけに今年の関東地方の夏は,気温が高めの予報が出ています。夏の水不足
にならないように,まずは適度なお湿りを期待したいと思います。

この5月もいろいろなニュースがありましたが,最後に女子ゴルフの元世界ラ
ンキング1位で米女子ツアー9勝,国内通算15勝の宮里藍選手が今季限りの引退
を表明のニュースが飛び込んできました。
記者会見では,昨年の夏ごろに今季限りでの引退を決意したとの事で,決断を
した理由については「モチベーションの維持が難しくなった」のが一番と語っ
ておられました。

まだまだ若いので,いつの日かモチベーションが回復し復活することを待ち望
んでいる方も多いのではないかと思います。まずは,お疲れ様ですね。

QMSにたずさわるみなさんも,日々,良い組織にしたいという意欲とやる気を
持って奮闘され,モチベーションを維持されていることと思います。
私たちQMS委員会の活動が,何らかの気付きを与え,その一助となれるように
我々も努力と工夫を重ねてまいります。

最後までお読みいただき,ありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

──「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
    QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
 http://www.ciaj.or.jp/qms/(QMS委員会ホームページ)
* 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(勝田 秀樹)
* 皆様のご意見・ご要望をどしどしお寄せください!
 qmsmelg@ciaj.or.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright(C)2004-2017 CIAJ QMS committee All rights reserved.