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2016年度(4~6月)通信機械生産・輸出入概況 ~国内生産は5四半期連続で減少、輸出も2四半期連続で減少~

2016年9月14日

一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)の市場調査部では、このたび、2016年度(4-6月) の通信機械生産・輸出入の概況をまとめました。
2016年度の日本経済は、内閣府が8月15日発表した2016年4-6月期の国内総生産(GDP)の1次速報値によると前期比年率プラス0.2%となり ました。住宅投資や公共投資は好調を維持していますが、個人消費はプラスで推移するが勢いがなく、企業の設備投資意欲もまだ低調なことなどにより、全体で はほぼ横ばいのプラス成長となっています。
その中で、通信機器市場は、国内需要の低迷、海外現地生産の継続、海外企業との競合により国内生産が大幅に減少しており、前年同期比では2015年度第1 四半期から5期連続して減少となりました。輸出は、中国ほかでの携帯電話生産が鈍化したことで生産部品の輸出が減少していますが、2015年度第4四半期 から進行してきた円高の影響が大きくなり(今期は前年同期比で10.9%の円高)、同比では2期連続して減少しました。輸入は、国内需要の低迷により、携 帯電話やデータ通信機器の減少が継続しました。

Ⅰ.国内生産動向 (経済産業省「生産動態統計調査」からCIAJにて纏め)

(1)2016年度第1四半期の実績

国内生産金額は、1,181億円となり前年同期比21.3%減となりました。住宅やオフィス・ホテルの設備関連の需要は好調でしたが、企業の設備投資に関連する機種は低調でした。

(2)機種別動向

機種別の実績は以下の通りです。

①有線端末機器
162億円(前年同期比20.6%増)。うち電話機9億円(同7.1%増)、ボタン電話装置74億円(同39.5%増)、インターホン76億円(同 10.0%増)、ファクシミリ3億円(同17.5%減)となりました。ボタン電話は、大容量化によるPBXからのシフトや、IP化などの付加価値販売など により前年の落ち込みから需要回復しました。

②移動体端末機器
361億円(前年同期比28.1%減)。うち携帯電話は263億円(同32.8%減)、公衆用PHS端末は2億円(同75.1%減)となりました。携帯電話は、実質ゼロ円終了により端末価格が値上がり端末購買意欲が低下した影響などから、大幅な減少となりました。

③有線ネットワーク関連機器
327億円(前年同期比24.4%減)。うち局用交換機25億円(同68.2%減)、構内用交換機42億円(同22.0%増)、デジタル伝送装置110億 円(同4.0%減)、その他の搬送装置138億円(同27.7%減)となりました。局用交換機はPSTN(Public Switched Telephone Network)マイグレーションによる大幅減少が継続しています。

④無線ネットワーク関連機器
206億円(前年同期比27.8%減)。うち固定通信装置73億円(同38.2%減)、基地局通信装置132億円(同20.3%減)。基地局通信装置は、4Gのトラフィック増強などの受注が増えていますが、輸入品の比率が高く、国内生産は減少しました。

⑤ネットワーク接続機器
59億円(前年同期比26.5%減)。有線ネットワーク関連機器と同様に国内需要が一巡し、国内生産は同比で大幅に減少しました。

⑥有線部品(有線機器用リレー、中継器用など)
66億円(前年同期比1.3%減)。国内の携帯電話生産の減少に加え、中国ほかでの携帯電話生産の鈍化から輸出向け部品の生産も減少し、同比で2015年度第4四半期から2期連続で減少しました。

図表1 2016年度の生産総額(四半期別)
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Ⅱ.輸出動向 (財務省「貿易統計」からCIAJにて纏め)

(1)2016年度第1四半期の実績

輸出総額は1,096億円(前年同期比13.5%減)となり、同比では2015年度第4四半期から2期連続して減少しました。電話機及び端末機器 は、携帯電話の減少が継続しているため同比で減少となりました。ネットワーク関連機器は、基地局が同比で28.5%増と増加しましたが、データ通信機器が 減少したために同比で減少となりました。部品は、中国ほかでの携帯電話生産が鈍化したことから同比で減少しました。

(2)機種別動向

機種別の実績は以下の通りです。

①電話機及び端末機器13億円(前年同期比1.7%減)
内訳は、携帯電話6億円(同25.3%減)、ファクシミリ1億円(同17.1%減)、コードレスホン1億円(同14.9%減)、その他6億円(同41.4%増)

②ネットワーク関連機器387億円(同1.5%減)
内訳は、基地局38億円(同28.5%増)、データ通信機器336億円(同3.7%減)、その他ネットワーク関連機器13億円(同8.6%減)

③部品(有線系・無線系の合計)696億円(同19.1%減)

図表2 輸出動向(機種別)
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(3)地域別実績

アジア向けが791億円(前年同期比15.9%減)、うち中国向けは486億円(同27.6%減)。北米向けが160億円(同4.8%減)、うち米 国は157億円(同5.4%減)。欧州101億円(同5.2%増)、うちEU 93億円(同15.8%増)。中国向けの部品輸出は439億円で、中国向け輸出全体486億円に対して90.3%を占め、また部品の輸出全体696億円に 対して63.1%を占めていて、中国に向けての携帯電話生産部品の輸出が高水準にあります。

(4)地域別構成比

1位:アジア   72.1%(前年同期比 -2.1%)
2位:北米     14.6%( 同       +1.3%)
3位:欧州      9.2%( 同       +1.6%)
その他地域     4.1%( 同     -0.8%)

図表3 輸出動向(地域別)
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Ⅲ.輸入動向 (財務省「貿易統計」からCIAJにて纏め)

(1)2016年度第1四半期の実績

輸入総額は5,164億円(前年同期比14.9%減)となり、同比では2015年度第3四半期から3期連続して減少しました。要因としては、輸入全 体の62%を占める携帯電話が、国内での購買意欲低下により需要減少したことによります。基地局は、国内での需要増に合わせ、金額は小さいものの同比 11.7%増と増加しました。

(2)機種別動向

機種別の実績は以下の通りです。

①電話機及び端末機器3,264億円(前年同期比11.7%減)
内訳は、携帯電話3,224億円(同11.7%減)、ファクシミリ11億円(同22.7%増)、コードレスホン12億円(同8.7%減)、その他17億円(同24.5%減)。

②ネットワーク関連機器1,291億円(同18.4%減)
内訳は、基地局44億円(同11.7%増)、データ通信機器1,208億円(同18.9%減)、その他ネットワーク関連機器39億円(同28.5%減)。

③部品(有線機器と無線機器用部品の合計)609億円(同22.6%減)

図表4 輸入動向(機種別)
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(3)地域別実績

アジアからが4,828億円(同15.1%減)、うち中国は4,023億円(同8.8%減)。北米からは172億円(同13.8%減)、うち米国166億円(同12.9%減)。欧州からは78億円(同8.9%減)、うちEU 76億円(同8.6%減)。

(4)地域別構成比

1位:アジア    93.5%(前年同期比 -0.3%)
2位:北米       3.3%(  同       ± 0 %)
3位:欧州       1.5%(  同       +0.1%)
その他地域      1.7%(  同        +0.2%)

図表5 輸入動向(地域別)
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Ⅳ.受注・出荷動向 (CIAJ自主統計「受注・出荷統計」より)

2016年度第1四半期のCIAJ自主統計受注・出荷総額は4,117億円となり、前年同期比10.7%減となりました。ボタン電話装置、事業所用 コードレスホン、インターホン、その他の移動端末機器、その他の交換機、メディアコンバータ、固定通信装置(地上系)、基地局通信装置、その他ネットワー ク関連機器(ルータ・LANスイッチ)が同比で上回りました。

国内出荷は3,135億円の前年同期比13.3%減、輸出が982億円の同比1.4%減となりました。

本リリース内容に関する問い合わせ先

市場調査部
Tel:03-5403-9356 Fax:03-5403-9360

広報に関する問い合わせ先

広報部
Tel:03-5403-9351 Fax:03-5403-9360

【一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会 概要】
団体名 一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会  https://www.ciaj.or.jp/
所在地 〒105-0013東京都港区浜松町2-2-12  JEI浜松町ビル3F
活動内容 政府への政策提言、市場調査、環境・国際標準などの共通課題の取組など、会員企業の事業環境改善や事業機会の創出を支援する活動を行う情報通信の業界団体。
会 長 山本 正已
会員数 217社・団体(2016年8月現在)