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2017年度第3四半期(4~12月) 通信機械生産・輸出入概況 ~スマホ需要が好調により、海外生産向けの部品の輸出や、国内や海外メーカー製スマホの輸入が大幅増~

2018年3月14日

一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)では、このたび、2017年度第3四半期(4-12月)の通信機械生産・輸出入の概況をまとめました。
2017年度の日本経済は、内閣府が3月8日に発表した2017年10-12月期の実質GDP(2次速報値)の成長率は年率1.6%と、8四半期連続のプラス成長となりました。携帯電話などの購入や外食などの個人消費や、生産機械導入などの設備投資がプラス成長を牽引しており、企業業績や海外経済の好調さを背景に緩やかな回復が続くとされています。
その中で、通信機器市場は、ビジネス関連機器やネットワーク関連機器の設備投資も低調な上、海外生産への移行も継続しているために、国内生産は前年同期比で2四半期連続の減少(1-3Q合計で減少)となりました。輸出は、好調なスマートフォン生産に向けた部品の需要増により、前年同期比で2四半期連続の増加(1-3Q合計で増加)となりました。輸入は、国内メーカーおよび海外メーカー製のスマートフォン需要が好調で、その他の機種でも増加したため、第3四半期で大幅な増加(1-3Q合計で増加)となりました。

I.国内生産動向 (経済産業省「生産動態統計調査」からCIAJにて纏め)

(1)2017年度第3四半期の実績

4月~12月の国内生産金額は3,671億円となり、前年同期比では15.4%減となりました。国内の個人需要(携帯電話などの購入)は回復傾向ですが、一般企業向けのビジネス関連機器の設備投資が低調で、有線や無線ネットワーク関連機器の設備投資も一段落したことにより減少しました。

(2)機種別動向

機種別の4月~12月の実績は以下の通りです。

①有線端末機器
431億円(前年同期比7.8%減)。うち電話機24億円(同3.6%減)、ボタン電話装置167億円(同14.1%減)、インターホン231億円(同3.1%減)、ファクシミリ9億円(同6.8%減)となりました。一方、輸入実績からはコードレスホン45億円(同19.1%増)、ファクシミリ39億円(同4.3%増)などと海外からの流入分が増加しています。

②移動体端末機器
1,159億円(前年同期比20.4%減)。うち携帯電話797億円(同21.5%減)、公衆用PHS端末11億円(同21.5%増)となりました。携帯電話は、従来型携帯電話からの買い替えも進んでいることからスマートフォン需要が好調ですが、国内で生産される携帯電話は減少が継続しています。一方、輸入実績からは携帯電話1兆4,689億円(同16.6%増)と海外からの流入分が増加しています。

③有線ネットワーク関連機器
890億円(前年同期比12.7%減)。うち局用交換機37億円(同42.5%減)、構内用交換機98億円(同17.9%減)、デジタル伝送装置284億円(同18.1%減)、その他の搬送装置431億円(同1.0%減)となりました。大規模/中規模オフィスビルの供給が後ろ倒しとなって2017年度まで低調でしたが、2018年度以降、2020年度に向けて増加する見通しのため、ボタン電話や構内交換機の新規需要が見込まれます。ただし、システムの小型化により単価ダウンするために、需要全体は漸減傾向にあります。

④無線ネットワーク関連機器
697億円(前年同期比27.5%減)。うち固定通信装置242億円(同9.1%減)、基地局通信装置455億円(同34.5%減)。基地局通信装置は、高速化に対する設備増強が一段落して減少しました。

⑤ネットワーク接続機器
283億円(前年同期比19.5%増)。需要が低迷した2016年度との対比で増加しました。

⑥有線部品(有線機器用リレー、中継器用など)
211億円(前年同期比5.9%増)。国内メーカーや米韓大手メーカー向けなどのハイエンド端末用部品が好調なため、6四半期続で増加しました。

図表1:2017年度の生産総額(四半期別)
図表はクリックすると拡大表示されます

II.輸出動向 (財務省「貿易統計」からCIAJにて纏め)

(1)2017年度第3四半期の実績

4月~12月の輸出総額は4,430億円となり、海外経済の好調などもあって前年同期比では27.0%増となりました。電話機及び端末機器は、携帯電話が2017年度から米国向けが増加しています。ネットワーク関連機器は、基地局が世界市場でのLTE需要が一段落したために輸出が大幅に減少しました。データ通信機器は、ほぼ例年通りの需要規模で推移しています。部品は、国内メーカーや米韓大手メーカーが海外生産で使用するハイエンド端末用部品が好調なことから増加しました。

(2)機種別動向

機種別の4月~12月実績は以下の通りです。

①電話機及び端末機器137億円(前年同期比346.8%増)
内訳は、携帯電話115億円(同1,025.1%増)、ファクシミリ1億円(同45.3%減)、コードレスホン3億円(同67.2%増)、その他18億円(同2.8%増)

②ネットワーク関連機器1,091億円(同4.0%減)
内訳は、基地局51億円(同45.9%減)、データ通信機器999億円(同0.9%減)、その他ネットワーク関連機器42億円(同17.8%増)

③部品(有線系・無線系の合計)3,202億円(同37.9%増)

(3)地域別実績

地域別の4月~12月実績では、アジア向けが3,463億円(前年同期比32.0%増)、うち中国向けは1,810億円(同13.0%増)。北米向けが542億円(同15.0%増)、うち米国は534億円(同15.7%増)。欧州308億円(同9.8%増)、うちEU 273億円(同7.7%増)。中国向け部品が部品輸出全体に占める割合は、2015年度が70.5%、2016年度が60.3%でしたが、この4月~12月では50.9%まで減少しており、中国以外のアジアへのスマートフォン生産シフトが進んでいます。米国向け携帯電話は89億円(同8,448.4%増)で増加が継続しています。

(4)地域別構成比

1位 アジア 78.2% (前年構成比 +3.0%)
2位 北米 12.2% (同 -1.3%)
3位 欧州 7.0% (同 -1.0%)
その他地域 2.6% (同 -0.7%)
図表2:輸出動向(機種別) 図表はクリックすると拡大表示されます
図表3:輸出動向(地域別) 図表はクリックすると拡大表示されます
 

III.輸入動向 (財務省「貿易統計」からCIAJにて纏め)

(1)2017年度第3四半期の実績

4月~12月の輸入総額は2兆2,345億円となり、国内のスマートフォン需要が堅調なことなどから前年同期比では15.7%増となりました。携帯電話は、中国からの米国スマホ新製品の出荷が例年9月と10月に集中しますが当年度は10月と11月にずれたため、第2四半期で大幅に減少しましたが、第3四半期で回復しました。基地局は、国内でのLTE需要が一段落し、第3四半期で7期ぶりに減少に転じました。

(2)機種別動向

機種別の4月~12月実績は以下の通りです。

①電話機及び端末機器1兆4,822億円(前年同期比16.5%増)
内訳は、携帯電話1兆4,689億円(同16.6%増)、ファクシミリ39億円(同4.3%増)、コードレスホン45億円(同19.1%増)、その他49億円(同0.2%減)。

②ネットワーク関連機器5,056億円(同15.2%増)
内訳は、基地局332億円(同28.5%増)、データ通信機器4,578億円(同14.4%増)、その他ネットワーク関連機器147億円(同12.9%増)。

③部品(有線機器と無線機器用部品の合計)2,467億円(同12.0%増)

(3)地域別実績

地域別の4月~12月実績では、アジアからが2兆1,249億円(同16.4%増)、うち中国は1兆7,042億円(同8.7%増)。北米からは582億円(同10.5%増)、うち米国570億円(同12.2%増)。欧州からは258億円(同1.6%増)、うちEU 250億円(同0.6%増)。

(4)地域別構成比

1位 アジア 95.1% (前年構成比 +0.6%)
2位 北米 2.6% (同 -0.1%)
3位 欧州 1.2% (同 -0.1%)
その他地域 1.1% (同 -0.4%)
図表4:輸入動向(機種別)
図表はクリックすると拡大表示されます
図表5:輸入動向(地域別) 図表はクリックすると拡大表示されます

IV.受注・出荷動向(CIAJ自主統計「受注・出荷統計」より)

(1)2017年度第3四半期の実績

4月~12月のCIAJ自主統計受注・出荷総額は1兆3,073億円で、前年同期比0.5%減となりました。このうち、国内出荷は1兆32億円の同比3.5%減、輸出が3,041億円の同比10.6%増となりました。
※自主統計受注・出荷=CIAJ会員の受注・出荷額の合計(国内生産と、海外生産した輸入分の合計)

(2)機種別動向

機種別の4月~12月実績は以下の通りです。

①有線端末機器  4,741億円(前年同期比4.1%増)
パーソナルファクシミリ複合機、国内向けのビジネスファクシミリ、海外向けのビジネスファクシミリ複合機が好調で、インターホンもプラスに牽引しました。

②移動体端末機器  4,758億円(同比10.9%増)
携帯電話が、従来型携帯電話からの買い替えも進んでいることからスマートフォン需要が堅調なため、大幅に増加しました。

③有線ネットワーク関連機器  1,027億円(同比14.2%減)
PONや変復調装置、WDM伝送装置が継続して同比を上回っていますが、有線ネットワーク全体では減少しました。

④無線ネットワーク関連機器  1,935億円(同比22.3%減)
地上系通信装置が輸出で好調、衛星系通信装置は国内での衛星打ち上げ需要で増加しましたが、基地局通信装置がLTE需要が一段落して大幅に減少したため、無線ネットワーク全体では減少しました。

⑤その他ネットワーク関連機器  291億円(同比3.8%減)
ルーターが同比で減少、LANスイッチが増加しています。

⑥通信機器用部品  322億円(同4.0%増)

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