CIAJは、この度「2016年度 モバイル通信端末の利用実態調査 (旧 携帯電話の利用実態調査)」を実施し、報告書としてとりまとめました。この報告書は、昨年度まで「携帯電話の利用 実態調査」としていましたが、モバイル通信端末の選択肢が増えたことを受け、本年度より表題を新たに「モバイル通信端末の利用実態調査 (旧 携帯電話の 利用実態調査)」としたものです。
モバイル通信端末の買替え意向は、2015年度に比べ落着きを見せていますが、MVNOやSIMフリー端末の認知度が大幅に上がり、次回購入時に 検討するユーザーが増えていることがわかりました。更に、リサイクルに対する認識や、歩きながらの端末利用の実態が明らかになりました。
概 要
本調査は、国内携帯電話・PHS利用実態を把握することを目的に、1998年より毎年4月に定点調査を実施しており、年間で最も販売の多い3月商戦の結果を反映するものとしています。
調査対象は、関東、関西在住のモバイル通信端末利用者1,200人(19歳以下男女各100人、20-29歳男女各100人、30-39歳男女各100 人、40-49歳男女各100人、50-59歳男女各100人、60-69歳男女各100人)です。なお調査は郵送によりアンケート票を対象者に送り後日 に回収する方法(留置調査法)で実施しました。本年の調査結果の特徴的な点は以下のとおりです。
(1)利用端末の動向
<所有端末の種類>
- ・ 調査対象者1,200人が所有している端末は全部で1,728台であり、所有端末の種類は下表のとおりとなっています。主たる利用端末(1台目として利用)は、スマートフォンは1,003人(83.6%)、フィーチャーフォンが196人(16.3%)となっています。
所有端末の種類 | 所有している台数 | 主たる利用 (1台目として利用) |
---|---|---|
スマートフォン | 1,005(83.8%) | 1,003(83.6%) |
フィーチャーフォン | 205(17.1%) | 196(16.3%) |
タブレット(回線あり) | 159(13.3%) | 1(0.1%) |
タブレット(Wi-Fiのみ) | 143(11.9%) | 0 |
モバイルWi-Fiルータ | 188(15.7%) | 0 |
PHS | 28(2.3%) | 0 |
合計 | 1,728 | 1,200(100.0%) |
<スマートフォン利用者は増加が続く>
- 2016年度調査では前年よりもスマートフォン利用者が6.9ポイント増加の83.8%となり、年々増加しています。10代・20代・30代は100%近い、または、100%に達しています。
- 中高年層も含む広い世代でスマートフォン利用者が増え、裾野が広がっています。特に伸びが大きかったのは、50代男性(+16ポイント)、60代男性(+14ポイント)でした。
<スマートフォン利用者の経年変化>
<2台目の端末はタブレットが増加>
- スマートフォン利用者977人のうち、複数台利用者は351人(35.9%)で、昨年度より14.5ポイント増加し、普及の裾野が広がっています。(昨年度の複数台利用者は197人)
- 複数台利用端末の内訳は、昨年度よりフィーチャーフォン、スマートフォン、PHSでそれぞれ5.6%から1.4%、4.1%から1.9%、6.1%から3.0%と比率が減少しています。又、モバイルWi-Fiルーターの比率も20%から9.4%へ減少しています。
- 一方で、タブレット(回線有りならびにWi-Fiのみ)の比率はほぼ前年と同水準ですが、保有台数は昨年の161台から304台に、2倍近くに増加しています。
(2)新しいサービスの動向
<MVNO格安スマホの利用者はまだ少ないが今後の増加が予想される>
- MVNOを知っていると答えた人は、スマートフォン利用者(n=965)の82.0%、フィーチャーフォン利用者(n=189)の47.6%でした。
- スマートフォン利用者でMVNOの格安スマホを購入した、また購入を考えたことがある人はそれぞれ、9.0%、37.8%で、実際に購入した人はまだ少ないものの、今後の増加が予想されます。
<MVNOの満足度は非常に高い>
- MVNOを利用している人はまだ少ない(n=87)ものの、利用してみた感想は、スピード、データ容量制限、料金、アフターサービスの各項目で90%以上の満足度となり、高評価となっています。
<SIMフリー/SIMロック解除の認知度、利用希望者は大幅増>
- SIMフリー/SIMロック解除を知っていると答えた人は、スマートフォン利用者(n=964)の81.8%(昨年度63.1%)、フィーチャーフォン利用者(n=187)の40.1%(昨年度23.5%)で大幅増となりました。
- SIMフリー/SIMロック解除を利用したいと答えた人は、スマートフォン利用者で49.6%、フィーチャーフォン利用者で26.8%と、こちら も大幅増となっています。昨年は7~8割の人がわからないと答えていたのが、今年は3割となっており利用希望者が広がっている実態が浮かび上がりました。
(3)端末の買替え
<現在利用している端末の買替え意向は落ち着きを見せている>
- 調査対象者のうち、現在利用している端末の買替え意向は75.0%(スマートフォン利用者85.1%、フィーチャーフォン利用者22.4%)の人が持っています。
- フィーチャーフォン利用者の買替え意向は昨年度の74.5%から22.4%と1/3以下になっており、フィーチャーフォンの買替えが進んだことを示しています。
- 調査時点でまだフィーチャーフォンを利用している人の66.7%がスマートフォンへの買替え意向を示しており、今後更にスマートフォンの利用比率が高まることが見込めます。
<端末の利用期間はさらに短く>
- 現在利用している端末の前機種の利用期間は、スマートフォン利用者が26.8ヵ月、フィーチャーフォン利用者が46.7ヵ月で、昨年と比較すると フィーチャーフォンはほぼ同じ利用期間であるものの、スマートフォンが1.2ヵ月短期間化しました。全体ではここ6年間で最も短くなっています。
(4)端末の購入重視点は・・・
<スマートフォン、フィーチャーフォン別の購入時に重視する点>
- 次回購入時に重視する点は、スマートフォン利用者では、「メーカー・ブランド」、「サイズ(手に持ったフィット感)」、「端末の購入価格」、 「月々の支払価格」、「デザイン」、「バッテリーの持ち時間が長い」が上位となっています。上位1、2は昨年度と異なる結果でした。「デザイン」が14位 から5位へ上昇する一方、「端末購入価格」が7位から3位に、「高速通信サービス」、 「通信キャリア」もそれぞれ、4位から9位、5位から16位に下が りました。
- フィーチャーフォン利用者では、「月々の支払」、「端末購入価格」、「サイズ(手に持ったフィット感)」が昨年と同じ結果で上位を占めています。
(5)端末の各機能・サービスの利用
<スマートフォンの各機能・サービスの利用状況の変化は様々>
- 当実態調査においては、モバイル通信端末の様々な機能やサービスの利用状況に関して調査をおこなっています。スマートフォンの一部の機能・サービスに関して、利用者比率とその変化、利用時間・回数の変化を下表に示します。
- 各機能やサービスの利用状況の変化は様々であり、今後機能やサービスを検討する中で活用頂くことを期待しております。
※利用者比率は、サービス、機能の利用率を示す。
2015年度と2016年度の変化を、増加、減少
で表す。
※利用時間・回数は、昨年度との比較で、増加、減少
で表す。
なお、本報告書は日本語版のみです。冊子版1部¥49,000(税別)、同内容のPDFファイル及びExcel集計データが収録されたCD-R付冊子版を¥59,000(税別)にて販売いたします(7月31日発刊予定)。(部数限定)
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