> > > > プレスリリース 2016 > 2015年度通期(4~3月)通信機械生産・輸出入概況 ~景気低迷による需要減少と、生産のさらなる海外シフトにより、国内生産減少が継続~

お知らせ

2015年度通期(4~3月)通信機械生産・輸出入概況 ~景気低迷による需要減少と、生産のさらなる海外シフトにより、国内生産減少が継続~

2016年6月29日

一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)の市場調査部では、この度、2015年度通期(4-3月) の通信機器生産・輸出入の概況をまとめました。
2015年度の日本経済では、個人消費や企業収益の下方修正から国内景気の低迷が見られる中で、中国など新興国の景気減速によって不安リスクも高まり、企 業の慎重な姿勢から設備投資が低調となりました。この背景によって通信機器市場では需要が減少し、さらに海外生産が進んだことで通信機器の国内生産は大幅 に減少して11年連続の減少となりました。機種別では、端末機器では生産の海外移転、ネットワーク関連機器では国内需要の一巡が主な要因となり減少しまし た。
輸出は、携帯電話(主にスマートフォン)の生産部品が好調により3年連続して増加となりました。輸入は、携帯電話が2014年度に1桁の増加と鈍化したものの規模は維持され、さらにデータ通信機器の増加も継続しているために、全体として6年連続の増加となりました。

I.国内生産動向 (経済産業省「生産動態統計調査」からCIAJにて纏め)

(1)2015年度の実績

国内生産金額は、7,409億円(前年度比18.9%減)と4年連続して2桁の減少となりました。有線部品とファクシミリを除く機種がすべて前年度比でマイナスとなりました。

(2)機種別動向

機種別の実績は以下の通りです。

①有線端末機器
628億円(前年度比9.6%減)。うち電話機35億円(同9.0%減)、電話応用装置575億円(同10.0%減)。ボタン電話装置243億円(同9.4%減)、インターホン331億円(同10.4%減)、ファクシミリ18億円(同2.5%増)となりました。

②移動体端末機器
2,423億円(前年度比16.6%減)。うち携帯電話は1,871億円(同1.8%減)、公衆用PHS端末は27億円(同57.7%減)となりました。スマートフォンの普及により大手キャリアの販売台数は4610万台(*1)と昨年度より約1.8%アップしている反面で、スマートフォンなどの生産が海外にシフトしたことから、携帯電話国内生産額は2012年度から3年連続して前年度比27~38%減が続いていましたが、2015年度は1.8%減に留まりました。
(*1):NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの公表値(2016年5月):新規+機種変更の契約台数

③有線ネットワーク関連機器
1,778億円(前年度比26.2%減)。うち交換機491億円(同39.6%減)、搬送装置1,278億円(同19.4%減)となりました。交換機は、 局用交換機が PSTN(Public Switched Telephone Network)からIP網にマイグレーションすることから58.6%減となり全体で大幅な減少となりました。搬送装置は、有線系の携帯基地局バックホー ル需要が一巡したことと、海外生産シフトが進んだことから、デジタル伝送装置が22.1%減となり、全体で大幅な減少となりました。

④無線ネットワーク関連機器
1,949億円(前年度比17.9%減)。うち固定通信装置580億円(同23.6%減)、基地局通信装置1,368億円(同15.2%減)。2014年 度はLTE/4G対応の携帯インフラ装置の急増により、基地局は国内生産(33.5%増)と輸出(249.7%増)と大幅増加していましたが、その反動で 2015年度の基地局の国内生産は5年振りに減少に転じました。

⑤ネットワーク接続機器
361億円(前年度比28.4%減)。有線ネットワーク関連機器と同様に国内需要が一巡し、国内生産は同比で大幅に減少しました。

⑥有線部品(有線機器用リレー、中継器用など)
270億円(前年度比10.6%増)。スマートフォンやデータ通信装置の海外生産が好調で、また有線部品は海外生産していないため、国内生産は6年連続して前年度を上回りました。

図表1:2014年度の生産総額(機種別)
図表はクリックすると拡大表示されます
クリックして拡大
出所:経済産業省「生産動態統計調査」
(注)
1.「*」は秘匿(生産動態統計で秘匿。好評数値なし。)
2.2014年1月統計より「変復調装置」と「その他の搬送装置」は統合し「その他搬送装置・付属装置(変復調装置を含む)」となった。
クリックして拡大
クリックして拡大

(3)2016年度の日本経済と業界の見通し

2016年度の日本経済は、政府の各種政策の効果もあって緩やかな回復に向かうことが期待されていますが、2015年度から続く中国をはじめとする新興 国経済の減速や円高を受けて企業の設備投資が慎重姿勢となり、さらに通信機器市場では多くの機器がリプレイス中心となるため、モバイル端末機器や通信ネッ トワーク設備は需要減少が続く見通しです。今後は、需要が拡大しているグローバル市場において、日系企業がシェア拡大できる競争力強化の取り組みが重要に なってきています。

II.輸出動向 (財務省「貿易統計」からCIAJにて纏め)

(1)2015年度の実績

輸出総額は5,638億円(前年度比14.7%増)と3年連続して同比で2桁の増加となりました。電話機及び端末機器は、携帯電話が2014年度に引き 続き大幅に減少したため同比で減少となりました。ネットワーク関連機器は、基地局が同比で50.3%減と急激に減少しましたが、データ通信機器が3年連続 で増加しているために同比で増加となりました。また部品は主に中国を中心として伸びていることから同比で大幅な増加となりました。

(2)機種別動向

機種別の実績は以下の通りです。

①電話機及び端末機器54億円(前年度比19.8%減)
内訳は、携帯電話24億円(同33.0%減)、ファクシミリ3億円(同9.5%減)、コードレスホン3億円(同26.2%増)、その他24億円(同6.7%減)

②ネットワーク関連機器1,815億円(同5.8%増)
内訳は、基地局125億円(同50.3%減)、データ通信機器1,637億円(同15.9%増)、その他ネットワーク関連機器53億円(同0.9%増)

③部品(有線系・無線系の合計)3,769億円(同20.3%増)

図表2-1:輸出動向(機種別)
図表はクリックすると拡大表示されます
クリックして拡大
出所:財政相「貿易統計」
(注)*1:「貿易統計」の部品は2007年度以降、有線系・無線系の区分廃止。
クリックして拡大

(3)地域別実績

アジア向けが4,233億円(前年度比22.7%増)、うち中国向けは2,875億円(同31.0%増)。北米向けが800億円(同8.7%増)、うち 米国は789億円(同9.5%増)。欧州392億円(同9.6%増)、うちEU 339億円(同13.7%増)。特に、中国向けの輸出はアジア向けの67.9%を占め、この比率は前年度比で4年連続増加しています。また、中国向け部品 輸出が2,656億円で中国向け輸出全体の92.4%を占め、その部品は、部品の輸出全体3,769億円の70.5%を占めています。

(4)地域別構成比

1位アジア75.1%(前年構成比 +4.9%)
2位北米14.2%(同 -0.8%)
3位欧州6.9%(同 -0.4%)
その他地域3.8%(同 -3.7%)
図表2-2:輸出動向(地域別) 図表はクリックすると拡大表示されます
クリックして拡大
出所:財政相「貿易統計」
クリックして拡大

III.輸入動向 (財務省「貿易統計」からCIAJにて纏め)

(1)2015年度上期の実績値

輸入総額は2兆7, 250億円(前年度比0.8%増)となり、2014年度から鈍化した傾向が継続しています。その要因は、輸入全体の64%を占める携帯電話において 2013年度分の買い替え需要が見られましたが、買い替えサイクルの長期化もあって、前年度比2.3%増に留まったことです。また、データ通信機器の輸入 額も同比で増加しています。

(2)機種別実績値

機種別の実績は以下の通りです。

①電話機及び端末機器1兆7,645億円(前年度比2.1%増)
内訳は、携帯電話1兆7,455億円(同2.3%増)、ファクシミリ43億円(同23.2%減)、コードレスホン60億円(同21.1%減)、その他87億円(同6.9%増)。

②ネットワーク関連機器6,477億円(同0.1%増)
内訳は、基地局149億円(同77.7%減)、データ通信機器6,089億円(同9.6%増)、その他ネットワーク関連機器239億円(同3.6%減)。

③部品(有線機器と無線機器用部品の合計)3,128億円(同4.4%減)

図表3-1:輸入動向(機種別)
図表はクリックすると拡大表示されます
クリックして拡大
出所:財政相「貿易統計」
(注)*1:「貿易統計」の部品は2007年度以降、有線系・無線系の区分廃止。
クリックして拡大

(3)地域別実績

アジアからが2兆5,592億円(同0.7%増)、うち中国は2兆2,247億円(同5.1%増)。北米からは830億円(同2.6%増)、うち米国790億円(同2.0%増)。欧州からは387億円(同7.0%減)、うちEU 379億円(同7.4%減)。

(4)地域別構成比

1位アジア93.9%(前年構成比 -0.2%)
2位北米3.0%(同 ± 0%)
3位欧州1.4%(同 -0.1%)
その他地域1.6%(同 +0.1%)
図表3-2:輸入動向(地域別)
図表はクリックすると拡大表示されます
クリックして拡大
出所:財政相「貿易統計」
クリックして拡大

IV.受注・出荷動向 (CIAJ自主統計「受注・出荷統計」より)

2015年度CIAJ自主統計受注・出荷総額は、2兆498億円となり、前年度比9.2%減となった。電話応用装置、スマートフォン、PBX、衛 星系通信装置、その他ネットワーク関連機器(ルータ・LANスイッチ)が前年を上回ったものの、ファクシミリ全体、スマートフォン以外の移動体端末機器、 局用交換機、伝送装置全体、地上系通信装置、基地局通信装置、通信機器用部品が前年を下回った。国内出荷は1兆6,196億円の前年度比7.3%減、輸出 が4,302億円の前年度比15.7%減となった。

本リリース内容に関する問い合わせ先

市場調査部
TEL:03-5403-9356 FAX:03-5403-9360

広報に関する問い合わせ先

広報部
TEL:03-5403-9351 FAX:03-5403-9360