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   「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

    2012年度もQMS委員会は価値ある情報発信を続けます!

                      2012年 3月30日発行 第48号

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≪ 第48号 目次 ≫

 ・はじめに                              
 ・「QMSサロン」報告と予告                     
 ・異業種見学会「日産自動車 追浜工場」報告              
 ・JAB/ISO 9001公開討論会 報告                    
 ・ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」 
 ・TL 9000コーナー「測定法導入による世界標準での見える化」       
 ・知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」   
 ・編集後記                              

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●はじめに
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この冬の厳しい寒さの影響で,桜前線の北上が少し遅れていましたが,ようや
く開花のたよりが聞かれるようになり,春の訪れを実感する今日この頃です。

高校球児の熱戦が続いていますが,今年は,ロンドンオリンピックやサッカー
W杯の3次予選が開催され,「なでしこジャパン」,「ザック・ジャパン」の
活躍を期待したいところです。

QMS委員会では,今年度より始めた「QMSサロン」も3回の回数を重ねて
会員の皆様に受け入れられた手応えを感じております。今は次回に向けての準
備を進めているところです。
本メルマガの“知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り
組み」”をお読み戴き,奮ってのご参加をお待ちしております。

それでは,メルマガ48号をお届けいたします。


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●「QMSサロン」報告と予告
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第3回「QMSサロン」を2月17日(金)に開催いたしました。
QMS委員会の山本フェロー(MBA, Ph.D.)をファシリテーターに迎え,
「QMSにおけるマネジメントとは何か」をテーマに,意見交換が行われました。

今回は12名の参加で,参加することで勉強になると第1回から参加して下さる
方もいらっしゃる一方,今回初参加も2名で,活動が少しずつ浸透しているよ
うで,主催者としても嬉しく思います。

今回の主なテーマは,マネジメントとは何かを探るために,ISO 9000 の定義
をおさらいすると共に,QMSにおけるマネジメントを「目的展開」の手法を用
いて以下のように,テーマを置き,QMSの本質を考えるきっかけを与えるツー
ルの紹介などがありました。

 「行為目的」“いったい何のためにQMS行うのか?”
 「本質」  “いったいQMSは何であるのか?”
 「構造」  “いったいQMSはどうなっているのか?”
 「構想」  “仮に〜であれば,将来QMSはどうなっているのか?”

聴いていると出来そうに思うのですが,自分で目的展開しようとすると,
展開した次のフェーズにどんな文言を記載したら良いのかかなり難しい感じ
で,自社の事例で,何度も繰返し考えてみることが大切だと思いました。

このように,新しいツールなども学べ,参加者は,かなり有意義な情報交換
の場になったことを,サロン参加の感想などで語っていました。

難しい事でも,お互いに意見をやり取りできる場があることで,集合教育で
は聞き流してしまうこともしっかりと自分の知識の財産として持ち帰ること
が出来ます。

「QMSサロン」は,会員間コミュニケーションを取ったり,リレーション
を築くにも最適な場です。

第4回「QMSサロン」は4月13日(金)に開催予定です。

 テーマは,「QMSにおけるリスク・マネジメント」です。


 日時:2012年4月13日(金) 14:00 〜 17:00
 会場:東京・JEI浜松町ビル3階 CIAJ会議室

新たな参加者を大歓迎します。
皆様のご参加をお待ちしております。


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● 異業種見学会「日産自動車 追浜工場」報告
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3月8日,日産自動車株式会社 追浜工場を訪問し見学会を実施しました。

3月初旬とはいえ2月中旬並みの肌寒い中,20名の参加を得ることができました。

当日は,スライドやビデオを使った工場説明の後,専用バスに乗車して月間8万
台を出荷できる専用埠頭の見学,2011年日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれ
た電気自動車「リーフ」,ジューク,ノート,キューブの4車種が同一の組み立
てラインを流れる「混流生産」の第1工場を見学しました。

見学はワイヤレスイヤホンを付けての専任の案内者による丁寧な解説付きで,
コックピットモジュールの取り付け,電気自動車のインバーターやバッテリー
の取り付け,最後は「フリーローラーテスト」と呼ばれる「走る,曲がる,止
まる」を同時に短時間で検査する工程など,充実した見学でした。

日産生産方式(NWP: Nissan Production Way)では,顧客の注文を受けてから
生産する受注生産方式と,車両組み立て工程と部品供給の順番と時間を合わせ
る同期生産方式を採っており,短い見学の中でも生産効率,短納期,品質を追
求した様々な工夫を間近に見ることができました。

ガソリン車と電気自動車の混流生産は追浜工場だけと自負するだけあって,
参加者のアンケートでも一糸乱れぬ混流生産方式に感心したとのコメントが多
数寄せられました。

今回のアンケートを参考に,今後の異業種見学の企画を検討していきたいと思
います。


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● JAB/ISO 9001公開討論会
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3月13日有楽町朝日ホールで開催された「第18回JAB/ISO 9001公開討論会」に
参加しましたので,報告致します。

公開討論会に先立ち,数回にわたって実施された JAB/ISO 9001研究会には,
CIAJ QMS委員会からWG1とWG2に2名が参加し,産業界の立場から意見を述べて
きました。

今年のテーマは「ISO 9001認証のブランド価値を高める」です。

近年,品質マネジメントシステムの認証数が,伸びの停滞あるいは減少傾向に
あり第三者適合性評価制度の意義や有効性が改めて問われています。こうした
昨今の状況を踏まえ,組織・認証機関・審査員・認定機関が,それぞれ担う役
割について研究した成果の紹介・発表がありました。

■基調講演 「ISO 9001 認証のブランド価値を高める」
                東京大学大学院 特任教授 飯塚 悦功 氏

 ISO 9001認証のあるべき姿と社会的意義を再認識し,ISO 9001 認証という
 ブランド価値を生みだすために必要な機能と課題を提示。以下の 3WGのテー
 マに導いている。ISO 9001の誕生の目的を再認識することが,ブランド価値
 を高めるための気付きになるかもしれない。

■JAB/ISO 9001研究会報告
 WG1〜WG3から以下のテーマ報告。

 WG1:「消費者の視点から〜お客様の期待を裏切らない製品の提供〜」では,
     一般消費者に対して製品・サービスに対する信頼感を与えることに
     関して,製品・サービスを生み出す仕組みの評価である ISO 9001
     認証がどのように寄与できるかを,消費者団体や,サプライチェー
     ンを担うメンバーを交えて検討した結果を報告。

 WG2:「社会の視点から〜安全・安心で豊かな社会の実現〜」では,社会に
     共生する構成員(国民,行政,組織他)の安全・安心と豊かさに対し
     て,ISO 9001 認証がどのように寄与できるかについて,社会制度の
     設計・構築の観点より提言。

 WG3:「産業の視点から〜産業競争力強化への貢献〜」では,産業界が高品質
     の製品・サービスをより効率的に市場に提供することに対して
     ISO 9001認証がどのように寄与できるかについて,認証制度の本来
     のねらいと本質を踏まえ,また QMS セクター規格例も参考に提案。

■パネルディスカッション
 事前に資料が公開され,パネルディスカッションが展開されました。

当日公開された資料は,JABのホームページに掲載されています。
URL : http://www.jab.or.jp/news/2012/12020800.html

■感想:
 1987年初版は,購入者が供給者に要求する品質保証システム規格として生ま
れたもので,企業として認証取得をPRする場合は,認証取得により,何がどう
良くなったかを,購入者や消費者視点で情報開示することが,ブランド価値を
高めるのに役立つのではと感じました。


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●ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
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去る 2月22日,日本規格協会主催により「今後のISO 9001に関するワークショ
ップ」が開催され,当QMS委員会からも1名参加し今後のISO 9001関連の改正す
べき内容について検討されました。

ワークショップ内容は,
 ①主旨説明,
 ②現在生じている問題・課題の共有,
 ③ユーザーサーベイ結果,QMSコンセプト,新しい QMP (品質マネジメント
  の原則)

について報告され,引き続き参加者は 5つのワークショップ

 WG1 認証制度,
 WG2 技術力,
 WG3 パフォーマンス,
 WG4 マネジメント力,
 WG5 人のマネジメント

に分かれ,それぞれの分野について討議・議論されました。
最終的にそれらの結果はまとめられ,全体質疑応答・討議を経てワークショ
ップは終了いたしました。

このワークショップの結果はISO/TC176の投票要件に展開され,①ISO 9001定
期見直し投票については「改正」が望ましい,②ISO 9000 NWIP(新規ワーク
要件要請)投票については「賛成」の日本案が作成され3月中旬に投票されま
した。


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●TL 9000コーナー「測定法導入による世界標準での見える化」
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TL 9000では,製品・サービスの品質データを測定し,世界レベルでベンチマー
キングするという特有の考え方が導入されています。

そこで最近,TL 9000の中枢機関であるクエストフォーラムから,ルータ製品の
品質推移が会員企業に公開されました。(原本は英語。日本ハブで和訳作業中)
品質データは,①フィールド問題数,②問題解決時間,③ルータ内蔵ソフト品
質,④ルータ出荷の納期順守率の4種。

それら各々をグロスで見ると,初出荷数年後に特異点があるようで,初出荷以
降は徐々に品質向上し,その特異点のデータからは,特に,①フィールド問題
数と③ルータ内蔵ソフト品質はほぼ完全な安定状態を示していることが見てと
れます。

これを,TL 9000の成果と云ってしまうとお仕舞いで,品質を良くしたのは企業
努力の賜物であり,TL 9000はその基盤を提供しているだけですが,共通の品質
尺度を定めることにより,世界レベルでの品質推移が解るようになってきた,
と云うのがTL 9000の成果でしょう。

ルータに関しては,品質が安定するまでに少なくとも数年は要している訳で,
安定化するまで何年もかかって良いのか,と云う議論に進むことが大切になっ
てきます。

クエストフォーラムの夢は,垂直立上げ,即ち出荷時からゼロディフェクト。
これは適わぬ夢の,また夢かも知れませんが,ベストプラクティスから好事例
を学び,活かし続け積み重ねることで,現実味を帯びてくることを願いたいで
す。


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●知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
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QMSにおけるリスク・マネジメント

早いものでQMSサロンも四回目が開催されます。
これまで,「知的資産と内部監査」,「内部監査の『監査プログラム』につい
て」,および「 QMSにおけるマネジメントとは何か」お話しを進めてまいりま
した。

前回は,QMSにおけるマネジメントを,“行為目的”,“本質”,“構造”,
および“構想”という目的展開手法を使い QMSによりマネジメントすることに
ついて皆さんと考えてみました。

そこで,今回はこれらをベースに QMSが抱えるリスクについて皆さんと一緒に
考えてみたいと思います。ここで検討すべきリスクとは,不測の事故や災害を
想定したリスク・マネジメントやコンテンジェンシープラン,または非常時の
BCP(事業継続計画)などに見る広範囲なリスク概念ではなく,QMS自体に内包
されたリスクに焦点をあててみたいと思います。

QMS の内部にひそむリスクとは何かと問えば,十分に機能しない手順とか,意
味のない文書や記録の山,外部監査準備の内部監査と形骸化した活動など QMS
の目的や構築に関わるリスクが思い浮かびます。

QMS の目的が仮に認証取得であればタイトルホルダーになることにより目的は
達成され認証取得のためのマネジメントに限定されますが,しかし QMS構築の
狙いは JAB調査報告書(2010)でも見るように品質やパフォーマンス向上に狙
いがあると見えます。

しかし実際には,その目的を達成するために何をマネジメントしたらよいか具
体的でなく,場合によってはマネジメント要素を具体的に把握することが困難
な場合があるのではないでしょうか。

今回はこれを具体的に把握するため“ QMSにひそむリスク”からアプローチし
てみたいと考えました。例えば,プロセスへのインプット情報が一部欠落した
場合や不正確なものであった場合,QMSとしてフィードバックし,これらを修
正し,適切なものにすばやく収斂させなければなりません。これを QMS とし
てどのようにマネジメントしたらよいのでしょうか。
また,必要な時に適切な情報が得られないリスク,経験していない機能を開発
するときの試行錯誤から生じるリスク,予定コストや納期リスクなど,QMSの
内部にひそむリスクは数知れずありそうです。

このような日々生じるリスクに対応できなければ QMSによるマネジメントは十
分に機能しているとは見えず,単に手続きを定めた静的な QMSになってしまう
のではないかと懸念されます。

今回はダイナミックな現場活動を視野にQMSにおけるリスク・マネジメントを
軸に,皆さんとともにQMSサロンで考えてみたいと思います。


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●編集後記
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本来であれば関東地方ではこの時期は桜の花が咲く時期ですが,今年は,2月の
厳しい寒さが長引き,桜の花芽の生長がやや遅れているようで,3月も気温の
低さともあり,各地の桜の開花が遅れてるようです。

一方,海の向こう側のワシントンでは,観測史上3番目に暖かい冬で,最高気温
が20度を軽く超える日が続いて,桜は一気に満開となったそうです。
今年は,1912年に当時の東京市から日米友好の証しとして桜の苗木がワシントン
に贈られてから,ちょうど100年にあたります。20日から始まったワシントンの
桜祭りは,100周年記念となる今年,パレードやコンサートなどさまざまな催し
が予定されており,例年よりも期間を大幅に延長して4月27日まで開かれるそう
ですが,関係者は早く咲いた桜がいつまで持つのかやきもきしているとのこと
です。

世界的に異常気象のようで,各国の桜の開花にも影響しているようです。

4月から新年度が始まりますが,このような世界的異常気象の中,体調管理には
十分注意する必要があります。
皆様も体調を万全にして,新たな年度に向けて,元気にがんばっていきましょう。

このメルマガでも何度か取り上げたISO 19011は、先週3月21日にJIS Q 19011
として発行されました。
是非,入手されて皆様の組織の内部監査の見直しにお使い戴ければと思います。

最後までお読み戴き,ありがとうございました。


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──「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
    QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/jp/
 http://www.ciaj.or.jp/qms/(QMS委員会ホームページ)
* 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(菅野 清裕)
* 皆様のご意見・ご要望をどしどしお寄せください!
 qmsmelg@ciaj.or.jp
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