ロゴ

メルマガ

HOME→メルマガ

            

━ CIAJ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    「QMSを経営に生かしたいあなたに贈る」 QMS委員会

【臨時増刊号】「会員様の心をくすぐるQMS戦略セミナー続々開催!」

                      2004年10月28日発行 第3号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CIAJ ━

≪ 【臨時増刊号】第3号 目次 ≫
 
 ・はじめに(文化の秋,セミナーの秋)
 ・ソフトウェア品質管理の限界と現場の復権(QMS戦略セミナー予告)
 ・プロジェクトマネジメント実践のポイント(QMS戦略セミナー報告)
 ・コラム「アインシュタインと掃除人」
 ・編集後記


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●はじめに(文化の秋,セミナーの秋)
───────────────────────────────────
 
暑い夏も遠い日の如く,日に日に秋の深まりを感じる今日この頃ですが,会員
の皆様にはお変わりありませんでしょうか。QMS委員会では,”文化の秋”
にあわせ,QMS戦略セミナーを2本用意し皆様のお役に立てればと考えてお
ります。既に1本目は10/4に盛況のうちに終了致しておりますが,2本目
のご案内を兼ねてメルマガ創刊以来初めての臨時増刊号をお届け致します。
是非,QMS戦略セミナーにご参加戴き,新たな”気付き”をもって日頃の
お仕事へお役立て戴ければと事務局一同お待ち申し上げております。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●ソフトウェア品質管理の限界と現場の復権(QMS戦略セミナー予告)
───────────────────────────────────

メルマガ第2号でご案内しておりました,松尾谷講師のセミナー開催ですが
 皆様のご期待に応え,11月開催が実現しました。
ここにご案内させていただきます。是非 たくさんの皆様ご参加ください。
この機会を逃した方 後悔しますよ!!
そこで,今回は事前に受講希望者の方から講演に盛り込んで欲しいことを事前
に募集させていただき,極力講演に反映していただくことを考えております。

 皆様のご意見・ご要望を以下にどしどしお寄せください!
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp

《QMS戦略セミナー開催》

「ソフトウェア品質管理の限界と現場の復権」(詳細は後報)

(予告編 − 乞うご期待!!)
80年代初めにソフトウェアに品質管理が導入され,すでに20数年が経過し,
その間,ソフトウェアQC,品質保証,ISO9001,CMMなど,さまざまな
活動が行われておりますが,本当に進歩しているのでしょうか。
現場を見る限り,残念ながら,品質管理の限界は明らかで,上流浄化の
アプローチは,予想した成果を得ることに失敗しています。
下工程であるテストをはじめ,下流浄化のアプローチとして現場における活動
に目を向ける必要があります。
もう1つの課題は,集団作業の効率が悪く,仕事意欲の低下です.
良いプロセス,良い技術も,それを実行する集団の仕事意欲が低いと効果を上
げることができません。
チームビルディングとリーダーシップが大きく変わろうとしています.
PS(パートナー満足)調査から得られた,現場のモティベーション状況を基に,
生産性,品質向上のアプローチについて述べます。

◆━◆ 講師プロフィール ◆━◆

松尾谷 徹(まつおだに とおる)
1948年生まれ,1972年NECに入社。
周辺装置の開発,汎用大型OS開発,CASE,CAD開発,大規模システム開発に従事。
多くの問題プロジェクト支援を担当する。
プロジェクトマネジャー育成のためMPM(モダンプロジェクトマネジメント)
アカデミーを設立。
1999年明治大学理工学部講師
2002年NECを退職し,現在,東京理科大講師,コンサルタント(デバッグ工学
研究所)

ISO/IEC JTC1 SC7 委員,同WG9(ソフトウェアの完全性)国内委員会主査
日科技連 PS部会長, JPMF PSと人材活用WG 主査, PM学会 評議員
共著「開発・検証技法」電子情報通信学会,他



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●プロジェクトマネジメント実践のポイント(QMS戦略セミナー報告)
───────────────────────────────────

去る10/4のQMS戦略セミナーは,プロジェクトマネジメント実践のポイ
ントをテーマに高根講師にご講演戴きました。当日は,開発関連,企画関連,
品質保証関連で約8割を占め,会社幹部の方にもご出席戴き盛況のうちに終了
いたしました。

当日は,プロジェクトマネジメント関連では有名なPIMBOK,P2M,
ISO10006の定義に対して,自らのご経験をもとにプロジェクトマネジ
メントの原点として,目的,歴史,必要な要素,実践のポイント,管理者のあ
るべき姿について,特に”イメージ”,”コミュニケーション”の必要性を
強調されわかりやすくご講演をして戴きました。
ご参加戴いた皆様には,様々な気付きがあったものと察しますが,参加者より
頂戴した感想の一部を紹介致します。

・問題は強弱をつけて,手を打つべきものから対処をすべきと思いました。
・コミュニケーションを良くするためには,スピードばかり気にしていた気が
 するが,実は整理する事が大切だと気付かされた。
・技法や標準に走りがちな現状で,一番大切なものは何かを思い起こさせて
 いただきました。
・イメージ,読み,コミュニケーションに関して新しい気付きを受けた。
・プロジェクトマネジメントを客観的に理解できたと思います。
・プロジェクトの成否が不透明な時代に経営管理者の留意事項として,「成果
 がわからないものほど,トップの先見性とリーダーシップが要求される」と
 いう言葉が印象的であった。
・「イメージを共有する」ということの大切さを認識した。是非とも実践してい
 きたいと思いました。
・経営,マネジメント,人の質を高めるのにも有意義と思いました。
・プロジェクトマネジメントの実践からの言葉なので非常に内容に重みがある。
 実践方法について理解できた。今後の仕事の参考にしたい。
・視野を広げ,知識の整理に役立つ。
・プロジェクトマネジメントの意味が見直せた。
・原則的なお話を伺えて有益だった。
・部下への指示の出し方,プロジェクトがうまく行くための管理の仕方などに
 ついて見逃しがちな切り口であったため参考になりました。
・人間的側面を中心に,イメージし,コミュニケーションすることの重要さを
 ご教授戴きありがとうございました。

また,当日のアンケート集計では,全ての方が,「参考になった」若しくは「非
常に参考になった」,「役に立った」若しくは「非常に役に立った」との評価を
戴きました。ご参加戴いた皆様には,是非お仕事へ役立てて戴きたいと思って
おります。

ご参加できなかった皆様には,前号でも紹介致しましたが,高根講師のエッ
セイ集”ダブリンの風”をご一読されることをお勧め致します。プロジェクト
マネジメントの現状を爽やかな語り口のテイストで,いままであまり語られる
ことのないタッチで鋭く切り込んだ力作です。改めましてご紹介をさせて戴き
ます。

高根宏士エッセイ集
ダブリンの風〜日常の風景から見るプロジェクトマネジメントの機微〜
ソフトリサーチセンター(SRC)
定価 [¥1,995(本体価格¥1,900)]
〒169-0075
東京都新宿区高田馬場1-31-18
高田馬場センタービル4F
TEL:03−5272−6071

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●会員様の声
───────────────────────────────────

皆様からの寄稿などお待ちしております。
身近な話題など大歓迎ですヨ!!


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●コラム「アインシュタインと掃除人」
───────────────────────────────────

アインシュタインが既に,プリンストン大学を代表する教授であった時の実話
である。この実話をもとに,仕事と品質について少し考えてみたいと思う。


彼(アインシュタイン)は夜,遅くまで彼の黒板を使い,方程式を解いたり,
定理の検証を行なったりしていた。翌朝,来てみると,黒板は見事に綺麗に消
されていた。

最初はともかく,以降,黒板に「消すな。」と書いたにも係わらず,繰り返し,
同じことが起きた。彼は説明を求めることにした。
新任の掃除人は,学部長の前に行かされたが,何が抗議の対象なのか理解でき
なかった。
彼の役割は,建物の部屋の中を一点の曇りもなく綺麗にすることであったため
である。それにしても,なぜアインシュタインの黒板には,「消すな」と書い
てあるにも係わらず,必ず消してしまったのは何故か?

彼の回答は,
「そうですね,彼は自分の仕事を得たし,私も自分の仕事を得ました。」

結局,アインシュタインと掃除人は理解しあって,事なきを得た。しかし今後,
どんな推察によって,黒板が消されるかも知れないかは,誰にも分からない。
この話の教訓は,仕事は他の全ての人と孤立してしまっては達成できないとい
うことである。

21世紀に入り,我々の業界や,将来の品質についても同じことが言える。

(2000年 5月クエストフォーラム パリ会議 
   米国品質協会の講演 'Future of Quality' から抜粋:掲載許可受領済)


◆━◆ QMS委員会の視点 ◆━◆

”アンシュタインには彼の仕事があり,掃除人には同じく彼の仕事がある。”

問題は,”消すな”と書いたにも関わらず掃除人が消し続けた事である。
ここにある掃除人の心理が面白い。
理屈の上では彼は仕事を確実に実施した訳であるが,
”消すな”と言うコメントを無視してし続けた訳である。

ここでの視点は二つある。

①当然の事ながら管理人の態度,すなわち状況を把握しないで単純に仕事を
 機械的に実行してきている問題。

しかし,掃除しなければ彼は首になる可能性がある。
プロセス上では彼は正しい。

②アンシュタインが,何回も消されているのに必要なアプローチをしなかった
 問題。

すなわち,彼の立場が非常に強いので,彼の指示が絶対だと思っている点。
彼の指示が,掃除人の指示命令の範囲にないことを理解していない点。

これは,欧米社会の特にアメリカ社会の仕事の進め方の問題を顕在化している。
”相互に相手の立場を理解する”ことは,非常に重要な要素であるがこれを
実施できるものは,それだけの立場,知識,情報を持っているものだけが適切
にできる。

掃除人達にこれを要求するのは,無理があるかもしれない。
掃除人には,掃除人を管理するプロセスの長にアンシュタインは自分の要求を
伝えれば簡単に解決したのではないだろうか。

このような事は,仕事ではたびたび起きる。日本ではまだこれらの事はシステ
ム化する必要性を感じない良き企業文化がある。
相互に相手を理解しようと努め,曖昧のように見えても,必要な調整を行える
だけの人材が育成されている強みがある。
それらの人材が,日本企業を支えてきたので例に見るような事柄は起きづらい。

しかしながら,今後を考えると派遣社員が50%を越えるような業態が21世
紀には当たり前のようになる,企業分化は曖昧になり,企業への忠誠心はなく
なり,単に仕事として割り切り働く若者が増えてくる。

最近の目標管理制度において,直接の成果に対する評価が重視されるため,
関係部門に対する業務を改善する意欲が無くなる。アメリカのレストランに於
ける配膳係と後片付け係のようなさっぱりとした相互の気配りが感じられ無い
関係。

このような時代を迎えれば,例に見るようなお粗末な出来事が,多発してくる
ことが予想できる。

このことはモラールとして片付けてしまうには,あまりにもことが重大である。
仕事に対する情熱,こだわりを無視してシステムだけの企業を効率化していく
アプローチでは同じ問題を,至るところで起こす可能性を秘めている。

システムは企業運営の重要な要素であり道具であるから,これなくしてグロー
バル化の流れの中,効率のよいコラボレーションは難しくなるが,システムを
支える心の部分を忘れているような気がする。

米国品質協会の主旨としては,相互理解を促すために引用したのだろうが,   
それ以前の問題が強く印象付けられた内容であった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●編集後記
───────────────────────────────────
今回の臨時増刊号では,QMS戦略セミナーとして11月29日開催の松尾谷
講師による「ソフトウェア品質管理の限界と現場の復権」を紹介させていただき
ました。
ソフトウェア開発と聞くと華々しくアカデミックな憧れの業界のように思われ
がちですが,実は極めて人間的要素が多い知力・体力両面が求められる世界
なんですよネ。
うなずいていらっしゃる方が目に浮かぶようです!!
自動車を筆頭にIT製品も輸出大国の日本において,ソフトウェアの世界では
完全な輸入大国となっています。
10月26日開催CIAJのエキスパートナレッジセミナーで独立行政法人
情報処理推進機構(IPA)に10月1日に発足したSEC(ソフトウェア・
エンジニアリング・センター)センター長 鶴保 征城様のお話を聞く機会が
ありました。
産学連携を通じて,『ものづくり』として、高品質なソフトウェアを効率良く
開発できる,我が国のソフトウェア競争力強化の共通プラットフォームに
取り組んでいくこのセンターを業界としても是非盛り立てていきたいと思って
ます。
頑張れソフトウェアエンジニアリングの皆さん!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

──「QMSを経営に生かしたいあなたに贈る」──

* 配信追加は下記にお知らせください。
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp

* 発行:情報通信ネットワーク産業協会 QMS委員会メルマガ編集部
 http://www.ciaj.or.jp/top.html
 http://www.ciaj.or.jp/ciaj/qmst/(QMS会員専用)

* 発行責任者:QMS委員会メルマガ編集部事務局(内藤俊文)

* 皆様のご意見・ご要望をにどしどしお寄せください!
 mailto:qmsmelg@ciaj.or.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright(C)2004 CIAJ QMS committee All rights reserved.