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    「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

      「収穫の秋,QMSの情報満載です! 」

                       2010年9月30日発行 第39号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CIAJ ━
≪ 第39号 目次 ≫

 ・はじめに
 ・QKM 信頼性データ解析講座,QMS 戦略セミナーのご案内
 ・ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
 ・TL 9000コーナー   「ネットワークの信頼性とNGNへの対応について」
 ・知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
 ・編集後記

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●はじめに
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今年の夏は猛暑が続き,その勢いは 9月に入っても治まらず秋はいつ来るのか
と心待ちしておりましたが,ようやく秋が来たと感じられるようになりました。

早いもので明日から10月。今年もあと4分の1ですね。
地球温暖化防止活動として,ビジネスマンにすっかり定着しているクールビズ
も本日までで,明日からは,街の景色も背広,ネクタイ姿の方が増えて様変わ
りすることでしょう。

さて,QMS委員会ではQMSをいかすをテーマに活動しておりますが,秋から冬に
かけていろいろな企画を計画しています。
既にご案内済の座学セミナー 2件に加え,11月には異業種見学会を実施する予
定です。ご期待下さい。会員の皆様方の積極的な参加をお待ちしております。

それでは,メルマガ第39号をお楽しみ下さい。


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● QKM 信頼性データ解析講座,QMS 戦略セミナーのご案内
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前回のメルマガでも紹介しましたとおり,QMS委員会では定評ある座学講座 2件
の開催の準備を進めております。すでにメールにて募集案内を配信しておりま
すが,以下に簡単に紹介いたします。


◆ 2010年10月 8日    QKM レベルアップセミナー
            『信頼性データ解析講座』

『信頼性データ解析講座』は,QMS会員企業の現役品質管理エキスパートが講
師を努め,信頼性の見方,考え方をワイブル確率紙や累積ハザード紙を使った
演習で体得して戴くメニューで,昨年の受講者アンケートからのフィードバッ
クも行い準備をしています。基本から学べ,わかりやすい解説に定評がありま
す。

 【募集状況】 申し込み期限は9月24日(金)ですが,まだ若干席に余裕が
       ありますので,受講希望の方は事務局にお問い合わせ願います。


◆ 2010年11月 1日〜 2日 QMS戦略セミナー
            『バランススコアカードの基礎から構築まで』
               (定員制 2日間コース)

『バランススコアカードの基礎から構築まで』は,国内第一人者の横浜国立大
学大学院 吉川武男名誉教授を招聘して,定員制の 2日間コースとして開催し
ている定番コースです。申し込み期限は10月8日(金)です。

BSCをとりまく状況は,一時期のブームとしてブレイクした時期は過ぎ,企業
や行政などの業績改善のためのツールとして本格的に導入をされるケースが国
内外で増えている状況のようです。
QMS委員会では,BSC構築の過程で実践されるビジョンと戦略を直結させる手法
のビジネスにおける必要性・有効性にいち早く着目し,その手法を多くの方に
経験いただけるよう講師の全面協力のもと毎年開催しております。

カリキュラムは,事例を多用したわかり易い講義と,吉川名誉教授の直接指導
による少人数のグループ学習形式のケーススタディで構成され,全体の 7割を
演習に充てるという実践的なセミナーです。
特に,BSCの基礎から構築までの 7ステップを学ぶケーススタディは,柔軟な
思考訓練となる良い機会との声が多く,達成感・満足度も高く,大変好評を得
ております。

マネジメント時代に必要な思考力を総合的に体得できることから,管理職また
は管理職候補の方の教育の場としても大きなメリットがあります。
是非,この機会にご参加をお願いいたします。

 【募集状況】 ご案内して間もなく,まだ十分余裕がございます。とはいえ,
       少人数定員制の定番セミナーゆえお早めに申込み下さい。
       申し込み期限は10月8日(金)です。


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●ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
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現在のJIS Q 19011:2002 「品質及び/又は環境マネジメントシステム監査の
ための指針」がISO 19011の改正に合わせて開始されました。現在のISO 19011
の改正スケジュールはDIS投票締め切りが11月,FDIS締め切りが来年4月ごろ,
発行が翌5月ごろと予定されています。

また今回の改正は,現在の指針が品質および環境マネジメントシステムを対象
としていたことに対し,多くのマネジメントシステム規格が発行されてきたこ
とを受け,より広範囲のマネジメントシステム監査ができるように考慮されて
います。


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●TL 9000コーナー  「ネットワークの信頼性とNGNへの対応について」
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クエストフォーラムの最近の動きを紹介します。

7月ベルリンにてEMEA地域,9月アトランタにて米国地域のベストプラクティス
会議が開催されました。中心の話題は,ネットワークの信頼性および NGNに対
してどのように対応していくかです。

 ネットワークの信頼性については,
  サービスプロバイダ向けの TL 9000品質マネジメントを促進する測定法を
  開発することを目指しています。これは,クエストフォーラムのエグゼク
  ティブボードプロジェクト#6として,ネットワークオペレーションセンタ
  ーによって管理されるサービス品質測定を促進するものです。

 NGNにどの様に対応していくかに関しては,
  電気通信市場は,北米ではモバイルへシフトし,通信トラフィックは60%/
  年で成長し,パケット通信量は6年間で18倍,レガシー通信は2倍の成長し
  かありません。この環境で,NGNに対する規格を作成する必要があり,
  クエストフォーラムのエグゼクティブボードプロジェクト#9では,2011年
  の資料化を目指して検討中です。その後は,TL 9000品質マネジメント測
  定法ハンドブックへの反映を視野にいれています。

11月にはAPAC地域のベストプラクティス会議が北京にて開催される予定です。
今後も上記トピックの進展状況も合わせて,クエストフォーラムの動きを
本コーナーにて紹介していきます。


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●知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
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前回では,QMS構築と維持に関しシステム思考の必要性を述べました。また,
システム思考はリスクというものを避けることができないので,次回はリスク
のお話をするとして閉じさせていただきました。そこで,今回はリスクについ
て述べたいと思います。

リスクマネジメントは,リスクの特定,発生確率,発生時の被害想定,対応す
べきリスクの選択と対応計画などがあるかと思いますが,それらは専門家の方
にまかせ,リスクとは何かを素朴に考えてみたいと思います。
通常,企業や人々はさまざまなリスクに取り囲まれています。
例えば,電車事故により大事な会議に出席できなかった,台風が来て飛行機が
飛ばなくなったため旅行に行けなかったなど日常的なリスクが多くあります。

企業も同様に,急激な円高により利益が計画通りに出なかった,取引先が倒産
した,開発が予定通りに進まないなど,さまざまリスクに取り囲まれています。
さらに企業では,一旦不祥事を起こせば,企業のブランド,名声または評判は
急速に低下し事業リスクにまで発展することがあり,場合によっては企業が存
続できなくなる可能性も少なくありません。また,企業ぐるみの不祥事でなく
とも顧客情報が入っている USBメモリーを一社員が紛失したような個人的なう
っかりであってもその影響範囲は非常に広範囲になります。このように,個人
的行為や問題であってさえも企業全体が責任を追及されリスクがあります。

リスクの影響は広範囲にわたりますが,話を変えて本題である QMSにおけるリ
スクとは何があるかを考えてみましょう。
例えば QMSで規定しているプロセスでは処理できない特別な事態が発生した場
合とか,設備が故障したとか,技能を持っている人材が退職してしまったとか,
伝票を紛失したとか,さらには顧客の所有物を紛失したなど,QMS の中でもリ
スクにつながることがらが多く発生します。そこで,QMS の中でおきるリスク
に対応するために,何を理解すべきかを今回は考えてみましょう。

リスクのことを「不確実性」と関連付けて考えることも,「不確定性」と考え
ることも可能です。不確実性と不確定性の違いがあるのかと疑問を持たれる方
もいるでしょうが,QMS のリスクを考えるときには相当に違いがありそうだと
考えました。そのきっかけは海外のリスクマネジメントの訳本を読んでいて,
本により uncertainty(不確かなこと)を「不確実性」と訳しているものと,
原子の世界で有名なuncertainty principleの訳である不確定性原理のように
「不確定性」と訳している文献があることに気がつきます。

この違いはどうでもよいように見えますが,QMS におけるリスクを解釈すると
きに重要だと思っています。なぜならば,企業内のリスクを「不確実性」と理
解するとリスクが不確実性をもち,起きることがらを特定することがむずかし
くなるからです。結果的に起きた時にモグラたたき的な対応や是正処置をしな
ければならないからです。これは事後処理的な視点になります。一方で,QMS
の構築は事後処理を狙っているものではないので,uncertaintyを「不確実性」
と理解をするとどうもしっくりきません。

一方で,QMS のリスクを「不確定性」と理解し信じるとすれば,プロセスやシ
ステムを確定することにより不確定性をより少なくすることができると信じる
ことができます。例えば,日程通りに目標の製品を出荷できるかはその途中段
階では確定できませんが,その日に近づくにつれてさまざまな要素は確定し不
確定性は小さくなり,その日になり出荷されたかどうかを見れば,不確定性は
なくなり確定します。

このように考えてみると,我々が一般的に認識しているリスクの性質は不確実
性と不確定性という二つの側面を持っていると考えるのができそうです。 QMS
は,プロセスやシステム内容を明らかに定めることにより,業務を遂行する上
で起こりうる不確定性を小さくしていくことに役立ちそうです。そして不具合
が起きた場合,不確定性を小さくするために是正処置を行い,場合によっては
予め不具合を防止するために予防処置を行うことも可能です。すなわち,QMS
は業務上の不確定性をマネジメントすることになります。

一方で,設計・開発という創発的な業務においては不確定だけで語ることはで
きません。どうなるかわからないという不確実の領域が大きいものです。この
ような場合でも,創発力を十分に発揮してもらうために,まずは QMSの不確定
性を小さくすることから始めなければならないでしょう。例えば,必要な情報
交換が行われる仕組みがないとか,評価方法や検証方法が確実でないとか,
QMS を使って不確実性を小さくする工夫ができそうです。一方で,不確実性を
含む創発的な業務に QMSで使うには限界があるものの,その部分は前回の組織
的学習とかシステム思考とかを QMSと組み合わせて考えてみると良いかと思い
ます。

さて,今回は QMSのリスクを議論する前に,我々が理解しなければならないリ
スクの特性を,「不確実性」と「不確定性」の対比で述べました。リスクマネ
ジメントと称しているものの中には,単純に段取りや対応処置方法を述べるだ
けのハウツウものもありますが,もう少しリスクの本質から考えなければと素
人の筆者でも思えるものです。

また,今回は,リスク要素のひとつである 「Uncertainty」という言葉を「不
確実」ととらえるか「不確定」ととらえるかとする二項対立で簡単に述べまし
た。しかし Wikipediaで調べてみると,リスクにかかわる言葉がたくさん並ん
でいます。Uncertainty=不確定性,Indeterminacy=不確定性,Contingency=不
確実性,偶発性,Undefinedness=不確実性,ambiguity=不確定性,多義性など,
多くの言葉が記載されていました。これら言語の背景にある意味合いや,リス
クとハザードとの違いは何かなど,QMS として考えたくなるものが沢山ありま
したが,紙面の関係もありここでやめにしておきます。

ところで,勇気のある方はハイゼンベルグの「不確定性原理」でも読んでみて
はいかがでしょうか。観察することだけで相手に影響を与えてしまうこの領域
の不思議さから,QMSへのヒントが得られるかもしれませんね。


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●編集後記
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暑さ寒さも彼岸まで,やっと過ごしやすくなりましたね。
秋は,読書の秋,スポーツの秋,食欲の秋など,各人の充実の時間を持てる,
一番気候の良い季節です。

皆様は,待ち遠しかった秋,どのようにお過ごしになる予定ですか?

私の秋の過ごし方は,やっぱり大好きなサッカー観戦です。
子供のチーム,地元Jリーグ,日本代表など,観戦に行くのも良し!
秋の夜長,ゴロゴロしながらテレビ観戦するのも良し!!

サッカーと言えば,アフリカW杯で活躍した日本人選手たちは,続々と
海外チームに移籍して連日活躍が報じられていますね。
スポーツに限ったことではありませんが,日本人が海外で活躍していると
嬉しくなりますし,自分も頑張ろうと思えてくるから不思議です。

日本人選手が海外のチームの試合で顔を合わせるなど,少し前では考えも
しなかった事が現実になっており,素晴らしいことです。

そして,ザックジャパン(ザッケローニ監督率いる新生日本代表)も,
新たなスターが活躍し,次のW杯に向けて好調な滑り出しで,これから益々
観戦の楽しみが増えます!

まずは…。
今週の子供のサッカーの試合は,品ある保護者の立場を失わないように応援,
来週の日本代表vsアルゼンチン戦は,ホーム席で力の限り応援してきます!

最後までお読みいただき,有難うございました。


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──「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会 QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
 http://www.ciaj.or.jp/qms/(QMS委員会ホームページ)
* 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(菅野 清裕)
* 皆様のご意見・ご要望をどしどしお寄せください!
 qmsmelg@ciaj.or.jp
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