概要
HATS推進会議(議長:齊藤 忠夫 東京大学名誉教授)「マルチメディア通信相互接続試験実施連絡会 AV通信機器WG HDTV会議SWG」(AV通信機器WG主査:野澤 善明 日本電気株式会社、HDTV会議SWG主査:如澤 裕尚 日本電信電話株式会社、事務局:一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ))では、NGNに対応したHDTV会議システムについて、各製品間での相互接続試験を実施したことをご報告いた します。
今回、NGNゲートウェイ装置に接続してプロトコル変換を行ってNGN端末相互接続試験を実施する構成を相互接続試験実施要領に盛り込むことで、非NGN環境のSIP端末の参加も可能としました。
1.試験実施月日
第3回試験 2014年7月22日(火)
2.参加企業(50音順)
- エヌ・ティ・ティ・ソフトウェア株式会社
- 沖電気工業株式会社
- シスコシステムズ合同会社
- 株式会社ソフトフロント
- 日本電気株式会社
- 日本電信電話株式会社
- 株式会社ネイクス
3.試験実施場所
一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)会議室
4.実施体制
試験参加を第3回NGN端末相互接続試験の公募(2014年6月10日HATSホームページに掲載)により募集し、参加申し込みがあったNGN-HDTV会議システムの試験を実施した。
5.試験方法
端末間の接続試験は、NGN端末間相互接続試験実施要領(TV電話・TV会議)(HATS-J-102-V1.2)に従い、全参加機器間での総当たり試験を実施した。
また、多地点接続装置(Multi-point Control Unit、以下MCU)との接続確認を参考として実施した。
6.試験結果
試験プロファイルにH.264 Baseline Profile @ Level 3.1(720P:1280画素×720ライン)を推奨条件として、外線接続試験を実施した。
会議端末5社5機種(うち2機種はNGN網との接続にNGNゲートウェイ装置を使用)及びMCU 1社1機種間で、一部を除き映像・音声が相互接続出来ることが確認された。
(参加機器及び試験結果は下記のとおり)
<参加機器>
企業名 | 機器種別 | 備考 |
---|---|---|
日本電信電話株式会社 | ホームゲートウェイ(HGW) オフィスゲートウェイ(OGW) |
※1 |
株式会社ネイクス | NGNシミュレータ | NGS-X04 |
※1 東日本電信電話(株)・西日本電信電話(株)が提供する機器を使って構築
企業名 | 製品名 | 製品種別 |
---|---|---|
エヌ・ティ・ティ・ソフトウェア株式会社 | Crossway | NGNゲートウェイ装置 |
沖電気工業株式会社 | IP Video Phone(仮称)※3 | 会議端末 ※2 |
シスコシステムズ合同会社 | Cisco TelePresence System EX60 | 会議端末 ※2 |
Cisco TelePresence MCU 4500シリーズ | MCU ※2 | |
株式会社ソフトフロント | SUPREE Vision Premier 2 HD | 会議端末 |
日本電気株式会社 | NC1000-MV-CH | 会議端末 |
日本電信電話株式会社 | 統合端末(非売品) | 会議端末 |
※2 NGN網との接続にNGNゲートウェイ装置を使用
※3 スマートフォン用ソフトウェア:研究開発試作品
<試験結果>
結果 | 割合(%) | |
---|---|---|
対端末 | 映像・音声ともOK | 55 |
音声OK | 35 | |
呼接続不可、または音声NG | 10 | |
参考 MCU有 |
映像・音声ともOK | 40 |
音声OK | 60 |
別紙の 通り第1回接続試験から前回の第2回接続試験では映像・音声ともOK となる割合が30%向上していたが、今回は前回と同等程度の割合であった。これは、HDTV会議システムの高機能化に伴い、ハイプロファイルをサポートす るマルチプロファイル能力を有する端末のネゴシエーションにおいて、推奨条件としたベースラインプロファイルによる接続への能力交換手順で課題が判明した こと、及びゲートウェイ経由でNGNに接続するSIP端末の参加によって判明した課題の影響と考えられる。
特に、NGN端末間同士の接続では映像・音声ともOK となる割合が87%であったのに対して、NGN端末-SIP端末では50%となった。これはゲートウェイ経由でNGNへの呼接続はできるものの、映像が通 らず音声通信のみOKとなるケースが42%あったためである。この映像の接続問題は、映像信号が復旧するフレームとなるIDR(瞬時復号リフレッシュ)ピ クチャデータが正常復号されないためと考えられる。
今後、詳細調査を行い、マルチプロファイル端末の推奨条件、SIP端末のSDP表現の推奨条件、IDR(瞬時復号リフレッシュ)ピクチャを確実に送受信可能な推奨条件等について検討を行う予定である。
HDTV会議システムの相互接続試験風景
7.今後の予定
接続上の課題について解析を続け、接続率向上を図る検討を行う。
今回、MCUと端末との接続確認を実施したが、多地点会議システムの接続試験としての検討を進めて試験実施要領にまとめて行く予定である。
また、2014年8月25日~27日にタイ・バンコクで開催されたAPT/ITU Conformance and InteroperabilityイベントでのNGN End to Endサービス試験に一部の企業が日本からインターネットVPN経由によるリモート接続試験で参加した手順を試験に取り入れることで、遠隔地からの参加を 可能として試験参加の拡大を図っていく予定である。
更に、CEATEC JAPAN 2014 HATS PLAZAにて相互接続の動態展示を行うとともに、本相互接続試験は今後も更にメーカ・機種を広げて継続して実施する予定であり、利用者の利便性の高いHDTV会議システム製品の供給を目指していくこととする。
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