IP電話端末の具備すべき機能の業界ガイドラインを制定~IP電話の安全・安心、信頼性向上に向けて~

 一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会( 以下CIAJ )は、この度 「0AB~J IP電話端末(SIP)が具備すべき機能等に関するガイドライン」を制定いたしました。
 これは、平成23年4月1日に施行されます総務省の電気通信事業法に基づく端末設備等規則及び端末機器の技術基準適合認定等に関する規則の一部を改正する省令に対応したものです。
 CIAJでは、この省令に対応するため、新IP端末課題検討WG(主査:沖電気工業㈱ 高呂賢治)を昨年6月に発足し、従来のアナログ電話サービスと同様の電話番号(0AB~J番号)を用いた音声通信機能を有するIP電話端末に求められる機能について検討を進めてまいりました。
 本ガイドラインは、一般ユーザがIP電話をより安全・安心にお使いいただく為、またIP電話の信頼性向上に向けて制定いたしました。今後は広く普及啓蒙すべく、説明会の開催等に努めてまいります。
 ガイドラインの概要については、下記の通りです。

1.ガイドラインの概要

ガイドライン名:
◆「0AB~J IP電話端末(SIP)が具備すべき機能等に関するガイドライン」

 本ガイドラインは、「端末設備等規則の一部を改正する省令」及び「端末機器の技術基準適合認定等に関する規則の一部改正」において、IP電話端末が具備すべき機能等に関し、社団法人 情報通信技術委員会(TTC)などの標準化機関のIP電話端末規格も参考にして、CIAJとして以下の諸点を推奨するものです。

(1)

端末設備等規則に規定される各条項における「E認定」IP電話端末への要求事項に対し、IP電話端末が具備すべき機能の具体的な条件と、標準的に使用されている「SIP」を呼制御プロトコルとして用いた場合の標準的な動作例を示し、それら機能の実装を推奨しています。

(2)

端末設備等規則に従来から規定されている「発信」「応答」「切断」等の基本的機能に加え、IP電話独自の、呼制御情報と音声信号が分離されて扱われることによる「ふくそう」時の対応方法、「識別情報登録」集中による「サーバふくそう」の発生の回避等のために、IP電話端末に必要と考えられる機能の条件とその動作例を規定し実装を推奨しています。

(3)

端末設備等規則に新たに追加された「緊急通報機能」に関して、IP電話端末に必要な機能の条件と動作例を規定し、実装を推奨しています。

(4)

従来の通信ネットワークにまたがった通信を行う場合において、従来端末を使う使用者に悪影響を与えないよう、IP電話端末に必要な機能を推奨しています。

(5)

端末設備等規則には規定はないものの、IP網においては定常的に発生する脆弱性の回避、バグ対応、保守対応に必要と考えられるソフトウェアのバージョンアップ、遠隔切り分けに関する機能の実装を推奨しています。

2.制定の背景等

(1)

 総務省の情報通信審議会では、「ネットワークのIP化対応した電気通信設備に係る技術 的条件」のうち「IP電話端末等に関する技術的条件及び電気通信事故等に関する事項」の一部答申(平成21年7月28日)を行いました。同答申の「第6章 IP電話端末設備が具備すべき機能等に関する技術的条件」において、IP電話端末設備等について以下9項目を技術的条件とし、事業者、製造業者等の関係者間調整を行いつつ、必要に応じ、技術基準へ反映することが適当である、と言及されました。
・IP電話端末の定義
・基本的機能
・発信の機能
・無効抑止機能
・一斉登録に伴うふくそう回避機能
・アナログ電話端末等と通信する場合の送信電力
・電気的条件等
・特殊なIP電話端末
・緊急通報に係る機能

(2)

 同答申を受け、総務省よりCIAJに「IP電話端末設備が具備すべき機能等に関する技術的条件」の検討の要請がありました。CIAJは、「新IP端末課題検討WG」を発足し(平成22年6月16日)、本検討に着手しました。

(3)

 新IP端末課題検討WGの検討結果は、総務省令第91号「端末設備等規則の一部を改正する省令」及び総務省令第92号「端末機器の技術基準適合認定等に関する規則の一部改正」(平成22年10月25日公布)に反映され、平成23年4月1日に施行されることになっております。

改正の概要:

①IP電話端末に係る新たな技術基準の整備
 現在、IP電話端末は、電話端末ではなくデータ通信端末とされており、電話として必要な機能が制度上担保されていない。このため、ネットワーク保護等の観点から、電話として最低限必要な機能を満たし、IP電話特有の課題にも対応するよう、規定の改正を行うものである。

②IP電話端末等からの緊急通報発信を担保する規定の整備
 一部の電話端末において緊急通報が発信できない不具合が生じたことから、再発を防ぐため、端末設備等規則において、通話の用に供する端末に対し、緊急通報機能を有することを要件化するものである。

③IP電話端末に係る新たな技術基準適合認定の整備
 ①の技術基準改正に合わせ、IP電話端末に係る技術基準適合認定の区分として、新たな区分「E」を設けるものである。

3.今後の予定

 今回制定のガイドラインについて、業界全体に幅広く普及促進する為に、別紙のとおり説明会を実施いたします。

◆本ガイドラインのダウンロードはこちら[PDF:1MB]から

本リリース内容に関する問い合わせ先
一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
マルチメディアソリューション部 樋口
TEL:03-5403-9354 FAX:03-5403-9360
higuchi[at]ciaj.or.jp
広報に関する問い合わせ先
広報部 間野
TEL:03-5403-9351 FAX:03-5403-9360
mano[at]ciaj.or.jp

<参考> 0AB~J IP電話端末(SIP)が具備すべき機能等に関するガイドライン」目次

1.適用範囲
 1.1 適用機種
2.引用した標準・規格
3.技術基準に関するガイドライン規格
 3.1 基本的機能
  3.1.1 背景
  3.1.2 定義
  3.1.3 具備すべき機能
 3.2 発信の機能
  3.2.1 背景
  3.2.2 定義
  3.2.3 具備すべき機能
 3.3 識別情報登録機能
  3.3.1 背景
  3.3.2 定義
  3.3.3 具備すべき機能
  3.3.4 可視表示・可聴音による通知
 3.4 ふくそう通知時等の動作機能
  3.4.1 背景
  3.4.2 定義
  3.4.3 具備すべき機能
  3.4.4 可視表示・可聴音による通知
 3.5 緊急通報機能
  3.5.1 背景
  3.5.2 定義
  3.5.3 具備すべき機能
 3.6 電気的条件等
  3.6.1 背景
  3.6.2 定義
  3.6.3 具備すべき機能
 3.7 送出電力
  3.7.1 背景
  3.7.2 定義
  3.7.3 具備すべき機能

4.その他の機能に関するガイドライン規格
 4.1 ソフトウェア更新機能
  4.1.1 背景
  4.1.2 定義
  4.1.3 具備すべき機能
  4.1.4 ソフトウェアの更新機能事例
 4.2 遠隔切り分けへの対応機能
  4.2.1 背景
  4.2.2 具備すべき機能

附録: 参考資料
A.技術基準に相当する項目の確認事項
 A.1 技術基準に関する基本的な機能
 A.2 発信の機能
 A.3 識別情報登録機能
 A.4. ふくそう通知時等の動作機能
 A.5 緊急通報機能
 A.6 電気的条件
 A.7 送出電力
B.その他の機能の確認事項
 B.1.ソフトウェア更新機能
 B.2 遠隔切り分けへの対応機能