一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(以下、CIAJ)は、この度「グローバル通信機器市場の動向調査」を発刊しました。
通信機器市場全体と携帯電話、デジタル伝送装置、携帯基地局、固定無線機器の4機種を対象にして、昨年度実施した日系メーカーのグローバル活動実績調査を今年度も継続し、それぞれで生産・出荷の実態の推移を把握しました。
1.概 要
グローバルの通信機器市場では、モバイルブロードバンドの普及拡大とそれに伴うトラフィックの増加に対して、通信機器市場の伸び率は近年鈍化してきているものの、製品などに対する需要は拡大の傾向にあります。一方、日系メーカーの国内生産や国内出荷は年々減少傾向にありますが、海外での生産・出荷を拡大しているために、日系メーカーの国内・海外を合計した2015年の生産全体金額(=出荷全体金額:2兆6,921億円)は、円安効果もあって2014年比 0.6%減とほぼ横ばいとなっています。海外での活動に着目すると、海外生産では2014年比 6.3%増、海外出荷では同 3.4%増と拡大する傾向にあります。
【図表1:グローバル通信機器市場における日系/海外メーカー出荷金額】
2015年の世界市場における日系メーカーの生産・出荷フローを見ると、
- 日系メーカー生産全体(2兆6,921億円)のうち、海外生産金額が約7割、かつ海外生産し海外出荷(Out-Out)している金額も全体の約4割に拡大している。
このため、日系メーカーの国内生産/国内出荷統計だけでは生産・出荷の実態とさらに乖離している。 - 日本市場全体(2兆7,256億円)のうち、海外メーカーのシェアが約5割に拡大している。
このため、日本市場全体においても、日系メーカーの国内生産/国内出荷統計では実態の半分しか把握できていない。
【図表2:2015年の通信機器市場全体の生産・出荷フロー】
In-In:国内生産し国内に出荷、 In-Out:国内生産し海外に輸出
Out-In:海外生産し国内に輸入、 Out-Out:海外生産し日本を経由しないで海外出荷
2.通信機器市場全体の日系メーカー生産・出荷フロー推移
2012年~2015年の4年間で日系メーカーの国内生産-国内出荷(In-In)が43%減少しているために、日系メーカーの国内でのプレゼンス低下が注目されますが、③海外生産を拡大している実態から日系メーカーの生産全体(③海外生産+④国内生産)は8%程度しか減少していない。さらに、①日系メーカー海外出荷(In-Out+Out-Out)は右肩上がりの拡大傾向にあるため、日系メーカーの世界市場に対するプレゼンスも金額面では低下していない構図が継続しています。
また、①日系メーカー海外出荷(In-Out+Out-Out)が拡大する傾向と同等のカーブで海外メーカー国内出荷(⑥-②)が拡大を続けているため、市場全体の金額規模が変わらない日本市場では、海外メーカーの比率が日本メーカーに比べて大きくなっています。
【図表3:通信機器市場全体・日系メーカーの生産・出荷フロー推移】
3.その他
本調査では、通信機器市場全体のほか、携帯電話、デジタル伝送装置、携帯基地局、固定無線機器を対象として同様の調査を行い、それぞれで特徴のある生産・出荷の構図を把握して、日系メーカーがグローバル市場や日本市場で実施している活動を明らかにすることができました。今後もグローバルな構図を把握する必要性が高まると考えられるので、このグローバル市場動向調査を継続し、実態を把握できるように検討を進めてまいります。
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申込みの詳細 | CIAJホームページ https://www.ciaj.or.jp/news/topics/topics_past_issue/topics2017/2118.html 【申込受付中】新刊「グローバル通信機器市場の動向調査」を発刊しました |
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所在地 | 〒105-0013東京都港区浜松町2-2-12 JEI浜松町ビル3F |
活動内容 | 政府への政策提言、市場調査、環境・国際標準などの共通課題の取組など、会員企業の事業環境改善や事業機会の創出を支援する活動を行う情報通信の業界団体。 |
会 長 | 山本 正已 |
会員数 | 220社・団体(2017年3月現在) |