これは、事例6の講演資料、表紙から16ページ目までをテキスト化したものです。 (表紙:1ページ) 障害者 在宅就業支援ビジネス 障害者のICTを活用した社会参加推進セミナー 平成20年3月12日 e-ワークスネット株式会社 プライバシーマーク認定番号第A822360(01)号 厚生労働大臣登録在宅就業支援団体登録番号1200002 平成18、19年度身体障害者向け通信・放送役務提供・開発推進助成金対象事業 第8回テレワーク推進賞奨励賞受賞 (2ページ) 1. はじめに  ICTに関連する業務には自宅で就業の可能な分野が多く含まれております。  このICTの利便性は、様々な障害により健常者と同等な生活や就労が困難な人々にとってこそ活かしたい就業手段であると言えます。  しかし、ICTに触れ親しみ学ぶ機会が少ないこと、雇用体制が整っていないことなど から、障害者が就業の機会を得られないままでいるのが現状です。  このような、障害を持つ方々の就業の問題を解決する為に、本事業は、『イメージ 分割・分散インターネットエントリーシステム』を利用し、"障害者が在宅で就業できる機会を創出することを目的"としたものです。 (母子家庭やシニア世代、就業機会の少ない地域への雇用創出にも貢献出来ると考えております。)  同時に"企業の社会的責任(CSR:コーポレートソーシャルレスポンシビリティ)の実践に貢献"できる事業であると考えております。  e-ワークスネット株式会社はこれらの二つの狙いを実現すべく、社会福祉法人あかねとカーネルシステムズ株式会社に加え、有志の 方々の賛同を得て設立いたしました。 (3ページ) 2. 事業の概要 1) 設立のねらい  "障害者に在宅就業の機会を提供し"併せて"業務発注企業のCSRの実践"に寄与する。このことを通して、e‐ワークスネット株式会社 自身も社会貢献を果たす。 2) 在宅データ入力=インターネット+パソコン+入力用ソフトウェア ・スキャン後の原票イメージ(個人情報)の項目ごとの分割により個人情報とはならない ・分割された個人情報の"かけら"をインターネットで配信、在宅障害者が分散入力 ・入力原票(紙)の移動を排除 3) e-ワークスネットが発注企業から在宅障害者へ就業機会を橋渡し e-ワークスネットは厚生労働大臣登録認可在宅就業支援団体であり、設立趣旨から社会福祉法人あかねとカーネルシステムズ株式会社の 合弁が特別認可 発注企業のメリット 社会的責任(CSR)へ貢献 障害者雇用促進法に基づく特例報奨金・調整金の受給 在宅障害者のメリット インターネットの環境があれば場所と時間の制約を受けないで就業可 障害のレベルに応じた仕事の選択ができる (4ページ) 3. 設立の背景 カーネルシステムズ株式会社 インターネットを介し情報漏洩防止と入力効率向上を可能にしたイメージ分割/分散型データ入力ソフトの提供 社会福祉法人あかね 障害者の自立支援・就業支援のノウハウとIT教育(バーチャル工房) 在宅就業支援団体に不可欠な要件を具備 この2団体が障害者の在宅就業支援をめざし、社会福祉法人と民間企業のコラボレーションとして設立されたのが e-ワークスネット株式会社 (5ページ) 4. イメージデータの分割 個人を特定できないイメージデータのグループを作成する 氏名、住所や電話番号をさらに分割して入力データとすることもできる (6ページ) 5. イメージ分割/分散インターネットエントリー 原票(紙)をスキャニングしたものを分割分散専用ソフトを用いて氏名、住所、電話番号に分割し、それぞれを障害者や母子家庭や 健常者に在宅でデータ入力してもらう。そして、入力されたデータは回収されてひとまとまりの個人データとして結合されます。 (7ページ) 6. 入力画面例 保険契約掛け金の領収書から領収書番号、入金金額、入金日だけを切り出し、在宅者に配信された画面です。 (8ページ) 7. e-ワークスネットの在宅就業システム □全ての作業が自宅ででき、時間と場所の制限がない 受注から納品まで全てオンラインで可能。 □作業量は自分で決められる 作業の開始、終了は各人の生活パターンに合わせられる。 マイペースで作業可能なので適時アクセスして入力作業が可能。 □作業報酬が確認できる 報酬は随時、オンラインで確認することが可能。 安心して収入の目標をたてることができる。 □障害者の障害レベルに応じた作業内容 画像分割によりスキルに応じた入力作業が可能。 □高度な個人情報保護対策 画像分割、暗号化通信など強化された個人情報保護対策。 ベリファイ機能による高水準の入力精度を保証。 データの取り扱いと品質には万全の対策。 (9ページ) 8. 障害者の在宅就業を顧みて1) I、作業実績の表 (左から、就業者総計、現在就業中、現在就業中の方で1年以上継続、やめた人) 平均報酬月額:6,942円、8,357円、10,660円、3,028円 平均勤続月数:9.7ヶ月、11.5ヶ月、17.4ヶ月、7.1ヶ月 18ヶ月以上:9名、9名、9名、0名 12ヶ月から17ヶ月:11名、7名、7名、4名 6ヶ月から11ヶ月:23名、16名、該当なし、7名 6ヶ月未満:15名、4名、該当なし、11名 (10ページ) 9. 障害者の在宅就業を顧みて2) 月額平均報酬 全58名 1万円以上 9名 5千円から1万円未満 8名 1千円から5千円未満 25名 1千円未満 16名 報酬最高額の例 月額7万8千円 地方との連携 大牟田市、横浜市、徳島県のNPOなど支援団体、千葉県下7作業所 在宅就業者の支払う入力S/W使用料 報酬の5%(最大2,500円) II、データ入力委託企業(発注元)からの評価 品質:品質不良なし 納期:納期遅延なし 処理能力:経験とともに向上 重度障害者の就業事例 2007年5月1,920円で開始、12月は5,200円、2008年1月は5,700円 21ヶ月継続 (11ページ) 10. 障害者の在宅就業を顧みて3) III、今後の課題 拡大したい障害者のテレワーク 企業の理解と協力(官公庁自治体も)により業務受託量の拡大につながり、就業障害者の増員、就業時間の拡大や報酬の増加につながる。 ちなみに、1人あたり1日の平均就業時間は1.5時間であり、倍増したい。 不規則参加者(週に1から2回で月額数百円の報酬)は在宅就業契約は既得権になるか? (12ページ) 11. 入力作業は地元障害者の手で CSRへの貢献は発注者の地元から 自治体のお仕事も地元の障害者へ 税金の効果的使用に繋がります (13ページ) 12. 入力作業は自社雇用の障害者の手で(障害者雇用率改善) e-ワークスネットの仕組みを利用して就労障害者によるデータ入力(ASP利用による自社入力) (14ページ) 13. 入力作業は自社雇用の障害者の手で(障害者雇用率改善案) 企業が雇用した障害者を障害者支援団体へ出向の上環境の整った場所で作業を行う e-ワークスネットの仕組みを利用して就労障害者によるデータ入力(ASP利用による自社入力) (15ページ) 14. 会社概要 経営理念 ・私たちは障害者の就業機会を創造し、社会参加のためにバリアフリー化に努めます ・私たちは安全で安心いただける高品質のエントリーサービスを提供します ・私たちは時代に即応した技術を駆使し、お客様のご満足を先取りします (16ページ) 15. e-ワークスネット設立母体 ○社会福祉法人あかね  中途視覚障害者の阿部理事長(全盲)他数名の同士と共に96年、障害者が地域社会において自立した生活を営むことができるよう 支援することを目的として福祉情報センターワークアイ・船橋を設立。  視覚障害者のパソコン教室と点字教室の開設をはじめ、01年には「視覚障害者のIT講習会」の委嘱を千葉県から受け、1000名の 実績を挙げた。「障害者の講師が障害者の受講生を指導する」が受講生の克己力を喚起し好評を得る。  02年に千葉県知事から社会福祉法人あかねの認可を受ける。  05年11月バーチャル工房の認定を千葉県から取得、06年4月の在宅就業支援団体の登録を目指した。  総務省直轄の情報通信人材育成研修事業や障害者職業訓練事業をはじめ、ホームページのアクセシビリティ評価、テープ起こし、 名刺印刷なども受託している。 ○カーネルシステムズ株式会社  個人情報保護法、e文書法、情報漏えい防止などに対する社会的な要求を受け、データエントリー、イメージファイリングに関する ソリューションを提供している。  中でも、イメージ分割分散データ入力システムは、インターネットを介しながら、情報漏洩防止の工夫が施され、在宅、海外入力を 可能とした。  情報漏えいを防ぐ仕組み(イメージ分割ソフト)に対し、03年東京都創造的技術開発助成金を受けた。 (特許出願申請中特願2003-305108)  生損保業界などではこの入力方式の安全性が確認され、コスト削減の面でも高い評価を受けアウトソーシング化が拡大している。  イメージ化した文書を判読できないように"変装"させてファイルする"Image Catcher 2005"も時流に乗ったソフトウェアとして 好評である。