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通信機器中期需要予測[2015-2020年度]を発刊~2017年度まで需要が減少、2018年度以降は緩やかに回復へ~

2015年12月16日

一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(以下、CIAJ)は、この度、我が国の通信機器市場(輸出を含む)に関する中期需要予測[2015年度~2020年度]を 取りまとめ発刊致しました。本年はCIAJで実施する通信機器受注・出荷の統計情報や海外メーカーのヒアリング情報により国内通信機器市場を2020年度 まで予測・分析いたしました。また、国内の通信機器需要と密接に関係するグローバル市場の動向や、新たな技術・サービスの解説などをさらに充実いたしまし た。

1.概要

通信機器市場は、震災復興や国内外の需要拡大に伴って穏やかに回復していたが、2014年度は円安効果もあって輸出は拡大したものの、国内市場では海外企業との競争で価格低下したことや、通信キャリアの設備投資が一巡したことにより小幅の減少となった。
2014年度の通信機器需要実績は、3兆3,947億円(2013年度比5.0%減)となった。今回予測した全22品目のうち前年度比でプラスとなったの はボタン電話装置、ビジネスファクシミリ複合機、光アクセス機器など僅か6品目のみであり、一方、デジタル伝送装置、局用交換機、モバイル通信端末(公衆 回線付)、公衆用PHS端末、基地局通信装置など16品目の需要が同比で減少した。

2015年度の日本経済は、内閣府から緩やかな回復基調が続いていると報告されているが、民間の設備投資は企業の慎重姿勢や先行き不透明感から緩慢 なペースで推移し、2015年度の実質GDP成長率見通しは0.8%(民間研究機関9社平均、11月時点)と下方修正されている。
その環境の中で、2015年度の通信機器需要総額は、3兆2,188億円(2014年度比5.2%減)と予測した。全22品目のうちPBX、固定通信装置 など4品目が前年度比でプラスと見込まれる。一方、基地局通信装置、局用交換機、モバイル通信端末(公衆回線付)、デジタル伝送装置、公衆用PHS端末な ど18品目が減少すると予測した。

2016年度から2017年度は、通信機器市場の約3分の2を占めるモバイル通信端末や基地局通信装置の関連市場でLTE(Long Term Evolution規格)対応が一巡し、そのほかの機器でもリプレイスが中心となるために、通信機器市場は2017年度まで減少すると予測する。
2018年度以降は、第5世代移動通信システム(5G)技術を活用した様々な5Gサービス端末の需要、5G/IoT(Internet of Things)やビッグデータ活用によるデータトラフィック増加に対応したデジタル伝送装置の需要、衛星打ち上げ計画に対応した固定通信装置の需要が増加 し、緩やかであるが需要増加に向かうと見込んだ。

以上より、2020年度の通信機器市場総額は、3兆2,673億円(2019年度比1.8%増、2014年度比3.8%減)と予測した。

■2014年度
総額:3兆3,947億円
・国内:2兆8,844億円
・輸出:5,103億円
■2015年度
3兆2,188億円(2014年度比5.2%減)
・国内:2兆7,610億円(同比 4.3%減)
・輸出:4,578億円(同比10.3%減)
■2020年度
総額:3兆2,673億円(2014年度比3.8%増)
・国内:2兆8,098億円(同比 2.6%減)
・輸出:4,575億円(同比10.4%減)

 

2.予測の概要(第1章~第3章)

〔1〕2015年度の見通し
2015年度の通信機器市場総額は3兆2,188億円(2014年度比5.2%減)、国内は2兆7,610億円(同比4.3%減)、輸出は4,578億円(同比10.3%減)と予測する。
以下、各機器分野別に述べる(機器17品目+その他、部品:計22品目)。

①コンシューマ関連機器 1兆6,747億円(2014年度比1.4%減)
コンシューマ関連機器の9割を占めるモバイル通信端末(公衆回線付)は、2015年度の国内ではユーザーの買い替え需要で増加が見込まれる。コードレスホ ン、パーソナルファクシミリ、パーソナルファクシミリ複合機は、使用頻度の低下や性能の向上に伴い買い替えサイクルが長期化するため、減少すると見込まれ る。2015年度コンシューマ関連機器の国内総額は同比で0.6%増と予測した。輸出は同比で26.5%減と予測した。

②ビジネス関連機器 5,779億円(同比0.3%減)
ボタン電話装置、PBX、事業所コードレスホンは、リプレイス需要が中心のため安定している市場といえるが、リプレイス周期に波がある。国内では、ボタン 電話は需要が一巡したので減少、PBXはリプレイス需要の回復が見込まれて微増、事業所用コードレスホンはほぼ横ばいとなる。単体ファクシミリは複合機へ の移行で減少し、ファクシミリ複合機で増加が見込まれる。2015年度ビジネス関連機器の国内総額は同比で0.2%減と予測した。輸出は同比で0.5%減 と予測した。

③インフラ関連機器 5,967億円(同比18.3%減)
基地局通信装置は、国内ではLTE設備導入などが2013年度でピークを越えたため大幅減少し、デジタル伝送装置も同様に減少すると見込んだ。輸出は海外 メーカーとの価格競争により大幅な減少と予測した。固定通信装置は、防災行政無線へのデジタル化更新が進まず、衛星系で官公庁向け衛星打ち上げ計画がある ことから同比で増加すると見込んだ。2015年度インフラ関連機器の国内総額は同比で18.7%減と予測した。輸出は同比で16.1%減と予測した。

④インターネット関連機器・通信機器用部品 3,695億円(同比4.1%減)
ルーターは、通信キャリアの設備更新が一巡し、企業や官公庁向け設備投資も控えられているため、減少すると見込んだ。LANスイッチは、IPトラフィック 増加に対する増設需要があるが、ポート単価の下落から同比で横ばいと見込んだ。光アクセス機器は、4K/8K放送サービス拡大の需要が見込まれるが 2014年度の特需の反動で大幅減少と見込んだ。通信機器用部品は、輸出が海外メーカー製スマートフォンへの供給のため堅調に推移すると見込んだ。 2015年度インターネット関連機器・通信機器用部品の国内総額は同比で4.3%減と予測した。輸出は同比で4.7%増と予測した。

〔2〕中期展望
2020年度の通信機器市場総額は3兆2,673億円(2014年度比3.8%減)、国内金額2兆8,098億円(同2.6%減)、輸出金額4,575億円(同10.4%減)と予測する。以下、概要を述べる。
2016年度から2017年度は、通信機器市場の約3分の2を占めるモバイル端末や基地局通信装置の関連市場ではLTE対応が一巡し、そのほかの機器でもリプレイスが中心となるために、国内の通信機器市場は2017年度まで需要が減少すると予測する。
2018年度以降の国内通信機器市場では、都市化・過疎化、少子高齢化がさらに進んだ新しい社会構造変化に対して、高度情報化社会の実現に向けた社会イン フラの充実や医療・介護体制の再構築のためにはICT利活用が不可欠となる。2020年頃には、5G技術を活用した様々なモバイル通信端末の普及や IoT/M2Mの進展とビッグデータ活用により、多様な利便性向上をもたらす新たな機器や新サービス市場が生まれることが期待されている。
2020年度各機器分野別の予測結果は、下記となった。

①コンシューマ関連機器 1兆6,862億円(2014年度比0.8%減)
モバイル通信端末(公衆回線付)は、2018年頃まではスマートフォン買替サイクルの長期間化等から金額は減少するが、5Gモバイルサービス開始に向けて回復し、2020年度の国内金額は同比で4.9%増と予測した。輸出金額は、同比で70.3%減と予測した。

またコードレスホン、パーソナルファクシミリ、パーソナルファクシミリ複合機は、スマート フォンの普及による利用機会の減少などで需要も小さくなると見込まれる。2020年度コンシューマ関連機器全体では、国内は同比で2.5%増と予測した。 輸出は同比で39.6%減と予測した。

②ビジネス関連機器 5,638億円(同比2.7%減)
ボタン電話装置は、2020年度に向けた宿泊施設や公共施設の新設や、新製品投入により400億円台で推移すると見込まれる。PBXは、リプレイス需要が 中心であるが、下降傾向が強まると見込まれる。事業所用コードレスホンは、リプレイス需要により堅調に推移する。2020年度ビジネス関連機器の国内総額 は同比で5.6%減と予測した。輸出は同比で0.8%増と予測した。

③インフラ関連機器 6,325億円(同比13.4%減)
基地局通信装置は、増強投資が続くがスモールセル向けで単価が低くなり金額は減少し、2019年度から5Gモバイルサービスに向けての需要が増加すると予 測する。デジタル伝送装置は、通信キャリアのバックホール増強、4K/8K高精細映像伝送や高精細監視カメラなどの設備需要が高まる。固定通信装置は、地 上系で5G/IoT関連のバックホール増強や、衛星系で長期的な打ち上げ計画から増加すると見込まれる。2020年度インフラ関連機器の国内総額は 2015年度落ち込みの影響があり同比では15.1%減と予測した。輸出は、防災などの地上系固定通信装置の需要が増加すると予想して同比で3.4%減と 予測した。


④インターネット関連機器・通信機器用部品 3,849億円(同比0.1%減)
ルーターとLANスイッチは、2015年度以降データトラフィック増加に対応する設備増強やデータセンターへの需要拡大、セキュリティ対策や省電力対策の リプレイスなどのプラス要因があるものの、コストダウンやポート単価の下落が進み、需要はほぼ横ばいと見込まれる。通信機器用部品は、単価の下落が少ない ため需要は増加すると予測した。2020年度 インターネット関連機器・通信機器用部品の国内は同年度比で0.2%減と予測した。輸出は同比で5.6%増と予測した。

 

3.グローバル市場の調査:Gartner社データを引用(第4章)

4章では、Gartner社のグローバル予測データ(暦年予測値)を引用し、CIAJで分析を加え市場予測・動向をわかりやすく解説した。

○使用データ:Gartner社調査による2015年3Q時点の売上金額/台数に関する 2014年実績値、2015-2019年の販売予測値、2014-2019年のCAGR
*但し、CIAJ予測と「機種定義・店頭数値」に違いや、暦年予測値の為に予測値に差がある。

○調査対象(以下、8品目)

  • 携帯電話(全般)
  • スマートフォン
  • ファクシミリ、ファクシミリ複合機
  • デジタル伝送装置
  • 固定アクセス機器
  • 基地局通信装置
  • ルーター、LANスイッチ、ファイアーウォール等(企業向け)
  • ルーター、LANスイッチ(通信キャリア向け)

○予測概要と主な機器の動向
グローバルな通信機器市場では、アジアなどの新興国を中心とした需要に大幅な増加が見込まれる。携帯電話はアジア・太平洋(日本は除く)で2019年まで CAGR 4.9%で増加。ネットワークのトラフィック増大によってデジタル伝送装置、固定アクセス機器、ルーター・スイッチ機器は、日本を除く世界市場で需要の増 加が見込まれる。

モバイル通信端末機器は、下図のように通信方式別にみると、3G(W-CDMA、TD- SCDMA、HSDPA、 HSUPA)は2015年以降、横ばいで推移し2018年からは減少すると見込まれる。一方、LTE方式は、新興国でも急激に普及し2019年には14億 1,400万台(2014年比約3.0倍)となり、世界中にLTE端末が普及すると予測している。

通信キャリア向けのルーター・スイッチ(SPRS:Service Provider Routers and Switches)は、通信キャリアによるインフラ投資が活発で、機能強化、増設やリプレイスなどの需要が見込まれる。2019年には201億6,000 万米ドル(2014年比で約1.4倍)の市場規模になると予測している。

今後、IoT/M2Mの進展や新サービスの創出によって新たなICTサービス需要が拡大し、そのサービスを受けるモバイル通信端末としてスマート フォンが普及し、また新興国の経済と所得水準が向上していくことで、世界的にデータトラフィックが急増する。このため通信端末の需要増加や通信インフラの 更なる投資によって需要が拡大していくと予測されている。

4.情報通信産業関連市場の動向(本誌:第5章)

国内の情報通信機器市場の成長が鈍化する傾向にあるが、TOMS(Telecom Operation & Management System)事業やICTソリューション事業など付加価値サービス市場の成長は増加する傾向にある。第5章では情報通信産業の成長が、機器分野からサー ビス分野へシフトしている状況を「①サービス・端末の潮流、②政府の成長戦略、③ICTの活用したサービス動向」の順に解説した。

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