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    「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

    「総会特別講演では,マネジメント及び経営の本質に迫ります! 」


                      2011年5月31日発行 第43号

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≪ 第43号 目次 ≫

 ・はじめに
 ・QMS 委員会総会 特別講演会のお知らせ
 ・ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
 ・TL 9000コーナー「クエストフォーラム関連情報」
 ・知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
 ・編集後記

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●はじめに
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震災後80日を経過しましたが,依然として10万名以上もの方々が避難所で
の生活を余儀なくされるなど,厳しい状況の報道がされております。
改めまして被害を受けられた地域の皆様には謹んでお見舞い申しあげると共に
一日も早い復興と皆様のご健康を心からお祈り申しあげます。

この度の大震災では,帰宅問題,通信手段,省エネといった身近な問題から,
企業では防災体制からBCPなど,大きな教訓をもとに検証や見直しのための
きっかけとなったようです。

また,復旧・復興に向けて,企業としてできること,やらなければならないこ
とを実行に移された企業の報道も数多くされており,企業の社会貢献を考える
よい機会にもなったようです。

QMS委員会では6月7日に総会が行われますが,特別講演会では今回の震災
で発生直後から被災地で復旧への大きな役割を果たしたヤマトHD様をお招き
しており,震災対応についても若干お話戴くことになっております。
追加の募集も受け付けておりますので,是非ご参加下さい。

それでは,メルマガ43号をお届けいたします。


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●QMS 委員会総会 特別講演会のお知らせ
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既にご案内を差し上げておりますとおり「2010年度 QMS委員会総会」の後に,
恒例の『総会特別講演会』を行います。

参加申込期限は過ぎておりますが,参加希望の方は急ぎ事務局宛にご連絡くだ
さい。

日時: 6月7日(火)14:50〜17:30
場所: 東京都港区浜松町2丁目2番12号 JEI浜松町ビル3階
    情報通信ネットワーク産業協会 会議室B〜E

  第1部 14:50〜15:50 「現場知を活かすマネジメント」(仮題)
  [講師]山本 正 様 (QMS委員会フェロー,MBA,
              早稲田大学大学院博士課程)

  第2部 16:00〜17:30 「ヤマト運輸の“満足創造”経営」(仮題)
  [講師]木川 眞 様 (ヤマトHD株式会社代表取締役社長執行役員
              兼ヤマト運輸株式会社取締役会長)

第1部は,おなじみの山本フェローに,「現場知を活かすマネジメント」につ
いて知的資産活用の側面から独自の切り口で分析いただいたお話を頂きます。

第二部は,ヤマトホールディングス(株)社長の木川 眞様をお招き致し,ヤ
マト運輸の「“満足創造”経営」についてお話を頂きます。

ヤマト運輸は,それまで民間企業には採算が合わないとされた宅配事業を1976
年に開始し,国民生活に無くてはならない物流サービスに成長させるとともに
宅配市場トップシェアの企業です。

2008年にスタートさせた中期経営計画「満足創造3か年計画」では“満足創造”
をキーワードに「お客様」・「社会」・「社員」に対して,常に満足を創造し,
提供していくことを基本姿勢としており,新たなイノベーションの実現を目指
しています。より良いサービスを提供していくためには,社員一人ひとりが,
それぞれの業務の中で「お客様の満足」を追求する意識と行動が欠かせません。

今回の講演では,グループの歴史を振り返りながら,ヤマト運輸の事業戦略に
ついてご紹介するとともに,社員のモチベーション向上の取組みについてお話
させていただきます。

また,東北地方太平洋沖地震では自らも被災したヤマト運輸ですが,被災地の
災害対策本部などと連携し,食料や生活用品などの救援物資の仕分け作業や避
難所への輸送を行う「救援物資輸送協力隊」を設置するなど,物流業界でいち
早く復興支援を表明しました。この支援活動についてもお話いただく予定です。


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●ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
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ISO 9001,ISO 14001,ISO/IEC 27001などのマネジメントシステム規格(MSS)
の整合性を確保するための議論が行われています。

この活動は2007年 1月に第1回の会議が行われて以降,2010年10月の第8回会議
まで,ISO マネジメントシステム規格の整合性向上に関する検討を行ってきて
おります。その要点は,

1)マネジメントシステム監査規格の指針 (ISO 19011(JIS Q 19011))の改正
2)ISOマネジメントシステム規格の整合性確保のためのビジョン作成
3)ISOマネジメントシステム規格の整合性確保のための基本構造の開発
4)ISOマネジメントシステム規格の共通テキストの開発
5)ISOマネジメントシステム規格の共通用語・定義の開発

です。

この活動は,2011年末に最終ドラフトが提出される予定です。


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●TL 9000コーナー「クエストフォーラム関連情報」
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クエストフォーラム関連の情報についてご紹介します。

・Web関連
 Webガイダンス文書Code of Practice for TL 9000 Registrars
 (TL 9000認証機関のための実施規則)の第6版が発行され,2011年 3月 1日
 より有効となりました。翻訳版は,以下の日本ハブWebサイトのガイダンス
 文書に掲載されています。

 http://questforum.org/japanhub/index.htm

・ベストプラティクス会議
 今後の各地域でのベストプラティクス会議開催予定は以下の通りです。
 ・EMEA (欧州/中近東/アフリカ)はローマで6/6〜8に開催の予定です。
 ・Americas (北米/中米/南米)はシアトルで9/13〜14に開催の予定です。
 ・APAC(アジア/太平洋)は北京で11/8〜10に開催の予定です。

・Validation Audit (VA)について
 TL9000要求事項のガイダンス文書
 (Code of Practice for TL 9000 Registrars)
 に基づいて実施する妥当性確認審査(VA)は,TL 9000 認証プロセスの有効
 性を評価するために,認定機関により実施されるワンデープロジェクトです。
 クエストフォーラムが全世界からサンプリングした23の組織が対象となりま
 す。日本からは1社(公表不可)で実施されます。

・新技術(NGN,IPネットワーク) に対する測定法の研究
 集中型,次世代型,IPベースの通信ネットワークを効果的に測定する方法
 に現在,取り組んでいます。ロードマップを作成し,将来のIPベースネッ
 トワークインフラストラクチャに対するTL 9000 測定法の実施へと導いてい
 ます。


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●知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
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前回は,教育・訓練の知的協力関係のお話しをさせていただきました。
そこで,今回は知識の形成ということで,知識の形態についてお話しさせてい
ただきます。

前回のお話しのなかで「知的協力関係」が学習には必要ですと述べましたが,
知的協力関係とは知識の受け手が,自らの経験を使い能動的に相手の話から知
識を作り上げることを示しています。

学習とは受け手側の学ぼうとする姿勢とその人が持っている知識と経験を使い
自らが知識を形成することであるとしました。野球を例にすれば,うまく球に
バットをあてるにはその人のもって生まれた資質だけでなく,たゆまぬ練習を
重ね体で覚えることと似ています。

いかにコーチに教えてもらっても最終的には自らが知識を作り上げなけなけれ
ばなりません(この場合,身体知といいます。)。一方で,教える側は自らの
知識や経験を伝えるだけでいいのか?といいますと,生徒側から信頼をもらえ
なければ知的協力関係は構築できず,教育・訓練とは言い難く単に話したにす
ぎません。

このように学習とは基本的に実践的に知ることから始まり,教えられたことを
受け手が真実であると認めることにより,はじめて知識は形成されます。

これは,「情報」と「知識」の違いとも言えます。情報は,その人が真実とと
らえるかどうかには関係がありません。一方で知識は,その人がそれを真実と
して受け取り信じることにより知識となります。一般的に情報と知識の識別は
容易ではなく昨日までは知識であったものの,一夜明けると新たな事実が加わ
り単なる情報になることも多々あります。逆に,昨日までは単なる情報であっ
たものが今日は知識となるものです。

知識も情報も共通する点は双方ともに何らかの行為に結びつくことです。情報
だけで何らかの行動を起こす場合もありますし,まずは確認して真実を確認し
それを信じて判断し行動する場合もあります。どちらがいいかは,皆さんの判
断にお任せします。

さて,前置き長くなりましたが,今回は“過去の知”と“今ここにある知”と
いう観点でお話しします。

QMS のなかで文書化が非常に大きな役割を担っていることは,みなさんもご存
じのとおりです。この文書とは記号化され成文化されたもので「形式知」とい
いますが,一方で,人間の頭脳のなかで生み出されるものは,それ自体を直接
語ることができないものが少なくなく,これを「暗黙知」といいます。例えば,
暗黙知には技量など身体的なものもあります。またアイディアを生み出す能力
なども含まれます。どうしてそれができるかは感覚的なもので,これを経験知
などという場合があります。

形式知は成文化されたものであり文字や図形などで記号化され取り扱うには非
常に便利な知識の形態です。これは固定された知識形態でいわば“過去の知”
であります。文書になった段階でその知識は一旦何らかの固定されたものにな
り,あとは読み手の理解にゆだねられるものです。

一方で,暗黙知は直接示すことができませんが媒体として言葉や行動をとして
示され,その場で現れ消えていく“今ここにある知”と言えます。この知識の
形態は会議などでインタラクティブに情報交換し知識を形成するために不可欠
なものです。

この“今ここにある知”は,その場の文脈で大きく影響を受け,例えば会議の
席で社長が参加した場合と,課長だけが参加した場合とでは同じような議題で
も表現だけでなく,内容までも変わることがあるものです。また,同じ人から
でも別の日に同じ話題を聞くと全く違う意見になることも多くあります。これ
を,いい加減なものとして扱ってはいけません。その背後にある文脈が変わっ
た可能性があり,この“ゆらぎ”が知識創造や新たな知識の形成には不可欠な
要素だと思っています。

QMS のように文書化を軸に構築すると,いわば“過去の知”だけで構成される
ため,今のように変化の激しい時代にはそれだけでは追いつけない部分が出て
しまいます。そこで知識の基盤として不可欠な“過去の知”と“今ここにある
知”を組み合わせてこそ,本当のQMSができ上がるものであり,「現場知を活か
すマネジメント」につながるものだと思っています。

紙面の関係もありますので,具体的なお話はQMS 委員会総会 特別講演のなか
でお話しさせていただきます。


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●編集後記
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各地では,平年に比べ20日近くも早く梅雨入りし,早々と台風も訪れ暑い季
節が早く訪れそうな気配です。

東京電力管内では,この夏の電力供給量を踏まえ,国民・産業界が一丸となり
最大電力前年比15%削減に取り組む必要があります。各社での「クールビズ
前倒し」「夏期輪番集中休日」「休日振り替え」等に加え,国民一人一人の省
エネ意識が重要になっています。

店頭では色々と工夫を凝らした様々なエコグッズが並び,省エネに対する注目
が高くなっています。私も数年ぶりに押入れから扇風機を引っ張り出しこの夏
を乗り越えようと思っています。一人ひとりの努力でこの夏を乗り切りたいも
のです。

最後までお読みいただき,有難うございました。


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──「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
    QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
 http://www.ciaj.or.jp/qms/(QMS委員会ホームページ)
* 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(菅野 清裕)
* 皆様のご意見・ご要望をどしどしお寄せください!
 qmsmelg@ciaj.or.jp
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