一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(以下、CIAJ)は、この度2012年度(4‐6月)通信機器生産・輸出入の概況をまとめました。
通信機器の国内生産は、2,724億円となり前年同期比2.5%増と、5年連続のマイナスから一転し僅かではあるがプラスとなりました。
通信機器市場は、震災復興関連やネットワーク関連の民需は堅調でしたが、移動体端末機器の生産の減少が影響し、国内生産は全体として僅かな増加となりま した。端末機器は、生産額の約8割を占める携帯電話がスマートフォンによる市場活性化にも関わらず海外メーカーを含む海外流入分の急増により大きく落ち込 み、前年同期比がマイナスとなりました。一方、ネットワーク関連機器は、復興需要や急増するトラフィック対応によりインフラ設備拡充投資が引き続き堅調で あり、同比プラスとなりました。
輸出総額は697億円(前年同期比20.7%減)となり、輸入総額は4,172億円(同比24.2%増)となりました。
I.国内生産
2012度第1四半期の生産金額は2,724億円。前年同期比2.5%増と5年連続してのマイナスから一転しプラスとなった。
【機種別には以下の通り】
- 有線端末機器187億円(前年同期比▲10.4%)
- 移動体端末機器1,289億円(同比▲5.7%)
うち、携帯電話1,148億円(同比▲5.1%)、
公衆用PHS端末 41億円(同比▲29.3%) - 有線ネットワーク関連機器 783億円(同比+5.5%)
うち、交換機308億円(同比+18.9%)、
搬送装置 475億円(同比▲1.7%) - 無線ネットワーク関連機器317億円(同比+66.0%)
うち、基地局通信装置244億円(同比+372.6%) - ネットワーク接続機器99億円(同比▲1.3%)
- 有線部品49億円(同比+1.1%)
《2012年度第1四半期の主な機種の動向》
- 有線端末機器は、震災の復興需要や買い替え需要がプラスであるものの、市場自体の縮小が続いており、昨年に引き続き減少した。
- 移動体端末機器は、携帯電話のスマートフォン普及により市場は活性化しているものの、海外メーカーの増加や国内メーカーの海外生産シフトが進み、 昨年に続き減少している。公衆用PHS端末は、昨年度末まで低価格な音声通話料金サービスが好調であり増加が続いたが、今期に入り減少に転じている。
- 有線ネットワーク関連機器は、変復調装置やその他の搬送装置(光伝送装置を含む)が減少したものの、交換機やデジタル伝送装置の増加がそれをカバーし、昨年と比較し増加となった。
- 無線ネットワーク関連機器は、基地局通信装置が携帯電話のトラフィック急増対応により前年より更に大きく増加したため、昨年と比較し大幅な増加となった。
- ルータ、LAN等のネットワーク接続機器や有線部品関係は、震災復興や企業のBCP対策の設備強化要因があり僅かな増減があるものの、昨年からの好調を維持している。
II.輸出
2012年度第1四半期の輸出総額は697億円(前年同期比▲20.7%)であった。
- 電話機及び端末機器は 16億円
携帯電話 4億円
ファクシミリ 3億円
コードレスホン 1億円
その他 7億円 - ネットワーク関連機器は 352億円
基地局 50億円
データ通信機器 293億円
その他ネットワーク関連機器 10億円 - 部品は 330億円
第1四半期の実績を前年と比較すると、基地局(同比+18.5%)のみ増加しその他が軒並み減少した。特にコードレスホン(同比▲76.4%)、部品(同比▲35.0%)が大きく減少した。
III.輸入
2012年度第1四半期の輸入総額は4,172億円(前年同期比+24.2%)であった。
- 電話機及び端末機器は 1,984億円
携帯電話 1,942億円
ファクシミリ 13億円
コードレスホン 16億円
その他 12億円 - ネットワーク関連機器は 1,478億円
基地局 258億円
データ通信機器 1,165億円
その他ネットワーク関連機器 56億円 - 部品は 710億円
第1四半期の実績を前年と比較すると大幅に減少したコードレスホンを除くほとんどの機器が大きく増加した。特に、携帯電話(同比+26.0%)、基地局(同比+19.5%)、データ通信機器(同比+21.9%)、部品(同比+25.2%)が大きく増加した。
IV.地域別構成
●輸出の地域別金額・前年同期比 1位 アジア 417億円(▲21.7%) 2位 北米 173億円(▲17.3%) 3位 欧州 67億円(▲28.1%) |
●輸入の地域別金額・前年同期比 1位 アジア 3,783億円(+ 26.9%) 2位 北米 198億円(+ 12.0%) 3位 欧州 91億円(▲ 41.4%) |
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注)上記の概況値は、現時点での集計値です。今後、修正が入る場合もあります。
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