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    「QMSを経営に生かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

「2007年度QMS委員会スタート!今年度も頑張ります。」

                      2007年5月31日発行 第19号

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≪ 第19号 目次 ≫

  ・はじめに
 ・2007年度QMS委員会役員のご紹介
 ・総会記念講演概要
  ・ISO 9000sの改訂動向「ISO規格類の妥当性確認のお礼と今後の動き」
  ・TL 9000コーナー「R4.0発効」      
  ・トピックス「本田技研工業株式会社見学記」
 ・QKM「e-ラーニングサービス」
  ・編集後記

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●はじめに −QMS委員会 吉田委員長より−
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会員企業の皆さまは2007年度もスタートしてお忙しい日々をお過ごしのことと
思います。

QMS委員会も先日,総会を実施し,2006年度の反省,2007年度計画をご説明さ
せて頂き,新体制のご承認も無事会員の皆様に戴きました。

これから,新体制での活動がスタート致します。昨年度に引き続き,会員の
皆様へ有益な情報を提供し,会員企業のメリットを感じてもらえるよう努力
いたしますので,今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願い致します。

では,新体制になって最初のメルマガをお楽しみ下さい。


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●2007年度QMS委員会役員のご紹介
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QMS委員会総会でご承認戴きました,新体制をご紹介致します。
委員長,副委員長1名,運営委員3名,会計監事が新任(★印)です。

◆役員◆
【委員長】
  三菱電機                  吉田★
  
【副委員長】
  沖電気工業                 青柳
  パナソニックモバイルコミュニケーションズ  二宮★
 
【運営委員】
  アンリツ                  多田 
  岩崎通信機                 大槻★
    岩崎通信機                 長澤 
  沖電気工業                 吉田 
  東芝                    小倉
  東芝      (研究分科会主査兼務)      南部★
  日本電気                  斉藤
    日本電気        (普及分科会主査兼務)        中村 
  ノーテルネットワークス           有馬 
  日立製作所                 相澤★  
    富士通                          橋本 
    富士通         (TL9000WGチェア兼務)         馬渡 
  QMSフェロー                     山本 

【会計監事】
  富士通                   吉崎★

今年度も情報発信型の活動を志向し,QMS戦略セミナー,QKM e-ラーニング,
QMS研究推進に邁進して行きます。
会員各位のご支援,ご協力,コミュニケーションも変わらずお願いいたします。
是非,皆様の積極的な参加を歓迎いたします。


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●総会記念講演概要
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総会において2つの記念講演を頂きましたので,その概要を報告致します。

<第1部>

「知識活用型企業におけるISOの活用」

[講師]QMS委員会フェロー,元ソニー(株),早稲田大学大学院博士課程
    山本 正 様

ノウハウや経験,勘といった,目に見えないもの:知的資産をどの様に,評価
し,活用すべきかのアイディアをいただいた。

知的資本の話は,さまざまな異なる視点があるが,エドビンソン氏(スカン
ディア社)の定義する構造が最も整理されているのでこれを採用した。
  知的資本=人的資本 + 組織構造資本 + 関係構造資本
   人的資本は,文書化された知識
   組織関係資本は,インフラストラクチャー
   関係構造資本は,顧客や取引先との信用(ブランドを含む)

人的資本は,全てを文書化できる訳ではない。例えば,個人が持っている経験
知, 暗黙知(インタンジブルズ)である。
この文書化できない,インタンジブルズをどの様に対応するのか? 教育? OJT?

そこで,ISO規格の要求事項にあてはめて,知的資本を分類するアイディアを紹介
する。

各社の既存QMSの知的資本分類とISO規格の結合により,知的資本ベースのQMSの
構築が可能となるのではないかと提言する。

<第2部>

「審査のパターンを変える」
− 制度の信頼向上・利用の拡大のために −

[講師]日本適合性認定協会 専務理事  井口 新一 様

審査制度を社会財として確立するための, JABの構想を紹介いただいた。

品質(QMS),環境(EMS)分野における,登録証発行件数が2004年1Qをピークに, 
停滞, または,伸びが低下している。

登録証発行件数を制度の信頼の指標とすると,信頼の程度が停滞していると
理解できる。この対策として,審査の力量と審査パフォーマンスの向上により,
審査手法の改善が必要である。

組織のQMSは,ISO 9001に合わせて作るのではなく,組織QMSに抜けが無いか
確認のツールとして,ISO 9001/9004を活用する。
 
ISO 9001モデルは,「どのように決めるか」よりも「決めたとおりに実施する
こと」に力点をおいたモデルである。

QMS,EMS,ISMS,FSMS,SCSMS,OHSAS,BCM,CSR,J-SOXなど次々とマネジメントシス
テムが規格化されている。
これらのマネジメントシステム審査は,パフォーマンス,アウトプットから
遡った審査をしよう。即ち,MSの指標が目標に沿っているかを審査をする。
 
審査制度の目的は,自由貿易の促進であり,同時に登録組織が適正に強くなっ
てくれないと面白くない。
このために,企業が目指している方向に合致する審査にする必要がある。
 
社会財としての審査制度の確立のために,審査員,認証機関,JAB,そして
認証組織も含めたパートナー全員で良くしていかなければならない。


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●ISO 9000sの改訂動向「ISO規格類の妥当性確認のお礼と今後の動き」
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<ISO規格コミッティードラフトの妥当性確認>

ISO 9001,9004コミッティードラフトの妥当性確認を,当QMS委員会研究分科会
を中心に3月はじめから約3週間の日程で行いました。

募集に応じて,ISO 9001ドラフト:14名,ISO 9004ドラフト:13名 と多数,
積極的にご参加をいただきました。

お寄せ頂きましたご指摘,ご意見及び判定を研究分科会で集計し,全ての内容
について検討し,結果を「品質マネジメントシステム規格国内委員会」に所定
の期日までに,提出いたしました。

検討内容が深くかつ大量の内容にもかかわらず,短期間で段取り良く結果を出
せたことは,参加者の皆様および分科会メンバーのご協力の賜物です。
この場をお借りしてお礼を申し上げます。

ご参加頂きました皆様にも,ドラフトの検討過程で規格解釈,今後の方向など,
何らかの得るものがあり,少しでもお役に立てれば幸いだと考えております。

今後とも,当委員会活動のご支援をお願いすると共に,お礼を申し上げます。

<今後の動き>

ISO/TMB委員会で作成している「Handbook on the integrated use of
management system standards」の最終案の検討が行われました。内容は,

 1) マネジメントシステムの構成要素について
 2) さまざまなマネジメントシステム規格の応用について
 3) 各マネジメントシステム要求事項の統合と組織への適用について

といったもので,さまざまな企業活動に関係するマネジメントシステムの
総合的適用と運用に関するハンドブックです。
200ページを超えるものですが最終版が決定され出版されれば一読の価値が
ありそうです。

ISO 19011(品質/環境マネジメントシステム監査の指針)が定期見直が現在
行われています。


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●TL 9000コーナー「R4.0発効」
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QMS委員会メルマガ第17号でも報告致しましたように,2007年7月以降は,
R4.0 に準拠した対応が求められています。

今回の改版により,約70%の要求項目で何かしらの変更が行われています。
主に,セクション7,製品実現に多くの改訂が施されました。

例えば,設計・開発の検証(7.3.5項)ではISO9001:2000の要求事項に対して,
文書の検証,ストレス試験,異常状態での製品試験,システム試験と要求事項
をより具体的に記述していますし,設計・開発プロセスの品質測定および顧客
要求に応じて, その測定データの報告が追加されています。

これは,顧客のこれまでの経験から組織に対する要望も取り入れた要求になっ
ています。

QuEST会員企業では改版による以前のリリースとのギャップ調査など煩雑な作業
が要求されていますが,一方で文書の定期的レビューなどISO 9001:2000と相通
じる活動があり,プロセス改善の機会創出,マンネリ化防止,社員への教育・
訓練の実施などの有用な効果もあります。

また,これも既報の通り,先般TL 9000 品質マネジメントシステム要求事項
ハンドブック 及び 測定法ハンドブックの両リリース4.0英和対訳版が,
(財)日本規格協会より発行されました。

TL 9000WGでは,これからもCIAJ会員企業の皆様に,TL 9000に関する情報を
提供して行く予定です。皆様からの意見を,お待ちしております。

なお,NXTcomm 2007が6月に米国シカゴで開催されます。
通信業界での大イベントであり会員企業の皆様の中にも訪問される方が多数
おられると思います。
TL 9000を発行・管理するQuEST Forumもブースを用意しています。
海外におけるTL 9000や品質マネジメントシステムの動向・調査に役立つ
情報が入手できますので,この機会に立ち寄ってみては如何でしょうか。


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●トピックス「本田技研工業株式会社見学記」
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QMS委員会では,皆さまからの異業種交流会への希望に応えるべく普及分科会を
中心に企画検討をしております。

この度,社団法人日本品質管理学会様主催企業見学会,本田技研工業株式会社
埼玉製作所様の工場交流会」のご案内を頂き,「HONDAの桁違い品質」という
講演テーマが目にとまり,異業種交流会の候補企業としての視察を兼ねて,
委員長以下4名で参加して参りました。

----- 見学会の概要 -----

◆訪問先企業;本田技研工業株式会社 埼玉製作所(埼玉県狭山市)

◆事業所概要
 埼玉製作所は,本田技研工業における「4輪車」の本格的な量産工場として
 昭和39年に設立。
 都市型工場ならではの空間を効率的に活用した立体ラインにより生産性の
 向上を図り,2L〜3.5Lの主力車種(9車種13タイプ)を,1日約2千台の規模で
 生産(2ライン)している。

◆工場見学
 情報通信業界の現場ではみることのできない大型ロボットによる車体溶接,
 部品を直接ラインサイドに投入する生産方式など異業種ならではの新鮮な
 感覚を覚えた。
 とともに,「活き活き自主自立」「自由闊達,先進,共創〜存在を期待され
 る企業に向けてQuality,Cost,Uniquenessで」という掲示の通り,現場は
 活気にあふれ,あちらこちらで社員のアイデアの活かされた治具や工夫が
 見られた。

◆講演会「HONDAの桁違い品質」(講師:品質管理室 古川様)
 「HONDAの桁違い品質」活動そのものは,製造部門の人に焦点を当てた広義の
 品質管理活動であり,文化,設備が違っても品質を満足させるためにオール
 HONDAで取り組む活動で,メーカーは,「技術」「品質」「自分達の想い
 (お客様を想う)」がなければならないという創業者の想いが受け継がれて
 いるとのことです。
 埼玉製作所では,お客様視点が基本で,以下の3点などにより「桁違い品質」
 に取り組んでいるとのことです。

 1) 工程異常の真の原因の追究
 2) 作りやすい車へのデータ収集・活用
 3) スタッフによる作業標準への反映


見学会を終えて,工場見学と講演会の両方から,「ホンダの源泉は人と現場」
であることを強く感じ,製造業の原点を見た感があります。
そして,「得るものが多い見学であった」が,参加者全員の率直な感想でした。

工場見学の説明員も,決まった言葉ではなく,自分の言葉で自分の体験談や
現場で感じていたことなどを含め話をしていたことが,大変好感を覚え,説明
ひとつをとっても活気と実直さを感じました。

今回の結果を踏まえて,企画の具体化に着手致します。乞うご期待!!


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●QKM「e-ラーニングサービス」
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新人が入社して早1ヶ月。
皆さまの会社では,まだ研修をしている新人,既に職場に配属されている新人,
また,異動で新しく配属された方など様々だと思います。

QKM e-ラーニングシステムは,いつでも・どこでもインターネット接続環境が
あれば受講できます。
この機会に,品質管理・統計・ISOに基礎を習得するのはいかがでしょうか?

引き続き受講者を募集しております。
下記のコンテンツの構成・目次一覧をご確認戴き,是非とも受講をよろしく
お願い致します。

◇QMS基礎講座
 http://www.ciaj.or.jp/qms/pdf/mokuji-1.pdf

◇ISO9001 2000年版 規格解釈コース
 http://www.ciaj.or.jp/qms/pdf/mokuji-2.pdf

受講手順は,下記のURLのページの文末に「お問い合わせ先」を掲載してあり
ますので,メールにてお問い合わせ下さい。
http://www.ciaj.or.jp/qms/7.html


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●編集後記
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仕事の関係で時々中国の北京に出張します。
以前と比べ変わってきた点,その際感じたことを記載してみます。

2008年8月北京オリンピック開催に向け,空港に降り立った時点から,その雰囲
気を味わうことができます。 空港自体が近代的で,世界中からの要人や観光客
を出迎えるためのアレンジが至るところで見られます。
タクシーも,以前は小型車で檻つき(運転者の安全を守る目的?で助手席との
間に柵が設置されていたものを私が勝手に呼んでいます)だったのが,檻なし
中型車。

先日乗車したタクシー助手席の頭部後ろにはTVがついていました。
車内から見る北京市内は,いたるところでオリンピックに向けての工事が見ら
れ,近代化への建設ラッシュ。その勢いは目を見張るばかり。

前回の出張では何もなかった場所に,突如マンション群が現れます。
つい最近の事例としては,出国審査の場所にカードリーダーのような怪しげな
装置がとりつけられました。
よく観ると,審査官の態度が良かったかどうかアンケート評価入力装置,従来
はだらだらしていた審査官の態度が,導入と同時に一変,思わず私も微笑んで
しまいました。
この国の“やるときはとことんやる姿勢”がうかがえました。

もし我々一人ひとりにこのような装置がついたとすると,世の中変わるので
しょうか!?良くなるのでしょうか?
穿った見方をすると,評価のための顔とそうでない本当の顔のジキル&ハイド
現象が根付き始めるかもしれませんね。そんな世の中は願い下げです。

相手の立場を考えながら本当の自分を表現するのが理想ですが,なかなかその
ような自然体になれない自分自身の凡人さをあらためて感じた次第です。


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──「QMSを経営に生かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:情報通信ネットワーク産業協会 QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
 http://www.ciaj.or.jp/qms/(QMS委員会ホームページ)
* 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(菅野 清裕)
* 皆様のご意見・ご要望をどしどしお寄せください!
 qmsmelg@ciaj.or.jp
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