ロゴ

メルマガ

HOME→メルマガ

            

━ CIAJ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

    「今年も役に立つ企画と情報をご提供し続けます。乞うご期待!」

                       2010年1月29日発行 第35号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CIAJ ━
≪ 第35号 目次 ≫

 ・はじめに
 ・異業種見学会のご案内 「味の素株式会社・川崎工場」
 ・QMS戦略セミナーのご案内 「バンダイにおける品質・安全への取り組み」
 ・ISO 9000 改訂動向
  「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
 ・TL 9000コーナー
 ・知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
 ・編集後記

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●はじめに
───────────────────────────────────

QMS委員会会員の皆様,こんにちは。

暦の上ではもうすぐ春ですが,まだまだ寒い日が続きますね。

街では例年より,マスクを着用する方が多くなったように見受けられます。
これも,昨年に流行った新型インフルエンザの影響でしょうか?
私も毎年冬はマスクを着用していますが,私の場合は専ら寒さよけです…。

大寒から立春にかけてのこの時期は,体感的に寒さが一番厳しい季節です。
会員企業の皆様におかれましては,体調管理には充分お気をつけ下さい。

さて,2010年を迎え早一ヶ月,QMS委員会の始動と致しまして,
昨年に引続き「QMSをいかす」にこだわり,異業種二社にスポットを当て,
QMS戦略セミナーと異業種見学会を通して,品質・安心・安全を学ぶ場を
企画させていただきました。乞うご期待下さい!

今年も会員企業の皆様の支援が出来るよう活動を進めてまいりますので,
ご意見・ご協力の程よろしくお願い致します。

それでは,メルマガ第35号をお楽しみ下さい。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●異業種見学会のご案内 「味の素株式会社・川崎工場」
───────────────────────────────────

独自の品質保証システム「アスカ(ASQUA)」を適用して原料調達から販売ま
で厳しい品質保証を行っている味の素株式会社・川崎工場の見学会を企画して
います。川崎工場では,「味の素」の原料・作り方の紹介,「ほんだし」工場
「CookDo」工場,資料展示室などの見学を予定しています。この見学を通じて,
食の安全・安心への取り組みを実感できる機会と考えています。近日中にご案
内の通知をいたしますので,皆様のご参加をお待ちしております。

 見 学 先:味の素株式会社・川崎工場 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号
 最寄り駅:京浜急行大師線「鈴木町」駅
 日  時:3月5日(金)14:30〜
 見学時間:約90分
 募集定員:40名
 http://www.ajinomoto.co.jp/kawasaki/index.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●QMS戦略セミナーのご案内 「バンダイにおける品質・安全への取り組み」
───────────────────────────────────

ガンダム,たまごっちの玩具メーカ「バンダイ」の品質・安全への取り組みに
関するセミナーを行います。バンダイは,約350項目にも及ぶ「バンダイ品
質基準」を制定し,生産協力メーカーを含めた製品安全に関する教育・情報提
供を行うとともに,基準検討会/基準審議会を年間24回実施して品質基準の
更新・維持に取り組まれている企業です。同社は2008年,製品安全に積極
的に取り組んでいる企業に贈られる「製品安全対策優良企業経済産業大臣表彰」
の「大企業製造事業者・輸入事業者部門」において金賞を受賞した企業でもあ
ります。こちらも近日中にご案内の通知をいたしますので,多数のご参加をお
待ちしております。

 日時:3月10日(水)15:00〜16:50
 場所:情報通信ネットワーク産業協会(JEI浜松町ビル3階)
 講師:株式会社バンダイ プロダクト保証部
    品質保証ライフエンターテイメントチーム 川元 真一 様


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●ISO 9000の改訂動向「ISO規格類の妥当性確認情報と今後の動きについて」
───────────────────────────────────

1)ISO/CD 19011
 「品質及び/又は環境マネジメントシステム監査のための指針」
 現在,マネジメントシステム監査へのガイドラインとして見直しが行われて
 いますが,昨年12月の段階で賛成多数で次の段階に進むことになりました。

2)ISO 9004
 「組織の持続的成功のための運営管理 − 品質マネジメントアプローチ」
 国内版JIS Q 9004として翻訳作業が現在進められています。

3)新たに検討しているISO 10018(人の側面)は,CD2のドラフトを検討中です。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●TL 9000コーナー
───────────────────────────────────

第34号(昨年11月発行)のこのコーナーでお知らせしたように,10月15日に
「TL 9000 Requirements Handbook Release 5.0」の対訳版が,日本規格協会
から発行されました。

今回は,Release 5.0での主な変更点についてご紹介致します。

Release 5.0改訂の背景として,ISO 9001:2008追補改正発行との連動による見
直しがありますが,次の2つの項目が新たな要求事項として追加されています。

  7.3.1.C.4 リスクマネジメント計画
  7.4.1.C.2 供給者のパフォーマンス管理

この2つの中で注目すべきは「7.4.1.C.2 供給者のパフォーマンス管理」です。
この条項では,組織に対して「供給者のパフォーマンス管理と開発活動を計画
し実施」することを要求しています。
その中で,特定された主要な供給者に対して,TL 9000 の要求事項及び測定法
への適合に向けて,TL9000を優先として調整を行うことを要求しています。

従って,今後,供給者のパフォーマンス管理の適正化のために,TL 9000 を含
む必要なレベルの品質マネジメントシステム要求が,広がることが考えられま
す。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
───────────────────────────────────

新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
前回はリテラシー能力(読み書き能力)についてお話をさせていただきました。
今回のお話は,“見える知識”である形式知と“見えない知識”である暗黙知
と,それらを使うQMSとの関係を考えてみたいと思います。

実際の活動現場では文書や手順など“見える知識だけでなく,見えない知識,
すなわち暗黙知も特に意識されないまま多くの場面で使われています。むしろ
業務の実態は個人的な言語と行動で行われる部分があり,文書化された手順だ
けでない場合が少なくありません。

この個人的な言語や行動として現れる“見えない知識”とは,技能力やセンス
などと言われる経験的で身体的な知識であり,本質的に文書としては説明がで
きないものです。例えば,芸術やデザインなどはセンス的なものが重要であり,
スポーツは身体的なもので,両者ともにその能力を文書として説明することは
難しいものです。ちょうどゴルフの解説書をいくら読んでも,実際にはそのよ
うに球を打てないのと似ています。

それでは,理論的な活動である設計活動はどうでしょうか。設計するにはまず
専門知識が不可欠です。多くの場合これらの知識は文書として現わされていま
す。しかしその知識があるからといって設計できるわけではありません。その
専門知識を使い活かすための経験が必要となります。(ビギナーとベテランの
違いみたいなもの)何かを実現するには,専門知識とそれを取り扱う知識,暗
黙知が組み合わさり初めて実現できると考えています。

このように知識を実現するための知識,見えない知識は二つのパターンがある
と考えています。一つは実行型暗黙知で,何かを実現するのに必要な経験知や
身体知といった実現力につながるものです。もう一つは獲得した知識を他の知
識に変換するために必要な理解力や応用力みたいなものでリテラシー型暗黙知
です。

このような暗黙知は個人の内面(深層)にあり特定することができない知識の
ため,QMS で直接取扱うことは困難と見えます。それでは,暗黙知を棚上げし
てQMS を語るのかといえば,そうではありません。実はQMS にはもうひとつの
見えない知識がありそうです。それは文書化されていない知識,“疑似暗黙知”
(と名付けたのですが)の存在です。これは工夫し努力すれば見えるものなの
に,まだ見えるものにしていない知識です。言い換えれば文書化していない知
識です。

欧米企業に比べると日本の企業は文書化するのが苦手だと言われていますが,
個人の言葉と行動だけで業務を進めると,担当する人の力量や感情で大きく仕
事の進め方や結果が変わり,結局はQMS にとってはうまく対応できないものと
なります。一方で,先に説明したように業務に必要な知識の全てが文書化でき
るとも思えません。そこで疑似暗黙知をどの程度見える形にできたのかの違い
にあると感じています。知識の形式知化は,QMS を有効的にするために避けて
とおれないものです。また,疑似暗黙知を文書化の過程で,例えばなぜ文書化
が難しいのか,どの程度まで文書化できるのか,文書化でないものはなんであ
るのか,などさまざまな新しい気づきを与えてくれます。その結果,QMS の奥
行きを広げてくれることが期待できます。皆さんも疑似暗黙知を探し,困難な
部分もありますが文書化を試みたらいかがでしょうか。何がQMS で不足してい
るか教えてくれるとおもいます。

★暗黙知の基礎的研究はマイケル・ポラニーの著書「暗黙知の次元」(1966年)
で述べられています。興味がある方は一読されるといいでしょう。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●編集後記
───────────────────────────────────

今年のお正月は曜日配列に恵まれず,冬休みが短かった方も数多かったのでは
ないでしょうか。そんなお正月気分も束の間,あっと言う間に2月を迎えてし
まう不思議な感情を持ってしまうのは私だけでしょうか。

2月と言えば,まず最初の行事が節分です。多くの家庭では,豆まきを行い,
一年の無病息災を祈願されることと思います。豆は「魔滅」に通じ,鬼に豆を
ぶつけることにより,邪気を追い払い,一年の無病息災を願うという意味合い
があるそうです。また,元来は家長たる父親あるいは年男が豆をまき鬼を追い
払うものであったようですが,今では父親が専ら鬼役と言う家庭もあるのでは
ないでしょうか。今年の我が家の節分は,鬼と一緒に景気の冷え込みも退散し
てくれるよう父親自らが豆をまきたいと思います。

節分の翌日には立春を迎えることになります。日の出の時間も徐々に早まり,
暖かい春の訪れを心待ちにする時節が,この今ではないでしょうか。寒い季節
もあと僅か,風邪などひかぬよう冬を乗り切りましょう。

本号も最後までお読み戴きありがとうございました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
──「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:情報通信ネットワーク産業協会 QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
 http://www.ciaj.or.jp/qms/(QMS委員会ホームページ)
* 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(菅野 清裕)
* 皆様のご意見・ご要望をどしどしお寄せください!
 qmsmelg@ciaj.or.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright(C)2004-2010 CIAJ QMS committee All rights reserved.