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    「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

    「新春のQMS戦略セミナー/QKMレベルアップセミナー,
                      ご期待,ご活用ください!」

                      2009年 1月30日発行 第29号

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≪ 第29号 目次 ≫

 ・はじめに
 ・QMS戦略セミナー『改めて問われるQMSのあり方,審査制度の課題』ご案内
 ・QKMレベルアップセミナー『信頼性データ解析』座学コースご案内
 ・ISO 9000 動向
 ・TL 9000コーナー 「 TL 9000 との関わり 」
 ・知識活用型企業への道「 QMS における知的資産運用への取り組み」
 ・編集後記

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●はじめに
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QMS委員会会員の皆様,こんにちは。

このところのお天気は,ポカポカ陽気だと思えば,急に冷え込んだりと寒暖の
差が激しいため,街ではマスク人口が多いように思えます。予防の人も…?
会員企業の皆様におかれましても,体調管理には十分お気をつけ下さい。

さて,QMSに関する最近の話題といえば,ISO 9001:2008追補改正ですね。
既に,JIS Q 9001・対訳本・ポケット版などを入手した方も多いと思います。
QMS委員会では“追補改正”の意図を汲み,ISO 9001:2008/QMSを活用すべく,
次年度へ向けた活動構想を検討しております。

その皮切りに,JAB久保常務理事をお迎えしての『ISO 9001:2008セミナー』を
開催致しますので,ご期待下さい。

それでは,メルマガ第29号をじっくりお楽しみください。


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● QMS戦略セミナー『改めて問われるQMSのあり方,審査制度の課題』ご案内
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既に申し込みを締め切らせていただきましたが,日本適合性認定協会(JAB)
常務理事の久保様をお招きしてQMS戦略セミナーを開催します。

今回は,ISO 9001:2008追補改正版が2008年11月15日に発行されたのを機に,
QMSを見直す良い機会としてセミナーのご案内を通知させていただいたところ,
ほぼ会場満席の申し込みをいただき,皆様の関心の高さが示されております。

セミナーに引き続き,講師とのざっくばらんなコミュニケーションの機会と
して,好評のフリートークの場を設けます。会員企業のQMSに関わる悩みや疑
問など,講師・参加者相互の情報共有の場としたいと考えておりますので,
是非ご参加をお願いいたします。

 1.日 時:2009年2月3日(火) 15:00〜17:20
 2.場 所:情報通信ネットワーク産業協会 会議室B〜E
       (JEI浜松町ビル3階)
 3.テーマ:『改めて問われるQMSのあり方,審査制度の課題』
        〜ISO 9001:2008追補改正をQMSの見直しの機会に〜
 4.講 師:日本適合性認定協会(JAB) 常務理事 久保 真 氏


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● QKMレベルアップセミナー『信頼性データ解析』座学コースご案内
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昨年度も好評をいただきました「信頼性解析」を「信頼性データ解析」に名
称変更して開催します。

本講座では,基本的な信頼性用語を理解し,生産・フィールドの現場の故障
データを収集・集計・分析し,必要なアクションにつなげるための基本的な
信頼性データ解析手法の修得を目指します。

 1.日 時:2009年2月27日(金)10:00〜17:00
 2.場 所:情報通信ネットワーク産業協会 会議室D,E
       (JEI浜松町ビル3階)
 3.開催要領(予定):
    午前:第1章 序章
       第2章 故障発生率の時間的推移
       第3章 信頼性の尺度
       第4章 信頼性データの種類
    午後:第5章 ワイブル分布
       第6章 ワイブル確率紙による解析【演習を含む】
       第7章 累積ハザード紙による解析【演習を含む】
       第8章 MTBF(MTTF) の簡単な求め方
 4.申し込み期限:2月13日
   但し,定員(20名)になり次第,締め切らさせていただきます。


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●ISO 9000 動向
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品質マネジメントシステム規格国内委員会(TC176)が,1月26日に開かれ,東京
で2月21日から28日まで開催されるTC176委員会の会議予定が公表されました。
この会議期間中に審議される規格類について,日本側対応の報告と審議が行わ
れました。

1.昨年末に正式発効されましたISO 9001:2008 の次期改訂に関する検討が開
  始されます。今回の2008年版は追補ということで大きな変更はなかったの
  ですが,次期の見直しには今回追加変更できなかった事柄に関し再度審議
  されるかと思います。

2.作業が遅れているISO 9004 はDISが昨年12月に可決され,FDISに進むこと
  になりました。一方で,各国で行われた ISO/DIS 9004 の妥当性確認(当
    CIAJ QMS委員会も参加した)の結果分析の報告があり,個々の項目に関し
    ては予想以上に反対意見が少なかったことが報告されました。
  一方で,最終的に全体としての有効性評価分析では四分の一が反対意見を
  述べており,日本側としては,このまま進めていいのかという懸念が示さ
  れました。

3.自動車業界のセクター規格ISO/TS16949がISO 9001:2008の追補改正を受け
  審議過程に入っております。一方で,十分に審議されていないのではとい
  う意見が寄せられており,安易に可決することに対して懸念が表明されま
  した。


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●TL 9000コーナー 「 TL 9000 との関わり 」
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本コーナーでは毎回,TL 9000 の最新動向をご紹介してきました。
今回は趣向を変え,企業として,TL 9000 を品質管理/改善に活用している
事例をご紹介いたします。

<概要>
通信事業部門において,製品別/顧客別で TL 9000の要求事項/指標を取り
入れた活動を実施しておりますので,その内容をご紹介いたします。

・事業部門/品質保証部門の判断により,特定の製品に関して定期的信頼性試
 験を実施しています。(「要求事項 8.2.4.H.1 定期的な再試験」に相当。)

・顧客(プロバイダ)の中で TL 9000の概要を調査している部門があり,その
 部門担当者からいくつかの TL 9000品質指標の測定/報告を要求されたこと
 がありました。要求された指標の測定結果を報告しており,顧客との間での
 指標管理に使用しています。

 一例ですが,ある顧客(プロバイダ)への品質報告において,
   ・FRT(問題報告処置対応期間)
   ・OFR(期日超過問題報告処置対応性)
 を報告しています。

以上のように,TL 9000 認証取得はしていないものの,部分的にその要求事項
や品質指標を取り入れて,品質管理/改善に活用しています。

また,ある顧客から特定の製品に限定した話でしたが『 TL 9000の要求事項に
基づいて,サプライヤの品質マネジメントプロセスを評価したい』との要求を
受けたこともありました。このように顧客(プロバイダ)の中でも TL 9000を
活用しようという動きが見られます。

現時点でTL 9000認証取得が必要な状況ではない企業においても,TL 9000
要求事項や測定法を確認した上で,品質向上のために活用できる部分は活用し,
また,顧客とのコミュニケーション/品質改善活動における共通の指標として
活用することは有意義と考えます。


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●知識活用型企業への道「 QMS における知的資産運用への取り組み」
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前々回のメルマガで「行動できないものは改善もできない」とし,教育だけで
なく訓練の必要性に話が進みました。前回のメルマガでは「プロフェッショナ
ル」とは何かという観点で,「知識」と「能力」について述べました。そして,
「プロフェッショナル」とは何かという話で終わりました。

今回は「プロフェッショナル」とはどのようなことなのかを考えてみたいと思
います。ここでは専門的「知識」に加え「行動する(させる)能力」が加わり
プロフェッショナルになっていくという前提で「能力」とは何かを考えてみま
す。

まず「能力」とは広辞苑では「物事をなし得る力」と述べられています。また,
ISO 9000(基本及び用語)では「能力」に関する定義が二つあり,一つは
3.1.5 実現能力(capability)「要求事項を満たす製品を実現する組織,システ
ム,又はプロセスの能力」,二つ目の定義が3.1.6 力量(competence)「知識及
び技能を適用するための実証された能力」です。

業務に必要な「知識」や「技能」は仕事の遂行に不可欠なものであり「力量」
に当たる能力といえます。一方で,必要な「力量」があれば何かを成し遂げる
ことができるのかと言えば,疑問を感じます。力量があったとしても何かを成
し遂げるのは容易でなく,別の能力が必要だと感じています。
例えば,企業であれば組織やプロセスの持つ力をうまく組み合わせて使う能力
とか関係者との調整能力や人間関係など,一概に「力量」と片付けることがで
きない能力も力量に加えて必要だと思っています。そして,これらの能力は
個人が持つ「見えない資産」(“インタンジブルズ”とも言います)に大きく
依存しているように見えます。

プロフェッショナルとは,知識や技能をベースとした「力量」と,もうひとつ
は物事を成し遂げる「実現能力」をうまく組み合わせて使える人たちだと思え
ます。これらの能力は先に述べた個人知の「見えない資産」が基盤となってい
ると考えると,力量を磨くのは当然として,さらに「見えない資産」を磨くこ
とがプロフェッショナルへの道となりそうです。

「見えない資産」とは個人の中にあり,文書化することが難しいもので QMSが
求めている文書化とは相容れない性質でもあります。分かりづらいのですが,
ないわけではありません。実際,仕事の多くは文書化されたものよりも,「見
えない資産」で動かされていることが少なくありません。QMS の中でこれらを
全て適切に表現することは困難ですが,決して無視してはいけない事柄です。

適切なQMSがあれば仕事がうまく動くと,安易に考えてはいけないでしょう。
QMSは仕事の流れを透明化し関係者に同じ理解をさせシステムとして機能させ
るために不可欠な要素ですが,仕事を実現するための十分条件でないことに配
慮する必要がありそうです。

仕事に従事する皆さんのプロフェッショナル能力をより発揮させ,「実現能力」
を向上させるためのQMSを目指し,またそのプロセスに従事する個々人がプロ
フェッショナルになっていくための支援ができるQMSでありたいものです。


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●編集後記
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日本時間の2009年1月21日午前2時,米国大統領就任式〜オバマ大統領〜の就任
演説が行われ,テレビでご覧になられた方も多いと思います。
 
就任演説では,連邦議会議事堂前に集まった大群衆の熱気,高揚感,国民の期
待が画面を通じて感じとることができました。
一方,「Change」や「Yes,we,can」といった言葉はなく,百年に一度と言わ
れている難局に真正面から取り組もうとする「Humble: 謙虚」のフレーズが印
象に残りました。

さて,本年は,ISO 9001:2008の本格始動の年です。
今回の追補改正を「謙虚」に受け止め,QMSを改めて見つめ直していきたいと
思います。

本号も最後までお読みくださいましてありがとうございました。


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