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   「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

   QMS戦略セミナー「ISO 19011活用で内部監査をいかす」開催!

                      2011年11月30日発行 第46号

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≪ 第46号 目次 ≫

 ・はじめに                              
 ・「QMSサロン」報告と予告                     
 ・QMS戦略セミナー「ISO 19011活用で内部監査をいかす」予告     
 ・QMS戦略セミナー『バランススコアカードの基礎から構築まで』報告  
 ・ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」 
 ・TL 9000コーナー 「ベストプラクティス会議から」           
 ・知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
 ・編集後記                              

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●はじめに
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日々寒さが増し,コートが手離せない季節になりました。会員の皆さまは如何
お過ごしでしょうか?

QMS委員会では,初めての取り組みとして「知的資産と内部監査」をテーマ
に「QMSサロン」を開催し,初回から白熱した議論が展開されました。今後
もご参加戴く皆さまの気づきの場になればと思います。
また恒例の「BSCセミナー」も参加者からは大変な好評を戴き,終了するこ
とができました。

第二回の「QMSサロン」は,『内部監査の「監査プログラム」』をテーマに
12/6(火)開催予定です。本メルマガの“知識活用型企業への道「QMSにおけ
る知的資産運用への取り組み」”をお読み戴き,参加されてみては如何でしょ
うか?

それでは,メルマガ46号をお届けいたします。


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●「QMSサロン」報告と予告
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第1回「QMSサロン」を10月21日(金)開催いたしました。
QMS委員会フェロー/知的資産研究の山本Ph. D.をファシリテーターに迎え,
「知的資産と内部監査」をテーマに掲げ,知的資産という見えない対象物を内
部監査でどのように取り扱うことが出来るのかについて,活発な意見交換が行
われました。

初回参加者は11名で,企業活動にとってQMSはどのような効果をあげている
か,QMSはどの程度貢献しているかにはじまり,経営資源を活用するために
QMSは,どのような役割と働きが期待されるか,人的資源を活かすポイント
は何かなど,知的資産を理解するために,踏み込んだ議論も行われました。

更に,内部監査をするということは,組織にとってどのような価値があるか,
内部監査は,どのような点に注目すべきかという議論から,知的資産という知
識が社内で循環している現状をどうやって監査するかに着目し,企業にとって
のバリュー(価値)を監査の軸に加えて,過去の結果を確認する監査から,企
業の将来価値というバリューを監査基準に置いてはどうかという提言で締めく
くられました。

参加者からの感想では,「議論の内容は難しかったが,進め方については,お
もしろい取り組みであると感じました。」などの意見があり,会員相互の新た
なコミュニケーションの場としてまずまずのスタートが切れました。


第2回「QMSサロン」は,既にお知らせの通り,12月6日に開催予定です。
今回のテーマは,『内部監査の「監査プログラム」』です。
今回は内部監査という視点から,組織の弱みを是正するだけでなく強みをいか
すための「監査プログラム」とはどうあるべきか,その可能性と課題について,
一緒に考えてみたいと思います。

 日時:2011年12月6日(火) 14:00 〜 17:00
 会場:東京・JEI浜松町ビル3階 CIAJ会議室(F/G会議室)

皆様のご参加をお待ちしております。


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● QMS戦略セミナー「ISO 19011活用で内部監査をいかす」予告
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既にご案内のとおり,QMS委員会では, "QMSをいかす" をテーマにイベ
ントを検討してまいりましたが,このたび,ISO 19011 作成WG日本代表エキス
パート(元公益財団法人 日本適合性認定協会 認定センター審査役)の亀山嘉
和様をお招きし,「ISO 19011活用で内部監査をいかす」をテーマにセミナー
を開催することとなりました。

QMSの有効性を継続的に改善するためには,組織の経営目的に符号した内部
監査の運営が欠かせません。一方で内部監査を計画し実行し改善するという一
連のサイクルの中で様々な課題が存在しています。

今回,11月に発行された改訂版ISO 19011:2011が意図するもの,求めているも
のに焦点を当てながら講演を戴き,更に「内部監査はどうあるべきかに」つい
てパネルディスカッションを行い,その解決策を探ります。

2012年新春のQMS戦略セミナーが各社の内部監査をより良いものとするため
の機会となることを願い準備を進めております。多くのQMS事務局,内部監
査に係わる方にご参加を戴きたくお願いいたします。

 1.日 時: 2012年1月10日(火) 14:00〜16:40
 2.場 所: 情報通信ネットワーク産業協会 第B〜第E会議室
         (JEI浜松町 ビル3階)
 3.テーマ: 『ISO 19011活用で内部監査をいかす』
 4.講 師: ISO 19011作成WG 日本代表エキスパート 亀山 嘉和 様
        QMS委員会フェロー 山本 正 様
 5.プログラム(予定)
   14:00〜14:30 「内部監査にまつわる問題提起」…山本 正 様
   14:30〜15:30 「改訂版 ISO 19011が求めるもの」…亀山 嘉和 様
   15:30〜15:40 休憩
   15:40〜16:40 パネルディスカッション「内部監査はどうあるべきか」


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● QMS戦略セミナー「バランススコアカードの基礎から構築まで」報告
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2011年10月17日〜10月18日に横浜国立大学大学院の吉川武男名誉教授をお招き
して,『バランススコアカードの基礎から構築まで(定員制2日間コース)』を
開催致しました。

このセミナーは,演習時間が7割を占めるカリキュラムが大きな特徴です。
BSCの基本と構築のためのステップの講義と,少人数のグループ演習で構成
されていますが,今年も受講者の皆さんには考え,議論戴き,吉川先生のヒン
トや解説を受けながらBSCを構築してもらいました。
また,グループ発表,BSC構築事例紹介,吉川先生の総評と,参加者全員で
の意見交換会を行い,アットホームな2日間のセミナーとなりました。

今回の受講者は,品質保証・品質管理関連の方が8割を占めており,参加動機
はビジネスや業務に役立つツールとしての期待を持って参加された方が全体の
6割を占め,BSCを学ぶこと以上の期待となっていました。

また,受講者全員が目的を達成したとのご意見を戴いております。
その他,「異業種メーカの人と交流できてよかった」「チームメイトに恵まれ
楽しく学習できた」「社内のセミナーにはない良い刺激があった」「先生が明
るく楽しかった」などチーム演習の良さの評価も戴きました。

QMS委員会ではマネジメント時代の企業人にとっては,確実に目的・目標を
達成していくための考え方やテクニックが必須で,こういう形での人財育成は
必要と考えます。
今年で8年目の開催でしたが,引続き,吉川先生にはご支援を戴けることにな
りました。今後についてもご期待ください。

また,受講後のアンケートでは率直なご意見を多数頂戴致しました。受講者の
力量アップが図れるよう次年度に向けてフィードバックをして参ります。
受講者アンケートの結果は,以下の会員専用サイトからご覧戴けます。

 <会員専用サイト(ID,PWが必要です)>
 http://www.ciaj.or.jp/qms_m/pdf/111018.pdf


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●ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
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ISO/TC176/SC2北京総会が2011年10月24日〜28日に開催されました。
その中でも注目すべき内容を次に示します。

A)「ユーザーサーベイ」の結果が報告されています。主に挙げられたコメント
  は,
 ① 認証の問題とともに,有効なISO 9001実施に向けた取り組みが必要
 ② リスクマネジメント,財務マネジメント,変更管理,アウトソーシング
   などの導入が必要
 ③ 製品実現,検証及び妥当性確認,設計・開発に関する要求事項の明確化が
   必要
 ④ サービス分野及びソフトウェア分野での適用が難しい

などがあり次期ISO 9001改正作業のインプットとなる予定です。

B) QMP(品質マネジメントの原則)についての検討
  現行の既存の8つのQMPから,7つに整理・統合される予定です。
 ① 顧客満足(Customer Focus)
 ② リーダーシップ(Leadership)
 ③ 人々の力量及び関与(Competence and Engagement of People)
 ④ プロセスアプローチ(Process Approach)
 ⑤ 改善(Improvement)
 ⑥ 情報に基づく意思決定(Informed Decision Making)
 ⑦ 関係性マネジメント(Relationship Management)


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●TL 9000コーナー「ベストプラクティス会議から」
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メルマガ第46号に引き続き,9月13日-14日,米国シアトルでクエストフォーラ
ムのベストプラクティス会議からの話題を展開致します。

日本国内では,省エネ法により2011年度出荷分から目標達成義務が発生し,国
内向けに出荷する対象製品のエネルギー消費効率を区分ごとに出荷台数により
加重平均した数値が目標基準値内であることを経済産業省へ報告することを求
められています。

クエストフォーラムと米国電気通信産業連盟(ATIS)が連携することにより,
TL9000の測定法では,”Sustainability”の観点から「消費電力」の計算方法
TEER(Telecommunications Energy Efficiency Ratio)を定義しようとしてい
ます。

 TEER = UsefulWork/Power
      UsefulWork= Defined in the supplemental standard based on
             the equipment function. Examples could be,
             but are not limited to: data rate,throughput,
             processes per second, etc.
      Power   = Power in Watts
             (dependent on the equipment measurement)

11月7日〜10日に,中国 北京で開催されたベストプラクティスク会議の情報は
次回のメルマガで紹介致します。


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●知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
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前回は,内部監査を進めるためのISO 19011「品質 及び/又は環境マネジメン
トシステム監査のための指針」の改訂作業が進められている中,規格要求への
適合性を確認する外部監査と内部監査の違いについてお話ししました。

規格要求への適用を把握する外部監査と違い,内部監査は設定した監査目的に
よりその内容が異なるものであり,単に監査者が社外の人間かどうかの違いで
はありません。もちろん,社外から見たときに自社のQMSがどのように見え
るかを知ることは重要ですが,それだけに注目したのでは主体性が失われ本末
転倒といえるでしょう。

今回は内部監査の質に影響を与える重要な要素である「監査プログラム」につ
いて考えてみたいと思います。

今回進められているISO 19011の改訂は,QMSやEMSなどさまざまなマネジメント
システムの内部監査に注目したものであり,審査機関が行う第三者審査への要
求事項はISO/IEC 17021 に従うものと分けられています。今回の改訂のポイン
トはいくつかあると見えますが,個人的には
 ①経営者のかかわり合いについて,
 ②監査員の力量について,
 ③監査プログラム管理者の力量とプログラム作成ステップ,
 ④監査に伴うリスクの認識,
 ⑤リモート(遠隔)監査,などがあります。
このように注目すべき点は多々ありますが,まず「監査プログラム」について
考察を進めてみたいと思います。

内部監査は外部監査と同じように監査プログラムを作成し,自らがQMSの完
成度と効用および弱点を体系的に見極めるため,自らが行うものです。品質の
世界では「測定できないものは改善できない」と言われているように,内部監
査はQMS改善に対し貴重な手がかりを与えてくれるものと期待されます。

一方で,内部監査には“あらさがし”と“形骸化”という言葉が付きまといま
す。そして弱点を無理やり探し出すような監査では嫌気がさします。むしろ,
個人的にはその組織の強みを探し出すことの方が大切なことだと思っています。
弱みを探しだそうとすると何となくギクシャクとした監査になりやすく,むし
ろ,あなたの知らない強み探し出してあげますと考えた方が,監査はいいよう
な気がします。

その理由は,弱みをなくすことも大切ですが,強みを補強した方が企業経営に
とって有益だと考えるからです。それらを伸ばせば競争優位を確保するための
企業の個性化につながるものだと見ているからです。仮に内部監査でその組織
の強みを探し出そうとしても何も出てこないとするならば,それ自体がその組
織の脆弱さを示すもので,経営者から見れば何とかしたいと思うでしょうね。

そのような場合,その組織のマネジメントの皆さんには,業務の仕組みが官僚
的になっていないか見直して戴く機会にもなるでしょう。監査プログラムを書
くとしたら,このように規格への適合確認と不具合だけを探し出す監査とは違
った監査プログラムを計画するのはいかがでしょうか。このような漠然とした
考えをしながら「監査プログラム」について今回は話を進めたいと思いま
す。

その前に,前回からメルマガに記載した内容を話し合う場として研究分科会主
催で「 QMSサロン」がスタートしました。第一回目のQMSサロンでは
「知的資産と内部監査」という少しむずかしいテーマでお話しあいをして戴き
ました。企業が経験から学んだ知識は企業の競争力確保のベースになるもので
すが,この企業の強みとなる知的資産を内部監査でどのように把握するのか, 
内部監査の在り方について少し踏み込んだテーマを選定させて戴きました。
その結果から,「 知識活用型企業の内部監査は,パフォーマンス監査から
『バリュー監査』に移行する必要がある。」とまとめさせて戴きました。

バリュー監査とは簡単にいえば規格要求への適合度だけでなく,その組織活動を
何らかのバリューを使い,二つの軸で評価することです。縦軸を規格への適合状
態とすれば客観的に合否判定できるものです。一方で横軸は必ずしも客観的に
良し悪しを決められないものを横軸に置き主観的になるかもしれないが,知識活
用型業務で求めているバリュー評価をするものです。

例えば,ある手順は規格要求事項を満たしていますが,その組織にとって全く
バリュー感が感じられないものであるとすれば,その手順は組織活動にとって
意味があるかどうかを問う評価です。主観的な要素を取り入れて評価すること
になりますが客観的な評価ができない例えば知的資産を組み込んだプロセスで
は,バリュー評価の方が意味があるかと見えます。忍耐力と評価者の力量が求
められるものですが,企業内の監査員が行うからこそできる監査内容だとも言
えます。

さて,本題に戻り 「監査プログラム」 の話に戻りますが,社外の審査員では
立ち入れない部分までも踏みこみ監査できる強みが内部監査にあります。また,
規格要求への適合だけでなく生産性や有効性についても監査できるものです。
外部監査の準備監査という意味合いだけ内部監査を行っていると形骸化しやす
いだけでなくQMSのバリューが認識できないものとなります。ゆえに監査プ
ログラムを作成する管理者の皆さんには,経営者層と相談し監査の目的と監査
適用範囲を熟考して戴くことが重要です。その上で,この監査で起こり得る
リスクを特定し,できればリスクを事前に軽減することが求められます。

毎回のことですが紙面に限りがありますので,この続きはご案内させて戴いた
今回のQMSサロンで具体的に話しあうことにしたいと思っています。


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●編集後記
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今年も,あと一か月あまりとなりました。皆さまの中には,年末・年始の準備
を始められた方もいらっしゃるのではないでしょうか。今年は, 震災へのお見
舞いや励ましのメッセージを送る方もいらっしゃると思います。我が家のこの
時期の恒例行事と言えば,年賀状の準備です。年賀状に代わって,年賀状メー
ルを活用されている家庭も多いと思いますが,我が家ではパソコンとプリンタ
ーを使用した年賀状づくりが続いています。

子供が小さかった頃は,印刷した子供の写真に添え書きを加えた年賀状が慣例
になっていました。しかし,子供が成長するに連れて,自身の写真を年賀状に
印刷されることを嫌うようになり,いつの間にか子供の写真は年賀状から消え
ました。今では,家族それぞれが自分の好みで年賀状をデザインするため,我
が家に1台しかないパソコンの前は,入れ代り立ち代りの人で賑わい,投函締
切寸前まで慌ただしい日々が続きます。

まだ今は,どのようなデザインにしようかと迷っている段階ですが,心温まる
年賀状に仕上げ,疎遠になりがちな知人・旧友とのコミュニケーションを絶や
すことのないようにしたいと考えています。

最後までお読み戴き,ありがとうございました。


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──「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
    QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
 http://www.ciaj.or.jp/qms/(QMS委員会ホームページ)
* 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(菅野 清裕)
* 皆様のご意見・ご要望をどしどしお寄せください!
 qmsmelg@ciaj.or.jp
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