ユーザー・エクスペリエンス・デザインの新たな探求と知見の獲得
2014年度、UXDWGは“ものがたりと感動”を活動テーマとして、芝浦工業大学殿との産学協働探究のスタンスで、そのデザインにおける価値を調査/体験/分析し、具体的なアイデアの提案を目標とした。
また、エンドユーザーが商品やサービスに接触した際に生まれる感情に加え、その前後関係にもフォーカスをして探究していくことにより、ユーザー・エクスペリエンスの幅広い知見の獲得を目指した。
概要
イノベーションを起こしユーザーへ新たな体験価値(UX)を提供することがデザインに求められるとすると、『感動』というキーワードが我々のデザイン活動における重要なピースになると考えられる。そこで、その『感動』の前後関係となる『ものがたり』を一体のものとして分析することで、デザインに活かせる要素が浮かび上がってくるのではないかと考えた。
そこで今年のテーマを、『ものがたりと感動』とし、芝浦工業大学の古屋教授にご指導いただき、デザイン工学部の学生と協働研究を行った。今回は例年よりも上流工程である分析フェーズに力点を置くため、学部生との授業の前に院生とワークを入れた2部構成とした、精度を上げるための取り組みを行った。
1)感動体験の収集と分析
WGメンバーと学生を中心に、100件以上の感動体験エピソードを収集し、それぞれについて内的要因・外的要因を抜き出した。その要因を内的・外的それぞれにグルーピングすることで傾向を見出し、どの外的グループとどの外的グループが影響を与えやすい関係性があるのかを数量化V類による解析を実施し、7つのタイプを導き出した。
2)感動の実体験(展示会視察、講演聴講)
施設のコンセプトを「宇宙を感動する」で開催している『宇宙ミュージアムTeNQ』を視察し、展示会デザインの中での感動を生む要素やその工夫を自らの目で見て・体験して感じ取ることを行った。事後には、各メンバーの気づきをワークショップ形式で出し合いまとめることで、感動の要素分析を行っている。
また、元フジテレビプロデューサーで「クイズドレミファドン!」「なるほど・ザ・ワールド」などのヒット番組を生み出した王東順氏に講演を依頼し、実際のクリエーターから『感動を生む』メソッドを獲得する試みも実施した。
3)感動を創出するアイデアの展開
「ものがたりと感動」というテーマで、感動を生むサービスやプロダクトのアイデア展開とデザインワークを実施した。ワークを行う上では、学生個人個人のアイデアワークや、そのアイデアの精度をより高めるために、分析より導き出した「7つの感動パターン」や体験会から得た要素を活用して進めた。
4)WG 合同成果報告会
成果報告会
両WGの2014年度1年間の活動の総括として、その成果報告会を2015年3月19日に、芝浦工業大学-芝浦キャンパスにて開催した。
それぞれの学生が、分析や調査を通して探求し創案したデザイン・アイディアを、個性豊かにプレゼンテーションし、活発な報告会となった。
ユーザ・エクスペリエンス・デザインワーキンググループの活動
活動年度 |
活動内容 |
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“意外性のあるエンターテイメント”の体験・分析し・アイデア創出を実施した。 |
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日本人特有の思いやりやホスピタリティで情報やモノ・事をユーザに誠実、且つ自然に伝えるにはどのような仕掛けやデザインが必要か、様々な角度から調査・分析を行いアイデア創出までのワークショップを行いました。 |
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