CIAJは、この度「2017年度 モバイル通信端末の利用実態調査」を実施し、報告書としてとりまとめました。
前年あたりから認知度が向上してきたMVNOについては、実際に利用した人の比率が増加しており、市場に浸透してきました。1ヵ月当たりの支払い費用に関する調査では、安い料金プランの利用者が増えている傾向が見てとれ、MVNOの浸透による効果が大きいと考えられます。次回購入時に重視する点として「価格」が上位を占めている結果からも、利用者の低価格へのニーズが高まっていることがわかります。
(1) 調査概要
本調査は、国内携帯電話・PHS利用実態を把握することを目的に、1998年より毎年4月に定点調査を実施しており、年間で最も販売の多い3月商戦の結果を反映するものとしています。
調査対象は、関東、関西在住のモバイル通信端末利用者1,200人(19歳以下男女各100人、20-29歳男女各100人、30-39歳男女各100人、40-49歳男女各100人、50-59歳男女各100人、60-69歳男女各100人)です。なお調査は郵送によりアンケート票を対象者に送り後日に回収する方法(留置調査法)で実施しました。本年の調査結果の特徴的な点は以下のとおりです。
(2) 利用端末の動向
<所有端末の種類>
- 調査対象者1,200人が所有している端末は全部で1,726台であり、所有端末の種類は下表のとおりとなっています。
- 1台目として利用する端末は、スマートフォンは1,088人(90.7%)、フィーチャーフォンが110人(9.2%)となっています。
所有端末の種類 | 所有台数(複数回答) 単位:台 |
1台目として利用 単位:人 |
---|---|---|
スマートフォン | 1,090(90.8%) | 1,088(90.7%) |
フィーチャーフォン | 123(10.3%) | 110(9.2%) |
タブレット(回線あり) | 232(19.3%) | 1(0.1%) |
タブレット(Wi-Fiのみ) | 80(6.7%) | 1(0.1%) |
モバイルWi-Fiルータ | 197(15.7%) | 0(0.0%) |
PHS | 4(0.3%) | 0(0.0%) |
合計 | 1,726(143.8%) | 1,200(100.0%) |
<スマートフォン利用者は増加が続く>
- スマートフォン利用者は年々増加してきましたが、2017年度調査でも前年より7.0ポイント増加し、90.8%となりました。
- 年代別では、10代・20代・30代は、前年までに既にほぼ100%に達していましたが、2017年度調査では、50代で80%台、60代で60%台まで増加し、裾野が広がっています。
<2台目の端末としてはタブレットが多数を占めるが増加傾向は頭打ち>
- スマートフォン利用者1,088人のうち、複数台利用者は435人(41.5%)で、前年度の351人(35.9%)より5.6ポイント増加しました。
- 複数台利用端末の内訳としては、タブレット(回線あり)が最も多い状況は前年と同様ですが、タブレット(回線あり)とタブレット(Wi-Fiのみ)の合計保有台数は、前年の304台から297台へ微減しており、比率としても減少しています。
- 一方で、モバイルWi-Fiルータの比率が9.4%から24.6%と増加しています。
(3) 新しいサービスの動向
<MVNOが市場に浸透>
- MVNOを知っていると答えた人は、スマートフォン利用者(n=1,067)の79.6%で、ほぼ前年並みでした。
- また、スマートフォン利用者で、実際にMVNOの格安スマホを購入した人は、前年の9.0%から16.3%に増加しており、市場に浸透してきたことが見てとれます。
<MVNOの満足度は概ね高い>
- MVNOを利用している人(n=138)の利用してみた感想は、スピード、データ容量制限、料金、等の各項目で高い満足度となり、高評価となっています。特に、家族割引きは、前年の57.0%から97.9%へ大幅に増加しています。一方、アフターサービスは、91.9%から59.1%へ大幅に減少しています。
(4) 端末の買替え
<現在利用している端末の買替え意向は落ち着きを見せている>
- 現在利用している端末の買替え意向を持っている人は全体で57.9%になり、前年に引き続き減少しました。特に、スマートフォン利用者の買替え意向が、前年の85.1%から60.5%に大きく減少しています。
<端末の利用期間は長期化へ>
- 現在利用している端末の前機種の利用期間は、スマートフォン利用者が30.0ヵ月、フィーチャーフォン利用者が55.1ヵ月、全体で32.0ヵ月となりました。前年まで、スマートフォン利用者の利用期間は短期化傾向にありましたが、本年は長期化に転じており、スマートフォンの買替えが一段落したことが見てとれます。
<次に購入予定の端末もスマートフォン>
- スマートフォン利用者において、買替え意向を持っている人のうちの99.5%が、次もスマートフォンを購入予定と答えています。
- フィーチャーフォン利用者において、買替え意向を持っている人のうちの87.9%が、次はスマートフォンを購入予定と答えており、今後もスマートフォンの利用比率が高まると考えられます。
(5) 端末の購入重視点は・・・
<購入時に重視する点は「価格」>
- 次回購入時に重視する点は、スマートフォン利用者では、「端末の購入価格」、「月々の支払価格」、「デザイン・質感」、「サイズ(手に持った時のフィット感)」の4項目が上位となり、全て、前年1位の「メーカー・ブランド」(77.3%)を超える80%以上の値となりました。特に、1位の「端末の購入価格」、2位の「月々の支払価格」は、それぞれ、前年の3位、4位から上昇し、「価格」が重視されていることがわかります。
- 一方、フィーチャーフォン利用者でも、「端末の購入価格」、「月々の支払価格」の2項目が、スマートフォン利用者と同じく1位、2位を占めています。
(6) 端末の各機能・サービスの利用
<スマートフォンの各機能・サービスの利用状況の変化は様々>
- 当実態調査においては、モバイル通信端末の様々な機能やサービスの利用状況に関して調査をおこなっています。スマートフォンの一部の機能・サービスに関して、利用者比率とその変化、利用時間・回数の変化を下表に示します。
- 各機能やサービスの利用状況の変化は様々であり、今後機能やサービスを検討する中で活用頂くことを期待しております。
※利用者比率は、サービス、機能の利用率を示す。
2016年度と2017年度との比較を、増加、減少
で表す。3%未満の変化は
で表す。
※利用時間・回数は、2016年度と2017年度との比較を、増加、減少
で表す。
なお、本報告書は日本語版のみです。冊子版1部¥49,000(税別)、同内容のPDFファイル及びExcel集計データが収録されたCD-R付冊子版を¥59,000(税別)にて販売いたします(7月31日発刊予定)。(部数限定)
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モバイル通信端末の利用実態調査(旧版)の販売について
CIAJ移動通信委員会では1998年より毎年、「利用実態調査」の報告書を発刊し、株式会社シード・プランニング社様を通じて最新版のみ販売してまいりましたが、2015年度より10年前からの旧版を本文のPDFファイルのCD-Rで販売しております。(冊子での販売はしておりません。また、入力データ集計表等のデータも含まれません。)
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