CIAJは、この度「2015年度 携帯電話の利用実態調査」を実施し、報告書としてとりまとめました。
携帯端末買替え意向はここ13年間で過去最高となり、サービスや端末の多様化進展により、国内携帯端末市場がより活性化されることが期待できます。ま た、スマートフォンを主に使っている人が全体で8割近くになったことがわかりました。更に、MVNO、SIMフリー/SIMロック解除、動画利用、ウェア ラブル端末に関しても、より詳細な実態が明らかになりました。
概 要
本調査は、国内携帯電話・PHS利用実態を把握することを目的に、1998年より毎年4月に定点調査を実施しており、1年で最も販売の多い3月商戦の結果を反映するものとしています。
調査対象は、関東、関西在住の携帯電話利用者1,200人(19歳以下男女各100人、20-29歳男女各100人、30-39歳男女各100人、 40-49歳男女各100人、50-59歳男女各100人、60-69歳男女各100人)です。なお調査は郵送によりアンケート票を対象者に送り後日に回 収する方法(留置調査法)で実施しました。
本年の調査結果の特徴的な点は以下のとおりです。
(1)利用端末の動向
<所有端末の種類>
- 調査対象者1,200人が所有している端末は全部で1,523台であり、所有端末の種類は下表のとおりとなっています。主たる利用端末(1台目として利用)は、スマートフォンは919人(76.6%)、フィーチャーフォンが278人(23.2%)となっています。
所有端末の種類 | 所有している台数 | 主たる利用 (1台目として利用) |
---|---|---|
スマートフォン | 923(76.9%) | 919(76.6%) |
フィーチャーフォン | 291(24.3%) | 278(23.2%) |
タブレット(回線あり) | 102(8.5%) | 0(0.0%) |
タブレット(Wi-Fiのみ) | 92(7.7%) | 1(0.1%) |
モバイルWi-Fiルータ | 97(8.1%) | 0(0.0%) |
PHS | 18(1.5%) | 1(0.1%) |
合計 | 1,523 | 1,200(100.0%) |
<スマートフォン利用者の増加が加速>
- 2015年度調査では前年よりもスマートフォン利用者が約17.4ポイント増加の76.9%となり、増加が加速しました。10代・20代は100%または、100%近くまでに達しています。
- 中高年層も含む広い世代でスマートフォン利用者が増え、裾野が広がっています。特に伸びが大きかったのは、40代女性(+23ポイント)、50代女性(+16ポイント)でした。
<スマートフォン利用者の経年変化>
<2台目の端末はタブレットの比率が更に高まる>
- スマートフォン利用者912人のうち、複数台利用者は197人(21.4%)で、昨年度より約10ポイント減少しました。(昨年度の複数台利用者は253人)
- 2台目の端末としては、昨年度はタブレット(回線有り)が36.7%、タブレット(Wi-Fiのみ)が22.6%であったのに対し、今年度はタブレット(回線有り)が49.2%、タブレット(Wi-Fiのみ)が32.5%になり、タブレットの比率がより高まっています。
- 一方、PHSは16.9%から6.1%へ大幅に減っています。
(2)新しいサービスの動向
<MVNO格安スマホは認知度の割には利用者は少数派>
- MVNOを知っていると答えた人は、スマートフォン利用者(n=833)の63.4%、フィーチャーフォン利用者(n=268)の41.8%でした。
- スマートフォン利用者でMVNOの格安スマホを購入した、また購入を考えたことがある人はそれぞれ、2.8%、15.7%で、実際に購入した人はかなり少数派と言えます。
<SIMフリー/SIMロック解除の利用希望者はまだ1割強にとどまる>
- SIMフリー/SIMロック解除を知っていると答えた人は、スマートフォン利用者(n=891)の63.1%、フィーチャーフォン利用者(n=260)の23.5%でした。
- SIMフリー/SIMロック解除を利用したいと答えた人は、スマートフォン利用者で13.6%、フィーチャーフォン利用者で12.6%にとどまっています。7~8割の人はわからないと答えており、携帯端末利用者にはまだ判断が難しい様子がうかがわれます。
(3)端末の買替え
<現在利用している端末の買替え意向は2003年以降で最高に>
- 調査対象者のうち、現在利用している端末の買替え意向は85.5%(スマートフォン利用者88.8%、フィーチャーフォン利用者74.5%)の人が持っています。2003年以降13年間で最高の値になっています。
- 特にフィーチャーフォン利用者の買替え意向は昨年度の37.2%からほぼ倍増となっています。フィーチャーフォンからスマートフォンへの買替えが 加速されている上に、調査時点でまだフィーチャーフォンを利用している人の93.2%がスマートフォンへの買替え意向を示しており、今後更にスマートフォ ンの利用比率が高まることが見込めます。
<端末の利用期間はここ5年間で最も短く>
- 現在利用している端末の前機種の利用期間は、スマートフォン利用者が28.0ヵ月、フィーチャーフォン利用者が46.1ヵ月で、昨年と比較すると スマートフォン、フィーチャーフォンそれぞれ、1.6ヵ月、4.8ヵ月短期間化しました。全体ではここ5年間で最も短くなっています。
(4)端末の購入重視点は・・・
<スマートフォン、フィーチャーフォン別の購入時に重視する点>
- 次回購入時に重視する点は、スマートフォン利用者では、「バッテリー持ち時間」、「メーカー・ブランド」、「月々の支払」、「高速サービス」、 「通信キャリア」、「防水」、「端末購入価格」が上位となっています。上位1、2は昨年度と同じ結果でした。「端末購入価格」は3位から7位に下がり、 「高速サービス」、「通信キャリア」はそれぞれ、10位から4位、14位から5位に上がりました。
- フィーチャーフォン利用者では、「月々の支払」、「端末購入価格」、「サイズ(手に持ったフィット感)」、「デザイン」、「防水」、「通信キャリア」が上位に入っています。
(5)端末の各機能・サービスの利用
<スマートフォンの各機能・サービスの利用状況の変化は様々>
- 当実態調査においては、携帯端末の様々な機能やサービスの利用状況に関して調査をおこなっています。スマートフォンの一部の機能・サービスに関して、利用者比率とその変化、利用時間・回数の変化を下表に示します。
- 各機能やサービスの利用状況の変化は様々であり、今後機能やサービスを検討する中で活用頂くことを期待しております。
※利用者比率は、サービス、機能の利用率を示す。
2014年度と2015年度の変化を、増加、減少
で表す。
※利用時間・回数は、昨年度との比較で、増加、減少
で表す。
なお、本報告書は日本語版のみですが、1部¥49,000(税別)、入力データCD-R付を¥59,000(税別)にて販売いたします(7月31日発刊予定)。(部数限定)
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