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━ CIAJ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

「益々充実するQMS戦略セミナーで会員の心をがっちり掴みます!」

                      2008年1月31日発行 第23号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CIAJ ━

≪ 第23号 目次 ≫

 ・はじめに
 ・TL 9000コーナー「要求事項改訂の動き/クエストフォーラム年次会議」
 ・QMS戦略セミナー「バランススコアカード」結果報告
 ・QMS戦略セミナー「進化する安全性評価手法R-Map」結果報告
 ・ISO 9000sの改訂動向「ISO/DIS 9001妥当性確認のQMS委員会からの報告」
 ・知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
 ・編集後記

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●はじめに
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 このところ,東京地方でも最高気温が10℃以下の底冷えの日が続き,寒い
冬となっておりますが,会員の皆様にはいかがお過ごしでしょうか?

 QMS委員会では,12月,1月と「BSC」,「R−Map」のQMS戦略
セミナーを開催いたしました。いずれも大変好評のうちに終了いたしました。
特に,「R−Map」については,久方ぶりの製品評価に関するテーマであり
設計者,信頼性技術者など,いつもと違った分野の方々に参加いただき嬉しく
思っております。各セミナーの内容については以下の記事でご確認ください。

 また,メルマガでもご案内いたしましたISO/DIS 9001の妥当性確認では,
8社に参画をいただき,研究分科会にて精査して,年明け早々にCIAJとし
てのコメントとして提出いたしました。ご協力誠にありがとうございました。

 現在,QMS委員会では,08年度の構想を検討しております。皆様からの
ご意見も大歓迎です。ご要望,忌憚のないご意見をお待ちしております。

 それでは,メルマガ第23号をお楽しみください。


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●TL 9000コーナー「要求事項改訂の動き/クエストフォーラム年次会議」
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 昨年6月に改訂されたTL 9000 リリース4.0 要求事項に関し,早くもリリース
5.0へ向けて改訂の準備が始まりました。
2008年1月に最初のコメント募集を行い,これを受けて2月のIGQ WGにて審議を
開始予定で,改訂完了は2009年予定です。
    
 クエストフォーラムの年次会議が,2月に米国ロサンゼルスで開催されます。
この会議にCIAJから委員を派遣し,TL 9000に関する情報最新情報を収集し,
会員の皆様へお伝えする予定です。

<参考:クエストフォーラムURL>
http://questforum.asq.org/index.htm
(IGQ: Integrated Global Quality requirements and measurements)


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●QMS戦略セミナー「バランススコアカード(2日間コース)」結果報告
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 12月11日,13日に恒例のQMS戦略セミナー『バランススコアカード(BSC)』
を開催致しました。QMS委員会では,2003年より横浜国大大学院教授の
吉川武男様の全面協力により継続実施しております。今回は2日間コースでの
開催となりました。

 BSCは,その有効性は言うまでもありませんが,QMS委員会ではBSC
構築のためのステップが,BSCを導入していない企業における予算,目標
管理から日々の業務においても大いに役立つ内容であることに着目しています。
 そこで,より効果的なセミナーとなるように,受講生からのアンケートや
セミナー状況をもとに毎年カリキュラムの見直しを行っております。今回は,
これまでの講義編のみの受講をやめ,講義ではBSCの構築ステップの時間を
増やすと共に,演習の時間枠を増やし2日間コースとすることで,よりBSC
を体得できるようなカリキュラムと致しました。

 今回の受講者は,職種別では,品質管理,営業,企画,経理など多岐にわた
り,役職別では,担当者から経営管理層まで18名にご参加いただきました。
 受講者からの主なコメントは,以下の通りです。

 ・演習により,より理解度を深めることをできた
 ・実習で,実際にBSCを作り,学生の例と比較できた
 ・実践は,かなり難しいことがわかった
 ・チーム演習で,具体的な作成手順がわかった
 ・自由な空気で楽しく受講できた.スタッフも親切だった
 ・受講メンバに恵まれ,わきあいあいと受講,グループ学習ができた


 受講者アンケートでは,「大変満足」(44%),「やや満足」(50%)で
あり,また,受講者自身の受講前の期待に対する達成度についても88%の方
から「達成できた」「やや達成した」という評価をいただきました。

 BSCは,日本的経営をそのルーツとしていることもあり,「聞けば当た
り前」と思うも,受講者コメントにもある通り「聞くとやるとでは大違い」
という側面があります。QMS委員会では,BSCセミナーにおける演習を
通じて会員の皆様の力量アップ,組織力の向上に貢献できればと考えます。
 QMS委員会では,今後もBSCセミナーを開催の予定です。

 受講者アンケート結果は,下記の会員専用サイトからご覧いただけます。

<会員専用サイト(ID,PWが必要です)>
http://www.ciaj.or.jp/qms_m/pdf/071213.pdf


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●QMS戦略セミナー「進化する安全性評価手法R-Map」結果報告
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 1月21日に,QMS戦略セミナー「進化する安全性評価手法R-Map」を開催
致しました。

 日本の安全評価は,どちらかといえば,事件が起きた後に対応する気味が
ありますが,社会的にインパクトの大きな問題も散見される中,開発段階で,
製品の全ライフサイクルにおいて安全を確保することの重要性が高まってきて
いることは周知の通りです。
 「R−Map」は,「危害の程度」と「発生頻度」の2つでリスクの評価を
行い,A領域(リコール領域),B領域(アラープ領域),C領域(安全領域)に
分けて安全性を評価し,安全対策前後のアセスメントをすることで製品事故を
防止する手法で,国際安全規格(ISO/IEC Guide 51等)に整合し,製品の種類を
問わず適用が可能という特徴があります。

 講師の松本浩二様は,ご自身の医療関連のお仕事を通じて培われた豊富な
経験と,昨今,報道される事故についてR−Mapによる分析による大量の
データを持たれ,R−Mapの国内第一人者であり,以下の10のテーマに
ついて,事例を多用したわかりやすい内容でお話をいただきました。

 ・R−Mapの特徴,
 ・事故事例のR−Mapによるリスク分析結果,
 ・国際安全規格とリスクの概念
 ・リスクアセスメントの必要性
 ・どこまでリスクを低減したらよいか
 ・信頼性の向上で安全が確保できるか
 ・リスク低減手段とその効果
 ・事故発生後のリスク低減事例
 ・開発段階におけるリスク低減方法
 ・リスクアセスメントプロセス

 製品安全確保と事故撲滅はメーカの大きな課題であるとともに,社会的責任
としても守るべき事項であり,耳新しい「R−Map」について,受講者は皆
熱心に耳を傾け,質疑応答,講演後のフリートークタイムも活発な意見の応酬
が行なわれました。

 R−Mapは,日本初の画期的な手法であることもさることながら,実用的
な安全確保の手法として,経済産業省をはじめとする国内外で注目されており
ます。一方で,R−Mapは,データを蓄積して,使いこなしをしてこそその
真価が発揮できる手法と考えております。
 そういう意味では今回のセミナーは「はじめの第一歩」であり,今後の対応
を検討しております。委員会では,R−Mapについての企画,要望事項,
ご意見を会員の皆様より幅広く求めたいと思います。皆様からの忌憚のない
ご意見,コメントをお待ちしております。

 受講者アンケート結果は,別途会員専用サイトに掲載します。乞うご期待!


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●ISO 9000sの改訂動向「ISO/DIS 9001妥当性確認のQMS委員会からの報告」
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 昨年末,皆様にご協力をいただきましたISO/DIS9001(DIS:国際規格ドラフト)
の妥当性確認結果につきましてご報告させていただきます。

 皆様からいただきました貴重なご意見は,研究分科会にて内容の精査を行い,
1月7日にCIAJの意見として,ISO事務局へ提出致しました。
皆様にはご協力ありがとうございました。
 なお,今回の妥当性確認への参加状況・審議状況の概要は以下の通りです。

 ◆参加状況
   ・参加企業:      8 社
   ・参加人員:     13 名
   ・総コメント数:   45 件
   ・提出したコメント数:14 件

 ◆提出したコメントの内訳
   ・原文修正に関するコメント: 2 件
   ・和訳に対するコメント:  12 件

 ◆「和訳に対するコメント」について
   和訳に関するコメントは,今回の妥当性確認の本質ではありませんが,
   国内においては最終的にJIS化されたものが日本における要求事項に
   なるため,影響についての精査を行い修正する必要があるものについて
   コメントとして提出致しました。

 本集計結果など,今後の動きにつきましては,情報を入手次第メルマガ等で
お知らせして参ります。
 

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●知識活用型企業への道「QMSにおける知的資産運用への取り組み」
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 前回は人的資源の活用として,教育・訓練の効用と限界について述べました。
特に知識創造型の業務は,単なる知識の習得と訓練だけではうまくいきそうも
ないことを述べました。人には,得手不得手があり同じ教育・訓練を行ったと
しても学習成果が人により異なっているのが当たり前です。
 QMSの中には,単に座学のプログラムと習得レベルの確認で終わらせている
場合が多いかと思いますが,なかなかそれだけではその効果が実感できない
ものです。

 知識創造の効率化として,IT技術を駆使して知識の共有化を促進するためナ
レッジ・データベースを構築した企業も少なくないかと思いますが,その効果
があったという実証研究がほとんどないというのが実際で,むしろ中途半端な
投資をしたために業務効率が逆に低下したなどの話を聞くことすらあります。

 企業によっては研究開発費を提供するだけでなく,知識創造のための適した
環境作りや場の提供を積極的に行う企業もあります。
 例えば拘束時間中に,自分のアイディアのために自由に使える時間を割り
当てたり,発明報奨制度など金銭的または表彰という形で動機付けを行ったり
工夫しています。
 このように見てみると「人的資源の活用」というQMSの項目に関連付けて考
えなければならないことは,沢山ありそうです。しかし,これらの企業側の涙
ぐましい努力にもかかわらず,目立った成果が出ないこともしばしばです。

 そうすると,さらに何かを一味つけないと企業内の知識創造活動はうまくい
かないのかもしれません。例えばトヨタ自動車などで有名な「カンバン方式」
と「改善活動の定着化」など執拗に愚直に追いかけていく企業文化などが必要
なのかもしれません。
 すなわち知的生産性を向上させるということは,ナレッジ・データベースや
安易な報奨制度や表彰制度などでは語れない,企業の「こころざし」「明確な方
針」とか人々が価値観を共有できる何かが底流に流れていなければならなのか
もしれません。
 人的資源の活用という「人」を無機物なもののように表現していますが,
「人」は実際には「心」で動くものなので,現場における人間関係や信頼関係
が人的資源の活用には不可欠な要素と考えるとなり,そのような要素をQMSに
含むことは,実際に限界があるのでしょう。

 業務効率という視点でのアウトソース化の促進,メールでのやり取りだけの
議論など,意思疎通がシステム化していく傾向にある現在において,だんだん
と人間関係と信頼関係も希薄になってきているような気がします。

 先日,NHKの「赤ちゃんの成長」についてある放送を見ていたのですが,言
葉の成長の過程で「ビデオ学習」と「特に学習していない場合」との学習結果
の比較をしていましたが驚いたことに両者に学習としての優位さがないことが
示されていました。その後,ビデオに写っていた内容を,同じ人が赤ちゃんと
対面で行ったところ,飛躍的に効果があることが示されました。大人が同じか
どうかは分かりませんが,対面しながら行うことが,学習や知識創造に大きな
影響を与えそうだと言えそうです。

 QMSでは語れないものがあることを視野に入れつつQMSの姿を見ていく必要が
ありそうです。


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●編集後記
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先日仕事で台湾に行ってきました。

夜遅くの夕食は,完成の2004年に世界一高いビルに認定された台湾「台北101」
に隣接するショッピングモール内。高さ508メートルの「台北101」の最上階は
低い雲で隠れて明かりが薄く見える程度でしたが,それでも,よくもまあ,
これほど高いビルを建てたものだと首が痛くなるまで見上げるほどでした。
と同時に倒れないかなと内心思ってしまうほどの高さでした。ビルは活断層の
真上に建設されているのですが,ご一緒した現地の方の話しだと,日本の建設
会社が建てたビルだから安心だとか。実際には日本の建設会社中心のジョイン
トベンチャーなんですけどね。

夕食前に土産を物色しに入ったショピングモール内のスーパーも日本製のお菓
子でいっぱいでした。日本製の風邪薬も人気なのだそうです。そう言えば,親
日派の多い台湾ですから,Made In Japanに安心のイメージがあるのかもしれま
せん。賞味期限の偽装問題はあまり気にされていないようです。

日本製のお菓子を買っても仕方がないので,現地の方の薦めで新東陽のパイナ
ップル・ケーキ(鳳梨酥)を買い求めました。ついつい気になって賞味期限(
台湾では有効日期)をチェック。ちゃんと記載があって期限内でした。家族で
美味しくいただけたのできっと大丈夫でしょう!

ちなみに,世界一の高さのビルは,UAE(アラブ首長国連邦)で現在建設中の
ブルジュ・ドバイで,2007年7月に台北101を抜いたそうです。
完成予定は今年の12月末。こちらの建設は韓国の企業だそうです。

昨年の世相を現わす漢字は「偽」でしたね。今年は「安心」「安全」な一年で
あることを祈念致します。

最後まで,お読み下さいましてありがとうございました。


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──「QMSを経営に活かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:情報通信ネットワーク産業協会 QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
 http://www.ciaj.or.jp/qms/(QMS委員会ホームページ)
* 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(菅野 清裕)
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