「高齢者・障害者等に配慮した電気通信アクセシビリティガイドライン」                  第2版       −電気通信設備・サービスのアクセシビリティ確保・向上−                              情報通信アクセス協議会                               平成16年5月26日  「高齢者・障害者等に配慮した電気通信アクセシビリティガイドライン第2版」は, 主に高齢者,障害のある人々及び一時的な障害のある人々が,あらゆる電気通信設備, そのソフトウェア及びそれらを用いて提供されるサービスを利用する際のアクセシビ リティを確保し,向上させるために,電気通信設備及びサービスを企画・開発・設計 ・提供及びそれらを評価するときに基本的に配慮すべき事項についての指針を示した ものである。 指針の目的  本ガイドラインは,主に高齢者,障害のある人々及び一時的な障害のある人々 (以下,「高齢者・障害者」という。)が,円滑に電気通信サービスを利用 できるようにするため,「障害者等電気通信設備アクセシビリティ指針」(郵政省 告示第515号(平成10年10月30日))の主旨を踏まえ,情報通信アクセス協議会 (以下,「当会」という。)※が,自主的な指針として電気通信設備及びサービスの ガイドラインを定め,これを公表することにより,アクセシビリティの確保された 電気通信設備及びサービスの積極的な設計・開発・提供を推進し,もって高齢者・ 障害者を含むあらゆる利用者にとって使いやすい電気通信設備及びサービスの利用 環境の整備並びに我が国の電気通信の均衡ある発展に寄与することを目的に, 第1版を平成12年7月に制定し,このたび第2版に改定した。  インターネットの急速な普及をはじめ情報通信技術(IT)のめざましい発展により, すべての人々がその生活,仕事の面において日常的に電気通信を利用する機会が ますます増大している。  一方,わが国では,高齢化が急速に進展する中,高齢者・障害者が電気通信設備 及びサービスを利用する機会も急速に増えてきており,これらを利用するにあたって, 障害や心身の機能の状態にかかわらず電気通信設備及びサービスを円滑に利用できる ようにしていくことが重要な課題になってきている。  このような社会,市場の変化に対応するため,電気通信設備及びサービスをあらゆる 利用者に使いやすいものにすることは,利用者はもとより,提供者(本ガイドライン内 で「提供者」という場合には,販売者も含むこととする。)にとって,強く実現を 望まれるところである。そしてこのアクセシビリティを実現するにあたっては ユニバーサルデザインの原則を重視して設計,開発し,あらゆる人にとって使いやすい 電気通信設備及びサービスの提供を目指すことが大切である。こうした目的をより 効果的に実現・達成するために,本ガイドラインは高齢者・障害者が電気通信設備及び サービスを利用する場合の問題点やその解決のための一般的な指針を示すことに加えて, 設計・開発に際して役立つ具体的な配慮事項や参考となる事項,評価のための手法に ついても示した。   ※平成10年11月19日,「電気通信アクセス協議会」の名称により発足したが,    平成15年7月16日,「情報通信アクセス協議会」と改称した。 改定の背景  ガイドライン第1版は,平成12年7月に制定したが,これの活用や社会的機運の高まり 等により,高齢者・障害者に対してアクセシビリティを高め,より使いやすい電気通信 設備サービスを提供するための努力が進められている。  平成13年1月6日に施行された「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法 (IT基本法)」は,年齢や身体的条件に起因する情報格差(デジタル・ディバイド)の 是正が掲げられるとともに,同法の理念を達成するための具体的施策のパッケージである 「e-Japan重点計画」においても,「デジタル・ディバイド」の是正のための施策が 盛り込まれている。  また,平成14年12月に改正された「障害者基本計画」においても,障害者に使いやすい 情報通信機器の開発・普及の促進,障害者に配慮した情報通信機器の各省庁等による調達 努力等が障害者施策の基本的方針として掲げられたところである。  国際的には我が国がISO/COPOLCO(国際標準化機構/消費者政策委員会)に提案し 平成13年11月に発行されたISO/IECガイド71「規格作成における高齢者,障害者のニーズ への配慮ガイドライン」は,高齢者や障害のある人々に配慮した製品やサービス等を開発 する際に用いるための規格を策定するための「規格策定のためのガイドライン」であるが, 同時に高齢者や障害のある人々に配慮する場合に検討すべき課題も整理された。また, 米国ではリハビリテーション法508条に基づく連邦政府調達規定が平成13年6月25日から 施行されている。  国内でも当会による諸活動のほか,平成12年9月,日本工業規格の国内標準化機関である 情報技術標準化研究センター(INSTAC)の元に,「情報バリアフリー実現に資する標準化 調査研究委員会」が設置され,また,(社)電子情報技術産業協会(JEITA)には平成13年 4月,「アクセシビリティ標準化対応専門委員会」が設置され,関係部門が相互に連携を とって情報分野のアクセシビリティガイドラインの策定が進められてきた。  すでに,JIS X8341-1:2004「高齢者・障害者等配慮設計指針−情報通信における機器, ソフトウェア及びサービス−第1部:共通指針」,JIS X8341-2:2004「高齢者・障害者等 配慮設計指針−情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス−第2部:情報処理装置」, JIS X8341-3:2004「高齢者・障害者等配慮設計指針−情報通信における機器,ソフトウェア 及びサービス−第3部:ウェブコンテンツ」が制定予定である。  こうした背景も踏まえ,ガイドライン第1版も JIS Z8071:2003「高齢者及び障害のある 人々のニーズに対応した規格作成配慮指針」の考え方に則り,またJIS X8341-1:2004 「高齢者・障害者等配慮設計指針−情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス− 第1部:共通指針」との整合性にも配慮し,電気通信に関する設計・開発に際しての配慮 事項等についてより具体的でわかりやすい内容にし,このたび「高齢者・障害者等に配慮 した電気通信アクセシビリティガイドライン第2版」として改定したものである。 1. 適用範囲  本ガイドラインは,主に高齢者,障害のある人々及び一時的な障害のある人々が, あらゆる電気通信設備,そのソフトウェア及びそれらを用いて提供されるサービス (以下,電気通信設備及びサービスという)を利用する際のアクセシビリティを確保し, 向上させるために,電気通信設備及びサービスを企画・開発・設計及び提供するときに 基本的に配慮すべき事項についての指針を示したものである。 2. 参考規格  1. JIS Z8071:2003  高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針  2. JIS X8341-1:2004 高齢者・障害者等配慮設計指針−情報通信における機器,             ソフトウェア及びサービス−第1部:共通指針  3. JIS X8341-2:2004 高齢者・障害者等配慮設計指針−情報通信における機器,             ソフトウェア及びサービス−第2部:情報処理装置  4. JIS S0011:2000  高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の凸記号表示  5. JIS S0012:2000  高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の操作性  6. JIS S0013:2002  高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の報知音  7. JIS S0014:2003  高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の報知音−             妨害音及び聴覚の加齢変化を考慮した音圧レベル  8. JIS S0032:2003  高齢者・障害者配慮設計指針−視覚表示物−日本語文字の最小             可読文字サイズ推定方法  9. JIS Z8530:2000  人間工学−インタラクティブシステムの人間中心設計プロセス  10. JIS Z8513:1994  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−視覚表示装置             の要求事項  11. JIS Z8518:1998  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−表示色の要求             事項  12. JIS C5512:2000  補聴器  13. JIS Z8524:1999  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−メニュー対話  14. JBMS-71:2004   事務機器−報知音 3. 定義 電気通信設備  電気通信を行うための機械,器具,線路その他の電気的設備。 電気通信サービス  電気通信設備を用いて利用者に提供されるサービス。 媒介型双方向電気通信サービス  交換機やネットワークサーバー等の電気通信設備を介して複数の利用者が複数の 地点間で,双方向に情報をやり取りするための仕組みを提供するサービス。このサービス には,音声通話,ファクシミリ,テレビ電話,電子メール,インスタントメッセンジャー 等が含まれる。 電気通信プラットフォームサービス  電気通信設備を介して情報サービスを行おうとする者(以下「情報提供者」という。) に対して,電気通信設備及び利用者管理,利用者認証,コンテンツ管理,課金,決済等 の仕組みを提供するサービス。このサービスには,携帯電話等におけるコンテンツ配信, 情報料回収代行(ダイヤルQ2)等が含まれる。 電気通信アクセシビリティ  主に高齢者・障害者が電気通信設備及びサービスを支障なく操作又は利用することが 可能であること。 高齢者・障害者支援技術  高齢者・障害者が,電気通信設備及びサービスを操作又は利用するときに,その操作 又は利用を助ける技術。 4. 一般的原則 4.1 基本指針  電気通信アクセシビリティを確保・向上させるために,すべての電気通信設備及び サービスが守らなければならない基本方針は,次による。 a) 電気通信設備及びサービスを企画・開発・設計及び提供するときは,可能な限り   高齢者・障害者が操作又は利用できるように配慮する。 b) 単独では電気通信アクセシビリティを確保できないときは,オプション製品や   他社の製品,高齢者障害者支援技術と組み合わせて電気通信アクセシビリティを   確保できるように配慮する。 c) 提供する電気通信アクセシビリティに関わる機能の実現に際しては,利用者の   安全性を確保する。 4.2 基本的要件  電気通信設備及びサービスの電気通信アクセシビリティを確保・向上させるために 必要な基本的な要件は,次による。 a) 視覚による情報入手が困難な状態であっても操作又は利用できる。 b) 聴覚による情報入手が困難な状態であっても操作又は利用できる。 c) 発話が困難な状態であっても操作又は利用できる。 d) 力の強弱及びその制御能力にかかわらず操作又は利用できる。 e) 下肢が不自由な状態であっても操作又は利用できる。 f) 車いすを利用する状態であっても操作又は利用できる。 g) 任意の片手で操作又は利用できる。 h) 手,足,指又は義肢の限定された動きだけでも操作又は利用できる。 i) 触覚の感度が低下している状態であっても操作又は利用できる。 j) アレルギー性,及び毒性のある素材との接触を回避する。 k) 認知及び記憶への過度な負荷をかけないで,操作又は利用できる。 l) 文化の差異及び言語の違いがあっても,操作又は利用できる。 m) 初めて操作又は利用する人にとっても,操作又は利用できる。  備考 a)からm)までの要件全てを,一つの端末機器又はサービスが満たされ     なければならないわけではないが,同時に可能な限り重複した障害への     配慮も必要である(4.1 基本方針b)及び4.3.11 障害の重複 参照)。 4.3 高齢者・障害者の心身機能,身体構造の特性と問題点  高齢者・障害者を含む利用者の心身の機能,障害及び加齢の持つ特性と, 電気通信設備・サービスを利用する際に発生する問題点は以下のとおりである。 4.3.1 視覚 <特性及び問題点>  視覚障害とは,視覚にかかわる機能が低下,もしくはまったく無い状態をいう。 視覚障害には,まったく視力がない状態,眼鏡等による矯正ができないか,それらを 用いても視力が弱く見えづらい状態,通常の明るさでもまぶしくて見えづらい状態, 色の組み合わせが識別できない状態,視野が狭い(狭窄)している状態,視野をさえぎる 浮遊物がみえるなど,様々な特性がある。また,視力には問題は無いが運動障害による 振戦のために表示部を注視できないなどの問題もある。 <加齢>  加齢にともない,近点距離(ピントが合せられる最も近い距離)が延長し,近くを 見るときの視力(近見視力)が徐々に低下する。また,水晶体が混濁,黄変することで, 色弁別能力が低下し近似明度差,彩度差の区別が難しくなる。この水晶体の混濁による 光の拡散で,視野周辺に輝度の高いところがあると不快なグレアを感じやすくなる。 さらに,明暗に順応する速度が低下するとともに,薄暗い所での視力が低下する。 4.3.2 聴覚 <特性及び問題点>  聴覚障害とは,聴力がほとんど無いか,または聞こえづらい状態をいう。聴覚に障害が ある場合,音の大きさが大き過ぎても小さ過ぎても聞こえにくい場合が多い。 音の聞こえは,聞き取りやすい周波数帯域や音の大きさによって左右され,また,耳鳴り によって聞きにくい状態になる場合もある。主に内耳以降に障害がある場合,補聴器を 装用しても音声の聞き取り能力の改善には限界がある。生まれながらにまたは幼少時から 聴覚障害をもつ人には,手話を主なコミュニケーション手段とする人が多い。このような 人々にとって,日本語は第二の言語になるため,複雑な文章の理解が困難な場合がある。 <加齢>  加齢にともない,多くの場合高音域を中心に聴力低下が徐々に始まり,50代でも3KHz 以上の周波数帯に低下が現れ始める。その結果,例えば高音域成分の強い子音が聞き取り 難くなり聞き間違いが多くなる。また,ひずんだ音声や雑音に埋れた音声の聞き分けが 難しくなり,聞き易い音の範囲が狭くなる。 4.3.3 触覚 <特性及び問題点>  触覚の障害とは,脳疾患などにより触覚がない,または触覚を感じにくい状態をいう。 表面の小さな突起や材質の違いなどを指先などで感じ取ることができない,温度を 感じられないために火傷をしてしまう,怪我をしても気がつかないなどの問題がある。 また,自助具や義肢等を用いている場合には,触覚に頼った操作がしづらい。 <加齢>  加齢にともない,指先などの触覚の感度が低下し,物表面の質感やクリック感などの 細かな変化が感じ取り難くなる。また,熱さや,痛みに対する感覚も低下し反応も 遅くなるので火傷や怪我をしやすくなる。 4.3.4 手の動き <特性及び問題点>  肢体不自由の状態では,腕が所定の位置まで動かせない,動かせるが安定させられない, 指の動きに制限があり操作しづらい,あるいはできないといった問題がある。また, 対麻痺のように手指の運動には問題のない人もいるし,片麻痺の場合は,右手,あるいは 左手の動きのみに制約が生じることがある。脳性麻痺等の場合には,アテトーゼや 不随意運動があり細かな動作が困難な場合が多い。一般に,反応速度が低下してすばやい 操作ができない,細かな操作がむずかしいといった問題がある。 <加齢>  加齢にともない,手指の細かな動きができなくなるとともに,反応時間や動作速度, ダイアルつまみやレバーなどを調節する速度が遅くなる。また,関節の可動範囲が 狭くなることで操作しやすい位置や範囲が制限される。さらに,疾病等により手の動きが 制限されたり,麻痺などにより片手でしか操作できなかったりする場合がある。 4.3.5 筋力 <特性及び問題点>  筋ジストロフィー症では,細かな手指の動きは可能だが可動できる範囲が狭く筋力が 著しく弱くなる。また,ほとんど筋肉が動かなくなる筋萎縮性側索硬化症などがある。 これらの疾患では,筋力の低下によってボタンを押すことやスライドスイッチなどを 操作することができなくなる問題がある。 <加齢>  加齢にともない,筋力や体力が低下し十分な力が出せない,操作を持続するのが 困難であったり,痛みを伴ったりする場合がある。また,加齢によって筋力の弱って きた人は,重いものを持ち続けること,また一定の動作を続けることが困難になることが ある。握力や背筋力等の筋力は20歳前後をピークに加齢とともに低下し,60歳代後半では 10歳代前半と同程度となる。 4.3.6 下肢の動き,筋力および車いすの使用 <特性及び問題点>  下肢に障害があると,歩行が困難な場合や,歩行は可能だが補助手段を必要とする 場合もある。補助手段としては,手すり,杖,歩行補助車,車いす,電動車いすなどが ある。杖等の補助手段を用いて立ったまま電気通信機器等を利用する場合は,片手でしか 操作できなかったり,体幹の保持が困難で寄りかかったり手すり等で保持したりする 必要がある。また,車いすを利用する際は,車いすの高さや寸法の制限を受けるために, 設置方法によってはディスプレイが見づらい,操作ボタンに手が届かないといった問題が おきることがある。 <加齢>  加齢による筋力の衰えにより,上記と同様な問題点が発生することがある。 4.3.7 認知及び記憶 <特性及び問題点>  認知とは,情報の統合や整理及び処理のことである。認知に障害のある状態とは, 記憶や知的能力にかかわる障害があることをさす。これらの障害があると,表記されて いる言葉の意味が理解できなかったり,理解できてもまたすぐに忘れてしまったりする などの問題がある。また,直前の操作を忘れてしまったりして機器操作の手順を正確に 追えないなどの問題もある。さらに,取扱説明書に書かれていることが理解できない といった問題などがある。 <加齢>  加齢にともない,情報を理解,処理するための流動性知能は20歳前後をピークに 徐々に低下するが,語彙や概念,知識等の学習経験などによって獲得される結晶性知能は 50歳代でも上昇し,高齢になっても衰え難い。一方,長期記憶は加齢による変化は 少ないが,想起障害を起こしやすく度忘れや固有名詞が思い出し難くなるとともに, 短期記憶も30歳代半ばから低下し新しいことが覚え難くなる。さらに,集中力が低下し 持続的な作業ができなかったり,事前の操作を忘れてしまったりといった問題がある。 4.3.8 発声 <特性及び問題点>  発声の障害とは,まったく言語を発声できない,または発声をスムーズに行なえない 状態をいい,主に次の3つの原因がある。 言葉を発するのに要する器官の形態に異常があり発声が困難な場合,筋肉が随意に動かせ ないために発生する運動性溝音障害,脳の損傷により言葉が出なくなる言語障害などである。 また,生まれつきもしくは幼少時から聴覚に障害をもつ人は,音声を耳で聴いて学習する ことが困難であるため,一般的な発音とは異なることが多く,不明瞭な場合もある。 また,自身の発している声の大きさが分かりにくいため,必要以上に声が大きくなって しまう場合がある。 <加齢>  加齢にともない,発声器官に障害が出てきて発声が困難になったり,思っていることが 自由に発声できなくなったりする場合がある。 4.3.9 体格 <特性及び問題点>  体格とは人体の全体としての定性的な特徴を現すもので,具体的には,人体の部位の 寸法の全体的な特徴をいう。操作部の設置位置や高さなどが適切でないと,長時間の 操作に支障をきたしたり,操作が困難だったりする場合がある。 <加齢>  加齢にともない,関節可動域の低下や姿勢が変化することで操作し易い位置や高さの 範囲が狭くなる。 4.3.10 アレルギー <特性及び問題点>  アレルギーには接触,気道,食物といった原因がある。 4.3.11 障害の重複 <特性及び問題点>  重複障害とは,視覚と聴覚あるいは聴覚と手の動きといったように,2つ以上の障害を 併せ有する場合をさし,先に示した個々の障害に対する問題点が重複することで, さらにその支障が大きくなることも多い。 <加齢>  加齢にともなう変化は身体機能の重複した低下であり,視覚,聴力,触覚,手の動き, 筋力,認知等全般にわたるものであるが,変化の程度は個人差が大きく,機能による バラツキも多い。個々の機能低下は大きくない場合でも,例えば視力の低下,聴覚の 低下,筋力の低下等が重複しているために,端末機器等を用いる際に代替的な手段や メディアを十分に活用することができず,操作や利用が困難になることがある。 4.3.12 文化及び言語の差異と初心者 <特性及び問題点>  文化及び言語の差異と初心者における特性及び問題点は障害ではないが,障害や 加齢による影響と同様な問題が発生することがある。異なる文化的背景を持つ人は, 暗黙の了解事項や習慣を身につけていない場合があり,端末機器の操作方法を適切に 理解できないことがある。初心者も,不慣れで十分な知識がないために,操作が分かり にくい,表示された文字やアイコン等の意味をつかめないことがある。日本語を十分に 習得していない人は,日本語,とりわけ漢字を理解することがむずかしい。 5. 操作・利用に関する共通要件   参考 すべての電気通信設備及びサービスを企画・開発・設計する際には,本章で      定めた共通の要件を適用する。端末機器については6章に具体的な配慮要件を      示す。      また,7章にサービスにおける配慮要件を示す。 5.1 操作 5.1.1 感覚機能,身体機能及び認知機能に対する負担の軽減  視覚,聴覚,触覚などの感覚機能,筋力などの身体機能,理解,把握などの認知機能 に配慮し,操作が負担とならないようにする。   例1. 視覚に障害がある人の場合,文字が小さすぎて読むのが困難であったり,      大きすぎて,文字を追うのが負担であったり,色が識別できなかったりする      場合があるので,文字の大きさ,色に配慮する。   例2. 聴覚に障害がある人にとっては,音が小さすぎたり,聞き取りにくい周波数帯      の音声であったりすると,聞き漏らさないよう注意して聞くのが負担になる      ことがあるので,音量,周波数等に配慮する。   例3. 補聴器などを利用していると,端末機器の発生する電磁ノイズにより雑音が      著しく聞き取りにくかったり,適切な音量にできなかったりするために聞き      取れない場合があるので,補聴器等の使用に配慮する。   例4. 筋力が弱いために,大きな押し下げ力を必要とするボタンを押せない場合が      あるので,利用者の筋力に配慮する。   例5. 片手でしか操作できない人に対して,両手が必要な操作を強いてしまうと,      片手の代わりに顔を使ったり,肘を使ったりして無理な体勢を強いることが      あるので,片手で操作できるように配慮する。   例6. 触覚が鈍くなっていたり,義肢を使用している場合に,ボタンのクリック感や      材質の違いが識別できない場合があるので,触覚のみに依存しないよう配慮する。   例7. 階層の深いメニューの操作,又は理解するのに沢山の情報を読んだり聞いたり      する必要がある操作は,認知機能に対して負担になることがあるので,操作を      わかりやすくする。 5.1.2 操作の一貫性  一貫性のある操作手段を提供することにより,特定の身体の機能だけを用いて操作, 及び情報の取得が可能とする。 a) 特定の身体の機能を用いて,一貫して情報の取得,把握及び操作が可能なようにする。   例1. 片手でしか操作できない利用者が,一貫して片手だけで入力できる。   例2. 音声を利用する対話方式の場合,音声のみで一貫して操作,利用できるように      する。 b) メニュー対話方式による操作に一貫性を持たせるようにする。   参考 JIS Z8524:1999 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−メニュー対話 5.1.3 誤操作の防止  利用者の視覚,聴覚,触覚などの感覚機能,筋力などの身体機能,指の形などの 身体構造,文章の理解力などの認知機能の程度によって,利用者が誤操作をしないように する。   例1. 各種の操作キーがある場合には,視覚的にわかりやすくするために,操作キーの      配置,配色,コントラスト,形状の変更,各操作キーに説明文字を印字するなど      の配慮をして端末機器を設計する。   例2. 利用者に応答を求めるときには,簡潔でわかりやすい表現を用い,文字であれ      ば読みやすい大きさの文字を用いる。音声であれば,明瞭な口調で,聞取りや      すい音量などに配慮して端末機器を設計する。   例3. 利用者が,画面の文字サイズ,配色,コントラスト,音声ガイダンスや報知音の      音量,速度などを,その端末機器又は補助手段を用いて変更できるように設計      する。   例4. 視覚に障害がある人には,操作の基準となる位置のキーに凸記号表示を付けた      り,キーに触れるとそのキーの名称や機能の読み上げを行うなど,触覚又は音声      で正しいキーがわかるように端末機器を設計する。   例5. 用紙やインクリボン等の消耗品の補充や交換,周辺機器,装置は正しく設置で      きるようにする。また,方向性のあるものは正しい方向でしか,設置,挿入      できないように設計する。   例6. 緊急通報等の機能を提供する場合は,誤操作を防止するために長押しなどによる      操作を用いる。 5.1.4 誤操作の取り消し  誤操作はできるかぎり復旧できるようにする。   例1. 複数回の操作を1回ずつ取り消し,操作前の状態に順に戻れる機能をもつ。   例2. 誤操作が取り消しできないときは,利用者に操作の確認を求める。   例3. 階層メニューの選択を誤ったときに,初期メニューに戻ることができる機能を      もつ。 5.1.5 初期状態への復帰  操作の途中でも,簡単な操作で初期状態に戻ることができるようにする。   例 メニュー操作中に,操作がわからなくなった場合,初期メニューに戻ることが     できるようにする。 5.1.6 確認機能  操作において,視覚,聴覚或いは触覚の複数の感覚で次のことが確認できるようにする。   ・ 端末機器が使用可能な状態かどうか   ・ 回線が使用可能な状態かどうか   ・ 端末機器が使用できなくなることが予見できる場合には,その内容   ・ 意図した入力がなされているかどうか   ・ 操作の結果   例1. 電源を入れ操作可能となった場合,画面表示以外に音声で知らせる手段を提供      する。   例2. 電池切れの可能性を知らせるために,電池の消費状況は,画面表示以外に音声      でも確認できる。   例3. 数値しか入力できない入力エリアに誤って文字を入力したような場合のエラー      メッセージは,単に報知音を出すだけでなく,聴覚に障害のある人でも      認知可能な手段で提供する。   例4. 画面に警告メッセージを出した場合,それが音声や振動などにより視覚に障害      のある人に対しても理解できる。   例5. 通話が可能な状態であるかどうかを音声だけでなく,振動や視覚的にも識別で      きるようにする。   参考 使用可能ではない状態とは,電源が入っていない状態又は,別の動作を実行中      で操作を受け付けない状態などが考えられる。   備考 端末機器が異常状態になっている場合の要件は,5.1.8 異常時の操作による。 5.1.7 開始及び終了  端末機器及びサービスの使用開始及び終了は,利用者自身によって操作できるように する。   参考 端末機器の使用開始と終了のための物理的操作を,利用者が1人ではできない      場合がある。   例 電源スイッチの位置,大きさ,形,操作方法などに対して配慮する。 5.1.8 異常時の操作  異常が発生した場合でも,利用者自身によって強制終了又は再起動できるようにする。   参考 利用者が異常時と想定した場合,利用者自身によって強制終了又は再起動が      容易にでき,端末機器に悪影響がなく,異常になる操作の前の状態に復帰      できるようにすることが考えられる。 5.2 用語・表記 5.2.1 一般的な用語・表記の使用  専門用語,外来語及び略語を多用せず,わかりやすい表現を用いること。   備考1. 専門用語,外来語及び略語を使う場合は,用語集を用意するなど,利用者の       理解を助けるように配慮する。   備考2. 端末機器の表記及び取扱説明書は,利用者が端末機器を効果的に使用する       ために,容易に正確に理解できることが必要である。 5.3 身体の安全性 5.3.1 安全性の確認  利用者の不用意な動きによって,利用者の安全及び健康に悪影響を 与えるような端末機器の動作が生じないように配慮しなければならない。 場合によっては,製品及びシステムを安全に停止するか,又は利用者が混乱,困惑 しないように警告の提示を行うように配慮しなければならない。   例1. 受話音量が大きすぎて,聴覚系に障害を与えることがないようにする。   例2. 報知音又は音声ガイダンス出力時に画面の一部を点滅させたり,      エラーメッセージなどの画面情報表示時に,報知音や音声ガイダンス等で      その状況を知らせたりするようにする。   例3. 視覚及び聴覚両方に障害がある場合に対応できるようにするためには,振動      など触覚を通して情報を提示する機能が必要である。   例4. 利用者が誤って危険な作業を行うと予見されることについては,複数の手段で      警告する。   参考1. 視覚に障害があり手探りで操作する必要がある場合にも,利用者が認識できる       手段で事前に操作上の注意・警告を提供してあれば,利用者は,操作時の       危険を回避できる。   参考2. これらの機能は,知的障害に対しても利用の手助けになる。 5.3.2 光源性てんかんなどの予防  画像,光などを点滅させる場合は,光源性てんかん(癲癇)など誘発させないように, 点滅条件を配慮しなければならない。   参考 光の明滅によって光感受性発作(光源性てんかん)を誘発することがある。20Hz      の時間周波数にピークがあり,特に赤と青とを交互に点滅することは,光感受性      発作を誘発しやすい。利用者の安全性に関することであるので最大限の配慮が      必要である。 5.3.3 電磁ノイズ等への配慮  電気通信設備が発生する電波及び電磁ノイズ等のEMI(Electromagnetic Interference  電磁干渉)によって,利用者に危険を及ぼさないよう配慮する。   参考1. 携帯電話端末からの電波を補聴器が受信してしまい,雑音が聞こえてしまう       場合がある。   参考2. 携帯電話端末からの電波は,植込み型心臓ペースメーカ及び植込み型除細動機       (以降,ペースメーカ等とする)の機能に影響を及ぼす可能性があるが,       装着部位から22cm程度離せば安全である。   参考3. 医用電機機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する       指針(平成9年3月27日不要電波問題対策協議会策定) 5.4 セキュリティに関する要件 5.4.1 情報漏えい  漏えいしてはならない情報を扱う場合には,情報のセキュリティを確保したアクセシブルな 操作方法を提供しなければならない。   参考 情報セキュリティに配慮しないで音声化を行うと,第三者にパスワード,個人情報      などの重要な情報が盗まれる可能性がある。 5.4.2 利用者の識別手段に対する代替手段  利用者の識別及び利用者端末の操作の許可にバイオメトリックスを使用する場合は, 利用者の身体的な特徴に頼らない代替の識別手段を選択できるようにする。   参考 指紋認証,アイリス(虹彩)認証,顔認証などの認証方式を使用する場合は,      暗証番号が入力できるなどの代替の手段を用意することが考えられる。    例 指紋認証が不可能な利用者がいることに配慮する必要がある。 5.5 コンテンツ保護手段に関する要件 5.5.1 利用の権利  著作権などを理由にデータを保護する場合でも,利用する権利を認められた利用者に とっては何らかの方法で利用可能にする。   参考1. 現在の著作権法では,公表された著作物から点字出力のための電子化点字       ファイルへの変換及び公開は認められている(平成12年改正著作権法第37条:       公表された著作物は点字によって複製することができる。公表された著作物は       電子計算機を用いて点字を処理する方式によって,記録媒体に記録し,又は       公衆通信を行うことができる)。   参考2. 文化庁では著作権者が自分で著作権の自由使用を認める場合,“障害者OK”       のマークをつけることを勧めている。このマークは文化庁のWebページから       自由にダウンロードできる。   例 視覚障害のある人は,画面に表示された文章を音声出力などで利用したい場合が     あるので,音声合成ソフトウェア等を用いて音声出力可能なコンテンツを用意する     か,代替手段を提供する。 5.6 環境に関する要件 5.6.1 周囲への配慮  音響出力,振動出力,画面の点滅などは,それが行われていることが障害のある人にも わかり,かつ,周囲に影響を与えることのないように,その出力レベル,程度の調整が できるようにしなければならない。   参考 聴覚障害のある人の場合,端末機器から大きな音が出ていて周囲へ迷惑を与えて      いてもわからないことがある。視覚障害のある人にはわからないが,画面の点滅は      周囲の人の気を散らすこともある。振動も周囲への悪影響のない程度にする必要が      ある。このような状態が障害のある人にもわかり,周囲へ悪影響がないように調整      できるようにする必要がある。 5.7 日常の継続使用に関する配慮要件  利用者が継続して利用するために必要となる作業は,利用者自身によって実施可能である こと。   例 バッテリーの充電,電池の交換,紙の補給,インクリボンの交換などの作業を     利用者ができるようにする。 6. 端末機器の配慮要件 6.1 端末機器の共通要件 端末機器の共通要件は,次による。 6.1.1 操作部のレイアウト a) 表示や操作ボタン類は利用者の思考や操作手順に合わせ配置されていること。 b) 表示各行の長さと情報内容が的確であること。 c) 表示や操作ボタン類は利用者の操作の邪魔にならない程度余裕を持って配置されて   いること。 d) スイッチの操作方向は機器等の動作方向と関連性があること。 e) 操作ボタン類は視覚や触覚で識別しやすい形や位置,色等で機能別にグループ化   されていること。   参考 JIS Z8071:2003 高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成      配慮指針 6.1.2 操作手順 a) わかりやすい言葉で,利用者の思考過程に沿った順序で情報提示されること。 b) 利用者の思考過程に沿った一貫した手順で操作できること。 c) ゆっくりとした入力操作にも対応すること。   例1. 情報提示時間や入力確定時間の調整,入力確定時間が無制限にできる。   例2. 電話番号の入力を確認してからでも発信できる機能を有する。 d) 入力時間制限によるモードの自動的変化の確認が視覚と共に聴覚でもできること。   例 モードの自動変化を示す報知音(弱注意音)は0.5秒(0.2秒)の5回繰り返し     パターン1回とする。   備考 報知音パターン表現の括弧内時間は無音状態を示す。0.5秒(0.2秒)の5回      繰り返しの場合,0.5秒間の報知音を出力し0.2秒の無音期間を加える      パターンを5回繰り返す。   参考 JIS S0013:2002 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の報知音      JBMS-71:2004 事務機器−報知音 6.1.3 操作ボタン及びテンキー a) 操作ボタンは視覚と共に触覚でも識別しやすい形状であること。 b) 入力したことが触覚で確認できること。 c) ボタン入力の結果が視覚と共に聴覚で確認できること。   例1. 入力した結果がディスプレイ等の表示により確認できること。   例2. 入力を確認する報知音(入力確認音)は0.1秒とする。   例3. 入力の無効を示す報知音(入力無効音)は0.1秒(0.1秒)0.5秒とする。   参考 JIS S0013:2002 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の報知音      JBMS-71:2004 事務機器−報知音   例4. 入力した数字を合成音声等で読み上げる。 d) 隣接した操作ボタンやキーを誤って押下しないように,間隔,大きさ及び形状に   配慮すること。 e) 二度押しが防止できること。   例 二度押しを防止するために,キー入力を無効とする間隔が2秒まで調整できる     こと。 f) キーリピートの誤操作を防止すること。   参考 キーリピートとは,キーを押し続けたときに該当するキーを複数回押したのと      同じ効果を生む機能のことである。   例 キーリピートの時間間隔を調整したり,禁止したりできる。 g) 操作を容易にすること。   例 ボタン一つであらかじめ登録した相手先に自動的に発信できる機能を有すること。     (短縮ダイヤル機能) h) トグルメニューの場合は基点(標準位置)が視覚と共に聴覚でも確認できること。   例 基点を示す報知音(基点音)は0.05秒(0.05秒)0.05秒とする。   参考 JIS S0013:2002 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の報知音      JBMS-71:2004 事務機器−報知音 i) 基本操作に用いるボタン及びキーは,手や指のほか,義肢,マウススティックなどの   自助具により操作可能とする。操作可能にするのが困難な場合は,代替手段を提供   する。   例1. 音声認識により発信する。   例2. 相手を識別して自動的に応答する。   例3. 凹型のボタンを提供すると,自助具を用いて操作しやすくなる。   参考 静電式のボタン,キー及びタッチパネル等は,義肢,自助具で操作できないこ      とがある。 j) タッチパネルを用いたソフトウェアボタン及びキーは,視覚に頼らず操作できること。  操作可能にするのが困難な場合は,代替手段を提供すること。   参考 視覚に障害のある人々は,タッチパネルのどこにボタン及びキーがあるか      わからないことがある。   例1. ボタンやキーを通常よりも大きく表示する。   例2. ボタンやキーの位置を識別できる触覚的ガイドを用意する。 6.1.4 液晶ディスプレイ等の表示装置 a) 文字が見やすいこと。   例 文字を大きくできる。 b) 色彩に頼らず表示内容が確認できること。   参考 JIS Z8513:1994 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−視覚表示装置      の要求事項 c) 表面は反射で見難くないこと。   参考 JIS Z8513:1994 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−視覚表示装置      の要求事項 d) 輝度とコントラストが調整できること。   参考 JIS Z8513:1994 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−視覚表示装置      の要求事項 e) 表示内容はすぐ消えないこと。 f) 暗い使用環境下でも見やすいこと。   例 バックライトをもちいて見やすくする。 6.1.5 印刷された表示 a) 文字や記号は実際に見る距離や周囲の明るさの条件下で見やすいこと。 b) 文字や記号は大きさやコントラスト,形が見やすいこと。 c) 色彩に頼らず表示内容が確認できること。   参考 JIS Z8518:1998 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−表示色の要求      事項 d) 表示は対象とする操作部分の近くに表示されていること。 6.1.6 用語,アイコン及び図記号  液晶ディスプレイ等の表示装置,印刷された表示における用語,アイコン及び図記号は 次による。 a) 用語,アイコン及び図記号は専門知識が無くてもわかりやすいこと。   例1. 専門用語や外来語,略語を避け統一した言葉を使用する。   例2. アイコン及び図記号に言葉をそえるとわかりやすくなる。 6.1.7 報知音 a) 報知音は聞取りやすく,うるさい所でも聞こえる音量,周波数であること。   参考 JIS S0014:2003 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の報知音−      妨害音及び聴覚の加齢変化を考慮した音圧レベル b) 音量が調整できること。 c) ミュート(消音)できること。   参考 バッテリー切れ時の報知音などを例外なくミュートできると,聴覚障害者が      周囲に容易に配慮できる。 6.1.8 音声ガイダンス a) 適度な音量,音質であること。 b) ゆっくりとした速度で適度な間を取ること。 c) 音量及び話速を調整できること。 d) はっきりとした話し方であること。 e) 日常的なわかりやすい言葉で操作者の思考に沿った順序で提示されること。 f) ひとまとまりの音声情報は,長すぎないこと。 g) 音声ガイダンスで提示される情報は,視覚的にも表示すること。 h) 音声が聞きなおせること。 i) ミュートできること。 6.1.9 全体形状  手探り操作でも怪我をしないこと。   例 外観や内部等で利用者が触る可能性のある所には鋭い角や縁が無いこと。 6.1.10 素材  アレルギーを引き起こす可能性のある素材の使用は避けるように配慮する。   例 ニッケルやクロム,ゴムの一部等のアレルギーを引き起こす素材を避ける。 6.1.11 包装 a) 包装容器は開閉しやすく,適切な形,大きさ,材料であること。 b) 包装容器や袋から取り出しやすいこと。 c) 輸送用の包装材や固定用テープは見わけやすく,容易に取り外しできること。   例 包装に用いる固定用テープは見わけやすい色を用いる。 6.1.12 設置及び設定 a) 製品の組み立てや取り付け操作は,簡単でわかりやすく,理に適った手順でできること。 b) 設置が容易な構造であること,配線などの接続がしやすいこと。 c) 操作等で設置位置から不用意に動かないこと,転倒しないこと。   例 固定するための金具やねじ穴等が設けられていること。 d) 電源コードやコネクタ類は接続しやすく不用意に外れないこと。 e) トレーや電池等の付属品は取り付け方法がわかりやすく取付けやすいこと。間違った   方向には取り付けられないこと。 f) 回線の接続は自動的にできること。   例 ダイアル回線とプッシュ回線の種別を利用者が設定しなくても自動的に選択される。 g) 時刻の設定や名前,電話番号等の登録方法がわかりやすいこと。 6.1.13 代替手段  特定の製品機能での操作が困難な場合,これを補うために他の身体機能により操作が 可能な代替手段を提供する。 a) 必要に応じて高齢者・障害者支援技術を利用できること。   例1. 電話機では,補聴器用の音声出力が可能な端子を用意する,又は,磁気誘導      コイル付補聴器に対応可能な受話器を備える。また,補聴器に電磁ノイズを      与えないようにする。      なお,補聴器を使用しての電話機などの利用時には,周囲の雑音も同時に      拾うため,直接音声信号を伝えられる接続機能を付加することが有効である。   例2. 盲聾者など重複障害のある人の場合,電話機等をそのまま利用することが困難な      ため,適切な高齢者・障害者支援技術を用いると電話機を使用できる場合がある。 b) 代替手段のオンオフができる場合は,必要に応じてオンオフの状態が複数の入力操作   手段及び出力手段で確認できること。 c) 指先などの接触に対して敏感に反応するタッチスクリーンなどの入力装置を用いる場   合は,触覚による補助手段又は片手での軽力量で容易に操作できる手段を用意し,更に   入力リピート操作が可能な場合,入力間隔の待ち時間の調節ができること。 6.1.14 インタフェース仕様の標準化と公開  インタフェース仕様の標準化と公開は,次による。 a) 端末機器の外部接続のための入出力インタフェース等は,その仕様を公開する。   備考 外部接続により端末の操作を代替する,あるいは端末の内部情報を引き出した      り書き換えたりするためのハードウェアを接続するインタフェースは,その      物理的インタフェース仕様とプロトコル等を公開すると,高齢者障害者支援技術      を開発することが可能になる。 b) 外部接続のための入出力インタフェースは,製造業者間で広く使われているインタ   フェース仕様を使用する。ただし,外部接続する入出力機器のインタフェース仕様を,   今後,製造業者間で広めようとする場合には,この限りではない。   参考 外部接続により機器の操作を代替する高齢者障害者支援技術と接続するための      入出力機器のインタフェース仕様は,メーカー間で広く使われているものを      用いることによって,同一目的の他の本体システムにその入出力機器を接続でき,      利用者の機器選択の幅を広げることができる。   備考 有線で接続されるものよりは無線で接続されるものの方がより望ましい。      ただし,ペースメーカ等などの身体への配慮が必要である。 6.1.15 外部オプション機器の差込み口の位置  頻繁に抜き差しするものは,次の事項に配慮して,抜き差しが容易であること。   例1. 頻繁に接続変更する端子の位置,形状は,挿入しやすく,誤って接続されない      ように配慮する。   例2. 電子媒体を正しい向きで挿入・取出しができるように,電子媒体の挿入口の      位置及びその挿入入方式について,配慮する。   例3. コネクタ類については,正しく容易に接続できるように,位置,配色・      コントラスト,及び形状について配慮する。   参考 筋力低下,麻痺,手の震え,不随意運動,加齢による筋力低下などのために,      電子媒体の交換がむずかしい,周辺機器の接続がむずかしいなどの場合がある。      また,視覚障害,加齢などによる視力低下のために,それらの位置及び着脱の      向きがわかりづらい場合がある。 6.2 機器別の基本操作における要件 6.2.1 固定電話機の基本機能と配慮事項 6.2.1.1 固定電話機の基本機能  電話をかける際の「発呼(発信)」,「呼び出し中(応答待ち)」,「通話」,「切断」 及び電話がかかってきた際の「着信」,「応答」,「通話」,「切断」に対する操作を 固定電話機(据え置き,壁掛け,コードレス,IP電話などを含む)の基本機能と位置付け, 操作実現のための配慮要件を以下に示す。基本機能の操作の流れと,障害別配慮の関係に ついては,付属書1「固定電話機の基本操作に関する障害別配慮ポイント」を参照にすること。   参考 コードレス電話においては,形状が携帯電話等に類似している機種の場合,      必要に応じて,6.2.3 携帯電話の基本機能と配慮事項も参照すること。 6.2.1.2 共通的な配慮事項  操作部レイアウト,操作手順,用語,全体形状,素材に関する共通的な配慮事項は 6.1 端末機器の共通要件を参照すること。 6.2.1.3 操作ボタン及びテンキー a) 操作ボタン及びテンキーに関する共通的な配慮事項は6.1.3 操作ボタン及びテンキー   を参照すること。 b) テンキーは視覚または触覚で他のボタンやキーと容易に区別しやすいこと。   例 「5」のキーの中央部分に凸点(直径1.5〜2.0mmで高さ0.5〜0.8mm)を設ける。   参考 JIS S0011:2000 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の凸記号表示 c) 数字等の記載文字は大きさやコントラスト,形が見やすいこと。   例 ゴシック書体を使用し文字高さ3.0mm以上で明度差4.0以上。   参考 JIS S0012:2000 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の操作性 解説 d) 入力したことが触覚で確認できること。   例 タクトスイッチを除き,クリック感は押圧100g程度,ストロークは0.8〜1.2mm     程度とする。 6.2.1.4 送受話器 a) 持ちやすい形状で滑りにくく重量バランスが良いこと。 b) 送受話器の向きや位置がわかりやすいこと。 c) 送受話器を保持しなくても通話ができること。   例 スピーカーホンで通話ができる。   参考 音声を認識するなどにより,ボタン操作無しでもスピーカーホン状態で,発信      や応答等ができると,上肢に障害があっても固定電話が利用可能になるだけで      なく,例えば車椅子等,移動に不自由がある場合でも利用しやすくなる。 6.2.1.5 液晶ディスプレイ等の表示装置  ディスプレイを備える場合は,6.1.4 液晶ディスプレイ等の表示装置を参照すること。 6.2.1.6 印刷された表示  6.1.5 印刷された表示を参照すること。 6.2.1.7受話音 a) 音量を変えることができること。 b) 利用者が通常より高いレベルに音量を設定できる電話機には,自動リセット機能を   備えること。 c) 通話中でも音量の変更が容易なこと。 d) 現在の音量の状態が容易に確認できること。   参考 固定電話機に関係がある音量増幅における数値基準を以下に示す。      ・CES?Q003-1(情報通信ネットワーク産業協会)       電話機通話品質標準規格 IP電話端末(ハンドセット)       受話音量調整機能は標準位置に対して少なくとも8dB以上増幅できること。      ・FCC規定(47 CFR 68.137(a))       受話音量評価(Receive Objective Loudness Rating:ROLR)による測定で,       標準より最低12dB,最大18dB増幅量の範囲で音量調節を義務づけている。      ・508条 第1194部第23条 通信製品       製品には,最大増幅量が20dBまでの増幅が可能な音量調節装置を       備えなければならない。      ・FCC第68部 利用者が通常より高いレベルに音量を設定できる電話機には,       自動リセット機能を必要とする。増幅量が18dBを越えている場合,       受話器をかけると自動的にリセットされるように義務づけている。 e) 音量以外に利用者の聴覚特性等に応じた調整等ができること。   例1. 音質(周波数特性)を変更できるようにする。   例2. 話速を変えると高齢者等が聞きやすくなる。   例3. 骨伝導を用いると,一部の難聴者(伝音性等)や,周囲がうるさい時に      有効である。 f) 補聴器や人工内耳等にノイズを誘発しないこと。   参考 ディジタル方式のコードレス電話が影響を与える場合がある。 g) 補聴器の誘導コイル(Tモード)に対応していること。   参考1. 補聴器の誘導コイルで外部磁界をピックアップし,その信号を増幅して       イヤホンで再生するTモードという補聴器の機能がある。誘導コイルに       与える磁界の大きさは参考2.の規定を,電話機の受話器のヒヤリング       エイドコイルの出力磁界のレベルは,補聴器の誘導コイルの位置において       参考3.の規定を参照すること。   参考2. 補聴器に必要な磁界の強さ等に関する規定。       ・IEC 60118-1 Ed. 3.1:1999 (b) Hearing aids - Part 1:        Hearing aids with induction pick-up coil input       ・JIS C 5512 補聴器   参考3. 受話器のヒヤリングエイドコイルの規定。       ・米国TIA規格        ANSI/TIA/EIA-504-A-1997        Telecommunications-Telephone Terminal Equipment-Magnetic Field and        Acoustic Gain Requirements for Handset Telephones Intended for use        by the Hard of Hearing   注. 上記規格には補聴器の誘導コイルに与える受話器のヒヤリングエイドコイル      から発生する磁界の強さに関する規定が含まれている。 h) 受話音を増幅できる場合は,音漏れに配慮すること。   例 密着性の高い受話部にする。   参考1. 受話音を拡大すると音漏れが大きくなり,周囲に迷惑をかけたり       (5.6.1 周囲への配慮 参照),守秘性が保てない場合がある。   参考2. 誘導コイルや外部出力端子を備えることも有効である。 i) 適切な側音(送話器で話した音声が,受話器を通して自分の耳で聞き取れる)を   入れること。   参考1. 側音がないと,例えばTモードにした補聴器(マイク入力がオフにされる)       を装用した聴覚障害者は,自分の声を聞くことができなくなり,発話しにくく       なる。側音を入れることで,自分の声を受話器の誘導コイルを通じて聞くこと       ができるようになる。   参考2. ITU-T P.310参照。(側音マスキング定格STMR:10dB〜15dB) 6.2.1.8 着信音(メロディ,リンガー等) a) 着信音の音量等を調整できること。   例1. 標準の音量よりも大きくできること。   例2. 基本周波数の高低や音色等が変えられること。 b) 着信状態を視覚でも確認できること。   例 鳴動時に発光し,視覚でも着信がわかること。   参考 5.3.2 光源性てんかんなどの予防参照。 c) ミュートできること。   参考 5.6.1 周囲への配慮参照。 d) 携帯して利用することができる端末機器の場合は,着信状態を振動でも確認できること。 6.2.1.9 報知音及び音声ガイダンス  着信音(メロディ,リンガー等)以外に報知音及び音声ガイダンスを発生する機能を 有する場合は,6.1.7 報知音及び6.1.8 音声ガイダンスを参照すること。 6.2.1.10 動作の確認 a) 回線の状態が,聴覚と共に視覚でも確認できること。 b) 相手先番号通知が利用できる場合は,視覚と共に聴覚でも通知された内容が確認できる   こと。 6.2.1.11 使用準備  使用前の準備に関する梱包,設置,接続に関しては,6.1.10 素材及び6.1.11 包装, 6.1.12 設置及び設定を参照すること。 6.2.2 ファクシミリの基本機能と配慮事項 6.2.2.1 ファクシミリの基本機能  「送信」「受信」「コピー」「インクやトナーなどの交換」をファクシミリの基本機能 として位置づけ,操作実現のための配慮要件を以下に示す。音声通話機能については, 6.2.1 固定電話機の基本機能と配慮事項を参照すること。基本機能の操作の流れと, 障害別配慮の関係については,付属書2「ファクシミリの基本操作に関する障害別配慮 ポイント」を参照にすること。 6.2.2.2 操作ボタン及びテンキー 6.2.2.2.1 「スタート」「ストップ」「コピー」ボタン a) 記載文字が見やすいこと。   例 ゴシック書体を使用し文字高さ3.0mm以上で明度差4.0以上とする。   参考 JIS S0012:2000 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の操作性 解説を      参照すること。 b) 視覚と共に触覚で他のボタンと区別できること。   例1. 「スタート」ボタンの中央部分に凸点(直径1.5〜2.0mm,高さ0.5〜0.8mm)を      設けること。   参考 JIS S0011:2000 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の凸記号表示   例2. 「ストップ」ボタンの中央部分に凸バー(直径1.5〜2.0mm,高さ0.5〜0.8mm,      長さは幅の5倍以上)を設けること。   参考 JIS S0011:2000 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の凸記号表示      JBMS-71:2004 事務機器−報知音 c) 入力したことが視覚と共に聴覚でも確認できること。   例1. タクトスイッチを除き,クリック感は押圧100g程度,ストロークは0.8〜1.2mm      程度とする。   例2. 入力を確認する報知音(入力確認音)は0.1秒とする。JBMS-71(JIS-S0013)を      参照すること。 6.2.2.2.2 テンキー  テンキーについては6.2.1.3 操作ボタン及びテンキーを参照すること。 6.2.2.3 液晶ディスプレイ等の表示装置  液晶ディスプレイ等の表示装置については,6.1.4を参照すること。 6.2.2.4 操作部形状 6.2.2.4.1 原稿挿入口 a) 視覚と共に触覚でも原稿挿入口がわかること。また,記録紙挿入口もある場合には,   原稿挿入口を区別して識別できること。 b) 原稿の挿入方法がわかりやすい構造,形状であること。 c) 原稿をセットしたことが,視覚と共に聴覚でも確認できること。   参考1. 原稿セットを確認する報知音(入力確認音)は0.1秒。   参考2. JIS S0013:2002 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の報知音       JBMS-71:2004 事務機器−報知音 d) 原稿を裏表どちらの向きで挿入すればよいか,視覚とともに触覚でも識別できるよう   にする。   例 触覚で識別できる絵文字を用いる。 6.2.2.4.2 原稿ガイド a) 原稿サイズの表示が見やすいこと。   例 ゴシック書体を使用し文字高さ3.0mm以上で明度差4.0以上とする。   参考 JIS S0012:2000 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の操作性 解説を      参照すること。 b) 原稿ガイドの操作部(つまみ)は,持ちやすく手首の回転を必要とせずに,できるだけ   抵抗無く動くこと。 c) 原稿ガイドの位置決めが視覚と共に触覚でもできること。 d) 原稿ガイドの操作部(つまみ)は表面が滑り難く加工されていること。 6.2.2.4.3 原稿排出口及び記録紙排出口 a) 視覚と共に触覚でも排出先がわかること。 b) 原稿や記録紙が取りやすい構造,形状であること。   例1. 排出口に受け皿が用意されていると,原稿や記録紙が取りやすい。   例2. ロール紙の場合には,容易に切り取りやすくする,あるいは自動的に切り取る。   参考 片手でロール紙を切り取る場合がある。 6.2.2.4.4 記録紙の確認 a) 記録紙がセットされたことが,視覚と共に聴覚でも確認できること。   例 記録紙セットを確認する報知音(入力確認音)は0.1秒とする。   参考 JIS S0013:2002 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の報知音      JBMS-71:2004 事務機器−報知音 b) 記録紙がないことが,視覚と共に聴覚でも確認できること。   例 記録紙がなくなったことを,ディスプレイ等に表示するとともに,報知音や音声     ガイダンスにより提示する。 6.2.2.4.5 メンテナンス用カバー a) 開閉方法がわかりやすい構造,形状であること。   例 開ボタンの位置,操作方法が表示や形状によりわかりやすい。 b) 開閉の確認が触覚と共に視覚や聴覚で確認できること。   例 カバー開閉完了時のクリック感や機械的なクリック音により確認できる。 c) 不用意に開閉しないこと。   参考 利用者が意図せず閉じると,怪我をすることがある。 d) 適度な力で操作できること。 6.2.2.4.6 インク及びロール紙などの取り付け a) 開閉方法がわかりやすい構造,形状であること。 b) 取り付け方法及び方向がわかりやすい構造,形状であること。   例 方向性を持った形状の場合には,異なる方向では入らないようにする。 c) 手探りでも怪我をしないこと。   参考 利用者が触る可能性のある所には鋭い角や縁が無いこと。 d) 取り付けたことが,触覚と共に視覚や聴覚で確認できること。   例 取り付け完了時のクリック感や機械的なクリック音。 6.2.2.5 報知音及び音声ガイダンス  報知音及び音声ガイダンスは6.1.7 報知音,6.1.8 音声ガイダンスを参照すること。 6.2.2.6 動作の確認 a) 送信の確認が聴覚と共に視覚でもできること。   例1. 送信終了を示す報知音(終了音)は1秒とする。   参考 JIS S0013:2002 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の報知音      JBMS-71:2004 事務機器−報知音   例2. 送信結果が画面やプリントで確認できる。 b) 着信(ファクシミリとその電話)の確認が視覚とともに聴覚でもできること。   例 ファクシミリは自動着信(無音)で,電話の場合は呼び出し音が鳴るように設定     できる。 c) エラー内容の確認が視覚と共に聴覚でもできること。   例1. 「ファクシミリ送信エラー」や「紙詰り処理」「インクやトナーなどの補給,      交換」の要求を示す報知音(強注意音)は0.1秒(0.1秒)の5回繰り返し組合せ      パターン5回とする。   参考 JIS S0013:2002 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の報知音      JBMS-71:2004 事務機器−報知音   例2. 「記録紙切れ」「原稿取り忘れ」を示す報知音(弱注意音3)は0.5秒(0.2秒)の5      回繰り返しパターン4回とする。   参考 JIS S0013:2002 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の報知音      JBMS-71:2004 事務機器−報知音 d) コピー終了の確認が視覚と共に聴覚でもできること。   例 コピー終了を示す報知音(終了音)は1秒とする。   参考 JIS S0013:2002 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の報知音      JBMS-71:2004 事務機器−報知音 6.2.3 携帯電話の基本機能と配慮事項 6.2.3.1 携帯電話の基本機能  「音声通話」,「電話帳登録」,「メール」,「ウェブ閲覧」を携帯電話の基本機能と 位置づけ,操作実現のための配慮事項について解説する。基本機能の操作の流れと, 障害別配慮の関係については,付属書3「携帯電話の基本操作に関する障害別配慮ポイント」 を参照すること。   参考1. 現在の携帯電話は単に音声通話ができる小型電話機ではなく,電子メール,       ウェブの閲覧,音楽プレーヤー,カメラ等の多くの機能を併せ持った複合的な       携帯端末であり,他分野の情報アクセシビリティに関するガイドラインを       あわせて参考にする。   参考2. 必要に応じて,6.2.1 固定電話機の基本機能と配慮事項を参照する。 6.2.3.2 共通的な配慮事項  操作部レイアウト,操作手順,用語,素材に関する共通的な配慮事項は6.1 端末機器の 共通要件を参照すること。 6.2.3.3 本体の形状 a) 持ちやすい形状で滑りにくく重量バランスがよいこと。 b) 左右いずれの片手でも容易に開閉できること。   例 ワンプッシュで開くことができる。 c) 本体を据え置き,ハンズフリーでの操作が可能なこと。その際に表示部やカメラなどの   向きや角度を調整できること。   参考1. テレビ電話機能を使用する場合には,ハンズフリーができると手話を伝える       ときなどに有効である。   参考2. 手に麻痺や緊張がある人は,本体を保持することがむずかしい場合があるので,       本体を据え置けると有効である。 d) ストラップが取り付けられること。   参考1. ストラップを使用すると,筋力が弱い場合などに電話機を落として破損する       ことを防ぐことができる。   参考2. ストラップを使用すると,片手で操作しやすくなる。   参考3. ストラップの取り付け位置が複数あると,利用者の使用状況や特性に応じて       最適な場所が選択できる。   参考4. 電話機に複数のストラップの取り付け位置があると,上肢に障害にある人が,       携帯電話をぶら下げた場合に,安定して使用できることがある。 e) 収納しやすいこと。   例 アンテナ等の突起が操作や収納の際に邪魔にならないこと。 6.2.3.4 操作ボタン及びテンキー a) 入力操作全般に関しては6.1.3 操作ボタン及びテンキーを参照すること。 b) 左右いずれの片手でも入力操作できること。 c) 通話の開始と終了のキーは,視覚と共に触覚でも他のキーと容易に区別できること。 d) テンキーは視覚または触覚で他のボタンやキーと容易に区別できること。   例 「5」の中央部分に凸点をつけること。直径0.8mm以上,高さ0.3mm以上とする。   参考 JIS S0011:2000 高齢者・障害者配慮設計指針−消費生活製品の凸記号表示 e) 複数の接点が一体となっている,あるいは押下方向のあるボタンは,ショートカット   操作等による代替操作を用意する。   参考 自助具等で操作する際に,これらのボタンが押しづらいことがある。 f) 長押し操作は,表示等のフィードバックによりわかりやすくすること。 g) 長押し操作には,代替手段を提供すること。   参考 自助具を用いたり,筋力の弱い人が操作したりする場合,長押し操作が      むずかしい場合がある。 6.2.3.5 液晶ディスプレイ等の表示装置 a) 表示全般については6.1.4 液晶ディスプレイ等の表示装置を参照すること。 b) アイコン等の表示サイズを変更できるようにすること。   参考 電池残量,電波状態などの重要なアイコンが確認しやすくなる。 c) 文字が見やすくできること。   例 文字の大きさを変更できる。 d) 画面の明るさやコントラストを変更できるようにすること。   参考 携帯電話は持ち運ぶ機器なので,周囲の明るさや利用者の見え方によって,      明るさやコントラストを変更できないとディスプレイが見づらくなる。 6.2.3.6 印刷された表示  印刷された表示は6.1.5 印刷された表示を参照する。 6.2.3.7 音声合成出力 a) 表示された情報は,音声でも確認できること。   例 音声合成機能を用いて,ディスプレイ上に表示された文字等を読み上げる。 b) 入力時のフィードバックを音声でも確認できること。   例 音声合成機能を用いて,漢字入力時の変換文字等を読み上げる。 6.2.3.8 報知音と音声ガイダンス  報知音と音声ガイダンス全般に関しては,6.1.7 報知音を参照すること。 6.2.3.9 受話音 a) 周囲の騒音や個人の聞きやすさに応じて音量を変えることができること。会話中でも   容易に変えられること。   参考 音量は公称値から12dB以上増幅できるようにする。ITU-T P.313による。   例 会話を中断することなく音量が変更できる。 b) 音量以外に利用者の聴覚特性等に応じた調整等ができること。   例1. 音質(周波数特性)を変更できるようにする。   例2. 話速を変えると高齢者等が聞きやすくなる。   例3. 骨伝導を用いると,一部の難聴者(伝音性等)や,周囲がうるさい時に有効である。 c) 補聴器の誘導コイル(Tモード)に対応していること。   参考 FCC Acts to promote accessibility of digital wireless phones to      individuals with hearing disabilities.      ANSI C63.19-Method of measurement for hearing aid compatibility with      wireless communications status.      ANSI C63.20-Limits for hearing aid compatibility with wireless communications. d) 補聴器や人工内耳等にノイズを誘発しないこと。 e) 適切な側音(送話器で話した音声が,受話器を通して自分の耳で聞き取れる)を   入れること。   参考1. 側音がないと,例えばTモードにした補聴器(マイク入力がオフにされる)       を装用した聴覚障害者は,自分の声を聞くことが出来なくなり,発話しにくく       なる。側音を入れることで,自分の声を受話器の誘導コイルを通じて聞くことが       できるようになる。   参考2. ITU-T P.310参照。(側音マスキング定格STMR:10dB〜15dB) 6.2.3.10 動作の確認 a) 視覚に頼らずに電波状態を確認できること。   例 通話中に電波状態が悪い場合に報知音や音声ガイダンスで知らせる。 b) 視覚に頼らずに電池残量を確認できること。   例 通話前又は通話中に電池残量が少ないことを報知音や音声ガイダンスで知らせる。 c) 視覚に頼らずにロック状態或はマナーモードを確認できること。   例1. スイッチの物理的な状態で識別可能とする。   例2. 振動や音声でロック状態を確認できるようにする。 d) 着信音の音量等を調整できること。   例1. 標準を中心として音量を上下段階変更できること。   例2. 基本周波数の高低や音色等が変えられること。 e) 着信状態を視覚でも確認できること。   例 鳴動時に発光し,視覚でも着信がわかること。   参考 5.3.2 光源性てんかんなどの予防参照。 f) 振動により着信,受信を容易に知らせることができること。   例1. 振動パターンや強さを変更できると,より容易に着信や受信がわかる。   例2. 携帯電話とは別に,振動する子機がワイヤレスで接続できるようにする。 6.2.3.11 外部インタフェース  外部インタフェースに関する共通的な配慮事項は6.1.13 代替手段,ならびに 6.1.14 インタフェース仕様の標準化と公開を参照すること。 a) 小型のテンキーには,外部入力機器との接続による代替手段を提供すること。   参考 小型のテンキーやボタンは,不随意運動のある人や,細かい動作が苦手な人には      操作がむずかしい。 b) 小型の液晶表示には,外部接続機器との接続による代替手段を提供すること。   参考1. テレビ電話機能を使用する場合には,唇の動きや指先の細かい動きが伴うため,       大きな画面でこれらを見られると有効である。   参考2. 大きな画面で操作が行えると,高齢者や知的に障害がある人にとって有効である。        6.2.4 テレビ電話の基本機能と配慮事項 6.2.4.1 テレビ電話の基本機能  電話機で想定される通常の電話機能に加え,相手の映像を互いに見ることができる機能を テレビ電話の基本機能と位置付け,操作実現のための配慮事項について解説する。 基本機能の操作の流れと,障害別配慮の関係については,付属書4「テレビ電話の基本操作に 関する障害別配慮ポイント」を参照にすること。 6.2.4.2 共通的な配慮事項  操作部レイアウト,操作手順,用語,全体形状,素材に関する共通的な配慮事項は 6.1 端末機器の共通要件を参照すること。 a) 固定電話機型や,セットトップ型では,6.2.1 固定電話機の基本機能と配慮事項を参照   すること。 b) 携帯電話型のテレビ電話では,6.2.3 携帯電話の基本機能と配慮事項を参照すること。 6.2.4.3 操作ボタン及びテンキー 6.2.4.3.1 「通話開始」「テレビ電話開始」「切断」ボタン a) 記載文字が見やすいこと。 b) 視覚と共に触覚で他のボタンと区別できること。 c) 入力したことが視覚と共に聴覚でも確認できること。 6.2.4.3.2 テンキー  テンキーについては6.2.1.3 操作ボタン及びテンキーを参照すること。 6.2.4.4 液晶ディスプレイ等の表示装置  液晶ディスプレイ等の表示装置については,6.1.4 液晶ディスプレイ等の表示装置を参照 すること。 6.2.4.5 映像 a) 手話等の視覚情報によりコミュニケーションする場合を考慮して,フレームレート,   解像度等に配慮すること。   参考1. フレームレート等については7.1.1 リアルタイム性の確保を参照すること。 6.2.4.6 カメラ a) 撮影用カメラの操作(撮影範囲,方向などの変更)ができること。   参考1. 映像で手話を伝えるには,上半身,両手が映る必要がある。   参考2. 視覚に障害のある人がテレビ電話を用いて文字や色などの視覚的な情報を       相手に伝えて,かわりに情報を読み取ってもらうことができる。 b) 外部カメラの入力を,通常の撮影用カメラ以外にも最低1系統は持つこと。   参考 書類などを近接撮影して,拡大して送れると情報が読み取りやすい。 c) 望遠や,ズームレンズ,マクロレンズなどを備えたような,比較的被写界深度の浅い   レンズを持ったカメラを使用する場合には,オートフォーカス(自動焦点)が設定できる   こと。 d) オートアイリス(自動露出)の機能が設定できること。 e) 電動で,撮影の範囲を変えたり(ズーム),撮影の方向を上下左右に動かしたり   (パン/チルト)できる機能のあるカメラの場合には,相手側からもカメラの   コントロールができること。また,この機能は,必要に応じて禁止できること。   参考1. 視覚に障害のある人との通話のときに,障害のない人がカメラを       コントロールすることによって,より的確に情報を把握することができる。   参考2. 事前に確認した撮影範囲以外を,相手に見てほしくない場合には,禁止できる       ことが必要になる。 6.2.4.7 ハンズフリー  ハンズフリーについては,6.2.1.4 c)を参照すること。   参考 テレビ電話では,ハンズフリーができると手話を伝えるときなどに有効である。 6.2.4.8 動作の確認 a) ビデオ映像入力が複数存在するような機器の場合,テレビモニターを確認しなくても,   どの映像入力機器(カメラ)が選択されているかが触覚や聴覚でもわかること。 b) テレビ電話の通話の開始前に,送出する映像が確認できること。 c) 送信中の映像が確認できること。 d) 撮影している方向が,触覚でも判断できること。 e) カメラが,ズームの機能を持っている場合,ズーム量が,映像を見なくても触覚や   聴覚で確認できること。   例 ズームアップ・ズームダウンが,音声でも確認できる。 6.2.4.9 設置及び設定  設置及び設定は,サービスマンが設置する場合を除いて6.1.12 設置及び設定を参照する。 7. 電気通信サービスにおける配慮要件  電気通信サービスの企画・開発・設計する際には,次のとおり配慮する。   参考 電気通信サービスのアクセシビリティを確保するためには,端末機器の      アクセシビリティを向上することにより実現する方法と,提供するサービスの      機能で実現する方法,あるいは双方の組み合わせにより実現する方法が      考えられる。   例 テキストを用いた情報サービスを提供する際に,視覚障害者に利用できるように     するために,端末機器に音声合成機能を持たせる方法と,音声による同等の     サービスを提供する方法がある。 7.1 媒介型双方向電気通信サービスにおける配慮要件  媒介型双方向電気通信サービスの配慮要件は以下のとおりである。 7.1.1 リアルタイム性の確保  技術的に可能な場合には,以下のことを満足した双方向のテキスト,画像,動画通信手段 を提供すること。   ・ 相手を呼び出せること。   ・ 双方向で同時にデータの送受信ができること(全二重性)。   ・ 遅延がないか,もしくはコミュニケーションに支障のない程度であること。   ・ 情報の欠落がないか,もしくはコミュニケーションに支障のない程度であること。   参考1. 音声通話において実現されているこれらのことが,音声以外のメディアに       おいても可能になれば,音声通話が困難な聴覚言語障害者等にとって有効な       通信手段となる。   例1. 回線交換方式(ダイレクト方式,直送式)のメール。必要に応じて相手を      呼び出し,遅延なく相手の端末に送信できるか,もしくは不着であることを      確認できる。また,双方向で同時に送受が可能(チャット通信)な場合,全二重      送信者が性も満たす。   例2. インスタントメッセージサービス。相互にサーバ等に接続している必要はある      (相手を呼び出せない)が,双方向で,概ね小さな遅延でテキスト等により通信      ができる。   例3. 電話回線にモデムを接続した画像やテキストデータ通信。相互に同じ通信      プロトコルを用いた専用の端末機器(Text Telephone)が必要となる。   参考2. 米国等では,TTY(Tele-Typewriter)が普及している。文字ディスプレイと       キーボードとモデムを有した専用端末で,モデムを介して電話回線で入力した       文字をお互いのTTYのディスプレイに表示する機能を有している。   参考3. ITU-T V.18には各国のText Telephoneの通信プロトコルがまとめられているが,       使用できる文字はASCII(7ビット)文字のみである。   例4. 双方向の動画通信(テレビ電話等)を使って,手話等の視覚情報により      コミュニケーションをする場合,10fps以上のフレームレートであれば,      ゆっくりした動作の簡単な手話の識別は可能である。しかし,日常使われる通常の      速度の手話や,口の動き等で相手の発話内容を把握する読話のためには,30fps      (現行のアナログテレビ放送程度)以上が望まれる。 7.1.2 マルチメディア通信  技術的に可能な場合には,音声とテキストなど,複数のメディアを同時に使った双方向の 通信手段を提供すること。   参考 聴覚障害者の中には,音声の聞き取りは困難でも,発話は可能な人も多い。      その場合,自分自身は発話し,相手からはテキスト等の視覚的な手段で通信を      行う方法を用いることができる。また,通常は音声で会話し,一部聞き取りにくい      ところのみテキストで確認するといった方法も有効である。 7.1.3 互換性の確保  技術的に可能な場合は,異なるキャリア,端末装置同士でも双方向通信が可能なテキスト, 画像,動画通信手段を提供すること。   参考 7.1.1 例1の回線交換方式のメールは,リアルタイム性は確保されているが,      現時点ではキャリア間の互換性に制限があるため,基本的にこのサービスに      対応した端末機器の所有者同士でないと通信が出来ない。 7.1.4 メディア変換  技術的に可能な場合には,音声情報をテキスト情報に変換する等,メディア変換サービスを 提供すること。   例1. 聴覚障害者は音声による通話が利用できない場合があるので,      電話リレーサービスを提供する。   参考 米国等では,TTY等を用いた電話リレーサービスが普及している。      電話リレーサービスとは,オペレータを介して,文字通信と音声通信を仲介する      サービスで,オペレータはTTY使用者(多くは聴覚,言語障害者)と文字による      通信を行い,同時に表示された文字を読み上げ,TTY使用者が会話したい      音声通信者(多くは健聴者)に伝える。逆に,音声通信者の話した内容を      オペレータがそのまま文字入力してTTY使用者に伝える。   例2. 電子メールを音声合成で読み上げ,電話等で聞けるサービスを提供する。   例3. ボイスメールサービスを提供する。 7.2 電気通信プラットフォームサービスにおける配慮要件  電気通信プラットフォームサービスにおける配慮要件は以下のとおりである。 7.2.1 代替メディアの活用  端末機器でメディア変換が困難な情報は,代替メディアによる情報サービスの提供を, 情報提供者がするための仕組みを用意すること。   例 視覚障害者等のために,音声認識や音声合成等による音声ポータルサービスを     提供する。 7.2.2 メディア変換  技術的に可能な場合には,音声情報をテキスト情報に変換する等,メディア変換の 仕組みを用意すること。 7.2.3 マルチメディアコンテンツにおける代替情報提供手段  マルチメディアコンテンツの提供が可能な場合には,非テキスト情報にテキストなどの 代替情報提供を情報提供者がするための仕組みを用意すること。   例 音声を伴う動画により情報を提供する場合には,動画と同期したキャプションと     状況説明を情報提供者が提供できる。 7.2.4 端末の識別  利用者が用いる端末機器の特性をネットワーク側で識別できる場合には,当該特性に 応じたコンテンツを情報提供者が提供できる仕組みを用意すること。   例 CC/PPを用いて,端末機器の画面解像度やサイズ,表示可能な色,音声や画面拡大     などの特性に応じたウェブコンテンツを送信する。 7.3 緊急時通報等の配慮要件  緊急時の通報,安否確認等においては,アクセシブルな方法を確保すること。   例1. 緊急時のための110番(警察),119番(消防,救急),安否確認等のサービスは,      音声によるほか,音声が利用できない利用者が用いることができるようにする。   例2. 緊急時に回線の輻輳を防ぐために通信を制限する場合には,音声が利用できな      い利用者が電子メール等の手段を用いることがあることに配慮する。 7.4 電気通信サービス仕様の標準化と公開  高齢者障害者支援技術の開発及び普及促進のために,電気通信サービスの規格,開発, 設計においては,可能な限り標準化された規格を用いること。独自の規格を用いる場合は, 可能な限り,その仕様を公開すること。   参考1. 高齢者障害者支援技術の開発するためには,端末機器だけではなく,通信       プロトコル等のネットワーク側の仕様が必要なことがある。   参考2. 高齢者障害者支援技術の普及促進のためには,異なるキャリアやプラット       フォーム間等で仕様が統一されていることが望まれる。 8. 企画・開発・設計・評価における要件  電気通信アクセシビリティを確保・向上させるために,電気通信アクセシビリティ 開発者は,電気通信設備及びサービスがこのガイドラインで定めた基本的要件を満たすよう 企画・開発・設計・評価する。企画・開発・設計・評価にあたっては利用者も加えるなど, 利用者の意見・要望も反映する。ネットワークを用いて提供されるサービスにおいては, サービスを提供するサーバ,通信方式,利用者の端末の機能を総合的に検討し,端末機器 において電気通信アクセシビリティを確保できるよう配慮する。 また,経営者・開発責任者は,アクセス可能な電気通信設備及びサービスの企画・開発・ 設計に十分な意識をもち,具体的な電気通信アクセシビリティに関する方針をもって 推進する。 8.1 企画・開発・設計における要件  企画・開発・設計における要件については,JIS X8341-1:2004 高齢者・障害者等 配慮設計指針−情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス−第1部:共通指針, 5章 企画・開発・設計における要件を参照すること。 8.2 評価における要件 8.2.1 評価の対象  電気通信アクセシビリティに関する評価は,できる限り多くの製品に対して実施する。 8.2.2 評価の方法  電気通信アクセシビリティに関する評価は,本ガイドラインの全般的な方針を理解した 上で,付属書1〜4に示すような操作フローチェックリスト(障害別配慮ポイント)を 作成し行う。なお,評価は利用者の立場に立って行われるべきである。   参考 付属書1〜4は,代表的な端末機器の基本的な操作を操作の手順に従って並べ,      利用者が操作する際の,心身の機能の特性に応じた配慮の必要性の有無を      チェックしたものである.高齢者・障害者にとって,どのような操作を行う際に      配慮が必要となるかを確認することができる。また,具体的に検討,実施した      配慮事項をチェックリストの有効と思われる枠に当てはめた時,ある特定の      心身の機能における障害について,操作の手順に従って見ていくと,一連の      操作全てが可能であるかどうかを確認することができる。一部でも未配慮な      操作があると,その障害を持つ利用者は,その端末機器を利用することが      困難となる可能性がある。 8.2.3 利用者による評価  企画・開発・設計の各段階で高齢者・障害者を含めた利用者による情報アクセシビリティ, ユーザビリティの評価を行う。   参考1. 企画,開発段階から利用者を交えた評価を行うことで,配慮する利用者に       より使いやすい電気通信設備及びサービスが提供できる。   参考2. JIS Z8530:2000 人間工学−インタラクティブシステムの人間中心設計       プロセス 9. サポートに関する要件 9.1 取扱説明書  製品の取扱説明書などは,障害に応じたメディアを複数用意する。   参考 電子文書は特別な条件,追加の経済的負担なしに提供する。視覚障害によって      印刷物を見ることが困難な場合があるため,スクリーンリーダで読み上げたり,      点字データに変換したり,拡大印刷できるように,印刷物と同等の電子文書を      提供することが必要である。   例1. 視覚障害者には点字や録音図書による取扱説明書を提供する。   例2. 高齢者にも読みやすい大きな文字を用いたわかりやすい取扱説明書を提供する。   例3. 基本操作を説明した簡易版の取扱説明書を提供する。 9.2 流通経路への支援  製品の電気通信アクセシビリティに関する情報は,関係する販売店,情報サービス企業 及び支援者などへ提供する。このための要件は次による。 a) 利用者が,目的,環境,障害の程度などに適合した情報処理装置及びその周辺装置を   購入し,効果的に利用するために,製品に関する様々な情報(製品仕様,他社製品   との組合せの可否,Q&A,使い方に関するノウハウ,留意事項など)を提供すること。 b) 購入するとき,すべての利用者が最適な製品選択ができるように,販売店に,利用者   の視覚,聴覚などの感覚機能,体格,筋力などの身体機能,文章の理解力などの   認知機能の程度に対する製品の対応情報を周知しておくこと。 9.3 サポート窓口の設置 a) 製品のサポート窓口は,利用者の多様性に備えて複数の手段での情報提供ができる   ようにすること,また,障害のある人と十分なコミュニケーションが取れるように   配慮すること。   例1. 聴覚障害・言語障害がある場合,電話による問い合わせがむずかしいため,      ファクシミリや電子メールなどが効果的である。   例2. 視覚障害がある場合,ホームページでの情報の掲示だけでは不十分なため,      電話が効果的である。 b) 窓口の担当者は製品についてだけではなく障害や情報保障についても深い理解をもち,   障害のある人と十分にコミュニケーションできるようにすること。 c) 製品サポート窓口は,製品のもつアクセシビリティ機能及び互換性情報についての   問い合わせに対応可能であること。 9.4 電気通信アクセシビリティ情報の公開  製品の電気通信アクセシビリティ情報はアクセシブルな手段で公開する。   参考1. 電気通信アクセシビリティ情報が公開されていると,利用者が自分の障害に       応じた機器を選択する際に役立つ。   参考2. 複数の企業により製造又は販売される製品においては,当該企業の少なく       とも一社がアクセシビリティ情報を公開する。 9.4.1 公開の対象  電気通信アクセシビリティに関する情報公開は,できる限り多くの製品に対して 実施する。 9.4.2 公開の方法  電気通信アクセシビリティに関する情報公開は,高齢者・障害者を含むより多くの 利用者にアクセシブルな手段でその評価結果を公開する。   備考1. 公開は情報通信アクセス協議会(以下,「当会」という。)のホームページ       (URL http://www.ciaj.or.jp/access/)への掲載(掲載手順については       付属書5に示す)を原則とするが,これに併せて提供者自身のホームページ       その他に掲載することができる。   備考2. 公開する際は,付属書6の「固定電話に関するアクセシビリティ評価       チェックシート(例)」を参考に,本ガイドラインの各要件の一覧を作成し       用いること。 9.4.3 電気通信アクセシビリティマーク  開発した製品について,本ガイドラインに示す要件に関して提供者自らが評価を行い, 評価の結果,アクセシビリティが考慮されていることが確認できた場合は,当会が定めた 電気通信アクセシビリティマークを該当する製品(製品本体の他,パンフレット,包装, 取り扱い説明書等も含む。)に使用することができる。アクセシビリティマークの 使用方法は次のとおりとし,パンフレット等製品本体以外に使用する場合は製品が備えて いる電気通信アクセシビリティ機能の概要を併記する。   Uマーク : 音声ガイダンスにより、ディスプレイが見えなくても操作が行える。   例 音声ガイダンスにより,ディスプレイが見えなくても操作が行える。(「視覚に     よる情報入手が困難な状態であっても操作又は利用できる」に対する記述例)     また,アクセシビリティマークを使用する際は,当会ホームページに評価結果等     製品情報を必ず公開する。                                       以上    「高齢者・障害者等に配慮した電気通信アクセシビリティガイドライン」                  付属書                  第2版                              情報通信アクセス協議会                               平成16年5月26日  本付属書は「高齢者・障害者等に配慮した電気通信アクセシビリティガイドライン  第2版」本文の中で,付属書参照としている事項について,その内容を示したものである。 製品の企画・開発・設計並びに評価を行う際に,本文とともに活用していただくものである。 【 本表の見方及び使い方 】  付属書1から4までの表は,代表的な端末機器の基本的な操作を操作の手順に従って並べ, 利用者が操作する際の,心身の機能の特性に応じた配慮の必要性の有無をチェックしたもの であり,電気通信アクセシビリティ開発者が企画,開発,設計,評価の段階で検討を行う際の 手助けとして使用していただくものである。  表中の縦軸,横軸の交差したマスの塗りつぶされた部分は,横軸の心身の機能特性に対して 縦軸に記載された操作になんらかの配慮が必要であることを表している。  具体的な配慮要件と解決のための例や参考事項は本文を参照して下さい。  付属書6は,端末機器の企画,開発,設計,評価時における配慮事項の整理,検討,確認の ためのチェックシートの例である。  本文6.2.1節に記載されている固定電話における機能とそれに対する配慮要件をリスト化 している。  電気通信アクセシビリティ開発者は,この例を参考にして,企画,開発,設計,評価する 個々の端末機器に対して同様の表を作成し,配慮事項の整理,検討,確認などに役立てて 下さい。 1.固定電話機の基本操作に関する障害別配慮ポイント ■電話をかける(基本機能)  1.受話器を持ち上げる(操作タスクフロー)    −受話器の識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))    −受話器を持ち上げ耳に当てる(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力)  2.ダイヤルする(操作タスクフロー)    −ダイヤルストーンの確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(聴覚))    −テンキーの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))    −テンキーを押す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))  3.相手の応答を待つ(操作タスクフロー)    −呼び出し音の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(聴覚))  4.通話の開始(操作タスクフロー)    −呼び出し音が止んだことを確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(聴覚))    −相手を認識する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(聴覚))    −相手と話す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(聴覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(発声))  5.通話の終了(操作タスクフロー)    −電話機の位置を確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))    −受話器を電話機に戻す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力)) ■電話を受ける(基本機能)  1.電話がかかってくる(操作タスクフロー)    −着信音の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(聴覚))  2.受話器を取る(操作タスクフロー)    −受話器の識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))    −受話器を電話機から外す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))  3.通話の開始(操作タスクフロー)    −相手を認識する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(聴覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))    −相手と話す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(聴覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(発声))  4.通話の終了(操作タスクフロー)    −電話機の位置を確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))    −受話器を電話機に戻す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力)) 2.ファクシミリの基本操作に関する障害別配慮ポイント ■送信(基本機能)  1.原稿裏表の確認(操作タスクフロー)    −原稿裏表、上下方向の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  2.原稿ガイドを原稿幅に合わせる(操作タスクフロー)    −挿入口の識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))    −原稿ガイドの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))    −原稿ガイドを用紙幅に合わせる(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  3.原稿をセットする(操作タスクフロー)    −原稿のセット(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))    −原稿セットの確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))  4.送信先のFAX番号をダイアル(操作タスクフロー)    −テンキーの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))    −テンキーの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −テンキー押下の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −入力内容の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  5.「スタート」ボタンを押す(操作タスクフロー)    −スタートボタンの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))    −スタートボタンの押下      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −スタートボタン押下の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −送信中の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))  6.送信の終了(操作タスクフロー)    −送信結果の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))    −送信済み原稿を取る(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力)) ■受信(基本機能)  1.電話がかかってくる(操作タスクフロー)     −着信の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(聴覚))  2.受話器を取る(操作タスクフロー)     −受話器の識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))     −受話器を置き台から外す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))     −ファクシミリ受信の識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/聴覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))  3.「スタート」ボタンの押下(操作タスクフロー)     −スタートボタンの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))     −スタートボタンの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))     −スタートボタン押下の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  4.受話器を戻す(操作タスクフロー)     −置き台の識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))     −置き台に受話器を戻す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  5.受信完了の確認(操作タスクフロー)     −受信完了の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))     −出力紙の識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))     −出力紙を取る(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力)) ■コピー(基本機能)  1.原稿の表裏の確認(操作タスクフロー)     −原稿表裏、上下方向の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/聴覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手/車椅子/発声))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  2.原稿ガイドを原稿幅に合わせる(操作タスクフロー)     −挿入口の識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))     −原稿ガイドの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))     −原稿ガイドを用紙幅に合わせる(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  3.原稿をセットする(操作タスクフロー)     −原稿のセット(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))     −原稿セットの確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))  4.記録紙をセットする(操作タスクフロー)     −挿入口の識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))     −記録紙のセット(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))     −記録紙セットの確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))  5.「コピー」ボタンを押す(操作タスクフロー)     −コピーボタンの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))     −コピーボタンの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))     −コピーボタン押下の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  6.コピー完了(操作タスクフロー)     −コピー完了の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))     −原稿の識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))     −原稿を取る(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))     −出力紙の識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))     −コピーされた出力紙を取る(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力)) ■インク交換(基本機能)  1.「開く」レバーを押上げる(操作タスクフロー)    −レバーの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))    −レバーの押上げ(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  2.カバーを開ける(操作タスクフロー)    −手がかり位置の識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))    −カバーを持ち上げる(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触)) 3.携帯電話の基本操作に関する障害別配慮ポイント ■電話をかける(基本機能)  1.電話機を取り出して待つ(操作タスクフロー)    −電話機を識別する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −掴んで持ち上げる(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  2.電源オンをチェック(長押し→)(操作タスクフロー)    −通電状態を確認する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))    −電源ボタンを見つけて押す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  3.電池残量をチェック(操作タスクフロー)    −電池残量を確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  4.電波強度、圏内をチェック(操作タスクフロー)    −アンテナを引き出す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −電波状態を確認する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  5.通話相手を指定する(操作タスクフロー)    ・電話番号を直接入力する     −テンキーで番号を入力する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    ・電話帳から相手を探し選択する     −電話帳のリストから選択する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))    ・短縮ダイヤルから相手を探し選択する     −短縮ダイヤルを入力する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    ・リダイヤル履歴から相手を探し選択する     −履歴のリストから選択する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))  6.通話相手を指定する(操作タスクフロー)    −通話する相手を確認する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))  7.発信する(操作タスクフロー)    −発信ボタンを探し、押す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  8.会話する(操作タスクフロー)    −受話器部分を耳に当て、マイク部分に向け発声し、相手と会話する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(聴覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/発声))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  9.音量調整をする(操作タスクフロー)    −会話途中で音量調節する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/聴覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  10.通話を終了する(操作タスクフロー)    −終了ボタンを探し、押す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  11.切れたことを確認する(操作タスクフロー)    −終了状態になったことの確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  12.キーロック/折り畳みを行う(操作タスクフロー)    −収納時の誤動作防止のロック、または収納のための折り畳みを行う(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  13.もとの場所に収納する(操作タスクフロー)    −本体を置き台・ホルダ等に戻す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触)) ■電話を受ける(基本機能)  1.電話がかかって来たことを認識する(操作タスクフロー)    −着信音の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/聴覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手/車椅子/発声))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  2.電話機を取り出して待つ(操作タスクフロー)    −電話機を識別する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))    −掴んで持ち上げる(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  3.相手を確認する(操作タスクフロー)    −画面表示か音声で確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/聴覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  4.開始(通話)ボタンを押す(操作タスクフロー)    −開始(通話)ボタンを押す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  5.通話の開始(操作タスクフロー)    −受話器を耳に宛て、マイクで話す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(聴覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/発声))  6.音量調整をする(操作タスクフロー)    −会話途中で音量調節をする(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(聴覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))  7.通話の終了(操作タスクフロー)    −終了ボタンを探し、押す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  8.切れたことを認識する(操作タスクフロー)    −終了状態になったことの確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  9.キーロックを行う(操作タスクフロー)    −収納時の誤動作防止のロック、または収納のための折り畳みを行う(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  10.もとの場所に収納する(操作タスクフロー)    −本体を置き台・ホルダ等に戻す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触)) ■電話帳に登録する(基本機能)  1.登録画面を表示する(操作タスクフロー)    −電話帳ボタン、メニューボタンで呼び出す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −登録項目と操作手順の認識(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))  2.文字・数字を入れる(操作タスクフロー)    −入力文字を探し、選択し、変換し、確定する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −QRコード(2次元バーコード)等で入力(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))  3.電話がかかって来たことを認識する(操作タスクフロー)    −削除・やり直しキーを探し、押す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  4.登録情報を確認する(操作タスクフロー)    −電話番号、メールアドレス等の入力内容を確認する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))  5.登録する(操作タスクフロー)    −登録ボタンを探し、押す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触)) ■充電する(基本機能)  1.電池残量をチェック(操作タスクフロー)    −画面等で電池残量アイコンを確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  2.充電器を準備する(操作タスクフロー)    −プラグをコンセントに差す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −充電台にコネクタを差す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  3.充電状態を確認する(操作タスクフロー)    −充電中であることを確認する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  4.充電の終了を確認する(操作タスクフロー)    −充電終了状態を確認する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  5.電話機を取り外す(操作タスクフロー)    −充電台から電話機を取り外す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −又は電話機からコネクタを外す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触)) ■メールを受ける(基本機能)  1.メールを選択する(操作タスクフロー)    −メニューを選択する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −メニュ画面からメールを選択する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −メニュー選択を確認する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))    −メニュー専用ボタンを押す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −誤操作した時に戻るキーを押す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  2.受信メールを選択する(操作タスクフロー)    −メニュー画面より受信メールを選択(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −受信メール選択を確認する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  3.受信メールリストを選択する(操作タスクフロー)    −受信メールからメールリストを呼び出す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −受信メールリストから読みたいメールを選択(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  4.メール内容を閲覧する(操作タスクフロー)    −選択メールリストよりメール内容を呼び出す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −ディスプレイ上のメール内容を閲覧する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  5.メールを返信・転送する(操作タスクフロー)    −返信・転送を選択する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −相手を探し、確認・選択し、発信(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  6.メールを保存する(操作タスクフロー)    −保存欄を呼び出し、保存する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  7.メールを削除する(操作タスクフロー)    −削除欄を探し、押す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  8.終了する(操作タスクフロー)    −初期メニューに戻す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触)) ■メールを送る(基本機能)  1.メールを選択する(操作タスクフロー)    −メニューを選択する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −メニュー画面からメールを選択する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −メール選択を確認する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))    −メール専用ボタンを押す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −誤操作した時の戻るキーを押す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  2.送信メールを選択する(操作タスクフロー)    −メニュー画面より作成・送信メールを選択する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −作成・送信メール選択を確認する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  3.題名を入力する(操作タスクフロー)    −題名欄を選択・確認する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −10キーにより直接かな文字入力する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −変換キーにて漢字変換する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −例文より選択する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −文章確認、決定する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  4.宛先を入力する(操作タスクフロー)    −宛先欄を選択・確認する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −アドレスを10キーにより直接入力する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −アドレス帳を呼び出す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −アドレス帳より相手を探し、選択する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −メール受信履歴より相手を探し選択する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −相手のアドレスを確認する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  5.本文を入力する(操作タスクフロー)    −本文入力欄を選択する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −10キーにより直接かな文字入力する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −変換キーにて漢字変換する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −定型文より選択する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −文章を確認する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  6.メールを送信する(操作タスクフロー)    −メール内容を確認、確定する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −送信ボタン(覧)を押す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  7.終了する(操作タスクフロー)    −初期メニューに戻す(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触)) ■Webを閲覧する(基本機能)  1.メニューボタン(Webサービスへのボタン)を押す(操作タスクフロー)    −メニューボタンの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))    −メニューボタンの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −操作結果の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  2.十字カーソルなどを用いWebサービスの項目(Webメニュー)に移動(操作タスクフロー)    −フォーカスの当たっている項目の識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))    −フォーカス移動ボタンの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))    −フォーカス移動ボタンの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −操作結果の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  3.決定ボタンを押す(操作タスクフロー)    −決定ボタンの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))    −決定ボタンの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −操作結果の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  4.Webサービス動作中を表示するアイコンを確認する(操作タスクフロー)    −Webサービス状態を示すアイコン等の表示の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))  5.Webページへの移動−リストからの選択(操作タスクフロー)    −コンテンツの内容(用意されているメニューや履歴、リンク、お気に入り等)を的確に把握する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))    −フォーカスの当たっている項目の識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))    −フォーカス移動ボタンの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))    −フォーカス移動ボタンの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −操作結果の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))    −決定ボタンの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))    −決定ボタンの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −操作結果の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))    −対象コンテンツ内のリンク項目がアクセスキーになっているのを識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))    −該当するテンキーの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/聴覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手/車椅子/発声))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −操作結果の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  6.Webページの移動−URLの直接入力(操作タスクフロー)    −メニューから、WebのURLの直接入力の項目を選択し、文字入力ができる状態にする(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −「http://」が入力されていることを認識し、文字入力カーソル位置を確認する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))    −操作面の数字キーの文字を認識する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))    −入力する文字の数字キーを押下する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −画面に表示される文字を認識する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))    −現在、入力カーソルが選択している文字を認識する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))    −文字を削除するボタンを認識する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))    −文字を削除するボタンを押下する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/聴覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手/車椅子/発声))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −「文字の削除」操作結果を認識する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))    −文字入力を終了させるボタンを認識する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))    −文字入力を終了させるボタンを押下する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(片手))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −文字入力結果を確認する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))    −「接続」ボタンを認識する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))    −「接続」ボタンを押下する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  7.アクセス中の表示(操作タスクフロー)    −画面のアクセス中またはデータ取得中の表示を認識する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/聴覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手/車椅子/発声))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −設定や機種によりアクセス終了を示す音や表示を認識する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/聴覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶))  8.Webページが表示される(操作タスクフロー)    −新しく表示されたWebページを認識する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  9.Webサービスを終了させる(操作タスクフロー)    −Webサービスを終了させるボタンを認識する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(認知と記憶/文化言語の違い))    −Webサービスを終了させるボタンを押下する(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力/片手))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −画面やランプなどの表示による操作結果の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚)) 4.テレビ電話の基本操作に関する障害別配慮ポイント ■発信(基本機能)  1.カメラの確認(操作タスクフロー)    −相手に送信される自分の映像の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  2.発信先の電話番号をダイヤル(操作タスクフロー)    −テンキーの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))    −テンキーの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −テンキー押下の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))    −入力内容の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  3.通話開始ボタン/TV電話開始ボタンを押す(操作タスクフロー)    −ボタンの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))    −ボタンの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −ボタン押下の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))    −通話中の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  4.通話の終了(操作タスクフロー)    −切断ボタンの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))    −切断ボタンの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −切断ボタン押下の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚)) ■着信(基本機能)  1.電話がかかってくる(操作タスクフロー)    −着信の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(聴覚))    −着信の識別(テレビ電話/音声電話)(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))  2.カメラの確認(操作タスクフロー)    −相手に送信される自分の映像の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  3.通話開始ボタン/TV電話開始ボタン(操作タスクフロー)    −ボタンの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))    −ボタンの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −ボタン押下の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))    −通話中の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  4.通話の終了(操作タスクフロー)    −切断ボタンの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))    −切断ボタンの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −切断ボタン押下の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))  5.自動着信の機能が設定できること(操作タスクフロー)    −通話/TV電話の自動着信の選択(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い)) ■通話中の動作(基本機能)  1.自分/相手カメラのコントロール(操作タスクフロー)    −相手/自分のコントロール切り替え(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))    −上下左右ボタンの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  2.ハンズフリー通話の切り替えと解除(操作タスクフロー)    −ハンズフリーボタンの識別(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):認知(文化言語の違い))    −ハンズフリーボタンの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))    −ハンズフリーボタン押下の確認(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))  3.通話中の音量調整(操作タスクフロー)    −音量調整ボタンの押下(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(聴覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  4.ハンドセットへの切り替え(操作タスクフロー)    −ハンドセットの持ち上げ(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚/触覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/筋力))      (心身の機能等(障害の種類):アレルギー(接触))  5.手話を表示するのに必要なフレーム数(操作タスクフロー)    −15fps(操作ステップ)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))  6.カメラで自分以外の風景も撮影できる(操作タスクフロー)      (心身の機能等(障害の種類):感覚(視覚))      (心身の機能等(障害の種類):身体(器用さ、操作/車椅子)) 5.情報通信アクセス協議会ホームページへの掲載方法  評価の結果,アクセシビリティが確保されている項目が確認された場合は,高齢者・ 障害者を含むより多くの利用者に認知していただく観点からその評価結果を公開すること が望ましい。 公開は情報通信アクセス協議会(以下,「当会」という。)のホームページ (http://www.ciaj.or.jp/access)への掲載を原則とするが,これに併せて提供者自身の ホームページその他に掲載することができる。 当会ホームページへの掲載方法は次による。 (掲載手順) 1.ワード文章で掲載文作成(各企業等提供者) 2.E-Mailにてホームページ掲載依頼(情報通信アクセス協議会事務局   (以下「事務局」という)宛ファイル提出) 3.ファイル加工(事務局) 4.サーバー仮アップロード(依頼元で確認) 5.ホームページ上で公開 (掲載内容) 1.会社名 2.商品名 3.商品写真 4.商品の機能概要 5.アクセシビリティを考慮している機能 6.上記評価に関するチェックシート(注) 7.詳細情報等に関するURL 8.問合せ先(担当部門・担当者・電話番号・FAX番号・メールアドレス) (注)チェックシートは本付属書に示す「6.固定電話に関するアクセシビリティ評価    チェックシート(例)」にならい,ガイドラインに示す配慮事項からチェックシート    を作成する。 備考:一旦当会ホームページに掲載した商品を販売停止その他の理由によりホームページ    から削除する必要が発生した場合には次による。 1.各企業等提供者から,事務局宛に,掲載の削除を連絡(メール) 2.事務局から削除意思の確認 3.事務局により削除  なお,ファイル等提出先・連絡先及び事務処理手順,方法等に関する問合せ先は 次の通りとする。   情報通信アクセス協議会事務局(一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会CIAJ)     樋口 または 小形 宛     Mail:higuchi@ciaj.or.jp / ogata@ciaj.or.jp     Tel:03-5403-9354 / Fax:03-5403-9360 6.固定電話に関するアクセシビリティ評価チェックシート(例) [機能]包装 [配慮要件]包装容器は開閉しやすく、適切な形、大きさ、材料である [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]包装 [配慮要件]包装容器は袋から取り出しやすい [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]包装 [配慮要件]輸送用の包装材や固定用テープは見分けやすく、取り外しやすい [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]全体形状 [配慮要件]手探り操作でも怪我をしない [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]素材 [配慮要件]アレルギーを引き起こす可能性のある素材の使用は避けるように配慮してある [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]設置及び設定 [配慮要件]製品の組み立てや取り付け操作は、簡単でわかりやすく、理に適った手順でできる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]設置及び設定 [配慮要件]設置が容易な構造であること、配線などの接続がしやすい [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]設置及び設定 [配慮要件]操作等で設置位置から不用意に動かないこと、転倒しない [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]設置及び設定 [配慮要件]電源コードやコネクタ類は接続しやすく不用意に外れない [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]設置及び設定 [配慮要件]電池等の付属品は取り付け方法がわかりやすく取り付けやすいこと、間違った方向で取り付かない [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]設置及び設定 [配慮要件]回線の接続は自動的にできる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]設置及び設定 [配慮要件]時刻の設定や名前、電話番号等の登録方法がわかりやすい [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]操作部のレイアウト [配慮要件]表示や操作ボタン類は利用者の思考や操作手順に合わせ配置されている [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]操作部のレイアウト [配慮要件]表示各行の長さと情報内容が的確である [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]操作部のレイアウト [配慮要件]表示や操作ボタン類は利用者の操作の邪魔にならない程度余裕を持って設置されている [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]操作部のレイアウト [配慮要件]スイッチの操作方向は機器等の動作方向と関連性がある [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]操作部のレイアウト [配慮要件]操作ボタン類は視野や触覚で識別しやすい形や位置、色等で機能別にグループ化されている [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]操作手順 [配慮要件]わかりやすい言葉で、利用者の思考過程に沿った順序で情報提示される [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]操作手順 [配慮要件]利用者の思考課程に沿った一貫した手順で操作できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]操作手順 [配慮要件]ゆっくりとした入力操作に対応している [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]操作手順 [配慮要件]入力時間制限によるモードの自動的変化の確認が視覚と共に聴覚もできる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]テンキー [配慮要件]視覚と共に触覚でも識別しやすい形状である [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]具体的な形状等 [機能]テンキー [配慮要件]視覚または触覚で他のボタンやキーと容易に区別しやすい [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]「5」のキーの凸点:位置○○、直径○○mm、高さ○○mm等 [機能]テンキー [配慮要件]押下したことが触覚で確認しやすい [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]クリック [機能]テンキー [配慮要件]入力の結果が視覚と共に聴覚で確認できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]報知音、合成音声等 [機能]テンキー [配慮要件]隣接したキーを誤って押下しないように、間隔、大きさ及び形状に配慮してある [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]具体的な形状、大きさ、間隔等 [機能]テンキー [配慮要件]二度押しが防止できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]テンキー [配慮要件]キーリーピートの誤操作を防止できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]テンキー [配慮要件]数字等の記載文字は大きさやコントラスト、形が見やすい [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]書体:○○書体、文字高さ:○○mm、明度差○○等 [機能]テンキー [配慮要件]手や指のほか、義肢、マウススティックなどの自助具により押下できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]ボタン形状が凹型等 [機能]テンキー [配慮要件]タッチパネルを用いたソフトウェアキーの場合、視覚に頼らず操作できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]代替手段、ガイド等の有無 [機能]その他の操作ボタン、キー [配慮要件]視覚と共に触覚でも識別しやすい形状である [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]その他の操作ボタン、キー [配慮要件]押下したことが触覚で確認しやすい [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]その他の操作ボタン、キー [配慮要件]入力の結果が視覚と共に聴覚で確認できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]その他の操作ボタン、キー [配慮要件]隣接した操作ボタンやキーを誤って押下しないように、間隔、大きさ及び形状に配慮してある [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]その他の操作ボタン、キー [配慮要件]二度押しが防止できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]その他の操作ボタン、キー [配慮要件]キーリピートの誤操作を防止できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]その他の操作ボタン、キー [配慮要件]数字等の記載文字は大きさやコントラスト、形が見やすい [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]書体:○○書体、文字高さ○○mm、明度差○○等 [機能]その他の操作ボタン、キー [配慮要件]手や指のほか、義肢、マウススティックなどの自助具により押下できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]その他の操作ボタン、キー [配慮要件]タッチパネルを用いたソフトウェアキーの場合、視覚に頼らず操作できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]送受話器 [配慮要件]持ちやすい形状で滑りにくく重量バランスが良い [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]○○にシボがある、すべりにくい素材等 [機能]送受話器 [配慮要件]送受話器の向きや位置がわかりやすい [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]送受話器 [配慮要件]送受話器を保持しなくても通話ができる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]スピーカーホン機能、イヤホンマイク端子等 [機能]受話音 [配慮要件]音量を変えることができる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]標準レベルから、最大○○dB、○○dBステップ等 [機能]受話音 [配慮要件]音量の自動リセット機能を備える [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]受話音 [配慮要件]音量の変更が通話中でも可能 [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]受話音 [配慮要件]現在の音量の状態が視覚でわかる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]音量をディスプレイにアイコン表示等 [機能]受話音 [配慮要件]音量以外に利用者の聴覚特性等に応じた調整等ができる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]音量の調整、骨伝導、話速変換等 [機能]受話音 [配慮要件]補聴器や人口内耳等にノイズを誘発しない [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]受話音 [配慮要件]補聴器の誘導コイル(Tモード)に対応している [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]受話音 [配慮要件]側音が入る [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]受話音 [配慮要件]外部出力端子(イヤホンジャック)がある [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]着信音 [配慮要件]着信音の音量等を調整できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]基準レベルから、最大○○dBアップ、○○dBステップ [機能]着信音 [配慮要件]着信状態を視覚でも確認できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]鳴動時に発光する等 [機能]ディスプレイ [配慮要件]文字が見やすい [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]文字高さは○○mm、明度差は○○等 [機能]ディスプレイ [配慮要件]文字を大きくできる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]最大文字高さ○○mm等 [機能]ディスプレイ [配慮要件]色彩に頼らず表示内容が確認できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]ディスプレイ [配慮要件]表面は反射で見づらくない [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]ディスプレイ [配慮要件]輝度とコントラストが調整できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]ディスプレイ [配慮要件]表示内容はすぐ消えない [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]提示速度、時間、履歴機能 [機能]ディスプレイ [配慮要件]暗い使用環境下でも見やすい [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]バックライトの有無等 [機能]印刷された表示 [配慮要件]文字や記号は実際に見る距離や範囲の明るさの条件下で見やすい [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]印刷された表示 [配慮要件]文字や記号は大きさやコントラスト、形が見やすい [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]書体○○書体、文字高さ○○mm、明度差○○等 [機能]印刷された表示 [配慮要件]色彩に頼らず表示内容が確認できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]印刷された表示 [配慮要件]表示は対象とする操作部分の近くに表示されている [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]用語、アイコン及び図記号 [配慮要件]用語、アイコン及び図記号のわかりやすさへの配慮 [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]報知音 [配慮要件]報知音は聞き取りやすく、うるさい所でも聞こえる音量、周波数である [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]JIS S0014:2003への準拠等 [機能]報知音 [配慮要件]音量が調整できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]報知音 [配慮要件]ミュートができる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]音声ガイダンス [配慮要件]適度な音量、音質である [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]音声ガイダンス [配慮要件]ゆっくりとした速度で適度な間を取る [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]音声ガイダンス [配慮要件]音量及び話速を調整できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]音声ガイダンス [配慮要件]はっきりとした話し方である [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]音声ガイダンス [配慮要件]日常的なわかりやすい言葉で操作者の思考に沿った順序で提示される [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]音声ガイダンス [配慮要件]音声ガイダンスで提示される情報は、視覚的にも表示される [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]音声ガイダンス [配慮要件]ミュートができる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]動作の確認 [配慮要件]回線状態を聴覚だけでなく視覚でも確認できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]動作の確認 [配慮要件]相手先番号通知ができる場合は、通知の内容を視覚によるほか聴覚でも確認できる [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]音声合成で、番号を読み上げる等 [機能]サポート [配慮要件]わかりやすい取扱説明書が添付されている [配慮の有無] [記載すべき表現方法例] [機能]サポート [配慮要件]電子マニュアルがある [配慮の有無] [記載すべき表現方法例]PDFファイルをホームページからダウンロードできる等 7.郵政省告示第515号  障害者等電気通信設備アクセシビリティ指針を次のとおり定める。                          平成10年10月30日                          郵政大臣 野田 聖子           障害者等電気通信設備アクセシビリティ指針 第1 目的  この指針は,障害者・高齢者(以下「障害者等」という。)が円滑に電気通信サービス を利用できるようにするため,電気通信設備に求められる機能等の指標を定めることに より,電気通信のアクセシビリティの確保を図り,もって情報化の均衡ある発展に資する ことを目的とする。 第2 定義 1.本指針において,「電気通信設備」とは,電気通信を行うための機械,器具,線路   その他の電気的設備をいう。 2.本指針において,「アクセシビリティ」とは,障害者等を含む利用者が円滑に電気   通信を利用することが可能であることをいう。 第3 アクセシビリティを確保するために求められる機能 1.障害にかかわらず入力を可能とするための機能   電気通信設備は,障害者等による入力を可能にするように配慮したものであって,  次のような機能を有することが望ましい。   (1) 視覚に頼らないで入力を行えること。   (2) 色の識別を必要としないで入力を行えること。   (3) 聴覚に頼らないで入力を行えること。   (4) 限られた運動機能により入力を行えること。   (5) 義肢により入力を行えること。   (6) 時間制限を設けないで入力を行えること。   (7) 発話に頼らないで入力を行えること。 2.障害にかかわらず出力結果の利用を可能とするための機能   電気通信設備は,その利用に必要な情報の出力及び表示に関し,視覚や聴覚に制限  を受ける者の利用に配慮したものであって,次のような機能を有することが望ましい。   (1) 視覚的な情報を視覚に頼らないで利用できること。   (2) 動画方式の情報を静止させることができること。   (3) 聴覚的な情報を聴覚に頼らないで利用できること。 3.その他障害にかかわらず電気通信設備の操作を容易に行えるための機能   電気通信設備は,障害者等がその操作を容易に行うために,次のような機能を有する  ことが望ましい。   (1) 入出力操作に必要な入力キー,ボタン等の位置が容易に確認できること。   (2) 基本的な通信環境の設定を一の入出力操作で行えること。   (3) 操作中にいつでも初期状態又は任意の状態に戻すことができること。   (4) ネットワークや通信相手との接続の過程を表示することができること。   (5) 少なくとも一の特定の相手先へは一の入出力操作で接続が行えること。   (6) 一度入力した接続先相手番号,接続相手アドレス等の接続に必要な相手先の      情報を登録し又は再利用できること。   (7) ユーザインターフェースのカスタム化が可能であること。   (8) 電気通信設備の入出力は,複数の方法で行うことができ,かつ,入出力の際      には任意の方法が選択できること。 第4 支援設備との接続性の確保  電気通信設備が第3に掲げる機能を有することが困難なときは,当該設備は,障害者等 が通常使用している障害を補いコミュニケーションを支援するための機能を有する設備と 接続できることが望ましい。 第5 その他の配慮すべき事項 1.設計,開発,評価   電気通信設備の設計,開発に当たっては,アクセシビリティ及び接続性を評価し,  できる限り早期にその評価を反映することが望ましい。 2.仕様に関する情報,マニュアル   電気通信設備の仕様に関する情報とマニュアルはできる限り公開され,かつ,  インターネット等を利用して,すべての人が容易にアクセス可能なものとすることが  望ましい。 3.アクセシビリティ及び接続性の維持   電気通信設備のアクセシビリティ及び接続性については,当該電気通信設備を変更  した後も本指針が定めている機能を引き続き満たすことが望ましい。 8.情報通信アクセス協議会構成 ■情報通信アクセス協議会(平成10年11月19日発足)  ・会長:齊藤忠夫(東京大学名誉教授)  ・会長代理:林喜男(慶応義塾大学名誉教授)  ・提供者部会構成団体代表者  ・利用者部会構成団体代表者  ・関係業界として遵守すべき自主基準等の策定 ■提供者部会(平成10年11月19日発足)  ・部会長:伊藤憲三(岩手県立大学)  ・構成団体:(社)電気通信事業者協会        (社)テレコムサービス協会        (社)電波産業会        一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会  ・アクセシビリティ指針等を満たす電気通信設備の実現方策等の検討 ■利用者部会(平成10年11月19日発足)  ・部会長:松尾武昌((財)日本障害者リハビリテーション協会)  ・構成団体:(財)全日本ろうあ連盟        (社)全日本難聴者・中途失聴者団体連合会        (福)日本身体障害者団体連合会        (福)日本盲人会連合        (福)全国社会福祉協議会        国立身体障害者リハビリテーションセンター        日本障害者協議会        江東シニアネットクラブ  ・部会構成団体の提案のとりまとめ等 ■ウェブアクセシビリティ作業部会(平成12年9月4日発足)  ・顧問:林喜男(慶応義塾大学名誉教授)  ・部会長:渡辺隆行(東京女子大学)  ・構成員:ウェブアクセシビリティの専門家、有識者     提供者部会、利用者部会構成団体の有識者  ・ウェブ(コンテンツ)アクセシビリティ確保の方策の検討 ■調整作業班(平成10年11月19日発足)  ・座長:林喜男(慶応義塾大学名誉教授)  ・構成員:各部会長が指名する者  ・各部会の提案に対する具体的検討及び調整、両部会への報告等 ■電気通信アクセシビリティ標準化専門委員会(平成16年5月13日発足)  ・委員長:山田肇(東洋大学)  ・副委員長:伊藤憲三(岩手県立大学)  ・構成員:学識経験者等中立者、生産者、使用者  ・電気通信機器等に関するアクセシビリティJIS原案の検討作成  ◆電気通信アクセシビリティ標準化検討WG(平成21年7月3日発足)   ・主査:水島昌英(NTTサービスインテグレーション基盤研究所)   ・副主査:梅垣正宏(日本障害者協議会)   ・副主査:佐井章重(パナソニック(株))   ・構成員:生産者、事業者、使用者、中立者   ・適合性評価のあり方、方法等に関する検討 ■電気通信アクセシビリティ国際提案等対応検討委員会(平成17年6月13日発足)  ・委員長:松本充司(早稲田大学)  ・副委員長:山田肇(東洋大学)  ・構成員:学識経験者等中立者、生産者、使用者  ・電気通信アクセシビリティに関する国際提案等についての検討 ■事務局(一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会) ■総務省・厚生労働省・経済産業省(オブザーバ)