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    「QMSを経営に生かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

「BSCは目から鱗のソリューション!」

                      2006年9月22日発行 第15号

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≪ 第15号 目次 ≫

 ・はじめに
 ・今,なぜ「バランススコアカード(BSC)」セミナーか!?
 ・TL9000コーナー「ベストプラクティス会議に参加して」《速報》
 ・規格動向について(トピック) 
 ・台湾での起業家イベント参加して(トピック)
 ・QKM「e-ラーニングサービス」のご案内(受講者継続募集)
 ・編集後記


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●はじめに
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 暑さも一段落し,ようやく秋らしい清々しさを感じる今日この頃ですが,
皆様はいかがお過ごしでしょうか?

 暑さといえば,すでに1箇月が過ぎようとしておりますが,夏の甲子園の
決勝戦での熱戦ぶりは,日本中で大いに盛り上がりましたね。
 優勝という目標に向かい真正面からぶつかり合う姿は,まさに感動もので,
未だに余韻が残っているのではないでしょうか。

 ここに至るまでには,日々の訓練で培われた実力と強固な精神,データ分析
に基づく戦略,科学的なトレーニングの導入,監督の選手起用の眼力などなど
の積み重ねであり,効果的なマネジメントのたまものと思います。
 両チームの選手全員に今一度感謝致したいと思います。

 さて,QMS委員会では,これからがホットなシーズンとなります。
 10月のバランススコアカード(BSC)のQMS戦略セミナーを皮切りに
皆さんにとって有益なイベントを行って参ります。
 会員の皆様の積極的なご参加をお待ちしております。

 それでは,メルマガ15号をお楽しみ下さい。


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●今,なぜ「バランススコアカード(BSC)」セミナーか!?
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 既にご案内の通り,今年もBSCの国内第一人者である横浜国立大学大学院
の吉川武男教授をお招きして,QMS戦略セミナー「バランススコアカード
(講義・演習)」を開催致します。

 BSCは,「戦略を明確化し,それを戦略的目標や業績評価指標とリンク
させた戦略マネジメントシステム」であります。
 今年で3回目のBSCセミナー開催となりますが,QMS委員会では,以下
の想いがあります。

 企業では,当然の如く,予算という形で年度目標を立てて運営されている
訳ですが,年度目標なり経営のビジョンと実行が乖離しているような話が
よく聞かれます。一方,BSCはこの両者をリンクさせていく手法であり,
まさに目から鱗のソリューションなのです。

 QMS委員会では,BSCの基礎とBSC構築の演習を通じたプロセスを
体得いただくことが,会員および企業にとって大きなメリットがあると確信
し,ひとりでも多くの方々に広めたいと考えております。

 昨今では,BSCを導入したものの成果が今ひとつの企業も多いという話
も聞かれます。今年のセミナー講義では,「成功のカギ」,「起こりやすい失敗
要因」,「導入の留意点」についても紹介致します。
 
 BSCの導入,BSCの更なる活用,BSCのテクニックの体得をお考え
の皆様,是非,この機会に受講されることをお勧め致します。
 9/26(火)が受講締め切りです。ご不明の点は事務局まで問合せ下さい。
 

《講義編》
 1.日 時: 10月 6日(金) 14:00〜17:00
       セミナー終了後,講師との歓談の時間を設定します。
 2.場 所: CIAJ 第1〜第4会議室 (東京サンケイビル17階)
 3.テーマ:『バランススコアカードの基礎と活用』[講義編]
    〜組織力向上につなげるBSCの活用方法と注意すべき落とし穴〜
《演習編》
 1.日 時: 10月16日(月) 9:00〜18:00
 2.場 所: CIAJ 第1〜第4会議室 (東京サンケイビル17階)
 3.テーマ:『バランススコアカードの基礎から構築まで』[演習編]
    〜吉川教授の直接指導によるBSCの実践演習〜
《講義・演習共通事項》
 1.講  師: 横浜国立大学大学院 吉川 武男 教授
 2.参加費: 無  料
  (「演習編」のみQMS委員会会員企業以外の方は有償(1万円/人)です)


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●TL 9000コーナー「ベストプラクティス会議に参加して」《速報》
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 通信バブル崩壊から6年, 9.11事件から5年を経過し,米国景気回復と共に,
通信業界が元気を取り戻してきた。今年で7回目の通信業界の品質向上を推進
する団体であるクエストフォーラム主催のベストプラクティス会議が, 米国
ノースカロライナ州ダーハムで, 9月12日, 13日に開催され, 9ヶ国, 200名の
参加があり, 34講演がなされた。印象深かった講演を駆け足で振り返ってみる。

 グローバルサプライヤの一社であるモトローラ社は, レガシーからワイヤレ
ス, そしてブロードバンドへとビジネスが進歩する中で, IP分野でのリーダシ
ップ, 強力なパートナーシップ, 新サービス・製品提供, コスト最適化, 次世
代への移行をキーファクターとし, 顧客とモトローラ社員の間を, QMS, デ
ィジタルシックスシグマを結びつけ, 継続的改善を目指すとしていた。モトロ
ーラ社はシックスシグマの本家であり, その中で, バランススコアカード, TL
 9000を活用し, さらにCMMIレベル5を取得している。が, ビジネス結果とこれ
らのQMSシステムの監査結果が一致しないことが悩みであると掲げていた。そ
して, その対策としては, 品質文化の創造を挙げ,顧客要求と品質改善に集中
すると結んだ。
 あらゆるQMSを取り入れたが, まだビジネス成果に結びつかないということ
は, かなり高度なレベルの課題と思われる。マネジメントシステムのみを構築
しても, 魂が入らなければ実績に結びつかないという,丁度ISO 9000の認証登
録と同様に, 枠組みの完成はしてもビジネス成果は, これを基礎に始まること
に似ていると感じた。

 米国通信プロバイダの双璧の一社, ベライゾン社は, 戦略的ソーシングとサ
プライチェーン品質へのTL 9000の活用を行っている。あの9.11の復旧プロジ
ェクトにおいても品質標準:NEBS(ネットワーク装置構成標準)が有効であっ
たとの発表があった。また, ベライゾン社は, 調達でのTL 9000活用のみなら
ず, 自らがサービスを提供する立場として, ニューヨークサービスセンタが, 
ISO認証と共に, TL 9000認証取得を行った最初の組織であるとしていた。
 9.11災害で, No.5 ESS交換機が崩れている場面など, 生々しい写真と共に,
ベライゾン社自身がサービスの供給組織として, TL 9000認証取得を行う地道
な取組みを行っていることは好感が持てた。

 基調講演の一つでは, LLC社から, サプライチェーンを生物学に対比する
という,興味深い発表がなされた。魚の大群がお互いに衝突しないのは, 大量
のコミュニケーションをフェロモン放出などによって行っているもので, これ
は, ウオルマートのサプライチェーンで, 多くのパートナーと協調しているこ
とに似ている等の事例紹介である。こじ付けの印象は拭えないが, この様な論
旨展開のエネルギーと想像力には敬意を表したい。

 中小企業の認証取得例をケーブルメーカのACS社が発表した。TL 9000登録
をバネに, ビジネス拡大を目指し, 企業風土の変更とローカル知識のグローバ
ル化にチャレンジした。他にチャレンジは?の質問に「金:Money」と本音で
答えた所に, ビジネス最前線で奮闘している企業の社長らしさを感じた。実際
にカウボーイの様な荒くれた風貌で, 「組織として,何が重要かを考えて決断
した。」と力強く補足していた。

 米国のサービスプロバイダの双璧の一つであるAT&T社は, WEBベースの
サプライヤパフォーマンス管理を発表した。これは旧SBC時代から継続し
ているものである。

 サプライヤのFNC社は,自動化とレビューによる品質向上活動の実践を発
表した。同じく, アルカテル社は, レポートカードによる,顧客から品質情報
収集とその重み付けによる傾向把握の実践を紹介した。ノーテル社はシックス
シグマ導入により, 組織/インフラ/プロセスを連携させる計画を説明した。
CISCO社は, TL 9000 測定法へのソフトウエア問題報告(SPR)の追加を提
案したと発表した。実際に, 測定法ハンドブックはこの追加改訂を採用してい
る。

 ベストプラクティス会議の全体的所感としては, 各組織での事例発表は,相
当のバックグラウンドがあり, 即ち, かなりのリソースを投入した結果であり,
アイデアは理解できたとしても, 一朝一夕に, 他の企業で真似できるものでは
ない。が, 実践に基づく発表なので, 各組織の活動の参考になる内容と示唆を
多く含んでいる。顧客指向, 継続的改善, 教訓を生かすことが, 多くの講演で
語られており, 今後もこの焦点へ向けての通信業界の努力が続くと思われる。


  ベストプラクティス会議に先立つ9月11日, 通信品質のセクター規格である,
TL 9000ハンドブックのR3.0版からR4.0版への改訂の解説ワークショップが開
催された。

 TL 9000要求事項ハンドブックは, TL追加項目の改善と付加価値の増大を目
的として, ISO 9000とTL 9000の用語統一, 文書化手順や記録の必要性のレビ
ューがなされ, 設計プロセス測定のための付属資料の追加などが行われた。

 TL 9000測定法ハンドブックは, 既存の「生」データ収集を変更せずに, 新
規のソフトウエア測定項目の追加や各セクションで, 見直しを行い, 585のコ
メントを反映した。

 要求事項ハンドブックは本年6月, TL 9000測定法ハンドブックは本年12月
に, 英語版出版のスケジュールである。
 これらのハンドブック日本語版については, クエストフォーラム日本ハブ
が翻訳委員会を組織し, 本QMS委員会のTL 9000WGも翻訳委員会へ参加,貢
献している。


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●規格動向について
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さる9月15日に品質マネジメントシステム規格の国内委員会が開催されました。
議題は, 主に6月にアイルランド, トラリーで開催されたISO/TC176のワークと
会議報告を中心に行われました。

内容としては
SC1 (ISO 9000関連):
1)用語集の完成(ISO 9000の付属書Bに挿入予定)
2)ISO 9000に追加すべき用語の特定
3)ISO 9000の“基本(2章)”のレビュー
でした。 現在進行中のISO 9001(追補),ISO 9004(改訂)の影響を受けて
見直し行っています。

SC2(ISO 9001, 9004関連):
ISO 9001は追補のため大きな変更はないものの, 「何もかえるな」派と「必要
な変更はしてしまえ」派の双方に分かれているようです。一応のところ現在の
規格修正案は, 一部記述内容や分かりづらい部分を変更したものが提示されて
います。

ISO 9004は改訂であり, 全面見直しをかけています。前回のワーキングドラフ
ト1の段階では, その成熟度が低くとても次の段階に進める状態ではない状況
で, もう一度ドラフト2を作成することになりました。まだまだ, 時間がかか
りそうです。

その他の話題として, 「品質マネジメントシステム」から, 「品質」をはずし
て「マネジメントシステム」にすべきなのかといった話題が議論されているよ
うです。もともと品質管理を軸として「品質システム」として規格化され,そ
の後2000年にスコープも拡大されて「品質マネジメントシステム」として現在
に至っています。
今後の動きとして, さらにスコープが拡大され「マネジメントシステム」とな
る可能性もあるわけですが, 範囲を広げれば広げるほどフォーカスは曖昧にな
り対応する企業も, 監査組織も対応できなくなるかもしれませんし, また企業
側の負担も大変なことになるかもしれません。要求事項ではないもののISO 90
04の内容を変化とそれにともなう混乱を見るにつけ, 今後の動向に注目してい
く必要が有ります。


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●台湾での起業家イベント参加して(トピック)
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 8月の終わりに,学術的な打合せに参加するために台北市にある国立政治大学
を訪問してきました。意見交換をした後,その足で政治大学の先生が審査員を
務めている『起業家を育てるTIC100(Technical,Inovetion,Communication
=100)』というイベントに出席してきました。

 このイベントは今年で8回目を迎え,私たちはセミファイナルの国際部門の
選考会場に出席しました。翌日がこの1年間の選考の最終日ということもあり,
緊張した雰囲気の中で行われていました。
参加者は台湾国内だけでなく,東南アジアの若手起業家も参加していました。

 個人的な意見ではありますが,国内企業での新製品戦略や事業計画など,
さまざまな優れたプレゼンを見慣れた目には,アイディアや事業計画などは
まだまだ練り上げる必要があるものが正直,少なくないように見えました。

 その一方,企業内のスマートなプレゼンと比べて,今回のイベントで行われ
た学生たちや若手起業家のプレゼンには,企業に無い何かが違っていることに
気付かされました。
それは,プレゼン内容ではなく目の輝きです!
企業内のプレゼンは何かしら暗さが伴うとともに,発表者にも疲れ果てたような
表情が見え隠れします。

 一方,今回の学生たちの発表には未熟さはあるものの,その目には輝きが
あるのです。これは,大変な違いです。
かつての日本がそうだったように未来への希望の輝きが感じられるものでした。
今回の台湾訪問で,日本に追いつこうとしている東南アジアの学生たちや,
若手起業家の熱気やエネルギーを肌で感じることができ,何か忘れていた新鮮
さを感じてきました。

 成熟した日本では,学生たちをはじめ若者の目にも,あまり輝きが感じられ
ないと思うのは私だけでしょうか?
また,団塊の世代が来年から大量に退職し,本格的な高齢化社会に突入してい
きます。
これら退職者の中には,目を輝かして嬉々としてセカンドライフを迎える方
も少なくないと思いますが,やはり多くの場合健康や経済課題だけでなく,
希望という面で何らかの影が付きまとうように思えます。

 このように高度経済成長を成し遂げ東南アジア諸国から目標とされている
日本の成熟社会の状況を考えると,成長という希望に満ちた輝きを放っている
若者たちと,成熟社会に育った若者とのコントラストを気付かされた台湾訪問
でした。

 まだまだ,日本は世界経済,とくに東南アジア経済に大きな役割を担ってい
ます。また,依然として東南アジア諸国の目標でもあるわけです。
もう一度日本企業は,初心に帰って輝かなければいけないと感じています。


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●QKM「e-ラーニングサービス」のご案内(受講者継続募集)
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CIAJ QMS委員会では,会員企業向けにQKM(Quality Knowledge Meister)
e-ラーニングシステムサービスをご提供しております。

おかげさまで,サービス開始以来,延べ317人の受講者に受講いただいており
ます。もちろん,QMS委員会会員企業の皆さまは,無料で受講できます。

この機会に,下記のコンテンツが構成・目次一覧をご確認戴き,是非とも受講
をよろしくお願い致します。

◇QMS基礎講座
 http://www.ciaj.or.jp/qms/pdf/mokuji-1.pdf

◇ISO9001 2000年版 規格解釈コース
 http://www.ciaj.or.jp/qms/pdf/mokuji-2.pdf

QMS委員の英知を結集し作成したコンテンツですので大変有益な内容です。
会員の皆様の積極的なご利用をお待ちしております。


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●編集後記
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最近のマイブームは,「旭山動物園」である。
まだ,訪れたことはないのだが,日本で一番寒いところにあり北海道旭川市立
という市で経営している動物園だ。

旭山動物園は,入園者は96年に26万人と最低となり廃園の危機に見舞われた。
そこから経営再建のためさまざまな策を講じてたどり着いたのが「行動展示」
である。おりの中で動物の姿・形を見せる従来の「形態展示」に対し,動物
本来の行動・能力を見せる「行動展示」に変えたことが廃園の危機を救ったの
である。

そこには,経営者が飼育係(従業員)に対し,「動物の飼育係であると同時に,
お客様にサービスを提供するサービス業である。」という認識を持たせたこと
が大きい。

旭山動物園の本も出版されており,私も2冊読んだが,写真に写っている動物
たちが実に生き生きとしている。(ちょ〜かわいいし,お勧め!)
なんだか,動物園の動物を写真に撮ったのではない,自然の中で撮影したよう
な雰囲気さえある。

動物の本来の姿を見てもらうという展示の仕方で動物の表情などを見るもの
面白そうだが,注目するのは,マネジメント面から見ても新機軸を打ち出し,
再建しているという点である。

日本全国の危機に陥ったテーマパークのうち,これだけ見事に再建できた例は
珍しいと思う。
05年度は206万人を記録し上野動物園に次ぎ全国第2位で,06年7月の入場者数
27万人と上野動物園17万人に大差を付け第1位であった。この実力は本物だ。

動物を見ると心が和む。ずっと観ていても飽きない。
いつか,旭山動物園に訪れてみたいと思う今日この頃である。


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──「QMSを経営に生かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp
* 発行:情報通信ネットワーク産業協会 QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
 http://www.ciaj.or.jp/qms/(QMS委員会ホームページ)
* 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(菅野 清裕)
* 皆様のご意見・ご要望をどしどしお寄せください!
 qmsmelg@ciaj.or.jp
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