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   「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

    「2013年度もQMS委員会は価値ある情報発信を続けます!」


                      2013年 3月29日発行 第54号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CIAJ ━
≪ 第54号 目次 ≫

 ・はじめに
 ・「QMSサロン」報告
 ・ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
 ・TL 9000コーナー「TL 9000セミナーの企画」
 ・知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
 ・編集後記

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●はじめに
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例年になく,早い桜の開花で,お花見を前倒しで計画された方も多いと思いま
す。さて,日本の学生の理数系離れが言われて久しいですが,国は,教育再生
の三本の矢を計画し,その中の一つに,情報通信技術の教育の充実があげられ
ているそうです。まさに,情報通信ネットワーク産業に関係深いもので,優秀
な若い世代がこの産業の活性化に活躍してくれることを期待したいものです。

それでは,メルマガ54号をお届けいたします。


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●「QMSサロン」報告
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 第9回「QMSサロン」を2月22日(金)に開催いたしました。
 QMS委員会の山本フェロー(MBA, Ph.D)をファシリテーターに迎え,
「知識活用型企業のQMSについて考える」をテーマに意見交換が行われまし
 た。

今回は,QMSサロン第1回から第8回のまとめとして,
単純に成文化することの弊害,ルールを決めること,決めないことを意識して
いるか,および,知識活用型企業の企業風土や知恵の結合の仕組みなどに基づ
く,ルール化の認識などを念頭に置き,品質マネジメントの原則(QMP)の改訂
状況についての解説がありました。

 新QMP案は下記の通り(詳細内容はQMSサロン資料参照)
  新QMP1案 Customer Focus
  新QMP2案 Leadership
  新QMP3案 Engagement of People
  新QMP4案 Process Approach
  新QMP5案 Improvement
  新QMP6案 Evidence-based Decision Making
  新QMP7案 Relationship Management

参加者からは,以下のような意見があり,それぞれの気付きがありました。
・QMPの解説はありがたい。グランドデザインが大事だ。
・QMS自体がリスクだと言っていたがやっぱりQMSがリスク。自分たちで
 形骸化させている。必要な文書だけに絞ることをしないといけない。
・過去分をレビューしてもらい,新ISOの改訂を話していただいて良かった。
・グランドデザインに向かって仕事をしないといけないと再認識した。
・やらされるQMSの人々の参画から,やるQMSの人々の従事に変えていく。

今回のQMSサロンをもって2012年度活動は終了しました。
2013年度の活動の方向性などは,QMSサロン参加者へ意見をうかがい決定し
ていく予定です。

今後とも,ご支援をお願いいたします。


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●ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
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・現在,ISO 9000の改正作業が進められていますが,その根幹をなす QMP 案
 (品質マネジメントの原則)に関する投票が2013年 2月に行われ,賛成多数
 で案が承認されました。

 その特徴は,従来の品質マネジメントの8原則の「マネジメントへのシステ
 ムアプローチ」の原則が「プロセスアプローチ」の原則に包含され7原則に
 なりました。

・2012年10月のDISの承認を経て,現在その最終版であるISO_FDIS 10008
 - Customer satisfaction - の投票が行われています。


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●TL 9000コーナー「TL 9000セミナーの企画」
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今号では,最近のTL 9000ワーキンググループの近況報告と,それに絡んでの
TL 9000セミナーの企画について報告します。

1.TL 9000測定法ハンドブックR5.0が発行されたことに伴い,TL 9000ワーキン
 ググループでは,クエストフォーラム公認の研修機関である(株)テクノファ
 から内田講師を派遣いただき,2月28日(木)午後「TL 9000測定法R5.0解説」
 セミナーを開催しました。
 TL 9000 認証取得をされている組織,これから取得を目指している組織にと
 って,従来バージョンとの差分を把握する機会となりました。

2.TL 9000は,要求事項と測定法から構成され,現状の最新版数は,各々R5.0
 +R5.0となっています。10年以上前の導入当初からは,内容が大きく変遷し
 てきていること,電気通信業界で働くCIAJ会員企業への伝授,国内での
 TL 9000の普及拡大を目指し,
  7月17日(金)の午後半日,CIAJ会議室にて
  TL 9000セミナー「(仮)TL 9000とは?」
 を開催する企画を進めています。
  6月に詳細のご案内をする予定です。

3.クエストフォーラムでは,ワールドワイドでのTL 9000普及を主目的として
 ・2種のビデオ(クエストフォーラムの紹介,TL 9000の紹介)
    http://www.youtube.com/watch?v=Kqrh3gNJLk8
    http://www.youtube.com/watch?v=kUEtfhqd9wM
 を作成し,公開しています。

4.先ほどトピック2項で,TL 9000の最新バージョンを紹介しましたが,
 次期バージョンと発行予定は,以下の通りです。
 今後の機会を見て,紹介します:
 ・要求事項R5.5・・・2013/6発行予定
 ・測定法R6.0・・・・2014/6発行予定


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●知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
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このコーナーをまとめ,小冊子にする活動がQMS委員会にて進行中ですが,
メルマガは隔月発行のため,読み切りの話題としてその時点での関心事をその
都度記事にしてきました。そのため,記事全体をQMSとして俯瞰し整理し今
回の小冊子に追加いたしました。

そもそも知識活用型企業では,その競争力の源泉は人々がもつ知識と行動を軸
に,それを支える設備など他の資源と融合させることにより組織的成果を導く
とし,QMSを考えてきたつもりです。段取り中心の伝統的なプロセスアプロ
ーチには,段取りを軸に人的資源はあくまでも投入要素と見る向きもあります
が,知識活用型企業では固定資産を中心とした伝統的な会計制度では評価でき
ない,いわゆる見えない資産(インタンジブルズ)で構成されていると認識が定
着しつつある中,知識活用型企業では人的資源が中心にあり,プロセスに参画
する人々が最大限の成果を導けるように,段取りや設備などが投入要素として
存在するのではないかと考え,QMSの意味を見てきました。小冊子が完成し
たら一読いただければと思っています。

さて,このごろ写経が隠れたブームであると言われています。仏教自体にあま
り関心がない筆者も,つられて今年の年始から「般若心経」の写経を始めてみ
ました。写経を始めたところ,小学校以来書道をしたことがない者にとって苦
戦苦闘でした。般若心経の写経はお線香 1本が燃え尽きる時間(30分程度)でで
きると言われていますが,とてもとてもその時間ではできませんでした。

しかしながらいつものように,まずはやってみるという精神で,その目標をと
りあえず 100回としました。まず頭で考えるのではなく体で感じてみようと思
い時間を見つけては写経を重ねた結果,偶然にも 3月11日の東日本大震災の記
念日に,その目標を達成することができました。目標設定とは,適切な行動を
導くために重要な役割を担っていますが,これはQMSだけでなく日々の生活
の中にも活かすことができる考えです。目標なく始めると忙しいとか何らかの
理由をつけ実現しないことが少なくないので,適切な目標設定は行動を導く良
い指針になります。

さて写経の本来の目的は回数をこなすことではなく,その意味するところを体
得するところにあるのでしょうが,その前にある程度の経験を重ねることが必
要だと個人的には見ています。これはすでに記事でご紹介した“知的に知る”
とともに,“行動をとおし知る”重要さを示しています。本来,お教は言葉と
して発することが重要であり,写経を重ねることはその途中過程と理解すべき
でしょう。

さて,般若心経を写経しつつ,ご多分にもれず手っ取り早くその意味を知りた
く関連図書を読んでみました。「般若」とは「智慧」を意味し,知識との関連
性を感じさせてくれるものでした。また,有名な「色即是空,空即是色」とい
うフレーズにおいて,「色」とは形相であり存在を示す表現であり,「空」は
ゼロとは違いそのもの実質(自性)がないという意味であることが分かりました。
その意味を理解するにつれ,この思想はハイデガーなどが示した「存在論」に
共通する概念であり,また自性がないこととは因果律と「関係性の意味論」に
つながる内容だなと勝手に思い込んでしまいました。

般若心経をQMS的に見てみると,それぞれのプロセスはそれ単独では意味が
生ぜず,そのプロセスがつながる他のプロセスとの関係の中で,初めてそのプ
ロセスの価値と意味が生じるという理解になります。言いかえれば,あるプロ
セスの価値や意味は,それ自体で決まるのではなく,他のプロセスとの関連性
で決まるものと理解できます。私たちは,通常個々のプロセスの有効性や生産
性に関心を持ちますが,個々のプロセスの価値と意味はそれ単独で評価するこ
とはできず,他のプロセスとの関連性が生じて初めて評価できるものになると
いう的を射た見解になるわけです。すなわち,個々のプロセスの存在意義や価
値はプロセスの自性にあるのではなく,システムの中で生じるものなのである
ということです。

さて,宗教に何らのこだわりもないのですが,飛鳥時代に国家を形成する知識
基盤として仏教が伝来し,奈良時代の律令制度の確立と鎮護国家として国分寺
が全国に展開され,鎌倉仏教に展開された歴史的背景を思い出しつつ,般若心
経の写経を重ねてみましたわけですが,それだけでもおぼろげに何かが見えて
くるものです。そして,紀元前から科学が進歩した現在まで,人間の本質はあ
まり変わっていないのではと安直ですが感じたしだいです。なぜか,近代哲学
の“形而上学と存在論”などハイデガーをもう一度読み返してみたくなりまし
た。

さて,話が変な方向に行ってしまいましたが,次の機会に, 現場のQMSが抱
える課題を共有し,その解決に向け雑談的に話し合いたいと考えています。例
えば,是正処置を重ねるうちに,さまざまな文書類が次第に増え, 現場で使い
きれなくなってしまったなど,まじめに文書化をやればやるほどハマってしま
うワナなど,他人事とは思えない悩み認識とその解決の糸口を皆さんと一緒に
考えていきたいと思います。


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●編集後記
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今年は,伊勢神宮の式年遷宮が行われます。また,出雲大社の60年ぶりの遷宮
にも当たります。伊勢神宮はじめ多くの神社の式年遷宮では,20年に一度
「常若」の精神から,神殿,神宝のすべてを一新し,神様のお引越しが行われ
ます。

なぜ20年なのかは,「宮大工などの伝統技術を継承するには20年が適当」
「屋根が茅葺であるため常に清々しい姿を保つには20年が限度」など諸説ある
様です。いずれにせよ,はるか昔から綿々と継続していることに意味がありま
す。伝統を保ちながら,いつまでも若々しく美しくあり続ける日本の象徴であ
る様に感じられます。

QMSメルマガも54回を数えますが,QMSの有効性を念頭に置いて,常に新
しく若々しい気持ちで頑張っていきます。

最後までお読みいただき,ありがとうございました。


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──「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
    QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
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