停電時における家庭用固定電話機の通信確保について 

~ご自宅の電話機、停電時に使えますか?~

 一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(以下CIAJ )は、この度「停電時の通信確保について」の報告書をまとめました。
 これは、2011年3月11日の東日本大震災を受け発足した総務省「大規模災害等緊急事態における通信確保の在り方検討会」で、取り組むべき事項として「停電時における家庭用固定電話機の通信確保」が挙げられ、その対応を実施しました。

 CIAJでは、本事項に対応するため、停電対応検討WG(主査:NECインフロンティア㈱ 伊藤精彦)を昨年6月に発足し、停電時における家庭用固定電話機(FAX含む)の利用可否等の周知、及び停電時の通信確保について検討(業界各社へのアンケート、提言、課題等)を進めてまいりました。

 本報告は、ご自宅の電話機が停電時に使用できるか否か、また停電時の通信確保への提言や課題をまとめました。今後は広く普及啓蒙すべく、ホームページへの掲載等に努めてまいります。
 本報告の概要については、下記の通りです。

1.報告の概要

報告名: 「停電時における通信確保について」

 本報告の対象は、現時点で停電時の対策を考慮していないユーザ層で、大規模災害発生時、停電時等において、重要通信(緊急通報および安否確認)の確保を必要とするユーザを対象としました。具体的には以下の通りです。

ユーザ層:

自治体や企業では、停電による業務停滞を防止するために、常日頃から停電対策を実施しているので、一般家庭および小規模事業者(SOHO)を対象として検討しました。

重要通信:

災害時において緊急性が高い緊急通報(110、118、119)の緊急通報、安否確認(伝言サービス“171”)、その他至急かつ必要な通信、などを対象。電源確保時間を30分以上と仮定しました。

【提 言】

1.停電時の対応における情報周知

  • アナログ電話機の単機能電話機、留守録付き電話機の多くは、局給電(アナログ加入者回線からの給電)で発着信のみ動作可能となっています。
  • 感熱FAXとビジネスFAXの多くは、一般電話接続端子への局給電で発着信及び通話は動作可能但し、ホームFAXは通話をメインとしながらも停電時の通話機能、一般電話接続端子がなく、停電時の通話機能確保のためには10W程度の外部電力供給が必要であると考えます。
  • 利用方法については、各アナログ電話機メーカは、局給電で動作可能か等の情報を公開し、ユーザに周知することが重要であると思われます。
  • IP電話回線で接続に必要なVoIPルータやVoIPケーブルモデム等はAC100Vが必須となって おり、局給電で動作可能なアナログ電話機があっても、停電時にほとんどの場合、通話不可になっています。
  • 停電時の通信手段の確保の為には、宅内機器としての電源確保は非常に重要であるとともに、その旨を周知することも必要であると思われます。

2.現時点の停電対策

 現時点の停電対策としては、鉛蓄電池、又はリチウムイオン電池を採用した小型化、低価格化のバックアップ装置(UPS)による宅内機器の電源確保の手段が最も現実的であり、推奨しています。

3.将来の停電対策

 昨年の3.11東日本大震災により、世の中の電源確保に関する考え方が変わってきています。
 スマートホーム実験が開始され、各家庭での発電・蓄電(ソーラー発電や、燃料電池による発電、バッテリー装備による蓄電)等が一般化していく中で、自然と電源供給の課題に対応できるよう考慮し、検討を推進することも必要であると考えます。

【課 題】

 今後ますます増加するIP電話回線については、端末機器だけでなくネットワーク機器側のホームゲートウエイ(ONU、VOIPルータ等)の停電時における通信確保も重要であると考えます。
 そこで、端末機器とネットワーク機器側のホームゲートウエイとの分担を明確にするとともに、それぞれで対策が必要であると考えます。その上で宅内機器として以下の課題について、関連省庁、公的機関、関連する業界団体等で検討する必要があると考えます。

1.災害時に電源確保を必要とする機器の検討

 現時点での重要通信を確保するための通信機器についての通信確保の方策を述べたが、通信機器だけでなく、その他災害時に電源確保が必要な機器もあるので、その洗い出しと給電方法を検討する必要があると考えます。
 従って、災害時に電源確保を必要とする機器の洗い出しと、それらの機器に電源を供給する蓄電方法(ソーラー発電や、燃料電池による発電、バッテリー装備(UPSを含む))と給電系統について、関連省庁、公的機関、関連する業界団体等で検討を推進し、戸建住宅への停電対策についての指針を示し、メーカ等へ開発を促進させる必要があると考えます。

2.一般家庭での停電対策の啓発

 携帯電話の普及により、災害時は携帯電話を利用して緊急通報や安否連絡を行なえば良いとの意識が一般化されつつある。しかしながら、携帯電話だけでなく固定電話も通信を確保する必要がある。どちらかの通信設備が壊たり、輻輳などで、通信が出来なくなる場合のリスクを踏まえ、災害に備えて、被災した時の状況に応じた通信手段確保の方法や宅内機器の停電対策などの重要性を広く広報して、認識を啓蒙する施策を検討する必要があると考えます。

3.局給電で動作可能なアナログ電話機の供給継続

 アナログ加入者回線における局給電で動作するアナログ電話機は、停電時の通信手段として非常に有効であり、供給を継続することを検討する必要がある。更に、光回線の普及と合わせて局給電可能なメタリック回線の適切な維持により、震災時や停電時の通信疎通冗長性を上げて通信を確保する検討も必要があると考えます。

2.報告の背景等

 総務省では、大規模災害発生時や停電時等においても緊急通報等の重要通信を確保する観点から、以下のような取り組みが必要であると認識し、適切な施策の実施に向けて検討を依頼されました。

①停電時における固定電話機(FAX含む)利用可否等の周知について、各社が製造・販売する固定電話端末等の停電時利用可否の詳細情報、UPSの利用など停電時の対応方法などについて、ホームページやメディアを通じた利用者への周知

②「大規模災害時の通信確保に関する検討会」のスケジュールと連動させた、「停電時における通信確保について」報告書の作成

 上記①項については、電気通信事業者協会(TCA)と連携して、それぞれ会員各社の停電時の利用について取りまとめ、ホームページにおいて周知を行いました。(以下URL参照)

●CIAJ:

「停電時における家庭用固定電話機・FAXのご利用について」
http://www.ciaj.or.jp/jp/20010629/

●TCA:

「停電時のおける固定電話サービスの利用」
http://www.tca.or.jp/topics/pdf/20110315teiden.pdf

 また、上記②項についても、TCAと連携し、「停電時における通信確保について」の報告書作成を目的に、停電対応検討WGを発足し、関連各社へのアンケート調査/ヒアリングを行いながら検討を行いました。

3.今後の予定

 今回の報告について、幅広く一般家庭等に普及促進する為に、ホームページへの掲載等を実施いたします。

報告書本文はこちら [PDF:852KB]

本リリース内容に関する問い合わせ先
一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
マルチメディアソリューション部 樋口忠宏
TEL:03-5403-9354 FAX:03-5403-9360
higuchi[at]ciaj.or.jp
広報に関する問い合わせ先
広報部 川合浩之
TEL:03-5403-9351 FAX:03-5403-9360
kawai[at]ciaj.or.jp