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通信機器中期需要予測[2017-2022年度]を発刊 ~2017年度は買替需要が上向き、2018年度に一旦減少するものの、2022年度に向けて緩やかに回復~

2017年12月13日

一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(以下、CIAJ)は、この度、我が国の通信機器市場に関する中期需要予測[2017年度~2022年度]を取りまとめ、発刊いたしました。グローバル市場の重要性が高まる中で、今年度から大幅にリニューアルし、実績分析ではグローバルフロー(Out-OutやOut-In)を新たに掲載してより詳細な実績分析を行ない、また機種別の構成に変更して、国内の変動要因や世界市場動向の両面から予測・分析して内容を充実いたしました。
通信機器市場は、近年では、携帯電話の買い替えサイクルの長期化による需要減、スマートフォンの急速な普及によるトラフィック増に合わせて大きく伸長した無線系や有線系のネットワーク設備の一巡、企業の慎重姿勢によるビジネス関連装置などの設備投資控えなどによって需要低迷が続いていますが、2016年度後半から景気回復とともに改善傾向となり、2017年度はプラス成長の見通しです。2018年度以降は、日本の経済・社会の構造転換に沿って市場が一旦縮小するものの、人手不足に備えた生産性向上や高齢者が働きやすい省力化のための設備投資が増え、さらにIoTや人工知能を活用した製品・サービスや、第5世代通信方式(以下5G)や自動運転に関連した新たな需要も見込まれ、通信機器市場は2022年に向けて緩やかに需要が増加すると予測しています。

I.概 要

日本経済は、2016年度には穏やかな回復基調が続き、年度前半には為替レートが円高方向に動いたことや中国を始めとする新興国などの景気減速の動きがありましたが、年度後半からこれらの動きが薄れて、携帯電話や衣料品を中心とした個人消費が伸び、企業の慎重姿勢から続いていた設備投資や輸出も回復しつつあって、実質GDP成長率は年率1.3%と2年連続のプラス成長となりました。2016年度の通信機器市場は、需要額で大きな割合を占める携帯電話が買い控えなどの影響により需要減少したこと、また新興国などの景気減速の動きから企業の慎重姿勢によってビジネス関連装置やネットワーク設備などの設備投資も減少したことなどから、2016年度の通信機器需要総額は3兆5,365億円(前年度比4.2%減)となりました。機種別では、固定通信装置、LANスイッチ、コードレスホンなど4品目が増加しました。

2017年度の日本経済は、緩やかな回復基調が続いている中で、実質GDP成長率が年率1.6%(11月時点の民間研究機関9社の平均)とプラス成長となっています。この環境下で、個人消費の伸びや、海外経済の回復によってビジネス関連装置やネットワーク関連の増加も期待されることから、2017年度の通信機器需要総額は3兆6,513億円(前年度比3.2%増)になると見込んでいます。機種別では、モバイル通信端末(公衆回線付)、ビジネスファクシミリ複合機、固定通信装置、パーソナルファクシミリ複合機、光アクセス機器、基地局通信装置など7品目が増加すると予測しています。

2018年度以降は、新たな需要も見込まれ、2022年度の通信機器需要総額は、3兆6,435億円(2021年度比1.1%増、2016年度比3.0%増)と予測しました。機種別では、基地局通信装置、モバイル通信端末(公衆回線付)、固定通信装置、デジタル伝送装置、光アクセス機器など6品目が2016年度と比較して増加すると予測しています。

II.2016年度の実績(本誌:第2章)

2016年度の通信機器国内総額は3兆5,365億円(前年度比4.2%減)、国内金額は3兆1,253億円(同比4.1%減)、輸出金額は4,112億円(同4.4%減)となりました。

  1. コンシューマ関連機器の国内総額:1兆8,936億円(前年度比5.1%減)(公衆用PHS含め)携帯電話(スマートフォンを含む)の世界市場は、世界的な出荷台数の頭打ちにより、2016年実績では37兆4,695億円(前年比15.4%減)、ドルベースでは3,443億8,900万米ドル(同6.6%減)となりました。
    国内市場でも同様に、買い替えサイクルの長期化等により、モバイル通信端末(スマートフォン、フィーチャーフォン、モバイルWi-Fiルーター、M2Mモジュールの合計)の2016年度の国内金額は1兆7,966億円(前年度比4.3%減)、輸出金額は400億円(同26.7%減)と減少しました。
    また、日系メーカーのグローバル生産・出荷の活動実態を把握するために2016年実績フロー調査(図表②)を行なった結果、日系メーカーの海外生産は1兆2,316億円となって生産全体1兆3,817億円の89%を占めており、このうち、海外生産・海外出荷(Out-Out)が8,158億円あり、2016年は欧米など先進国における出荷台数が頭打ちになったものの、高価格帯にフォーカスしたOut-Outは高水準を維持しました。

    図表② 携帯電話のグローバルフロー図表③ デジタル伝送装置のグローバルフロー
    (Source: IHS Markit)(Source: IHS Markit)

    コードレスホン・パーソナルファクシミリ・パーソナルファクシミリ複合機の分野は、加入電話契約数の継続的な減少、スマートフォンやタブレット端末等モバイル端末の普及により、2016年度の国内金額は301億円(同7.7%減)、輸出金額は258億円(同8.2%減)となりました。

  2. ビジネス関連機器の国内総額:5,276億円(前年度比2.5%減)ボタン電話装置・PBX・事業所用コードレスホンの分野は、固定電話サービスの需要の縮小、音声トラフィックの減少に伴う機器リプレイスの長期化等により、2016年度の国内金額は783億円(同4.7%減)、輸出金額は316億円(同3.4%減)となりました。
    ビジネスファクシミリ・ビジネスファクシミリ複合機の分野は、単機能機から複合機への移行が進み、2016年度の国内金額は2,066億円(同2.6%減)、輸出金額は2,111億円(同1.5%減)となりました。
  3. インフラ関連機器の国内総額:6,549億円(前年度比3.5%減)デジタル伝送装置の世界市場は、2016年実績では1兆4,739億円(前年比1.7%減)となりましたが、円対ドルの為替レートが約9.4%上がったため、ドルベースでは135億4,700万米ドル(同8.5%増)の増加で、トラフィックの増加に対応するために需要が拡大しています。
    国内市場では通信キャリアによる固定回線向けの設備投資およびモバイルバックホール向けの設備投資が完了したため、国内金額は585億円(前年度比10.2%減)と減少し、輸出は激しい価格競争や海外の経済環境の低迷などにより、輸出金額は199億円(同30.7%減)と減少しました。
    また、日系メーカーの2016年実績フロー調査(図表③)を行なった結果、ここ数年は増加傾向であった海外生産・海外出荷(Out-Out)が319億円となり、減少に転じました。
    局用交換機、固定通信装置、基地局通信装置は、通信事業者の設備投資で一巡感などがあり、2016年度の国内金額は5,379億円(同2.6%減)、輸出金額は386億円(同16.6%増)となりました。
  4. インターネット関連機器の国内総額:2,909億円(前年度比1.7%減)キャリア向けルーターの世界市場は、2016年実績では1兆3,337億円(前年比7.8%減)となりましたが、ドルベースでは122億5,800万米ドル(同1.8%増)の増加で、背景には新興国におけるインフラの整備拡大、先進国を中心にしたインターネットトラフィックの増加に伴う需要があります。また、企業向けルーターの2016年の世界市場は4,061億円(同9.8%減)となりました。ドルベースでは37億3,200万米ドル(同0.5%減) とほぼ横ばいであり、新興国を中心に需要が拡大しているものの、ルーター単価が下落しているという両面があります。
    一方で、国内市場(キャリア向け+企業向け)では、国内金額は1,065億円(前年度比5.0%減)となりました。通信キャリア向けでは、通信キャリアのFTTHサービスの地方展開やスマートフォン急増に伴うモバイルデータトラフィックの拡大に向けた設備投資が一段落したため減少しました。企業・官公庁向けでは、業務系端末のスマートフォン等のモバイル通信端末への置き換えや新規導入の拡大等でトラフィックの増加に対応したネットワーク強化が図られ、出荷台数は前年度比で同水準を維持しましたが、ポート単価の下落により金額が前年度を下回りました。
    LANスイッチ、光アクセス機器は、モバイルデータトラフィックの拡大に合わせた設備投資や、光ファイバーへの設備投資で一巡感があり、2016年度の国内金額は1,840億円(同0.4%増)、輸出金額は4億円(同20.0%減)となりました。
    ※ 上記以外のその他機種/部品の2016年度の国内総額は1,695億円(同4.6%減)となりました。

III.予測の概要(本誌:第3章)

〔1〕2017年度の見通し

2017年度の通信機器国内総額は3兆6,513億円(前年度比3.2%増)、国内金額は3兆1,654億円(同比1.3%増)、輸出金額は4,859億円(同比18.2%増)と予測しました。

  1. コンシューマ関連機器の国内総額:1兆9,630億円(2016年度比3.7%増)モバイル通信端末(公衆回線付)では、タスクフォースによる過剰な端末値引きの抑制などから買い控えがあった2016年度の反動で増加が見込まれます。2017年度の国内金額は同比で4.0%増、輸出は同比14.9%減と予測しました。また、コードレスホン、パーソナルファクシミリおよびパーソナルファクシミリ複合機では、高齢者層の一定規模の需要は維持され、価格も高付加価値化の取り組みで一部に下げ止まり傾向が見られるが、使用頻度の低下や性能の向上に伴い買い替え期間が長期化するため、台数や金額としては緩やかな下落傾向が続きます。2017年度の国内金額は3.7%減、輸出金額は20.0%増と予測しました。
  2. ビジネス関連機器の国内総額:5,601億円(2016年度比6.2%増)ボタン電話装置・PBX・事業所用コードレスホンではリプレイスが中心であるため、2017年度の国内金額は同比10.3%減、輸出は同比1.4%減と予測しました。また、ビジネスファクシミリ・ビジネスファクシミリ複合機では、単機能機から複合機への移行が進み、輸出は複合機が大部分となるため、2017年度の国内金額は同比4.8%減、輸出金額は同比24.2%増と予測しました。
  3. インフラ関連機器の国内総額:6,676億円(2016年度比1.9%増)局用交換機、デジタル伝送装置、固定通信装置、基地局通信装置では、海外経済の回復によって、基地局通信装置や固定通信装置が増加すると見込まれるため、2017年度の国内金額は、同比1.8%減、輸出金額は同比40.4%増と予測しました。
  4. インターネット関連機器の国内総額:2,926億円(2016年度比0.6%増)ルーター、LANスイッチ、光アクセス機器の国内市場は、金額割合の高い通信キャリアの投資計画によって需要が大きく左右されるため、2017年度の国内金額は同比0.6%増、輸出金額は同比15.3%増と予測しました。
    ※ 上記以外のその他機種/部品の2017年度の国内総額は1,680億円(同0.9%減)となりました。

〔2〕中期展望

2022年度の通信機器国内総額は3兆6,435億円(2016年度比3.0%増)、国内金額は3兆2,120億円(同比2.8%増)、輸出金額は4,315億円(同比4.9%増)と予測しました。

  1. コンシューマ関連機器の国内総額: 1兆9,170億円(2016年度比1.2%増)携帯電話(スマートフォンを含む)の世界市場は、今後も新興国を中心にスマートフォンの普及が進み、低価格帯のスマートフォン需要を中心に成長して市場全体の売上は拡大すると予想、通信方式別スマートフォンの販売台数(図表④)でも、2020年くらいから5Gに対応した端末が立ち上がることから、2021年の売上は3,947億米ドル(CAGR 2.8%)になると予測しました。
    国内市場の2017年度以降では、携帯電話は買替サイクルの長期化が進み、MVNOもMNOのMVNOへの流出抑制施策によって伸びが鈍化します。ただしMVNOを中心にSIMフリースマートフォンの増加は見込まれて全体として横ばい傾向が続きますが、2020年度以降には5Gに向けた新端末の購入促進により増加傾向となると予測しました。モバイル通信端末(スマートフォン、フィーチャーフォン、モバイルWi-Fiルーター、M2Mモジュール)の2022年度の国内金額は1兆8,558億円(2016年度比3.3%増、図表⑤)、輸出金額は152億円(2016年度比62.0%減)と予測しました。
    また、コードレスホン、パーソナルファクシミリ、パーソナルファクシミリ複合機では、振り込め詐欺や迷惑電話の対策機能を強化することによって単価を維持する狙いも見られますが、総需要は減少していくことから、2022年度の国内金額は211億円(2016年度比30.0%減)、輸出金額は249億円(2016年度比3.3%減)と予測しました。

    図表④ 携帯電話の世界の通信方式別販売台数図表⑤ モバイル通信端末の国内金額
    (Source: IHS Markit)
  2. ビジネス関連機器の国内総額: 5,055億円(2016年度比4.2%減)ボタン電話装置・PBX・事業所用コードレスホンでは、リプレイス期間の長期化が進む中で、介護老人保健施設向けや外国人宿泊施設向けの各種ニーズに対応した新規需要というプラス面があるものの、クラウド型音声サービスへの置き換えや機器のソフト化によるマイナス面もあり、2022年度の国内金額は617億円(2016年度比10.1%減)、輸出金額は303億円(2016年度比4.0%減)と予測しました。また、ビジネスファクシミリ・ビジネスファクシミリ複合機では、単機能機は利用頻度の減少でさらに需要縮小しますが、ドキュメント機器を小型集約化した高機能カラー複合機への買い替え需要が増加しており、特に輸出では、激しい価格競争に対して同等の機能を実現した低価格製品を提供できることから、2022年度の国内金額は1,721億円(2016年度比16.7%減、図表⑥)、輸出金額は2,415億円(2016年度比14.4%増、図表⑦)と予測しました。
    図表⑥ ビジネスファクシミリの国内金額図表⑦ ビジネスファクシミリの輸出金額
  3. インフラ関連機器の国内総額: 7,586億円(2016年度比15.8%増)デジタル伝送装置の世界市場は、トラフィック増加への対応、データセンターや5Gに関連した設備投資から、2021年の売上は162億8,600万米ドル(CAGR 3.8%、図表⑧)と予測しました。
    国内市場でも同様のネットワークの増強に加え、4K/8Kコンテンツによるサービスなどが伝送設備投資を押し上げると想定され、国内金額は669億円(前年度比14.4%増、図表⑨)に増加、輸出は激しい価格競争などにより、輸出金額は178億円(同10.5%減)に減少すると予測しました。
    局用交換機、固定通信装置、基地局通信装置では、局用交換機は保守金額規模で推移、固定通信装置は防災対策投資やバックホール需要、衛星打ち上げ需要で増加、基地局通信装置は5G対応の設備投資が始まることから、2022年度の国内金額は6,231億円(同15.8%増)、輸出金額は508億円(同31.6%増)と予測しました。

    図表⑧ デジタル伝送装置の世界市場売上図表⑨ デジタル伝送装置の国内金額

    (Source: IHS Markit)
  4. インターネット関連機器の国内総額: 2,890億円(2016年度比0.7%減)キャリア向けルーターの世界市場は、新興国におけるインフラ整備拡大により2021年の売上は131億9,300万米ドル(CAGR 1.5%)と予測、企業向けルーターの世界市場は、台数の伸びはあるが価格低下でほぼ横ばいとなり、IoT関連プラットフォーム構築などで需要増を見込んで2021年の売上は40億円3,300万米ドル(CAGR 1.6%)と予測しました。
    国内市場では、通信キャリア設備やデータセンター設備への投資、省電力機器への買替に伴う台数増があるが価格低下も進み、また汎用サーバーを活用して仮想化技術でルーター機能を実現する動きもあって、2022年度の国内金額は1,033億円(同3.0%減、図表⑩⑪)と予測しました。
    LANスイッチ、光アクセス機器は、価格下落による横ばいにより、2022年度の国内金額は1,846億円(同0.3%増)、輸出金額は10億円(同134.7%増)と予測しました。

    図表⑩  ルーターの国内金額図表⑪  ルーターの国内台数

    ※ 上記以外のその他の機種/部品の2022年度の国内総額は1,734億円(同2.3%増)となりました。

IV.情報通信産業関連市場の動向(本誌:第4章)

国内の情報通信産業において、ICT ソリューション事業(「システム保守」や「サーバー管理・運用サービス」)など付加価値サービス市場の成長は増加傾向にあります。このような状況下で、情報通信産業における成長分野が通信機器分野からサービス分野へシフトしている状況を解説しています。①今後の情報通信機器市場を取り巻く「クラウド、IoT/ビッグデータ/AI、セキュリティ、SDN/NFV、など」の動向、②政府の成長戦略におけるICT活用の注目動向、③ICTの活用で成長が見込まれる消費者サービス「4K/8Kコンテンツ、SNSなど」の動向。

【補足】 予測対象機種
【予測手法】
  • 国内市場の予測は、CIAJの自主統計実績をベースにし、同統計で捉えられない部分は、(株)情報通信総合研究所の協力を頂いて推定しています。
  • グローバルICT市場予測およびグローバルフローの需要動向では、調査会社IHS Markitのデータと動向解説を引用し、㈱情報通信総合研究所に協力を頂き、動向分析を行っています。
【購入申し込み】
販売価格: 会員外: 19,000円+消費税   [CIAJ会員:6,000円+消費税]
http://www.ciaj.or.jp/news/topics/topics_past_issue/topics2017/2863.html

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