一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)は、この度、2014年度通期(4-3月) の通信機器生産・輸出入の概況をまとめました。
2014年度の国内市場環境は、アベノミクス効果により株価回復と円安が進行し企業業績の回復や失業率の改善など明るい兆しが見えてきたものの、 消費税増税後の需要回復が遅く製造業全体の設備投資が年度後半に落ち込むなど、中小企業を含めた全体の景気回復は緩やかなものとなりました。
この様な中、経済産業省動態生産統計をベースに取りまとめた2014年度の国内通信機器国内生産は、前年度比11.5%減と無線ネットワーク関連 機器が4年連続して2桁成長するものの、全体では10年連続の減少となりました。また、財務省の貿易統計をベースに取りまとめた通信機器の輸出総額は、同 比24.5%増と2年連続して同比で2桁の増加となり、輸入総額は、同比3.2%増と昨年まで4年連続して同比で2桁の増加でしたが2014年度は1桁の 増加となりました。
I.国内生産(経済産業省「生産動統計調査」より)
2014年度の国内生産金額は、9,131億円となり前年度比11.5%減と3年連続して2桁の減少となりました。
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【機種別には以下の通り】
- 有線端末機器695億円(前年度比▲12.2%)うち電話機39億円(同比▲17.6%)、
電話応用装置638億円(同比▲11.5%)
- 移動体端末機器2,905億円(同比▲25.4%)うち、携帯電話1,905億円(同比▲31.5%)
公衆用PHS端末65億円(同比▲35.7%)
- 有線ネットワーク関連機器2,410億円(同比▲22.2%)うち、交換機813億円(同比▲17.2%)
搬送装置1,597億円(同比▲24.5%)
- 無線ネットワーク関連機器2,373億円(同比+24.1%)うち、固定通信装置760億円(同比+7.9%)
基地局通信装置1,613億円(同比+33.5%)
- ネットワーク接続機器505億円(同比+25.5%)
- 有線部品224億円(同比+12.4%)
《2014年度の主な機種の国内生産動向》
- 有線端末機器は、国内需要は前年度比が減少に転じたものの、ボタン電話装置とファクシミリ複合機の輸出需要から国内生産は横ばいとなりました。
- 移動体端末機器は、この数年、携帯電話加入者数は増加するものの海外製品の市場流入や生産の海外シフトが進み国内生産は減少続いています。携帯電話の国内生産は2011年度の約30%に落ち込みました。
- 有線ネットワーク関連機器は、局用交換機が同比横ばいであったもの、デジタル伝送装置が国内外の通信事業者や企業の設備投資需要が一巡し、同比約45%と大幅な減少となりました。
- 無線ネットワーク関連機器は、国内生産が携帯などの基地局強化・増設や衛星の打ち上げが一段落し減少に転じたものの、基地局通信装置と衛星系通信装置の輸出需要により前年度を大幅に増加しました。
- ネットワーク接続機器(ルータ、LANスイッチ等)は、LANスイッチなどの輸出需要により同比で増加とりました。また、有線部品は、リレーや中継装置の輸出需要から4年連続で増加となりました。
II.輸出
2014年度の輸出総額は4,916億円(前年度比24.5%増)と2年連続して同比で2桁の増加となった。
- 電話機及び端末機器は67億円携帯電話 36億円
ファクシミリ 3億円
コードレスホン 2億円
その他 26億円
- ネットワーク関連機器は1,716億円基地局 251億円
データ通信機器 1,412億円
その他ネットワーク関連機器 53億円
- 部品は3,133億円
2014年度を前年と比較すると、携帯電話(前年度比▲50.6%)、ファクシミリ(同比+12.2%)、コードレスホン(同比▲16.7%)、基地局(同比+249.7%)、データ通信機器(同比+6.0%)、その他NW関連機器(同比+19.7%)、部品(*2)(同比+30.4%)となりました。
(*2):財務省貿易統計では2007年度以降、有線系・無線系の区分廃止。
地域別では、アジアが3,450億円(前年度比+32.6%・構成比70.2%)、うち中国は2,195億円。
北米は735億円(同比▲16.7%・同比15.0%)、うち米国は720億円。
欧州は357億円(同比+25.2%・同比7.3%)、うちEUは 298億円となりました。
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![]() (出所:財務省貿易統計調査) |
III.輸入(確報)
2014年度の輸入総額は2兆7,023億円(前年度比+3.2%)と昨年まで4年連続して同比で2桁の増加でしたが2014年度は1桁の増加と鈍化しました。
- 電話機及び端末機器は1兆7,282億円携帯電話 1兆7,069億円
ファクシミリ 56億円
コードレスホン 76億円
その他 81億円
- ネットワーク関連機器は6,472億円基地局 668億円
データ通信機器 5,556億円
その他ネットワーク関連機器 248億円
- 部品(*2)は 3,269億円
(*2):財務省貿易統計では2007年度以降、有線系・無線系の区分廃止。
2014年度は、携帯電話が2009年度から30-60%増であった携帯電話が5年ぶりに同比で1桁の1.9%まで鈍化しました。以下、ファクシ ミリ(同比+22.7%)、コードレスホン(同比+4.7%)、基地局(同比▲1.4%)、データ通信機器(同比+2.5%)、その他ネットワーク関連機 器(同比+5.4%)、部品(同比+7.5%)となりました。
地域別は、アジアが2兆5,419億円(同比+3.2%・構成比94.1%)、うち中国は2兆1,157億円。北米809億円(同比+1.6%・同比3.0%)うち米国は774億円。
欧州は416億円(同比+25.6%・同比1.5%)、うちEUは409億円となりました。
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![]() (出所:財務省貿易統計調査) |
注)上記の概況値は、現時点での集計値です。今後、修正が入る場合もあります。
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