概要
HATSフォーラム(議長:齊藤 忠夫 東京大学名誉教授)「PBXテレコムサーバ相互接続試験実施連絡会」(主査:斎藤 正寛 富士通株式会社、事務局:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ))では、免許を要しない無線局として、1.9GHz帯を使用したTD-LTE方式に基づく新たな無線技術である「sXGP方式」について、従来より接続試験を実施しておりますsXGP方式の試験実施要領を改訂し、マルチベンダーのsXGP方式機器との組み合わせ環境における接続試験や、他の無線方式(PHSシステム)との電波干渉に係る接続試験を、XGPフォーラム(事務局:東京都千代田区、議長:前田 洋一)と共催し試験を行い、良好な結果が得られましたのでお知らせ致します。
1.試験実施月日
第3回試験
- sXGP 対応機器マルチベンダー試験
2019 年9月24日(火) - 他の無線方式(PHS システム)との電波干渉試験
2020 年1月20日(月)~ 1月30日(木)
2.参加企業(順不同)
- 岩崎通信機株式会社
- NECプラットフォームズ株式会社
- 沖電気工業株式会社
- 株式会社ナカヨ
- 株式会社日立情報通信エンジニアリング
- 富士通株式会社
3.試験実施場所
一般社団法人 電波産業会 第1A 会議室
4.実施体制
XGPフォーラム内TWG-AdHoc 22 SWG for sXGP-AdHoc TG for interconnectivity において、参加企業を募り試験を実施致しました。
5.試験方法
今回の接続試験は、「sXGPプロトコル仕様端末接続のためのPBXテレコムサーバ相互接続試験実施要領(HATS-P-104-V3.0)」、および、同要領が参照する「IP-PBX- sXGP端末間接続試験実施要領第3版(XGPフォーラムにて制定)」に従い、PBXとsXGP方式システム間での接続試験を実施致しました。
<他の無線方式(PHS システム)との電波干渉試験システム構成概要>
※1 PBX : | Private Branch eXchange 構内交換機 |
※2 EPC : | Evolved Packet Core 高速通信規格「LTE」のアクセス網を収容するコアネットワーク |
※3 AP : | Access Point ネットワークに接続する無線機(sXGP 親機) |
6.試験結果
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sXGP 対応機器マルチベンダー試験結果
以下の通り、IP-PBX 2 社2 機種と、今回新たなsXGP 機器(EPC、AP)ベンダー1 社の組み合わせで、昨年度まで実施した試験項目のうち8 項目(一部オプション項目含む)の試験を行い、合格致しました。
<参加機器> IP-PBX メーカ 製品名 NEC プラットフォームズ株式会社 UNIVERGE SV9500 沖電気工業株式会社(OKI) DISCOVERY neo sXGP 機器ベンダー 製品名 Baicells Technologies Co., Ltd.
(Baicells)EPC: BaiEPC AP : pBS1109 <試験結果> IP-PBX メーカ 内線発着 転送 端末移動 疑似故障時の準正常処理 ※2 ハンドオーバー ※1 圏外移動 ※2 圏内復帰 ※2 AP EPC IP-PBX NEC プラットフォームズ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 OKI 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 ※1:異なるAP 間をsXGP 端末が移動する際のハンドオーバ通話継続可否
※2:準正常:AP 障害、EPC/PBX リセットによる端末開放等の確認 -
他の無線方式(PHS システム)との電波干渉試験結果
以下の通り、6 社6 機種のIP-PBX/ビジネスホンとsXGP 対応機器の組合せで他の無線方式(PHS システム)との電波干渉試験2 項目の試験を行い、全社合格した。HATS フォーラムは合格した社のうち、HATS フォーラムに参加している社に対して「合格証」を発行致します。
<参加機器> IP-PBX/ビジネスホンメーカ 製品名 岩崎通信機株式会社 Frespec NEC プラットフォームズ株式会社 UNIVERGE SV9500 沖電気工業株式会社(OKI) DISCOVERY neo 株式会社ナカヨ NYC-Si 株式会社日立情報通信エンジニアリング NETTOWER MX-01 富士通株式会社 LEGEND-V S100 sXGP 機器ベンダー 製品名 Quortus Ltd, EPC: Q-Core Accuver 株式会社 AP : sXGP AP SC-120J <試験結果> IP-PBX/ビジネスホンメーカ sXGP端末通話中
PHSシステム電波干渉(※1)sXGP機器キャリアセンスによる
PHSシステム内線発着信(※2)岩崎通信機 〇 〇 NEC プラットフォームズ株式会社 〇 〇 OKI 〇 〇 ナカヨ 〇 〇 株式会社日立情報通信エンジニアリング 〇 〇 富士通 〇 〇 ※1:sXGP端末が通話中に、PHSシステムからの電波干渉を受けても、通話が継続し終話後、sXGP関連機器がキャリアセンス機能による電波使用停止で、sXGP端末が使用できないことを確認
※2:sXGP関連機器のキャリアセンス機能により、PHS端末の発着信が正常にできることを確認
7.今後の予定
本接続試験を来年度も継続して実施する予定であり、今後とも利用者にとって利便性の高い製品の供給に向けた支援/サポートを進めて参ります。
8.各団体について
- XGPフォーラムについて
- XGP(eXtended Global Platform)フォーラムは、PHSの発展、普及を目的とした組織であったPHSMoUグループを2009年に発展的に改組した業界団体で、PHSの持つセル設計フリーの仕組みや高い周波数利用効率などの長所を取り入れると共に TD-LTEとも互換性のあるブロードバンド・ワイヤレスシステムの標準化及び普及などを推進してきました。また、近年は1.9GHz帯の「デジタルコードレス電話の無線局」にLTE方式を利用した新たな無線システム(sXGP方式)を導入する活動に積極的に取り組んでいます。
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