WCAG 2.0 達成方法集

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PDF13: PDF 文書内のリンクに対して /Alt エントリを使用して代替テキストを提供する

達成方法に関する重要な情報

これらの達成方法(参考)の使用法及び、それらがWCAG 2.0 達成基準(規定)とどのように関係するかに関する重要な情報については、WCAG 達成基準の達成方法を理解するを参照のこと。適用(対象)セクションは、その達成方法の範囲について説明しており、特定の技術に関する達成方法があるからといって、WCAG 2.0 を満たすコンテンツを作成する際に、常にその技術が使用可能であるわけではない。

適用(対象)

Tagged リンクを含む PDF 文書.

これは、次の達成基準に関連する達成方法である:

ユーザエージェント及び支援技術によるサポート

PDF13 に関するユーザエージェントサポートノート (英語)を参照のこと。PDF テクノロジーノートも参照。

解説

この達成方法の目的は、タグのプロパティリストにある /Alt エントリを通じて、代替リンクテキストを提供することである。これは通常必要ないものであるが、特にスクリーンリーダーの利用者用に視覚的リンクテキスト以外の追加情報が必要になる場合がある。スクリーンリーダーは視覚的リンクテキストを読み上げることができるが、PDF 文書内のリンクのスクリーンテキストを意味のある代替テキストに置き換えることで、リンクをよりアクセシブルなものにすることができる。

PDF 文書内のリンクは、そのサブツリー内のリンクタグおよびオブジェクトで表わされ、リンクオブジェクト参照(リンク注釈)と 1 つまたは複数のテキストオブジェクトで構成される。リンクタグ内のテキストオブジェクトまたはオブジェクトは、リンクの名前を提供するために支援技術で使用される。

コンテンツ制作者は、リンクタグに対して /Alt エントリを提供することにより、デフォルトリンクテキストを置き換えることができる。リンクタグに /Alt エントリがある場合、スクリーンリーダーはリンクタグ内の視覚的テキストオブジェクトの値を無視し、リンクテキストに /Alt エントリ値を使用する。

WCAG 2.0 達成基準に適合する、文脈に依存しないリンクテキストを提供する最も容易な方法は、PDF に変換する前の、文書をオーサリングする段階でリンクを作成することである。元のオーサリングツールを使用してリンクを作成することができない場合もある。Adobe Acrobat Pro を使用して PDF 文書を編集する場合、アクセシブルなリンクを作成する最善の方法は、「リンクの作成」コマンドを使用することである。

コンテンツ制作者は、リンクの前後にあるスクリーンテキストの文脈において代替テキストが意味をなしていることを確認する必要がある。

事例

事例 1: Adobe Acrobat 9 Pro を使用して代替リンクテキストを追加する

この事例は Adobe Acrobat Pro の場合を示している。同様の機能を実行するソフトウェアツールは他にも存在する。 他のソフトウェアツールのリストについては、「アクセシビリティがサポートされている PDF オーサリングツール」を参照のこと。

以下の画像は、Oracle Open Office から PDF に変換される文書を示している。視覚的リンクテキストは、リンク先の URL であることに注意すること。スクリーンリーダーはリンクテキストとして URI 全体を読み上げる。

スクリーンショット:リンクテキストとしてリンク URI が含まれている文書

支援技術向けに、よりアクセシブルなリンクテキストを作成するには、以下の操作を行う。

  1. [表示]メニューから、ナビゲーションパネル > タグを選択して[タグ]パネルを開く

  2. タグツリー内でLinkタグを見つけ、そのリンクのコンテキストメニューにアクセスして、[プロパティ]を選択する。

  3. [TouchUp のプロパティ]ダイアログボックスの[タグ]タブにある「代替テキスト」フィールドに、代替テキストを入力する。スクリーンリーダーは、URI 全体ではなくこのテキストを読み上げる

次の画像は、[タグ]パネル内でのLinkタグの構造を示している

スクリーンショット:タグパネル内のリンクタグ構造

最後の画像は、Linkタグの[TouchUp のプロパティ]ダイアログボックス内で指定されている代替テキストを示している。スクリーンリーダーはリンクテキストとして代替テキストを読み上げる。

スクリーンショット:[TouchUp のプロパティ]ダイアログボックスで指定された新しい代替テキスト 'Boston Globe technology page'

この事例のサンプルとして、代替リンクテキストを追加したサンプル (OpenDocument テキスト ファイル)代替リンクテキストを追加したサンプル (PDF ファイル)がある。

事例 2: /Alt エントリを使用して PDF 文書内に代替リンクテキストを追加する

次のコードフラグメントは、リンクの代替テキストで一般的に使用されるコードを示している。これは通常、オーサリングツールを使用して行う。


32 0 obj
<<
  /S/URI                                       % アクションタイプ(必須)、URI アクションの URI である必要がある
  /URI(http://www.boston.com/business/technology/)  % URI(必須)、解決する URI
>>
endobj

以下は、前述のリンク内の URL に対して代替テキストを指定する方法を示している。

11 0 obj
<<
  /Alt(Boston Globe technology page)    % 代替テキストエントリ
  /K [ 1                                                      
       <<
         /Obj 27 0 R
         /Type /OBJR            % リンクへのオブジェクト参照
       >>
       ]                       
  /P 12 0 R
  /Pg 18 0 R
  /S
  /Link
>>
endobj

参考リソース

この参考リソースは、あくまでも情報提供のみが目的であり、推薦などを意味するものではない。

検証

チェックポイント

  1. ハイパーリンクについて、代替リンクテキストが次のいずれかの方法で適切にコード化されていることを確認する。

    • PDF 文書をスクリーンリーダーで読み上げると、代替テキストが正しく読み上げられる

    • /Alt エントリを表示できるツールを使用して PDF 文書を開き、ハイパーリンクと代替リンクテキストを表示する

    • アクセシビリティ API を通じて文書を表示するツールを使用し、代替リンクテキストがリンクに関するテキストであることを確認する

判定基準

この達成方法が「十分な達成方法」の一つである場合、このチェックポイントや判定基準を満たしていなければ、それはこの達成方法が正しく用いられていないことを意味するが、必ずしも達成基準を満たしていないことにはならない。場合によっては、別の達成方法によってその達成基準が満たされていることもありうる。